カリフラワー|基本の育て方と本格的な栽培のコツ

農業に興味を持っている方や家庭菜園で本格的に野菜作りをしている方、そしてこれから始める初心者の方にもわかりやすいカリフラワーの育て方を紹介!カリフラワー作りに欠かせない土づくりや病害虫、生育障害の原因、カリフラワーの収穫適期の見分け方などを詳しく説明します。


カリフラワー、栽培、育て方、新規就農者

撮影:AGRI PICK編集部
農業に興味を持っている方や家庭菜園で本格的に野菜作りをしている方、そしてこれから始める初心者の方にもわかりやすいカリフラワーの育て方を紹介します。カリフラワー栽培に欠かせない土づくりや病害虫、生理障害の原因について、植え付け時期や花蕾の軟白処理、水やり、追肥、収穫適期の見分け方など詳しく説明します。

カリフラワーについて

撮影:AGRI PICK編集部
カリフラワーは、ブロッコリーの突然変異で花蕾(からい)の部分が白くアルビノ化した野菜といわれています。現在の市場ではブロッコリーが多く出回っていますが、じつはカリフラワーの方が先に明治初期に鑑賞用として日本に伝わっています。その後、食用として1960年代に洋食のメインディッシュのつけ合わせなどに多く使われていました。
植物名  カリフラワー
学名  Brassica oleracea var. botrytis
英名  Cauliflower
科名  アブラナ科
属名  アブラナ属
原産地  地中海沿岸、近東など
土壌pH  pH5.5〜6.5
生育適温  18〜20℃
花蕾発育の適温  15~18℃

特徴

カリフラワーによく似たブロッコリーは、花蕾が主茎だけでなく側枝からも発生するので、側花蕾も収穫することができますが、カリフラワーは側花蕾が形成されません。

カリフラワー 、葉
出典:Flickr(Photo by :Linda N.)
葉のふちには欠刻がなく、葉と主茎をつなぐ葉柄(ようへい)の部分が茎を抱くようについています。葉にはうっすら白い粉がついているように見えるワックス状のブルームがついています。

花蕾

カリフラワー 、花蕾
出典:Pixabay
カリフラワーは、花芽が形成する過程の極初期の「花芽原基」の状態で発育を停止します。この「花芽原基」の数が増え、集合した形がカリフラワーの茎の先端の頂花蕾の部分となります。 カリフラワーの花芽形成には低温が必要ですが、その温度は極早生から晩生によって大きく異なります。

種類

カリフラワー
出典:Pixabay
大きな白い花蕾が定番のカリフラワーですが、オレンジや黄色、紫などカラフルなものやミニサイズのカリフラワーも盛んに栽培され、おしゃれ野菜として人気が出ています。


栽培時期

育てる地域や栽培する品種によって植え付け時期が異なりますので苗を購入するときに確認しましょう。
種まき 植え付け 収穫
カリフラワー
(早生・中早生種)
寒冷地 3月、5〜6月 4月、67 67月、9~11月
中間地 2月、6〜7月 3月、7~8月 56月、9~12月
暖地 2月、7~8月 3月、8~9月 5~6月、10~1月
※主に露地栽培の栽培時期。野菜の栽培は、屋外の畑で作物を栽培する「露地栽培」のほかに「温室」や「ビニールハウス」などの施設で栽培する方法があります。

栽培準備

カリフラワー、栽培
出典:Pixabay
栽培の準備を始めましょう。

▼ビニールハウスなど設備関係のことならこちらをご覧ください。

収量

1a(100平方メートル)で163kgほど収穫することができます。
出典:作物統計調査 平成29年産野菜生産出荷統計
「都道府県別の作付面積、10a当たり収量、収穫量及び出荷量」(農林水産省)
(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500215&tstat=000001013427&cycle=7&year=20170&month=0&tclass1=000001032286&tclass2=000001032933&tclass3=000001121095)(2019年10月2日に利用)

苗の用意

地域の種苗会社やホームセンターから購入することができます。
※育てる品種によって株間が異なるため用意する苗の数も違ってきます。
主な品種 主要産地
 バロック、美星など  茨城、長野など
 輝星、寒月など  徳島、熊本、愛知など

1aあたりの苗の本数

1a(100平方メートル)あたり約300本ほどです。

土づくり

排水性、通気性、保水性の整った団粒構造の土質は、微生物が多く住む作物にとって良い土壌です。作物を作る土壌の状態がよければ、石灰資材など多く投入する必要がない場合もあるので、栽培の前には必ず土壌診断をし、pH、ECなどを測定したうえで、診断結果に基づいた適切な堆肥資材などの散布を心がけましょう。

▼土壌消毒や土づくり、土壌診断のことならこちらをご覧ください。

土壌pH

pH5.5〜6.5が適しています。

適した土壌

湿害には弱いため排水性の悪い土壌では高畝で育てるなどの対策を行いましょう。

連作障害

2~3年以上間をあける輪作が良いといわれています。
▼土壌消毒のことならこちらをご覧ください

肥料

栽培するときに使用される肥料は品種にもよりますが、目安として10平方メートルあたり窒素200〜300g、リン酸150〜250g、カリ200〜300g位を使用します。リン酸は元肥で全量施すと良いでしょう。
元肥
早生・中早生種 肥料全量の2/3
中生・晩生種 肥料全量の1/2

畝立て

移植機や収穫機を使う場合は、使用する機械の仕様に合わせた畝の向きや高さ、幅にする必要があります。
1条栽培時の畝幅は60〜70cm、2条栽培時の畝幅は90〜135cm位です。畝の高さは圃場の排水性に合わせて調整します。

▼耕運機、鍬のことならこちらをご覧ください。

▼マルチ栽培のことならこちらをご覧ください。



育て方

カリフラワー、育て方
出典:Pixabay
畝や苗の準備が整ったら栽培のスタートです。

植え付け

暑過ぎたり気温が低過ぎる環境での植え付けは避け、天候の良い日に行いましょう。風の強い日や悪天候時の植付けは、苗の活着が遅れ、初期生育が悪くなります。
植付けする前は十分灌水(かんすい)を行い、土に水分を与えます。苗にも水分をしっかり吸収させます。
畝にマルチを貼る場合にも、あらかじめ水分が十分にあるか確認しましょう。
※灌水とは水を注ぐこと、植物に水を与えることです。

株間

品種にもよりますが、40~50cmほど間隔をあけて植え付けます。
苗の植付け後、根が活着するまでの約1週間は、土が乾燥状態にならないように管理します。

水やり

基本的に水やりは午前中に行います。暑い時期の水やりは、日中を避けて気温の低い早朝か夕方に行わないと根を傷めてしまいますので注意しましょう。

▼灌水チューブのことならこちらをご覧ください。

土壌の排水に要注意!

多湿の条件下で病気にかかりやすくなるので、大雨が降ったときなどは土壌の排水に注意しましょう。

▼土壌水分計のことならこちらをご覧ください。

追肥・中耕

追肥を与える際に通気性を高めるために除草を兼ねた中耕を行うことで根の発育も進みます。
追肥
早生・中早生種  肥料全量の1/3
追肥の回数は2回に分ける。
1回目:定植して1週間〜10日ごろ。
2回目:定植して2週間〜20日ごろ。
中生・晩生種  肥料全量の1/2
追肥の回数は3〜4回に分ける。
1回目:定植して1週間〜10日ごろ。
2回目:生育中期。
3〜4回目:花蕾発生後。
※中耕とは、作物を育てている期間に土壌の通気性を高め、作物の根の発育を促すために浅めに耕すことです。

花蕾の軟白処理

カリフラワーの純白の花蕾に光が当たり続けると黄ばんだような色あいになります。品種によっても異なりますが、花蕾が7〜8cm位の大きさになったら、上部の葉を折り花蕾を日光の光に当てないようにするとある程度黄ばみを抑えることができます。

収穫

カリフラワー、収穫
出典:Pixabay
カリフラワーとよく似ているブロッコリーは頂花蕾(ちょうからい)だけでなく、わき芽から出てくる側花蕾(そくからい)、葉なども収穫できますが、カリフラワーはブロッコリーのようにわき芽が育って再度収穫ということはなく、花蕾を収穫するときが抜き取りのタイミングになります。

収穫適期

花蕾全体がよくしまり、蕾(つぼみ)が膨らみ過ぎる前に収穫します。高温期は収穫適期が短いので、特に注意しましょう。
花蕾の直径が12~13cmになったころ花蕾に7~8枚の葉をつけ、花茎を15cm程度つけて包丁でカットします。

▼収穫時のおすすめグッズはこちらをご覧ください。

出荷

温度が高い環境で出荷作業を行うと呼吸量も増えるため鮮度がどんどん落ちていきます。また、切り口や葉からの蒸散によって水分がどんどん失われていきます。出荷から輸送に至るまで、0℃ほどの低温環境下でのコールドチェーンで流通させるように心がけましょう。
※コールドチェーンとは、生産地から商品としてお店に並ぶまで一定の温度で保ったまま流通する方法のこと。

病害虫

カリフラワー、病害虫
出典:Pixabay
栽培する上で、かかりやすい病気や気を付けたい害虫について紹介します。

▼ハウス栽培での病害虫対策にはこちらをご覧ください。

▼病害虫対策に欠かせない農薬のまとめ

かかりやすい病気

台風など長雨後に病気になりやすいので注意しましょう。

▼植物全体の病気のことならこちらをご覧ください。

▼台風後の病気を防ぐ対策についてはこちらをご覧ください。

軟腐病

細菌が作物に侵入することで感染し、黒く腐敗して異臭を放ちます。比較的高温多雨の多湿条件下で発生します。

苗立枯病

生育初期の幼苗期に発生しやすく、地ぎわの茎がくびれて枯死する糸状菌(カビ)による病気です。

根こぶ病

アブラナ科植物にのみ発生し、根の表層で感染する土壌病害です。感染が広がると作物の生育を阻害し、萎(しお)れて枯れてしまいます。

べと病

地ぎわの外葉に不整形な淡黄色の病斑が生じ、株全体に広がる糸状菌(カビ)による病気です。多湿環境で発生しやすい傾向があります。

黒腐病

アブラナ科野菜に発生する細菌による病気で、外葉の縁側から褐色になり、やがて枯れてしまいます。

食害する害虫

幼苗期はアブラナ科を好む害虫に注意しましょう。

アオムシ

アブラナ科の植物、特にキャベツを好んで食害します。体は緑色で、細かな毛があるチョウ目シロチョウ科の幼虫です。

コナガ

アブラナ科の植物を好んで食害する、世界各地に分布するチョウ目スガ科の幼虫です。幼虫を刺激すると、体をくねくねさせながら後退りして、糸を吐きぶら下がるという行動をとります。

ナメクジ

新芽や葉を食害します。夜や雨が降った後などの湿った状態で活動が盛んになり、昼間は落ち葉や鉢底などに潜んでいます。通った道筋が光沢するので、ナメクジの食害だとすぐにわかります。

ヨトウムシ

「夜盗虫」の名の通り夜に活動し、日中は葉裏や株元の浅い土中に潜んでいるヨトウガの幼虫です。

アブラムシ類

主に新芽や茎、蕾に発生し、植物の汁を吸う害虫です。アブラムシを媒介にしてモザイク病やすす病などが発症しやすいので、アブラムシ発生後は病気が発症していないか注意が必要です。

▼そのほかの病害虫対策のまとめ

生理障害

カリフラワー、生理障害
出典:Pixabay
生理障害は主に花蕾の異常を引き起こします。

ボトニング

被害状況  花蕾が十分に育たず、小さくなること。
原因  植物体が小さいうちに長期低温にあったり、肥料不足が原因で発生します。
▼低温障害のことならこちらをご覧ください。

花茎空洞症

被害状況  茎の中心部に空洞ができます。
原因  窒素過多や土壌水分過多が原因で、生育旺盛な株に多く発生します。
▼窒素過多など要素障害のことならこちらをご覧ください。

リーフィ

被害状況 「さし葉」や「葉挿し」とも呼ばれ、花蕾の中に小さな葉が出ます。
原因  花蕾の発育中に30℃以上の高温にあうと発生し、窒素過多で助長します。
▼高温障害についてはこちらをご覧ください

▼そのほかの生理障害のまとめ

栽培のまとめ

カリフラワー
出典:Pixabay
比較的冷涼な気候を好むカリフラワーは、秋冬の家庭菜園におすすめしたい野菜です。カリフラワーを上手に育てるコツとして、害虫被害の多い9〜11月は寒冷紗をかけて害虫の食害を防ぎましょう。
純白のイメージが強いカリフラワーでしたが、オレンジや紫、ピンクなどのカラフルな色合いの品種が増えています。また、茎ごと食べられる品種(カリフローレ)も登場し、花蕾を丸ごと出荷していたカリフラワーから、茎をカットして食べ切りサイズにパッケージする新しい感覚の野菜として売り出されています。

▼家庭菜園のカリフラワーの育て方ならこちらをご覧ください。


経営指標

カリフラワー
出典:Pixabay
新規就農者として野菜作りを本格的に始めるならば、農業経営の見通しが不可欠です。職業として生活を成り立たせ、なおかつ豊かなものにするためにしっかりとした農業経営の指標を持ちましょう。

作付面積を調べる

平成26年度の全国の作付面積は1,280ヘクタール。作付面積第1位の茨城県が117ヘクタール、第2位の愛知県が104ヘクタール、第3位の埼玉県と徳島県が98ヘクタール、第5位の長野県が93ヘクタールとなっています。
出典:農畜産業振興機構「ベジ探

出荷量を調べる

平成26年度の全国の出荷量は1万8,600トン。出荷量の第1位の徳島県が2,320トン、2位の茨城県が2,060トン、3位の愛知県が1,730トン、4位の熊本県が1,670トン、5位の埼玉県が1,650トンとなっています。
出典:農畜産業振興機構「ベジ探

需要動向を調べる

カリフラワーは明治以降から栽培されていましたが、国内での需要はさほど伸びませんでした。その後、昭和30年代に生野菜人気で再度注目されたものの、ブロッコリーの人気の陰に隠れてカリフラワーの需要は伸びませんでした。
しかし、近年花蕾が白いお馴染みのカリフラワーのほかに、オレンジや紫色のカリフラワーや蕾が特徴的な(フラクタル形態の)ロマネスコが栽培され始めています。
出典:農畜産業振興機構「ベジ探

卸価格を調べる

カリフラワーは年間を通して生産地をリレー栽培することにより周年市場で流通しています。そのため、季節や品種によっても価格の差が出ますが、卸価格は平成26年調べで1kgあたり176~299円、平均で222円で取引されています。
出典:農畜産業振興機構「ベジ探

10aあたりの経営収支

長野県の経営収支を例に挙げて簡単に説明します。
長野 収量(kg) 粗利(円) 経営費(円) 農業所得(円) 労働時間
 早春〜春まき 2,400 648,000 450,647 197,353 114
出典:長野県庁

経営費

栽培における経営費とは、カリフラワーを生産するために使った経費のことです。具体的に挙げると、肥料、農薬、地代、土地改良費、雇用労働、農業機械(減価償却費)、利子などです。

農業所得

農業所得は粗利から経営費を引いた金額になるので、経営費を上手にやりくりすることで所得もアップするということがいえます。

労働時間

労働所得を労働時間で割ると、カリフラワー栽培の時給計算ができます。長野県の例でいうと、農業所得197,353円÷労働114時間=1,731.2円。およそ時給1,731円として換算します。

経営の状態を大まかに捉える

カリフラワーの経営収支から、どのくらいの規模で栽培すると収益はどのくらいあるのかなど、あらかじめ調べることで用意する苗の本数や、カリフラワーのほかに育てる作物の種類を増やすなど、最初から計画をしっかり立てることが重要です。

▼農業の補助金や収入など就農の基礎知識

新規就農までの流れ

新規就農者への道は、各都道府県にある農業の支援機構などに相談してみることから始めます。相談から農地の準備までの7つのステップを踏みながら、その土地の一員として「自覚」と「信頼」を第一に考えて、地域に溶け込んでいきましょう。
 1. 相談  実際に相談窓口で相談(忙しい方にはメールでの対応もできます)。
 2. 情報収集  研修先や農業普及センター、農協、営農のプロのアドバイスや手助け先の獲得。
 3. 経営像  各都道府県の経営指標を参考にして、自身の農業計画を立てる。
 4. 就農計画  農地の確保、栽培作物の選定、農業技術の取得方法、資金などの具体的なプランを作り。
 5. 農業技術  栽培に適した作物、栽培方法などを身に付ける。
 6. 資金確保  自己資金、公的助成金・融資の確認。
 7. 農地の準備  そのほかの住居や農機具、農業施設などの準備。
参考:全国新規就農相談センター
▼新規就農のことならこちらもご覧ください。

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sana

農業研究センターで6年間、大豆と稲の研究作物の栽培及び実験助手業務に従事。その後、屋上ガーデン・屋上菜園などの管理業務、エディブルフラワー事務局を経て、植物ライターに。植物・園芸サイトやフリーペーパーなどで活動。AGRI PICKでは新規就農者のための野菜の栽培方法や農業経営者の取材を執筆中。

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