農業・ガーデニング・園芸・家庭菜園マガジン[AGRI PICK] > 家庭菜園 > カリフラワーの栽培方法|家庭菜園のプロが失敗しない育て方とコツを伝授!おすすめ品種や真っ白に育てる方法は…?

カリフラワーの栽培方法|家庭菜園のプロが失敗しない育て方とコツを伝授!おすすめ品種や真っ白に育てる方法は…?


家庭菜園のプロが、カリフラワー栽培のコツを詳しく解説!種まきから育苗、収穫まで失敗しないための育て方をステップごとに説明します。また、真っ白なカリフラワーを作るためのコツや、プランターでの栽培方法、紫やオレンジ色、ロマネスコタイプなど人気の品種もたっぷり紹介!

AGRI PICKではアフィリエイト広告を利用しています。当サイトの記事で紹介された商品を購入すると、売上の一部がAGRI PICKに還元されることがあります。

Avatar photo ライター
AGRI PICK 編集部

AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む

  • Facebook
  • Twitter
  • はてなブックマーク
  • Pocket
  • Feedly


カリフラワー

画像提供:福田俊
ホクホクとした食感で、クセがなく食べやすいカリフラワー。温野菜サラダにして食べるのもおいしいですよね!
白い花蕾が美しいカリフラワーですが、日に当て過ぎると黄ばんでしまうことも…。そんな失敗がないように、この記事ではカリフラワーのじょうずな育て方を菜園のプロ・福田俊先生が解説します!

農家さん向けの栽培方法はこちらの記事で!


カリフラワー栽培の監修は、家庭菜園のプロ!福田俊先生

福田先生
画像提供:福田俊
東京農工大学農学部農学科卒。菜園家。ブルーベリー研究家。「どうすればおいしい野菜がたくさん採れるか」「いかにラクで楽しい野菜づくりができるか」を追求し、「フクダ流」自然農的有機栽培を実践。16平米という限られたスペースの市民農園で、年間50品目以上の野菜を有機・無農薬で栽培しています。監修を務めた家庭菜園誌や著書も多数。

関連サイト
HP:http://www.fukuberry.com/
Youtube:https://www.youtube.com/user/f104ryo
Instagram:https://www.instagram.com/fukuberry104
Twitter:https://twitter.com/29da104
facebook:https://www.facebook.com/toshi.fukuda.73

著書
『市民農園1区画で年間50品目の野菜を育てる本』(学研プラス)
『フクダ流家庭菜園術』(誠文堂新光社)
『福田さんのラクラク大収穫!野菜づくり』(学研パブリッシング)

カリフラワー栽培の失敗しないポイント|真っ白に作るには?

カリフラワー
画像提供:福田俊

Point1. 害虫対策を徹底する

害虫がつきやすいカリフラワーは、虫に食害されないように十分気をつけましょう。苗を植えたらたらすぐに防虫トンネルをかけ、成虫の飛来を防ぐことが大事です。また、意外な落とし穴ですが、育苗期間中にモンシロチョウに産卵され、気付かずにそのまま苗を植えてしまうことも。日頃から苗の状態をよくチェックして、害虫対策を行うことが大切です。

Point2. 元気な苗を植える

カリフラワーの花蕾(からい)を大きく育てるためには、何と言っても元気な苗を植えること。害虫に食害されないようしっかりと対策し、程よい肥料で健康な苗を育てましょう。また、ポット苗を植え付ける場合は、苗が老化しないうちに定植することも大事です。
野菜の栽培全般に共通することですが、昔から「苗半作(なえはんさく)」という言葉があるように、苗の出来不出来で収穫量や品質も変わります。

Point3. 軟白処理をする

白いカリフラワーは、花蕾に光が当たり続けると日焼けして黄ばんだような色あいになってしまいます。純白のカリフラワーが収穫できるように、花蕾が見えてきたら軟白処理を行いましょう。
軟白処理は、花蕾のまわりの葉を折りたたむようにして、花蕾の上にかぶせればOK。オレンジや紫色などのカラーカリフラワーは、品種の特性で自然に発色するため軟白処理は必要ありません。
福田先生
福田先生
夏まきは、収穫が11~1月と気温が低い時期になるため、花蕾が寒さで痛みやすくなります。寒さ対策としても、外葉を花蕾の上にかぶせておくと霜よけになりますよ。

カリフラワーの栽培時期(暦)と温度

カリフラワー
画像提供:福田俊

栽培カレンダー

カリフラワーの栽培カレンダー
イラスト:rie
・種まき(育苗):春まき/2月、夏まき/7月
・植え付け:春まき/3月、夏まき/8~9月
・収穫:春まき/5月、夏まき/11~翌1月
※温暖(中間)地基準

栽培適温

15~30℃

カリフラワーおすすめ品種|オレンジ!?紫!?カラフルな品種やロマネスコなど



カリフラワー
画像提供:福田俊
カリフラワーは白いものだけでなく、カラフルな品種もたくさんあります。いろいろな色の品種を育てれば、菜園も華やかになりますよ!ここでは、福田先生おすすめのカリフラワーの品種を紹介します。

シックな紫色のカリフラワー「バイオレットクイン」

バイオレットクイン

花蕾は中ぐらいの大きさで、紫色は加熱すると濃い緑色に変化します。生のままピクルスにすると、赤くてよりきれいな紫に!ぜひ自家製にチャレンジして、色の変化も楽しんでくださいね。

・内容量:0.7ml

菜園が華やかに!「オレンジブーケ」

オレンジブーケ

まるで花束のよう!「オレンジブーケ」はその名の通り、明るいオレンジ色の花蕾が収穫できる人気のカリフラワーです。花蕾の断面は淡い黄色で、加熱調理しても色合いは変わりません。生育も旺盛なので育てやすい品種です。

・内容量:0.6ml

人気のロマネスコタイプ!「ミケランジェロ」

ミケランジェロ

不思議な花蕾の形で注目を集める、カリフラワーの仲間「ロマネスコ」。「ミケランジェロ」は従来のロマネスコと比べ、ある程度の耐暑性があり、高温障害の発生も少ないため、春まきに特におすすめの品種です。

・内容:小袋

ロマネスコについてはこちらの記事でも紹介しています!


真っ白な花蕾が大きく育つ「スノークラウン」

スノークラウン

純白で大玉のカリフラワー。草勢は旺盛で、春作での低温による異常花蕾の発生も少なく、栽培しやすい人気の品種です。みっしりと密にしまった肉厚の花蕾が収穫できます。

・内容量:0.8ml

スティック状に伸びた軸もおいしい!「カリフローレ」

カリフローレ

長い軸に白い花蕾が特徴のカリフラワーです。スティック状に伸びた房を収穫すれば、まるで花束のようなかわいらしさ。味わいは特に軸の部分が甘く、ボイルや炒め物など幅広い料理に合います。軸が15~20cmほどに伸びたら収穫時期です。

・内容量:50粒

カリフローレの詳しい情報はこちらの記事で!


目にも鮮やか!赤紫色の花蕾「遠州あか花やさい」

遠州あか花やさい

食べるのがもったいない!?赤紫色の花蕾が美しい「遠州あか花やさい」。加熱調理をすると、花蕾の色は青紫色に変わります。定植後、100日前後で収穫できる中生種です。

・内容:小袋

明るいグリーンカラーが爽やか!「きみどり君」

きみどり君

ライトグリーンの花蕾が珍しいカリフラワー「きみどり君」。寒さに強く、根張りも良いため育てやすい品種です。加熱をしても花蕾の色が変色することがなく、食卓も華やかに!

・内容量:40粒

カリフラワーの基本的な栽培方法とコツ

紫カリフラワー
画像提供:福田俊
カリフラワーの種を手に入れたら、早速栽培をスタートしましょう!カリフラワーの栽培期間は、種まきから収穫まで90〜100日ほどが目安になります。

Step1. 種まき(育苗)

カリフラワーの種まきと鉢上げ
画像提供:福田俊
カリフラワーの種まきのタイミングは、春と夏の年2回。まだ気温の低い春まきは、温度管理に気をつけましょう。

春まき(温床育苗)

12cmポットに10~20粒を目安にまき、25℃に設定した温床で管理します。発芽後は地温20℃くらいに下げ、発芽がそろって本葉が出始めたら、7.5cmポットに1本ずつ移植してください。その後は徐々に温床の温度を下げながら、寒さに慣らしていきましょう。
福田先生
福田先生
種は重ならないように2cm間隔で置き、5mmほどの厚さで覆土しましょう。


「家庭用育苗器」はこちらの記事でチェック!

夏まき(常温育苗)

種まきと育苗の方法は上記の春まきと同じですが、7月に行う夏まきは、気温が高いため常温管理になります。
福田先生
福田先生
夏まきは、畑で苗を育てる「地床育苗」も可能です。一般の農家では通常の育苗法なんですよ。地床育苗のメリットは、ポットのように根域制限がないため、苗がのびのびと育って老化しないこと。また、植え付けの時期が少し遅れても、生育に影響しないという利点もあります。

地床育苗の方法
・畝の一部に種をすじまきする
・本葉が4~5枚になったら、正式な畝に定植する
※植え付けの2~3日前にフォークを土に差し込んで苗の根切りをすると、移植後の新根の発生が良くなり、植え傷みも少なくなります。


Step2. 土作り

カリフラワーの土作り
画像提供:福田俊
土作りはどの野菜も一緒ですが、有機物が豊富に含まれ、それを分解する微生物がいっぱい活動しているふかふかの土が理想です。畝たてのときに、ぼかし肥料を1平米あたり300g、草木灰を50gほど漉き込むと良いでしょう。

福田先生直伝!ぼかし肥料の作り方


草木灰の詳しい情報はこちらの記事で


福田先生解説!「有機質たっぷりの土づくり」


Step3. 苗の植え付け

カリフラワーの苗の植え付け
画像提供:福田俊
7.5cmポットの底から白い根が見えたら、植え付けのタイミングです。アブラナ科のカリフラワーは害虫がつきやすいので、苗を植えたらすぐに防虫トンネルを設置し、収穫まで外さないようにしましょう。
福田先生
福田先生
畑に苗を植え付けたら、根鉢のまわりに土が密着するように周囲をしっかり押さえましょう。

防虫ネットの張り方や選び方はこちらの記事で!


マルチの併用もおすすめ!

マルチは雨による泥はねを防ぎ、病気にかかりにくくする効果があります。ほかにも、土の湿度を保ち、雑草を防ぐというメリットも。
福田先生
福田先生
マルチを使用しない場合は、定植後に土寄せをします。土寄せとはその名の通り、株もとに周辺の土を集めて盛り上げることで、追肥を兼ねて行うことが多い農的な作業です。土寄せには、除草や株の倒伏防止といった効果もあります。

日本マタイ 使い切り黒マルチ

地温を高め、土中水分の蒸発を抑制する黒マルチ。光をさえぎるため、雑草を防ぎます。家庭菜園に最適な使い切りサイズです。

・サイズ:135cm×5m


マルチシートの目的と張り方のポイントなど、詳しくはこちら!

    カリフラワーに必要な栽培スペースと植え付け方

    カリフラワーの栽培スペース
    図:AGRI PICK編集部
    ・A:畝幅/70cm
    ・B:畝の高さ/10cm
    ・C:株間/40cm
    ・D:条間/40cm(2条)

    Step4. 追肥


    マルチ使用

    半月に1回の頻度で、ぼかし液肥を散水します。

    ぼかし液肥の作り方
    ・1Lの空ペットボトルに、ぼかし肥料を一掴み入れる
    ・水を満たしたらよく混ぜ、2~3日置く
    ・使うときは、原液(上澄み液)を100倍程度に薄めて散水する


    マルチ不使用

    ぼかし肥料をまいてから、株の根元に土寄せします。

    Step5. 軟白処理

    カリフラワーの軟白処理
    画像提供:福田俊 ▲外葉を花蕾にかぶせる軟白処理
    カリフラワーの軟白処理
    画像提供:福田俊 ▲シルバーポリを花蕾にかぶせる軟白処理
    白いカリフラワーは、花蕾が見え始めたら外葉を花蕾の上にかぶせ、日焼けによる変色を防ぎます。
    下の画像のように、シルバーポリで花蕾部分を包んで遮光するのもおすすめです。

    Step6. 収穫

    カリフラワー
    画像提供:福田俊
    花蕾の直径が15cmぐらいの大きさになったら収穫します。花蕾下の茎部分を包丁で切り取りましょう。花蕾の周囲にある余分な葉も、花蕾の円周に合わせて切り落とします。
    切り落とした葉は、繊維を断つように細切りにして、スープや炒め物にするのもおすすめです。
    福田先生
    福田先生
    「カリフローレ」だけ例外ですが、直径30cmぐらいになり、花蕾に隙間が見えてきたタイミングで収穫しましょう。

    カリフラワーのプランター栽培

    カリフラワーはプランターでも栽培可能!ベランダなどの狭いスペースしかないという人も、ぜひ挑戦してみてください。

    プランターのサイズ

    尺鉢(10号鉢)以上の大きさのものを使いましょう。

    野菜鉢 30型(10号鉢)

    家庭菜園に最適な丸形プランター。鉢底にはスリットが付いており、通気性・水はけに優れます。

    ・サイズ:直径30.2×高さ25.6cm(10号鉢)
    ・容量:10L
    ・材質:ポリプロピレン


    プランター選びに困ったらこちらの記事をチェック!

    用土

    市販のプランター用培養土で育てられます。

    ハイポネックス培養土 鉢・プランター用

    ハイポネックス培養土 鉢・プランター用として緩効性肥料マグァンプKを配合した、プランター栽培に最適な培養土。適度な排水性と通気性、保水性があり、保肥性にも優れています。

    ・内容量:14L

    苗の植え付け

    直径30cmのプランターであれば、1株植えにします。

    肥料

    植え付けの際に、株元にぼかしを置き肥しましょう。

    水やり

    土の表面が乾いたら、たっぷり水やりします。

    収穫

    花蕾の大きさが直径15cmくらいになったら、包丁で花蕾の下の茎を切って収穫します。

    カリフラワーの病害虫対策

    防虫トンネルを張ったカリフラワー畑
    画像提供:福田俊
    カリフラワーは、良い土作りができていれば病気にかかることは滅多にありません。
    しかし、キャベツと同じアブラナ科であるため、アオムシやヨトウムシ、アブラムシといった害虫がつきやすいはので注意が必要です。定植直後から収穫が終わるまで、防虫トンネルは必ず設置するようにしましょう。

    コンパニオンプランツで害虫対策も!

    混植することで、病害虫の抑制や生長促進効果が期待できる種類の異なる野菜を「コンパニオンプランツ(共存作物)」といいます。
    カリフラワーにおすすめのコンパニオンプランツは、レタスです。キク科のレタスには、アオムシやアブラムシなどのアブラナ科の天敵が嫌う独特の香りがあるため、忌避効果が期待できます。畝にカリフラワーを1条植えにしたら、その隣にレタスも並べて植えましょう。

    レタスの詳しい栽培方法はこちら!


    「アオムシ」「ヨトウムシ」「アブラムシ」の詳しい対策はこちらの記事で!


    収穫後のカリフラワーを長持ちさせる保存方法

    カリフラワー
    画像提供:福田俊

    そのまま保存する場合

    傷みやすいカリフラワーは、冷蔵庫で保存するようにしましょう。その際は、水で湿らせたキッチンペーパーで花蕾部分を包み、その上からラップを巻きます。さらにポリ袋に入れたら、口を結んで冷蔵庫の野菜室で保存してください。1週間ほど鮮度が保てます。
    また、カリフラワーはできれば軸が下になるように立てて保存するのがベスト。縦に伸びる野菜は、逆さまに置いておくと無駄なエネルギーを使うことになり、傷むのも早くなってしまうのです。そのため、畑で生えていたような立った状態で保存するのがおすすめ。切ったペットボトルや容器に軸側を入れておくと、倒れにくくなりますよ。

    下ゆでしてから保存すると調理がラクに!

    カリフラワーを調理しやすい大きさに小分けにしてから、お湯でゆでて下処理し、保存袋に入れて冷蔵保存するのもおすすめです。調理の際すぐに使え、時短料理にもなります。冷蔵保存では約3日、冷凍すれば1カ月ほどの長期保存が可能です。

    カリフラワーの保存方法や食べ方の関連記事はこちら


    自作ならではの、カラフルなカリフラワーも栽培してみよう!

    カリフラワーを持った福田先生
    画像提供:福田俊
    白だけでなく、カラフルな色合いが特徴のカリフラワーは、シンプルにサラダや温野菜にするだけで、食卓の彩りを豊かにします。さまざまな色合いのカリフラワーの栽培を楽しんでみてくださいね。

    表示中の記事: 1/3ページ中

    RECOMMENDSおすすめ

    SERIALIZATION連載

    • 脱・東京!北海道でメロン農家になりたい夫婦の農業研修記
    • 農業失くして持続可能な社会なし
    • 農業失くして持続可能な社会なし
    • 農業失くして持続可能な社会なし
    • 農業失くして持続可能な社会なし
    • 農業失くして持続可能な社会なし
    • 農業失くして持続可能な社会なし
    • 収量アップの秘訣
    農業・ガーデニング・園芸・家庭菜園マガジン[AGRI PICK] > 家庭菜園 > カリフラワーの栽培方法|家庭菜園のプロが失敗しない育て方とコツを伝授!おすすめ品種や真っ白に育てる方法は…?