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農学博士が解説!畑の土壌改良の方法とおすすめ土壌改良材|pH調整や粘土質の改良など詳しく紹介


農学博士が、畑や土の土壌を改良する方法を徹底解説!使用する改良材の特徴や注意点も紹介します。排水性・保水性の改善、固い土をふかふかにするテクニック、酸性の土をアルカリ性に矯正するpHの調整方法など、お悩み別に解決。また、現在の土の状態をチェックする方法や資材を使わずに土壌改良するやり方も!
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土とスコップ

出典:写真AC
野菜を栽培するうえで、最も重要なのが土作りです。作物は、適した土壌でないとうまく育たず、病害虫にもかかりやすくなってしまいます。栽培前には土壌改良を行い、理想的な状態の土を作りましょう!
この記事では、土壌がどのような状態か確認する方法や、改良資材の種類と特徴を解説。目的別に土壌を改良する方法も詳しく紹介します!


土壌改良について農学博士の木嶋先生に教えていただきました!

今回お話しを聞いたのは、現在「伝統農法文化研究所」代表を務める、農学博士・木嶋利男先生です。土壌改良の重要性や使用する改良材、土質を改善する方法などについて詳しく教えていただきました。

木嶋利男さんプロフィール

木嶋先生
画像提供:木嶋利男

主な経歴:
・1987年 農学博士(東京大学)
・1993~1999年 栃木県農業試験場 生物工学部長
・1999~2004年 自然農法大学校 校長
・2004~2010年 WSAA 日本本部 専務理事
・2006~2013年(財)環境科学総合研究所 所長
・2015~2019年(公財)農業・環境・健康研究所 代表理事

上記以外の主な役職:
一般社団法人MOA自然農法文化事業団 理事
伝統農法文化研究所 代表

主な著書:
『プロに教わる安心!はじめての野菜づくり』(学研プラス)
『「育つ土」を作る家庭菜園の科学 』 (講談社)
『コンテナでつくる家庭菜園[新版]』 (マイナビ出版)

土壌改良とは

くわで土を耕す
出典:写真AC
作物が育つ望ましい土には、さまざまな条件が絡み合っています。水はけ・水持ちが良い、通気性や保肥性がある、病原菌や害虫がいない、有益な微生物が多く存在する、土壌酸度(pH)が適正である…などなど。しかし、せっかく作物にとって理想的な土でも、時間が経つと良い状態から離れてしまいます。そこで、資材投入やさまざまな方法により、適した土の状態にするのが土壌改良です。

土壌改良の目的とメリット

農作物の原産地はほとんどが海外で、日本の土壌とは異なります。このためうまく育てるには、原産地に近い土壌条件に改良することが必要です。適地(原産地に似た土壌)で育てた農作物は健康に育つため、生命力があり栄養分も豊富になります。

植物が健康に育つ「良い土」とは?

実は、全てに共通した「良い土」は存在しません。作物や植物の種類によって、粘土質や砂質、高栄養や低栄養のものなど、それぞれ適合する土が異なるためです。
木嶋先生
木嶋先生
サツマイモやスイカは砂地を好み、稲やレンコンは湿地を好むというように、適した土はさまざまです。

土壌改良をしなくても植物の栽培は可能?

栽培する野菜や植物に向いた土壌であれば、改良の必要はありません。しかし、作物に向かない土壌であるのに、改良せずそのまま栽培すると、生育不良や病害虫が発生してしまいます。

土壌改良をする時期

土壌改良は、栽培する直前に行います。冬野菜であれば秋期、夏野菜であれば春期、秋野菜であれば夏期に行います。
木嶋先生
木嶋先生
時期が早過ぎると雑草が繁茂してしまうので注意しましょう。栽培を始める約1カ月前が、ちょうど良いタイミングです!

土壌改良材とは?

土の性質を改良する資材のことを言います。この土壌改良材によって、通気性の改善や排水・保水性、微生物の増加、酸度矯正などをはかります。使用方法としては、土に混ぜ込むのが一般的です。

まずは土の状態を確認しよう

両手に持った土
出典:写真AC
土壌改良といっても、ただやみくもに資材を投入すれば良いというわけではありません。まずは土の現状を把握し、その状態を改良するために、どのような資材や方法が適しているのかを決めましょう。

土壌の種類を確認する方法

日本の土壌は16種類に分類されますが、畑土壌の約50%は水持ち・水はけが良く、耕作に適した「黒ボク土壌」です。土の色が黒ければ「黒ボク土」と判断できます。山林近くで褐色なら「褐色森林土」、元が水田であれば「灰色低地土」、あるいは「グライ土」になります。

土壌酸度(pH)の確認方法

作物は種類によって適した土壌酸度があります。土壌酸度とは、土が酸性かアルカリ性のどちらかに傾いているかを示す指標で、pH(ペーハー)という単位で表します。土のpHの度合いを確認するには、土壌酸度計(pHメーター)を使うのが簡単です。
木嶋先生
木嶋先生
土壌酸度計がない場合は、ホウレンソウを栽培してみるのも良いでしょう。ホウレンソウはアルカリ性の土を好むため、育たなければ酸性の土と判断することができます。

おすすめの土壌酸度計は、こちらの記事で紹介しています!


水はけ・通気性の確認方法

雨が降ったあとの土の状態を観察してみましょう。半日程度で雨水が土に吸収された場合は、水はけ・通気性が良好です。3日経過しても雨水が土に入っていかない場合は、水はけと通気性が悪いということになります。

水持ち・保肥性の確認方法

水を使った方法

ジャム瓶など、透明なガラス瓶に土を入れます。次に水を入れたらふたを閉め、攪拌(かくはん)してみましょう。しばらく置いておくと土と水が分離しますが、どのくらい時間がかかったかをチェックしてみてください。5分以内に分離したら、団粒構造(※)が発達した良い土、あるいは砂質です。分離せずに濁った状態が30分以上続いた場合は、団粒構造が未発達の悪い土、あるいは粘土質となります。

※「団粒構造」とは
土の微細な粒子が集まり、大きな粒になっている状態を「団粒」といいます。この団粒が集まっている状態が「団粒構造」です。団粒同士のすき間に空気や水を通したり、保水したりすることで、植物の根が健全に育ちます。


指で触って確かめる方法

人差し指と親指の間に土を挟んでねじってみて、その感触で判断する方法もあります。ザラザラしていれば「砂壌土(さじょうど)」、ちょいツル程度なら「壌土(じょうど)」、ツルツルでは「埴壌土(しょくじょうど)」と判断できます。

土性区分
粒の大きさが2mm以下の細土の中で、粘土がどのくらい含まれているかで土を区分します。粘土の量が少ないほどサラサラした土、多いほど粘度の強い土になります。
・砂土(さど)…ほとんどが砂で、保水・保肥性ともに低い
・砂壌土(さじょうど)…砂が多く、やや乾きやすい
・壌土(じょうど)…粘度が多く、保水・保肥性、排水・通気性のバランスが良い
・埴壌土(しょくじょうど)…粘土がかなり多く、ねばりが強い
・埴土(しょくど)…粘土の含有量が半分以上で、排水や通気性が悪い


養分が含まれているか確認する方法

作物が育つための十分な養分がある土かどうかを確認するには、農協や専門業者に土壌分析を依頼するのが一般的です。
木嶋先生
木嶋先生
ほかには、ホウレンソウを試験栽培してみるという方法もあります。ホウレンソウは吸肥力が強いので、うまく育てば高栄養の土ということになります。

土壌分析については、こちらの記事で詳しく解説しています!



使用する土壌改良材

手ですくった堆肥
出典:写真AC
土壌改良材にはさまざまな種類があり、目的によって使い分けることができます。ここでは、主な土壌改良材の特徴や使用メリット、注意点などについて紹介します。

目的別・土壌改良材一覧

土壌改良の方法必要な土壌改良材
 排水性・通気性の向上 牛ふん堆肥、腐葉土、ピートモス、籾殻、籾殻くん炭、パーライト(黒曜石)、バーミキュライト、バーク堆肥
 保水性・保肥性の向上 牛ふん堆肥、腐葉土、ピートモス、パーライト(真珠岩)、バーミキュライト
 作物の生育促進 籾殻くん炭、微生物資材
 土壌酸度(pH)の矯正 ピートモス、苦土石灰、消石灰、籾殻くん炭
 病害虫の予防 微生物資材
 栄養成分の向上 バーク堆肥

牛ふん堆肥

特徴と効果

牛ふんにおがくずやわら、ウッドチップなどの副資材を混ぜ、発酵させたものです。土壌に牛ふん堆肥を加えると排水性が上がり、水持ちと保肥力も向上します。牛は草食なので、草質堆肥(※)のような性質もあり、扱いやすいというメリットも。鶏ふんや豚ふんよりも肥料分は少ないですが、効果が長持ちします。

※草質堆肥とは
雑草や野草、刈り取った茎葉など植物で作る堆肥のこと


注意点

牛は飼育時に塩をなめさせられているので、ふんや尿にはナトリウムが多く含まれています。塩害を起こさないように、大量に使わないようにしましょう。

茨城県知事賞を受賞|牛ふん堆肥

ITEM
牛ふん堆肥
第1回茨城県堆肥コンクールで茨城県知事賞を受賞した牛ふんです。無臭で使いやすい商品。土がふかふかになります。

・容量:約20L

牛ふん堆肥については、こちらの記事で詳しく解説しています!


腐葉土

特徴と効果

ブナやクヌギなど、落葉広葉樹の枝葉が堆積し、虫や微生物によって長い時間をかけて分解されて土状になったものです。人工的に、米ぬかや鶏ふんなどの発酵材、水などを加え発酵させた腐葉土もあります。腐葉土には葉や枝の残骸が混じっているため、土に混ぜることで適度なすき間ができ、水はけや通気性、水持ち、保肥力が向上します。
木嶋先生
木嶋先生
腐葉土の効果はマイルドですが、ほとんどの土壌に使うことができます。

注意点

腐葉土は、3年ほどかけて炭酸ガスと灰分(かいぶん)に分解されます。そのため、腐葉土を連続して施用する際は、3年のスパンにするのがおすすめです。

自然堆積の熟成した落ち葉を厳選|完熟腐葉土

ITEM
腐葉土
腐葉土は、肥沃な土壌にしたいときの定番!必ず「完熟」と書かれたものを選びましょう。こちらの商品は汚泥や発酵剤などを使わず、自然堆積で熟成させた落ち葉だけを詰め込んでいます。

・容量:40L

腐葉土については、こちらの記事で詳しく解説しています!


籾殻

特徴と効果

籾殻(もみがら)は、稲の穂から取った殻です。籾殻を入れることで土中に団粒構造が生まれ、水はけの良い土にすることができます。生のままでも使用できますが、鶏ふんや米ぬか、水などを加えて発酵させ、籾殻堆肥の原料として使われることも。籾殻にはリグニンという炭素化合物が含まれていることから、水分などで分解されにくく長期間形がくずれません。そのため、改良効果が長く続くのも特長です。

注意点

籾殻は分解に時間がかかります。投与直後は水分をはじいてしまい、土が乾きやすくなることがあるので、使用量には注意しましょう。

何かと使えて便利|籾殻

ITEM
籾殻
簡易包装ですがその分お買い得な籾殻です。そのまま畑に撒けば、水分蒸発防止、雑草抑制、泥はね防止のマルチとしても役立ちます。

・容量:60L

ピートモス

特徴と効果

ミズゴケやシダなどの植物が蓄積してできた、泥炭(ピート)を乾燥させて粉砕し、さらに選別したもの。水はけ・水持ち・保肥力を向上させる効果があります。酸度未調整のピートモスはpH3~4の強酸性のため、ブルーベリーのような酸性土を好む作物や、土の酸度調整などに使われます。

注意点

強い酸性のため、苦土石灰などでpHを調整してから使うようにしましょう。

酸性を好む植物におすすめ|ピートモス

ITEM
ピートモス
2袋セットになったピートモスです。ピートモスを使うときは、作物が好む酸度を事前に把握しておくようにしましょう。保水性が良く、ふかふかと軽いです。

・容量:80L(40L×2袋)

ブルーベリーを育てるのに酸度無調整な物が必要ですので買いました。40L×2でもっと大きな物がくるのかなと思っていましたが、以外とコンパクトで軽くて、これだけの量があれば当分はピートモスを買わなくてもすみそうです。


ピートモスについては、こちらの記事で詳しく解説しています!


籾殻くん炭

特徴と効果

籾殻を低温で蒸し焼きにしたもので、土の通気性をアップさせる効果があります。アルカリ性のため、土の酸度調整にも使用することができます。また、作物の根の中の菌根菌(※)が育ちやすくなる健全な環境をつくります。

※菌根菌(きんこんきん)とは
植物の根の中に存在する菌類で、土中に菌糸を伸ばして養分や水分を吸収し、植物に提供します。


注意点

pHは8〜10とアルカリ性が強いので、土壌酸度が上がり過ぎないに気をつけましょう。

サラサラで粒ぞろい|籾殻くん炭

ITEM
もみがらくん炭
焼き過ぎて炭にならないように、もみがらの形を残して焼き上げています。微生物が多く付着する良質のくん炭です。

・容量:40L

籾殻くん炭については、こちらの記事で詳しく解説しています!


パーライト

特徴と効果

主に真珠岩や黒曜石などが原料。内部の構造が多孔質なことからとても軽く、排水性・保水性・通気性・保肥性にも優れます。真珠岩パーライトは保水性を、黒曜石パーライトは排水性を高める働きがあります。

注意点

パーライトは土壌に馴染みにくいので、使用する際はよく漉き込んで土に馴染ませるようにしましょう。

排水性アップ|黒曜石パーライト

ITEM
黒曜石パーライト
黒曜石を発泡させたパーライトです。水はけをアップさせて根腐れを防ぎます。

・容量:10L

保水性アップ|真珠岩パーライト

ITEM
真珠岩パーライト
保水性を高めたいなら、こちらのタイプがおすすめ。真珠岩を高温処理することで、10倍以上に膨張させたものです。土壌改良材としてはもちろん、挿し木、種まきにも使えます。

・容量:50L(10L×5袋)

パーライトについては、こちらの記事で詳しく解説しています!


バーミキュライト

特徴と効果

黒雲母が風化した鉱物「蛭石(ひるいし)」を高温で焼成し、膨張させたものです。土の保水性や保肥力、通気性、水はけをアップさせる効果があります。また、高温処理されたバーミキュライトは無菌状態のため、挿し木など苗床の用土としても最適。

注意点

バーミキュライトはCEC(陽イオン交換容量)が高く、肥料効果が長持ちします。使用量が多過ぎると、肥料過多になるので注意しましょう。

※CEC(陽イオン交換容量)とは
カルシウムやマグネシウム、カリウムなどを引き付け、保持することができる陽イオンの容量。CECの容量が大きいと、養分を保つ力が高くなります。


挿し木や種まきにも|バーミキュライト

ITEM
バーミキュライト
バーミキュライトは軽量・多孔質で、通気性と保水性に優れています。挿し木・種まき用としてもおすすめな土壌改良材です。

・内容量:30L

バーミキュライトについては、こちらの記事で詳しく解説しています!


苦土石灰

特徴と効果

苦土石灰(くどせっかい)は、酸性度が高くなってしまった土をアルカリ性に傾けたいときの定番です。マグネシウムとカルシウムも供給できます。

注意点

苦土石灰はゆっくりと溶けるため、pHが矯正されるまで時間がかかります。余裕をもって施用するようにしましょう。

カルシウムとマグネシウムを補給|苦土石灰

ITEM
苦土石灰
酸性に弱い作物を育てるなら、苦土石灰が定番!酸性土壌をアルカリ性に傾け、豊富なマグネシウムが実を甘くします。家庭菜園でもひと袋持っておいて損はないでしょう。

・容量:20kg

苦土石灰については、こちらの記事で詳しく解説しています!


消石灰

特徴と効果

消石灰(しょうせっかい)も苦土石灰と同様に、土のアルカリ性を高めるのに役立ちます。アルカリ分は70%前後で、速やかにpHの矯正ができるのが特長です。また、ハウスや畑などにひろがる、厄介者・ゼニゴケの生育を抑える効果もあります。

注意点

農作物は弱酸性を好むので、多量の使用で土壌がアルカリ化しないように注意しましょう。

土をアルカリ性に|消石灰

ITEM
消石灰
10kg入りの消石灰です。苦土石灰と違って肥料成分は含まれていませんが、強いアルカリ性により、土の消毒ができます。

・内容量:10kg

消石灰については、こちらの記事で詳しく解説しています!


バーク堆肥

特徴と効果

樹皮(バーク)を発酵させたものです。多数の微生物によってゆっくりと分解され、土を栄養豊富な状態へと導きます。分解されにくいリグニンという有機物が多く含まれており、土壌改良効果が長続きします。

注意点

硬い樹皮を原料とするバーク堆肥は、分解に長期間を要します。栽培を始める1カ月前には施用するようにしましょう。

マルチングにも!|バーク堆肥

ITEM
バーク堆肥
微生物に分解されることで、植物の栄養となります。土をふわふわにし、水はけアップの効果もある土壌改良材です。マルチングも行えます。

・容量:40L

バーク堆肥については、こちらの記事で詳しく解説しています!


環境にやさしい微生物資材

特徴と効果

微生物を含んだ土壌改良材で、土壌の団粒化や肥料の吸収促進などの効果があります。また、健全な土壌環境をつくることから、病害虫の予防にも役立ちます。

注意点

微生物資材の効果はあくまでもマイルドです。劇的な効果は期待できませんが、悪影響を心配するということもありません。

材料はオール食材|土壌改良 えひめAI-1(あいいち)ホームガーデニング

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土壌改良の方法1|土のpHを調整する

酸度計を挿した土
出典:写真AC
ほとんどの農作物に適しているのは、pH5.5~6.5のやや酸性の土壌です。日本の土壌は酸性が多いので、多くの農地は石灰を施用してアルカリ性に矯正しています。このため、畑農地であれば酸度の矯正はほとんど必要ありません。しかし、水田であった場合は酸性になっているため、酸度の矯正が必要になります。
木嶋先生
木嶋先生
栽培を始める1カ月前に、消石灰を10アール当たり200kg施用して酸度を矯正しましょう。

必要な土壌改良材

消石灰、苦土石灰、カキ殻

土壌改良の方法

10~15cmの深さで土を耕し、土壌改良材をよくすき込んで馴染ませます。

土壌改良の方法2|固い土を改良する

乾いて固くなった土
出典:写真AC
腐植(※)が減少し、硬くなってしまった土壌は、堆肥を投入するか、緑肥を栽培することで改善させます。緑肥には、根の量が多く、土の深くまで根を張る植物がおすすめ。伸びた根が土壌の団粒化を促進し、水はけ・水持ちの良いやわらかな土へと改良してくれます。粘土質で硬くなった場合は、砂を客土して排水性を高めましょう。

※腐植(ふしょく)とは
生物遺体が土中の微生物に分解され、有機化合物群となったもの。


必要な土壌改良材

堆肥(牛・豚・鳥・馬)、バーク堆肥、緑肥(ソルゴー、エン麦、クロタラリア、クレムソンクローバー、ヒマワリ、ハゼリソウなど)、砂、バーミキュライト

土壌改良の方法

堆肥や砂は10~15cmまでの深さで、土壌全体に良く混ぜ込んで馴染ませます。緑肥は、栽培開始の1カ月前にすき込みましょう。

緑肥については、こちらの記事で詳しく解説しています!


土壌改良の方法3|粘土質の土を改良する

粘土質の土
出典:写真AC
粘土質の土は粒子が細かいため、雨水でカチカチに固まりやすく、水はけ・通気性も悪くなります。水持ちが良いことから稲作には適していますが、野菜の栽培には向いていません。そんな粘土質の土壌の排水性を改善するには、暗渠と明渠(※)を設置する方法があります。または、砂を客土する、土壌を耕起して立体構造にする方法も有効です。

※暗渠(あんきょ)と明渠(めいきょ)とは
地下に埋没した水路を暗渠、排水などのために地上に設けたオープンな水路を明渠といいます。

木嶋先生
木嶋先生
粘土質でも、高畝にすると水はけを良くすることができます。

粘土質の土壌改良 1|暗渠の設置

必要なもの

コルゲート管(排水パイプ)、土管、籾殻、ワラ、砂など

作業方法

暗渠は、深層暗渠(70cmの深さ)と浅層暗渠(30cmの深さ)を設置します。明渠は、傾斜(水の流れる方向)を考えて設置しましょう。深層暗渠は、10m間隔で70cm掘り下げてコルゲート管を配置し、その上に籾殻やワラを敷いて埋め戻します。浅層暗渠は、深層暗渠に対して直角方向に5m間隔で30cm掘り下げ、深層暗渠と同じようにコルゲート管・籾殻・ワラを入れて埋め戻します。

粘土質の土壌改良 2|三層の立体構造にする

必要なもの

トラクター、トラクターのアタッチメント(プラウ、ロータリー、ハロー)

作業方法

トラクターを使い、3回に分けて土を耕します。最初はプラウで20cmまでの深さを粗く掘り起こし、5cmほどの厚さの「ゴロゴロ層」をつくります。次に15cmまでの深さをロータリーで浅めに耕うんし、10cmほどの厚さの「コロコロ層」にします。最後にハローで耕し、地表から5cmほどの「ナメラカ層」をつくったら、土壌の立体構造(※)が完成です。

※土壌立体構造とは
排水性と通気性のバランスを整えるため、土壌を粗さの異なる層に分けること。トラクターや鍬などで耕し、地表近くは小さめの塊が多い「ナメラカ層」、その下にやや粗めの「コロコロ層」、最下層を大きな塊が多い「ゴロゴロ層」の三層構造にします。


トラクターの情報はこちらの記事で!


土壌改良の方法4|砂質の土を改良する

乾燥した土
出典:写真AC
砂質の土壌は、植物の根が必要とする水分を保つ力がありません。また、水分を保持できないということは、養分も蓄えることができないということ。微生物も繁殖しにくいため、植物の生育も悪くなってしまいます。そのような砂質の土壌は、粘土を客土することで、水持ちを良くすることができます。または、水分が逃げないように、鋤床層(すきどこそう)をつくるのも有効な手段です。

必要なもの

粘土

作業方法

粘土を客土する方法

10~15cmの深さで粘土を土壌全体に混ぜ込み、よく馴染ませます。

鋤床層をつくる方法

土壌に水をたたえて掘り返し、乾燥させます。これを2~3回行うと鋤床層が形成され、水が地下に浸透しにくくなり、土壌の乾燥を防ぐことができます。
木嶋先生
木嶋先生
耕耘する際に堆肥を投入すると、鋤床層の発達が早くなります。

土壌改良の方法5|痩せてしまった土壌を改良する

痩せた土地
出典:写真AC
有機物や微生物が少なく、肥料成分を保つ力もないのが痩せた土です。このような状態になると、土壌は固く締まり、作物の根も張りにくくなってしまいます。そんな痩せた土を改良するには、動物性堆肥や植物性堆肥、有機質の肥料、化学肥料の投入が効果的です。
木嶋先生
木嶋先生
痩せてしまった土壌には、緑肥の栽培もおすすめです。緑肥作物の多くは根が深く張るため、土の通気性アップが期待できます。栽培後は土にすき込むと、有機物を供給できます。

必要な土壌改良材

動物性堆肥(牛ふん・豚ぷん・鶏ふん・馬ふん)、植物性堆肥(バーク堆肥、落葉堆肥)、有機質肥料(米ぬか、油かす、魚かすなど)、化学肥料、緑肥の種子(ソルゴー、エン麦、クロタラリア、クリムソンクローバー、ヒマワリ、ハゼリソウなど)

土壌改良の方法

栽培の1カ月前に、堆肥や緑肥、有機質肥料を漉き込みます。

土壌改良の方法6|病害虫が発生してしまった土壌を改良する

畑に敷いたワラ
出典:写真AC
病害虫が発生してしまった畑も、土壌改良が必要です。

土壌病害の場合

土に潜む病原菌が原因の土壌病害は、科が異なる農作物を輪作するのが有効。同じ畑で種類の違う作物を順番に育てることを輪作といいますが、これにより、土壌中の微生物相が変化し、病原菌に強い土壌環境へと改良することができます。

フザリウム病の場合

カビの仲間を病原菌とするフザリウム病(※1)であれば、カニ殻や廃菌床(※2)の施用も適した改良方法になります。カニ殻や廃菌床は、害虫のキチン質を分解して死滅させる「酵素キチナーゼ」を活性化することができるためです。
木嶋先生
木嶋先生
栽培を始める1カ月前に、カニ殻や廃菌床を土壌にすき込みましょう。

※1 「フザリウム病」とは
土壌伝染性の病気で、トマトの萎凋病や、キュウリ、スイカなどのつる割病、カボチャの立枯病などを引き起こします。
※2 「廃菌床(はいきんしょう)」とは
おがくずに米ぬかなどの栄養分を混ぜて固めた培地で、きのこの栽培に使われます。きのこを収穫したあとも養分が残っているため、堆肥として利用することができます。


疫病類の場合

糸状菌(カビ)が原因の疫病(※)類であれば、稲ワラや麦ワラを土にすき込む方法が有効です。これらのワラを投入することで「セルラーゼ」と呼ばれる酵素が活性化され、病原菌の細胞膜(セルロース)を分解し、死滅させることができます。

※「疫病(えきびょう)」とは
植物の葉や茎、果実などに発生する、暗褐色の水が浸みたような病斑を作る病気。


土壌を消毒する方法も!こちらの記事をチェック


土壌改良に関するQ&A

野菜畑
出典:Pixabay
ここからは、土壌改良に関する疑問や質問について、農学博士の木嶋先生が回答!ぜひ参考にしてみてくださいね。

Q. 植物を植えている状態で土壌改良は可能?

木嶋先生
木嶋先生
栽培期間中でも土壌改良は可能です。例えば、敷きワラや敷き草で土壌が乾き過ぎたり、過湿になったりするのを抑えることができます。また、有機質肥料を株の周りに施して土寄せする方法や、有機の液肥を土壌に注入するなどといった方法もありますよ。

Q. 土壌改良材と肥料の違いって?

木嶋先生
木嶋先生
広い意味で言えば、土壌改良材と肥料は同じです。しかし改良資材の中には、バークや籾殻、砂、粘土などのように、窒素・リン酸・カリ・カルシウム・マグネシウムといった、主要な肥料成分を含まないものもあります。
そのため厳密には、有機質肥料や化学肥料のように、肥料成分が保証された資材を「肥料」として扱います。堆肥のように肥料成分は含まれていても、成分量が少ないか、あるいは成分が有効化されるまでに時間がかかる資材は「改良資材」として扱います。

Q. 土壌改良は、どのくらいのサイクルで行えば良い?

木嶋先生
木嶋先生
春作・夏作・秋作・冬作の作期ごとに行います。年1回の場合は、前後作の組み合わせを考えて行いましょう。根を深く張るものと浅いもの、肥料を吸収する力の強弱、根粒菌の共生が可能かなどを考慮し、保水性や排水性、保肥性の改善などを調整してください。

Q. 土壌改良は、どのくらいの深さまで行うべき?

木嶋先生
木嶋先生
一般的には、作土層(さくどそう)にあたる10~20cm程度の深さです。下層土の排水性改善で暗渠を作る場合は、70cmと30cmの深さが作業範囲になります。

Q. 土壌改良材の使用量の目安は?

木嶋先生
木嶋先生
カニ殻などを微生物の基質(エサ)として用いる場合は、土壌の0.2%が目安です。作土が10アール(100トン)であれば、200kgになります。堆肥などは2%、すなわち2トンが目安です(寒冷地は1トン、温暖地は3トン)。菌根菌を育てる炭は、400kg~1.6トンが適量です。粘土や砂は、土壌の条件によって異なります。なお、土壌や資材の違い、気候条件によっても使用量は異なるので注意しましょう。

Q. 資材を使う以外に、土壌改良できる方法はある?

木嶋先生
木嶋先生
土を耕して立体構造にする方法があります。このほかにも、サブソイラー(心土破砕機)で土中の硬い層をくだいて排水性をアップしたり、暗渠(あんきょ)や明渠(めいきょ)による水はけの改善方法もあります。
また、高畝(たかうね)・平畝(ひらうね)・溝畝(みぞうね)など、畝の立て方によっても土の過湿や乾燥をコントロールすることも可能です。畝に関しては、東西畝・南北畝など畝の方向でも日当たりの改善をはかることも。
あとはベーシックな方法ですが、マルチや敷きワラ、敷き草などで雨除けをすることも土壌改良になります。

春から栽培を始める前に土壌改良をしてみよう!

芽生え
出典:写真AC
ひと言に土壌改良といっても、その方法は実にさまざま。まずは土壌の状態をよく観察し、どのように改善させるかを決めるのが大切です。手間のかかる作業ではありますが、栽培前に手をかけておくことで作物の生育はぐんと良くなります。おいしい野菜をたくさん収穫するためにも、最適な土壌環境をつくりましょう!

紹介されたアイテム

牛ふん堆肥
サイトを見る
もみがらくん炭
黒曜石パーライト
サイトを見る
真珠岩パーライト
バーミキュライト
苦土石灰
土壌改良 えひめAI-1(あいいち)ホー…

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AGRI PICK 編集部

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