ネギ|基本の育て方と本格的な栽培のコツ

農業に興味を持っている方や家庭菜園で本格的に野菜作りをしている方、そしてこれから始める初心者の方にもわかりやすいネギの育て方を紹介!根深ネギ、葉ネギ作りに欠かせない土づくりや病害虫、根深ネギ、葉ネギの収穫適期の見分け方などを説明します。


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出典:写真AC
野菜を育てた経験がある方なら「育てた野菜を食べる」ことは、何にも代え難い格別のおいしさと感動を与えてくれます。あの採れたてのおいしさを求めて「もっと野菜のこと、栽培のことを知りたい!」そんな家庭菜園で本格的に野菜作りに励みたい方や、野菜作りのプロを目指した「新規就農」を視野に入れている方に、基本的なネギの育て方と本格的な栽培のコツを紹介します。

ネギについて

ナガネギ、栽培、育て方
出典:写真AC
ネギは野生種が見つかっていないため、起源について明らかになっていないことが数多く残りますが、栽培の歴史は古く、中国では紀元前から栽培されていたことが書物に記載されています。
日本においても、ダイコンやカブ、ナスなどと同様に、中国から伝来した中でも古くから栽培されている作物で、『日本書紀』にネギの記載が確認されているほど日本人にとって馴染深い作物です。
しかし、ネギといってもその種類は多く、中国から伝わってきた時点で、すでに夏ネギ型と冬ネギ型に分化していたといわれています。
夏ネギ型のものは寒冷地で栽培されて「加賀群」に、冬ネギ型のものは主に西日本で育てられて「九条群」になったと考えられています。このほかに、冬ネギ型を土寄せして軟白に育てる根深ネギの「千住群」がネギの基本的品種群に挙げられます。
植物名  ネギ
学名  Allium fistulosum
英名  Welsh Onion
科名  ヒガンバナ科(ユリ科)
属名  ネギ属
原産地  中央アジア
土壌pH  pH6.0~7.0
生育適温  16~20℃

ネギのとう立ち

晩秋以降の冬期の低温に感応して花芽が分化し、翌春にとう立ちして開花します。低温にあたった後は、昼間と夜間の温度や長日条件によってとう立ちが進みますが、品種によって差が出ます。
秋まき栽培では、4~5月ごろとう立ちしてネギ坊主(総苞)ができるので、早めにネギ坊主の部分を摘み取り(摘蕾)ます。
※ネギの品種の中には、とう立ちしない「坊主不知」という品種もあります。

夏ネギ型品種と冬ネギ型品種

ネギの生態の特徴として、夏ネギ型と冬ネギ型に分けられます。それぞれどんな特徴があるのか紹介します。
※以下の加賀郡、九条群、千住群のほかに夏ネギ型と冬ネギ型の中間型の品種もあります。

夏ネギ型品種

加賀郡
栽培地:寒冷地(東北、北陸地方など)
生育:夏
休眠:晩秋から休眠状態に入る、冬季間地上部は枯れるが越冬する
耐寒性:やや強い
品種:加賀(根深)、下仁田、岩槻(葉ネギ)、坊主不知
代表地方品種:金沢太、余目(あまるめ)、源吾、松本一本太、下仁田、岩槻、慈恩寺、藤崎在来、坊主不知


冬ネギ型品種

九条群
栽培地:暖地(京都など)
生育:夏は少し生育が鈍る、低温でも生長、温暖地では冬の収穫が可能
休眠:しない
耐寒性:やや弱い、寒地で栽培すると冬季に枯れる
品種:越津、九条太、九条細、三州
代表地方品種:越津黒柄、越津合柄、九条太、九条浅黄、奴、観音、三州、ワケネギ

千住群(どちらかといえば冬ネギ型)
栽培地:暖地(関東など)
生育:高温でも生長、低温生長性は九条群より劣る
休眠:不完全な休眠状態
耐寒性:やや弱い、冬季は多少生長
品種:千住黒柄、千住合黒、千住合柄、千住赤柄
代表地方品種:黒昇、吉蔵、元蔵、越谷黒、長宝、東京夏黒、石倉、東京冬黒、西光、長悦、砂村、尾島、金長、西田、湘南、玉喜


根深ネギと葉ネギ

ネギには生態の特徴のほかに、根深ネギと葉ネギに分類することができます。

根深ネギ
・分げつが少ない特徴があり、土寄せすることによって軟白させて栽培する品種
・主に寒冷な気候の北日本、耕土の深い関東平野で古くから栽培

葉ネギ
・分げつが多くて葉が柔らかく、ほとんど土寄せをしないで葉身部分を育てて収穫する品種
・冬も温暖な西日本で葉ネギが好まれる


ネギの栽培時期

ネギは夏ネギ型や冬ネギ型、根深ネギや葉ネギなどの種類のほかに、栽培する地域によっても時期が異なります。
春どりや初夏どりは、晩抽性といってとう立ちの遅い品種を選ぶなど、栽培の時期にあった性質を選びましょう。
根深ネギ
(性質)
栽培地 種まき 植え付け 収穫
春どり
(晩抽性)
中間地  6~7月  8~9月  翌3~4月
初夏どり
(晩抽性)
 9~10月  11月~翌2月  5~7月
夏秋どり
(耐暑性)
 11~翌2月  3~4月  7~10月
秋冬どり
(越夏・耐寒性)
 3~5月  4~6月 11~翌2月
夏どり
(低温伸長肥大性)
寒冷地  2~3月  3~4月  8月
秋どり
(耐暑・耐寒性)
 3~4月  4~5月  9~11月
出典:タキイ種苗

ネギの栽培準備

ネギ、栽培、準備、育て方
出典:写真AC
ネギ栽培の準備を始めましょう。

ネギの作付け計画

1a(100平方メートル)で203kgほど収穫することができます。
出典:作物統計調査 平成29年産野菜生産出荷統計
「都道府県別の作付面積、10a当たり収量、収穫量及び出荷量」(農林水産省)
(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500215&tstat=000001013427&cycle=7&year=20170&month=0&tclass1=000001032286&tclass2=000001032933&tclass3=000001121095)(2019年10月2日に利用)

ネギの種や苗の用意

地域の種苗会社やホームセンターから購入することができます。ネギは寒冷地栽培品種と暖地栽培品種があります。関東や関東より西の地方は、暖地栽培品種を選びましょう。
ネギの種は野菜の中でも、高温多湿の環境下で発芽が著しく低下するので、必ず低温で乾燥したところで保管するように注意しましょう。
品種 主な産地
夏扇  千葉、茨城、群馬
龍ひかり  千葉、埼玉
関羽一本太  北海道

1aあたりのネギの使用種子量

1a(100平方メートル)あたりの株数は45,000株、使用種子量は350mlほどです。

ネギの土づくり

排水性、通気性、保水性の整った団粒構造の土質は、微生物が多く住む作物にとって良い土壌です。作物を作る土壌の状態がよければ、石灰資材など多く投入する必要がない場合もあるので、栽培の前には必ず土壌診断をし、pH、ECなどを測定したうえで、診断結果に基づいた適切な堆肥資材などの投与を心がけましょう。
▼土壌消毒や土づくり、土壌診断のことならこちらをご覧ください。

ネギの土壌pH

ネギはpH6.0~7.0が適値です。

ネギに適した土壌

ネギは加湿に弱く乾燥に強いので、土は排水性の高い土壌を好みます。

ネギの肥料

ネギを栽培するときに使用される元肥は、目安として10平方メートルあたり窒素、リン酸、カリともに100~150g位を使用します。
追肥は3~4回行う土寄せのタイミングで1回につき窒素成分で30~50g位施します。
元肥 追肥(3~4回)
窒素・リン酸・カリウム 100~150g 30~50g/回
▼肥料のことならこちらをご覧ください。

畝立て

植え溝の深さは15~20cm、畝幅90~120cmほどです。

▼耕運機、鍬のことならこちらをご覧ください。


ネギの育て方

ネギ栽培、育苗
出典:Flickr(Photo by:Forest and Kim Starr
種や苗の準備が整ったら、ネギ栽培のスタートです。

種まき

発芽適温は18~22℃。30℃以上の高温や低温環境下では発芽不良になります。
育苗時の生育ムラは今後のネギ栽培に大きく影響するため、均一な生育状態になるように温度や水分管理には注意しましょう。
種はコート種子の方がまきやすいです。

◆種まき前は十分な灌水

発芽するまでの種子が乾燥すると発芽率が下がりますので、適度な土壌水分を保つことが重要です。
※灌水(かんすい)とは水を注ぐこと、植物に水を与えること。
▼灌水チューブのことならこちらをご覧ください。

地床育苗の種まきのポイント
・厚さ1cm位の板で6~8mmの溝を付け、5~10mm間隔のすじまき
・5mmほど覆土して土を軽く押さえる
(作業を省略化するならシーダーテープ種子の使用)
・発芽まで寒冷紗や不織布などで被覆
・発芽が8割程度確認されたら被覆材をはがす
・本葉3~4枚のころに2~3cm間隔になるように間引き
・育苗にかかる日数:70~90日(夏どり160~180日)程度

※シーダーテープ種子とは、ひも状の溶ける素材の中に1粒ずつ種子が入った種まきの作業効率を高める製品です。

ITEM
シーダー種子
種まき作業がとっても楽、テープを土に埋めるだけ。
テープは水に溶けるので後々の処理の手間は不要です。
手作業で細かい種を均等な間隔に蒔くのは大変です。忙しい方には絶対おすすめです。
東海以西に広く栽培されている葉ネギ用種。
草丈は60cm程度で3〜4本に分けつし、葉色が濃く、肉厚で葉先までやわらかく芳香に富み、品質上々。
浅黄系より茎が太く、軟白部を長くして根深ネギにも利用できる。
耐寒性が強く、とう立ちも比較的安定しているので冬ネギとしての利用が多い。
市場で人気の高い小ネギ出荷も可能。蒔き時期をご確認下さい。

・容量:2粒×10cm×200m巻
・品種:九条太葱


▼播種機のことならこちらをご覧ください。

チェーンポット・セルトレイ育苗の種まきのポイント
・1穴に2~3粒まく
・5mmほど覆土
・発芽まで寒冷紗や不織布などで被覆
・発芽が8割程度確認されたら被覆材をはがす
・本葉2~3枚ほどまで育苗
・育苗にかかる日数:50~60日程度

ITEM
チェーンポット(ネギ専用)
紙製なのでポットのまま苗を簡易移植器「ひっぱりくん」で移植することができます。

・直径3×高さ3cm
・株間5cm
・150冊入り(264苗/冊)

ITEM
ひっぱりくん
チェーンポット専用の簡易移植器で溝切り・植え付け・土寄せ・鎮圧の移植作業が同時に行えます。
小型軽量で女性でも楽々作業ができます。

・大きさ:長さ1,995〜2,063×幅315×高さ879〜1,056mm 
・重量:12kg

ITEM
セルトレイ (200穴 )
根巻きを防止、よい苗づくりの必需品。
苗づくりの管理が容易で、根巻きが抑制されたよい苗が手軽に作れるセルトレイです。
早期に活着し、植え傷みも少なくなります。

・サイズ:28×54.5cm
・枚数:100枚

ITEM
鎮圧ローラー 200穴用
トレイの養土を適度にしめながら、播種穴をあけます。
同じ深さの播種穴が作れるので発芽が安定し、苗の育成が均一になります。

・対応セルトレイ:タキイ根巻防止セルトレーM型、ヤンマートレー

植え付けに適したネギの苗

地床、チェーンポット、セルトレイで育苗したネギの苗について説明します。

◆本葉の枚数・草丈・葉鞘部の太さ

地床育苗
・本葉は4~5枚ほど
・定植後の活着を考えて草丈を30~45cm位
・葉鞘部の太さは3~6mm

チェーンポット・セルトレイ育苗
・本葉は2〜3枚ほど
・作業性を考えて草丈15〜20cm位
・葉鞘部の太さは1.5~2mm位


根深ネギ・葉ネギの植え付け

ネギの苗を移植機で植え付ける際、草丈が高くなり過ぎると作業性が悪いことから、葉先の剪葉作業を行います。

◆植え付け前も十分な灌水

ネギの苗を植付けする前は、十分灌水を行い土に水分を与えます。畝にマルチを貼る場合にも、あらかじめ水分が十分にあるか確認しましょう。

◆植え付けは天気のいい日に!

暑過ぎたり気温が低過ぎる環境での植え付けは避け、天候の良い日に行いましょう。風の強い日や悪天候時の植付けは、ネギの苗の活着が遅れ、初期生育が悪くなります。

◆溝幅・深さ・株間

根深ネギ
・溝幅:15〜20cm
・深さ:10〜15cm
・株間:3〜8cm(苗の大きさに合わせる)

葉ネギ
・溝幅:15〜20cm
・深さ:10cm位
・株間:10〜15cm


水やり

基本的にほかの野菜と同じように水やりは午前中に行います。暑い時期の水やりは、日中を避けて気温の低い早朝に行わないと根を傷めてしまいますので注意しましょう。

◆多湿に注意

ネギは多湿に弱いので、水やりよりも降雨後の排水に注意が必要です。

追肥・土寄せ

根深ネギ
・夏の高温期の土寄せは控える
・2、3回目の土寄せは、生長点である葉身の分岐点を埋めてしまわないように注意
・収穫する時期によって、収穫前の土寄せ軟白処理にかかる日数(夏は日数短、冬:日数長)が変わる

葉ネギ
・葉ネギでも九条ネギのようにある程度軟白処理できる品種がある


根深ネギ 葉ネギ
1回目  30〜40日後、6〜7cm覆土  30日後、中耕軽覆土
2回目  3週間後、分岐点下1cm  30日後、中耕軽覆土
3回目  3週間後、分岐点下1cm
4回目(最終は追肥無)  収穫の40〜60日前、分岐点上5cm

ネギの収穫

ネギ、栽培、育て方
出典:写真AC
根深ネギ、葉ネギ共に草丈は50〜70cmほど。夏どりと秋冬どりでは、収穫の目安となる葉鞘部(分岐下の白い部分)の長さに違いがあります。
夏どり 秋冬どり
 根深ネギ(葉鞘部の長さ)  25cm位  30cm以上
 葉ネギ(葉鞘径)  8mmほど  15mmほど
▼収穫時のおすすめグッズはこちらをご覧ください。

根深ネギの収穫

根深ネギは良く締まっていて、艶のある葉鞘部で、葉身部(緑色の部分)との境目がはっきりしたものを選びます。土寄せした部分を崩して収穫し、収穫後は曲がりを防ぐために垂直に保管します。

根深ネギの調整

収穫後は涼しい場所で管理します。
根を短く切り、皮むき機を使用して本葉3枚を残して、それ以外の葉は取り除きます。

葉ネギの収穫

株全体を収穫するか、主に家庭菜園などでは地上部を刈り取ることで、新たに生育した新芽を育て、引き続き収穫することが可能です。

葉ネギの調整

皮むき機を使って、枯れている余分な葉を取り除きます。根もできるだけきれいに取り除いて洗浄します。

ネギの病害虫

ネギ、病害虫
出典:写真AC
ネギを栽培する上で、かかりやすい病気や気を付けたい害虫について紹介します。

▼病害虫対策に欠かせない農薬のまとめ

ネギがかかりやすい病気

ネギは土壌が多湿状態で病気を発症しやすくなります。

▼植物全体の病気のことならこちらをご覧ください。

▼台風後の病気を防ぐ対策についてはこちらをご覧ください。

◆べと病

地ぎわの外葉に不整形な淡黄色の病斑が生じて、株全体に広がる糸状菌(カビ)が要因の病気です。多湿環境で発生しやすいので注意しましょう。

◆さび病

葉で盛り上がった鉄のさびのような色(黄色~赤褐色)をした小斑点を生じます。その後、斑点の表皮が破れて黄色~赤褐色の粉末が飛び散り、発病が激しいと葉の全体をさび病の粉が覆います。

◆黒斑病

糸状菌(カビ)による病気で、はじめ白色の小斑点を生じて、やがて病斑が円形〜紡錘形に拡大して、黒色〜黒褐色の同心円輪紋状の病斑を作ります。

◆ネギ根腐萎凋病

糸状菌(カビ)による病気で、根が激しく腐敗して、古い葉から枯れ、症状が進むと萎れて枯死します。

◆乾腐病

主にフザリウム属菌という糸状菌(カビ)によって引き起こされる病気で、生育期では葉が黄変、萎縮して、被害が進むと枯死します。

◆軟腐病

細菌が作物に侵入することで感染し、黒く腐敗して異臭を放ちます。比較的高温多雨の多湿条件下で発生します。

ネギを食害する害虫

ネギは、同じヒガンバナ科ネギ属を食害する害虫に要注意です。

◆ネギアザミウマ

植物の汁を吸い、食害を受けた葉は褐色化し、最終的には枯死します。別名スリップスと呼ばれる、さまざまな病気のウイルスを媒介してしまう害虫です。

◆ネギコガ

葉の内側から表皮を残して食害されますが、被害が進むとところどころ葉に穴があきます。

◆ネギハモグリバエ

葉を内部から白いすじ状に食害します。ハモグリバエの中でも、ヒガンバナ科ネギ属だけに寄生するネギハモグリバエの被害が大きく注意が必要です。

◆ネギアブラムシ

ネギ類を好んで食害するアブラムシ。

◆ヨトウムシ

「夜盗虫」の名の通り夜に活動し、日中は葉裏や株元の浅い土中に潜んでいるヨトウガの幼虫です。

▼そのほかの病害虫対策のまとめ

ネギの生理障害

ネギ、生理障害
出典:写真AC
ネギの生理障害を紹介します。

葉身枯れ

被害状況  ネギの葉身の先端部分が枯れて褐色になる。
原因  夏の高温乾燥時期、または酸性土壌で発生しやすい。
▼高温障害についてはこちらをご覧ください。

▼そのほかの生理障害のまとめ

ネギ栽培のまとめ

ネギ、ネギ坊主
出典:Pixabay
寒冷地で栽培するのに適した根深ネギは、主に関東以北で多く栽培され、温暖な地域である西日本では葉ネギが盛んに栽培されています。根深ネギと葉ネギの品種は多様にあり、栽培される時期もさまざまです。
例えば、伝統野菜としても有名な京野菜「九条ネギ」などは、先ほど紹介した葉ネギの栽培方法以外にも「干しネギ栽培」という栽培方法もあります。
10月にネギの種をまき、育苗した苗を3~4月に畑に植え付けて育て、7月下旬~8月上旬ごろに一度苗を掘り起こして、夏の高温期の約2週間程度干します。その乾燥させたネギの苗の葉を15cm程度に剪葉して、枯れ葉を取り除き、再度畑に植え付けます。植え付けたネギの苗は、秋以降ゆっくりと大きく育ち、冬の寒さで特有のぬめりと甘みを増しながら品質良く育ちますます。
このようにネギを栽培する際は、品種や栽培方法のほかにも、育苗方法(直播にするのか、チェーンポットやセルトレイにするのか)1つでも、育苗にかかる栽培面積や資材、移植時間の短縮化など、さまざまなことを考慮する必要があります。


ネギの経営指標

ネギ、出荷
出典:Pixabay
新規就農者として野菜作りを本格的に始めるならば、農業経営の見通しが不可欠です。職業として生活を成り立たせ、なおかつ豊かなものにするために、しっかりとした農業経営の指標を持ちましょう。

需要動向を調べる

1人当たりのネギの年間消費量は、2017年度の調べで1.6kg前後。安定した購入傾向にあります。
出典:農畜産業振興機構「ベジ探

卸価格を調べる

ネギを栽培する季節や品種によっても価格の差が出ますが、2017年度の調べでネギの卸価格は1kgあたり324~430円、平均で355円で取引されています。
出典:農畜産業振興機構「ベジ探

出荷量を調べる

作付け面積は年々わずかですが、減少傾向があります。2016年の全国の出荷量も37万5600トンと同じように減少しています。出荷量の多い県は、1位が千葉県の5万7200トン、2位は埼玉県の4万8600トン、3位は茨城県の4万1700トン、4位北海道の2万300トン、5位群馬県1万5100トンとなっています。
出典:農畜産業振興機構「ベジ探

10aあたりのネギの経営収支

ネギの出荷量1位の千葉県(2014年:秋・冬・春どり)と出荷量5位の群馬県(2015年夏秋どり:チェーンポット苗、地床苗)の農業経営指標を例に挙げて簡単に説明します(栽培規模や栽培方法、機械導入の有無によって収益に差が出ます)。
地域 収量(kg) 粗利(円) 経営費(円) 農業所得(円) 労働時間
 千葉県(秋・冬・春どり) 2,900 791,428 432,857 358,571 419
 群馬県(チェーンポット苗) 3,500 980,000 462,597 517,403 200.3
 群馬県(地床苗)  3,500  1,004,500  420,034  584,466  240.1
参考:千葉県ぐんまアグリネット

経営費

ネギ栽培における経営費とは、ネギを生産するために使った経費のことです。具体的に挙げると、肥料、農薬、地代、土地改良費、雇用労働、農業機械(減価償却費)、利子などです。

農業所得

農業所得は、粗利から経営費を引いた金額になるので、経営費を上手にやりくりすることで所得もアップするということがいえます。

労働時間

労働所得を労働時間で割ると、ネギ栽培の時給計算ができます。群馬県の地床苗の例でいうと、農業所得584,466円÷労働240.1時間=2,434.3円。つまり、時給2,434円として換算します。

経営の状態を大まかに捉える

ネギの経営収支から、どのくらいの規模で栽培すると収益はどのくらいあるのかなど、あらかじめ調べることで用意する苗の本数や、ネギのほかに育てる作物の種類を増やすなど、最初から計画をしっかり立てることが重要です。

▼農業の補助金や収入など就農の基礎知識

新規就農までの流れ

新規就農者への道は、各都道府県にある農業の支援機構などに相談してみることから始めます。相談から農地の準備までの7つのステップを踏みながら、その土地の一員として「自覚」と「信頼」を第一に考えて、地域に溶け込んでいきましょう。
 1. 相談  実際に相談窓口で相談(忙しい方にはメールでの対応もできます)。
 2. 情報収集  研修先や農業普及センター、農協、営農のプロのアドバイスや手助け先の獲得。
 3. 経営像  各都道府県の経営指標を参考にして、自身の農業計画を立てる。
 4. 就農計画  農地の確保、栽培作物の選定、農業技術の取得方法、資金などの具体的なプランを作り。
 5. 農業技術  栽培に適した作物、栽培方法などを身に付ける。
 6. 資金確保  自己資金、公的助成金・融資の確認。
 7. 農地の準備  そのほかの住居や農機具、農業施設などの準備。
参考:全国新規就農相談センター
▼新規就農のことならこちらもご覧ください。

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農業研究センターで6年間、大豆と稲の研究作物の栽培及び実験助手業務に従事。その後、屋上ガーデン・屋上菜園などの管理業務、エディブルフラワー事務局を経て、植物ライターに。植物・園芸サイトやフリーペーパーなどで活動。AGRI PICKでは新規就農者のための野菜の栽培方法や農業経営者の取材を執筆中。