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プランター野菜栽培家
安藤 康夫自宅のベランダと屋上のプランターでさまざまな野菜や果樹を栽培し、50品目達成。栽培の様子や採れたて野菜を使った料理などを、「Hanna-papaの菜園日記」にて発信しています。 現在は、プランターの限られた土の量で、どれだけ高品質な野菜が育てられるかを探求中! ■関連サイト:Facebook「Hanna-papaの菜園日記」、 2019年5月以前のブログ「Hanna-papaの菜園日記 2」 ■著書:『プランターで有機栽培1』(農文協)、『プランターで有機栽培2』(農文協)…続きを読む
畑や地植えでの、青ネギ(葉ネギ・万能ネギ)の栽培方法はこちらの記事で!
プランターで育てやすい!おすすめのネギの種類と栽培の特徴
ネギは、白い部分を食べる白ネギと、根元まで緑の葉ネギの2種類に大きく分けられます。ワケギは、葉ネギと見た目がそっくりですが、実は別の種類のネギです。白ネギは土に深く埋めることが必要なので、プランター栽培では難易度が高く、初心者向きではありません。葉ネギ|生命力が強く、プランター栽培におすすめ!
浅く植えて緑の葉を伸ばしていく葉ネギは、暑さや寒さにも強く、プランターで育てるのに適しています。京都発祥の「九条ネギ」も葉ネギの品種。よく耳にする「万能ネギ」は、品種ではなく商標登録名。辛みや匂いが少なく使い勝手の良い、福岡県で栽培されているブランドネギです。「小ネギ」は、葉ネギを若採りしたものを指します。
葉ネギの栽培時期
・種まき:7月・植え付け:8月
・収穫:9月中旬
※年間平均気温が12〜15℃の温暖(中間)地基準
葉ネギの栽培適温
15~25℃※発芽温度は20~25℃
葉ネギ栽培の特徴
病害虫も発生しにくく育てやすいネギで、根を残すように葉を収穫すれば、なんども葉が生えてきます。畑などではコンパニオンプランツとして使われることも。葉ネギ栽培をスタートするには、種をまく方法と、夏の終わりに干し苗を購入して植え付ける方法の二つがあります。ワケギ|植え付けも簡単で、すぐに収穫できる!
ワケギはネギとエシャロットの交配種で、根元が少し膨らんでいるのが特徴。葉ネギとワケギは、似て非なる野菜。種や苗から育てる葉ネギに対して、ワケギは球根から育てます。ワケギの栽培時期
・植え付け:8月下旬~9月・収穫:10~11月
※年間平均気温が12〜15℃の温暖(中間)地基準
ワケギの栽培適温
15~20℃ワケギ栽培の特徴
球根から育てるワケギは植え付けが楽で、葉ネギと比べて短い期間で収穫できるので、初心者にもおすすめです。土の中で分けつをして葉が増えていくので、葉ネギ同様くり返し収穫ができます。ネギの花であるネギ坊主ができにくく、葉が硬くなりにくいのも特徴。白ネギのプランター栽培はマニアック!?
白ネギの栽培は、葉ネギ同様、種まきか苗の植え付けから始められますが、ネギは日に当たると緑色になってしまい、白く柔らかい部分を作るためには、日に当たらないよう生長にあわせて土をしっかり被せて育てなければなりません。ダストボックスのようにかなり深さのある容器が必要となるため、プランター栽培は難しいでしょう。畑や地植え、農業でのネギ栽培の関連記事はこちら
葉ネギ・ワケギの上手な育て方のポイント&プランターの設置場所
Point1. 株元を残して収穫する
葉が生長したところで、根ごと引き抜いてしまうと、収穫は終了してしまいます。株元を残すようにして、必要な分の葉だけをはさみで切って収穫すれば、ネギは繰り返し生えてきます。薬味など、使いたいときに使いたい分だけ収穫できますよ。Point2. 過湿に弱いので水の与え過ぎに注意
ネギは乾燥には強いですが、過湿には弱く、水を与え過ぎると根が腐ってしまうことがあります。水やりは適量を守り、過湿状態にならないようにしましょう。葉ネギ・ワケギ栽培にあったプランターの設置場所
日当たりや風通しの良いところに設置しましょう。室外機の前など人工的な風が当たる場所は、野菜栽培には向いていません。必ず避けて置くようにしてください。葉ネギ・ワケギ栽培に必要なプランターの大きさや深さは?土や肥料も紹介
葉ネギ・ワケギのプランター栽培では、プランター・土・肥料があれば、ほかに特別な道具は必要ありません。葉ネギ栽培|適したプランターの大きさや深さ
・A:直径24cm程度・B:深さ20cm程度
葉ネギを育てるのに適しているのは、直径24cmの8号サイズのポット。1つのポットにつき1株育てるのがいいでしょう。2株以上植えたいなら、8号サイズのポットを植えたい株数だけ用意するのがおすすめです。
葉ネギ栽培におすすめのプランター
リッチェル ナチュリー 8号ポット
間伐採を使って作られています。ナチュラルな風合いとシンプルなフォルムなので、どんな場所においても周りとなじみやすいプランターです。
サイズ | 直径24.5×高さ24cm |
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容量 | 6L |
材質 | ポリプロピレン |
ワケギ栽培|適したプランターの大きさや深さ
・A:幅65cm程度・B:奥行20cm程度
・C:深さ20cm程度
ワケギを育てるのに適しているのは、幅65×縦20×高さ20cm程度のサイズのプランター。10cmの株間で2列植えるといいでしょう。
ワケギ栽培におすすめのプランター
アップルウェアー クイーンプランター 650型
プランターの底の凸凹と通気性・通水性の良いスノコ付きで、プランター内が過湿になるのを防ぎます。ティアラをモチーフにした彫刻デザイン。
サイズ | 幅65×奥22.5×高18cm |
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容量 | 14L |
ネギのプランター栽培に適した土
葉ネギやワケギをプランターで育てるなら、元肥が入っている野菜用培養土から始めるのがおすすめです。乾燥にはある程度強い葉ネギですが、過湿には弱いため、水はけと通気性の良い土で育てることを意識しましょう。おすすめの土
花ちゃん培養土
abコンポとココナッツファイバーと土壌改良剤を混合したオリジナル配合の培養土。効き目が穏やかで肥効期間が長い、IB肥料を配合。海藻成分のミネラルとカルシウムの効果で、根張りを良くします。
内容量 | 5L |
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葉ネギ・ワケギ栽培に適した肥料
野菜用培養土を使うなら、元肥は必要ありません。追肥用に油かすを用意しておきましょう。おすすめの肥料
【葉ネギ編】種まき・水やり・肥料の与え方など、プランターでの育て方とコツ
種から育てるなら、7月中に種をまきましょう。葉ネギの種は小さいため、プランターの土に直接種をたくさんまいてしまうと、元気な苗だけを残していく間引きなどの作業がかなり大変です。種から育てる場合は、ビニールポットでの育苗がおすすめです。Step1. 葉ネギの種まきと育苗をする
- 直径7.5cmほどのビニールポットに野菜用培養土を入れます。
- 20粒くらいの種を、できるだけ重ならないように土の上にまきます。その上から土を軽く被せるか、指で鎮圧します。
- 3週間ほどで針のような子葉が発芽します。本葉が3枚になるまで育てましょう。
初心者にもわかりやすい!動画で詳しくネギの種まきや育苗方法を見る
育苗ポットについての関連記事はこちら
Step2. プランターへ葉ネギの苗を植え付ける
葉ネギの本葉が3枚出たら、植え付けのタイミングです。- ビニールポットから土と根の塊を取り出して、苗をそっと1本ずつに分けます。
- プランター内の土の真ん中に穴をあけ、1本ずつ苗を植えたらたっぷりと水を与えましょう。
初心者にもわかりやすい!動画で詳しくネギの植え付け方法を見る
葉ネギの干し苗から育てる場合|苗の選び方と植え付け方
夏のお盆を過ぎると、干し苗の販売が始まります。干し苗とは、ネギの苗を1カ月ほど干したもの。発根が良くなり、大きく育ちやすいのがメリットです。干してあるため、良い苗かどうかの見分けがつきにくいのですが、ネギは生命力が強いため、特に気にせずどれを選んでも問題はありません。- 枯れている葉を取り除いておきます。
- 株元を15cmほど残すようにして、先端の葉は切り落とします。
- 土を入れたプランターの真ん中に穴をあけ、1本ずつ植え付けます。
- 植えた直後に水を与えると腐ることがあります。植え付けから4~5日経ってから水やりをしましょう。
スーパーで買った葉ネギは苗として使える?
スーパーで購入した葉ネギも、根が残っていれば植えることができます。切り口を外に出すようにして、根を土に植えれば、新芽が出てくるはずです。Step3. プランター内の土が乾いたら水やり
毎日決まった時間に水を与えるのではなく、土が乾いたときが水やりのタイミング。鉢底から水があふれるくらいたっぷりと与えましょう。Step4. 葉ネギへの追肥と土寄せをする
植え付けから1カ月過ぎたら、10日に一度の頻度で油かす肥料を半握りほど与えましょう。プランターの土の表面に、まんべんなくまきます。追肥のタイミングで、土寄せもしておきましょう。株元が盛り上がる程度に土を集め、ぐらつきを抑えます。
【ワケギ編】種まき・水やり・肥料の与え方など、プランターでの育て方とコツ
葉ネギと違い、球根から育てるのがワケギの特徴です。種まきや育苗などの手順がなく、植え付けも土の上に置くだけと、葉ネギよりも簡単!より手軽に家庭菜園を楽しみたい人にもおすすめです。Step1. プランターへワケギの球根を植え付ける
- プランターに鉢底石を敷き、野菜用培養土を入れます。
- ワケギの球根の外側に浮いている茶色の皮を取り除きましょう。
- プランターの土の上に、2〜3cmの深さのくぼみを2列作ります。くぼみの上に株間10cmで、とがっている頭の方を上にして球根を置きます。先端が少し地上に出る程度に土をかぶせて、軽く上から鎮圧します。
- たっぷりと水を与えて完了!
Step2. プランターでのワケギ栽培中の水やり
水やりのタイミングは、葉ネギと同じです。毎日決まった時間にするのではなく、土が乾いたときに鉢底から水があふれるくらいたっぷりと与えましょう。Step3. ワケギへの追肥と土寄せをする
葉ネギと同じく、植え付けから1カ月過ぎたら、10日に一度の頻度で油かす肥料を半握りほど与えましょう。プランターの土の表面に、まんべんなくまきます。追肥のタイミングで、土寄せもしておきましょう。株元が盛り上がる程度に土を集め、ぐらつきを抑えます。
葉ネギとワケギの収穫方法|株元・根を残しておくとまた生えてくる!
ネギの品種ごとに葉の長さや太さは違います。好みの長さや太さになったら、葉の部分をはさみで収穫しましょう!プランター栽培でくり返し採れる!葉ネギ・ワケギの収穫のコツ
株元から2cm程度上、株元の葉の間から出てきている新芽も残しながら、葉をはさみで収穫しましょう。根を引き抜かなければ、また次々とネギの葉が生えてきますよ。ネギ坊主が出たら…
ネギは収穫しないでそのままにしておくと、ネギ坊主が顔を出します。そうなると葉が硬くなってしまうため、ネギ坊主を見つけたら早めに切り落とし、葉が柔らかいうちに収穫するようにしましょう。葉ネギは種も採れる!
九条ネギ系の葉ネギは、種を採ることができます。ネギ坊主が枯れるまでそのままにしておくと、黒い種が見えてきますよ。種を乾燥させて、次の種まきに使いましょう。ワケギは球根なので、鱗茎を土の中に残しておけば、また翌年も芽が出てきますよ!ネギを育てた後の土は、害虫忌避に有効的!
数年同じネギの株で収穫した後、株の勢いが弱まってきたら根ごと抜いて、新しいネギの種をまいたり、新しい球根を植えたりしましょう。育てたあとの土は再利用可能!ネギを育てた土は、ウリハムシなどウリ科特有の害虫を回避する効果があるため、キュウリやカボチャなどウリ科の植物を育てるのがおすすめです。