アザミウマ(スリップス)退治に効く!オススメの防除法と農薬

厄介な害虫の代表格「アザミウマ」。梅雨明けから夏にかけて繁殖する、吸汁性の害虫です。今回はそんなアザミウマの駆除方法を、生態や種類に触れながらながらご紹介します!おすすめの農薬や、アザミウマの見分け方も詳しく解説しちゃいます!!


出典:Flickr(Photo by Brian Valentine)
野菜や花などを栽培していると、葉に白い斑点が現れたり、縮れたり、花の色が脱色したりすることはありませんか?「ちょっと肥料が足りなかっただけ、大したことないか」と放っておくと、いつの間にか葉が落ち、果実が割れ、病気になっていたなんてことも…。それはもしかしたら「アザミウマ」の仕業かもしれません。今回は数ある害虫の中でも特に駆除が難しいと言われるアザミウマについてご紹介します。

そもそもアザミウマ(スリップス)って何?

出典:Flickr(Photo by Ryszard)
家庭菜園やガーデニングが趣味の人や、農家さんの間では良く知られる害虫ですが、そうでない人にはあまり馴染みがないですよね。アザミウマは体長が小さく見つけにくいものの、農作物に重大な被害をもたらす虫です。アブラムシと同様に吸汁性の害虫で、主に花に好んで寄生します。それでは、詳しい生態を見ていきましょう。

アザミウマ(スリップス)の生態と種類

出典:PIXTA

アザミウマの生態

名前(和名/学名/英名) アザミウマ(薊馬)/Thysanoptera/Thrips(スリップス)
  1. 生息範囲
  1. 日本全土
活動する時期 4~10月。高温で乾燥する気候を好むため、梅雨明けから8月にかけて大繁殖します
体長および体の特徴 0.8~2.0mmで成虫の体は細長く、黄色、褐色、黒褐色の色をしています
生息場所 植物の狭い隙間(花、つぼみ)や新しい葉を好み、寄生します
生育サイクル 2~7週間
苦手なもの 光の反射

アザミウマの種類

アザミウマと一口に言っても、およそ200種類に上ります。中でも農作物に特に重大な被害を与えるアザミウマは、「ミナミキイロアザミウマ」、「ネギアザミウマ」、「ミカンキイロアザミウマ」、「ヒラズハナアザミウマ」、「チャノキイロアザミウマ」の5種です。

アザミウマ(スリップス)発生の原因は?

出典:PIXTA

アザミウマが被害を及ぼす農作物

前項で紹介した、5種のアザミウマが被害を及ぼす農作物は合わせて300種類近くもあります。中でもナス科(ナス、ピーマン、トマトなど)、ウリ科(キュウリなど)、ユリ科(ネギ、アスパラガスなど)、バラ科(イチゴ、バラ)、果樹などの植物は特に被害に遭いやすく、防除には一層の注意を払ったほうが良いでしょう。

アザミウマがもたらす被害と特徴

寄生した場所によって被害は変わります、花の場合は茶色の染みが全体に広がり、咲かずに枯れてしまいます。葉の場合は色が褪せ、白い斑点と奇形葉が見られるようになります。アザミウマの駆除を難しくさせているのは、花や葉の内部に潜り込んで吸汁・産卵するため、農薬が届きにくい点です。蛹の時は地中に、成虫になっても植物の地面の近い場所にいることが多いので、農薬も天敵も効きにくい手強い害虫と言えます。

アザミウマの発生原因

上記で述べた通り、寄生する作物の種類が多いため、複数の作物を同じ場所で育てていたり、雑草が多い場所に発生しやすくなります。また、窒素肥料の過剰散布や、天敵となる虫が少ないのも発生原因に数えられます。

被害を最小限にするには?

出典:Flickr(Photo by David Collins)

連作・混作を避け、緑地や雑草から離れた場所で栽培する

先ほど説明したように、アザミウマが被害を及ぼす農作物は約300種類あるので、アザミウマが好む作物ならば連作、混作を避けるのがベストです。また、緑地が近かったり、雑草が生えやすい場所に栽培しないようにしましょう。

除草をこまめにする

雑草はアザミウマが越冬するのに最適な場所。こまめに除草することによっても、被害を抑えることができます。

摘蕾(てきらい)をこまめにする

出典:Flickr(Photo by Scot Nelson
アザミウマは花を好む性質が持った種類が多いので、枯れた蕾はこまめに摘み取るようにし、作物の近くに残さないようにしましょう。

天敵を導入する

生物農薬として実用化されている、「スワルスキーカブリダニ」や「タイリクヒメハナカメムシ」などはアザミウマに効果があります。

防虫ネットを利用する

作物の育苗中に防虫ネットを利用する方法もあります。網目は0.4~1mmくらいのトンネルタイプのものを選ぶと良いでしょう。

光の反射を利用する

アザミウマは光の反射を嫌います。シルバーのマルチなども販売されていますが、アルミホイルなどの家庭にあるものでも対策できますよ。

 

クラーク ワラのかわりシート

ワラのかわりシート(1*10m)
ITEM
ワラのかわりシート(1*10m)
キラキラとした光を嫌うアザミウマの特性を利用した、防除シートです。敷き藁やマルチの代わりにもなり優秀!

・サイズ:1×10m
・材質:ポリプロピレン
藁が手に入らなくなって困っていたが、これは便利です。枯草の飛沫が無いので潜っても心配ありません。
隙間から目が出てもすぐわかります。余りは日よけに窓に張っています。 出典:Amazon

国産オリジナル シルバーマルチ

ITEM
国産オリジナル シルバーマルチ
春~秋に栽培する葉物野菜・根菜果菜の栽培に活躍するマルチングフィルム。害虫避けのほかに、地中水分の確保、肥料の流亡を抑える効果などもあります。

・サイズ: 厚み0.02mm×幅95cm×長さ200m

足で踏むと破れたりもしますが、虫は少ない気がします。
高温の時は、必需品になりそうです。
強度が高くなり、お手頃価格になれば、よりよいとは思います。


アザミウマの種類の見分け方



出典:Flickr(Photo by Organic Variety Trials & Tastings)
アザミウマの成虫は葉や新芽といった柔らかい部分や花粉を好んで張り付き吸汁します。また、青色や黄色に誘引される性質があり、カラー粘着板を利用した採集も可能です。見つけたら以下のようなやり方で駆除していきましょう。

1. アザミウマを捕獲する

アザミウマを発見したら、チャック付きポリ袋を用いて、葉や新芽ごとアザミウマの成虫を捕獲。花の場合は袋を被せ、袋内で数回叩き、アザミウマの成虫を袋内に落下させます。

2. アザミウマを持ち帰って観察

ポリ袋のチャックを閉じて持ち帰ります。アルコール溶液でポリ袋内を洗い出し、キッチンペーパーなどでろ過した後、ルーペで観察してみましょう。

 

例:「イチゴ」の場合

イチゴに最も被害を与えるアザミウマは「ヒラズハナアザミウマ」と「ミカンキイロアザミウマ」の2種です。この二つを中心に見ていきます。ポイントは下記の表を参考にしてください。
ヒラズハナアザミウマ ミカンキイロアザミウマ
 被害 ・花弁や果実が褐色に変わる
・果実が大きくならない
・花弁や果実が褐色に変わる
・果実が大きくならない
・葉の裏に白い斑点が見られる
 体の特徴 体が黒っぽく縦に白い線が入っている 全体的に黄色い
 発生時期 3~5月頃と9月~11月頃

幼虫の時点で駆除するには?

まず、卵は基本的に新芽に付きます。ぱっと見だと分かりづらいですが、日光で透かすと見えやすくなるので簡単に見つけられます。
ただし、アザミウマの幼虫は好みに関係なく様々な部位に張り付きますので、厄介です。増殖した後では遅いので、見逃さないよう辛抱強く見つけていきましょう。

農薬を使う前に気をつけるべきこと

出典:写真AC

種に合った農薬を選ぶ

アザミウマは種によって効きやすい農薬と効きにくい農薬があります。種類ごとに適切な農薬を使って効率よく散布していきましょう。
もし生物農薬を使用する場合、生物農薬に対して影響の少ない選択性農薬を使うのがベターです。

同じ作用の農薬を連続して使わない

アザミウマの駆除で最も有効な手段は農薬で、発生初期の予防的散布は高い効果が期待できます。「アザミウマ類」「ミカンキイロアザミウマ」「ミナミキイロアザミウマ」などとラベルに書いてある農薬を選択しましょう。
ここで気を付けるべきはアザミウマの薬剤抵抗性です。多くのアザミウマは農薬に対する耐性が強くなってきています。同じの農薬の散布回数が増えていく連作、混作をできる限り避けるようにしましょう。

農薬をローテーションする間隔を短くするようにする

使用する農薬の系統が頻繁変わればアザミウマも適応しにくく、薬剤抵抗性の発達を遅らせることができます。逆に、長期間同じ農薬を使っていると、耐性が付いてしまう原因に。

アザミウマ(スリップス)駆除にオススメの農薬

発生初期

アザミウマの発生初期は生物農薬が有効です。代表的なのは「ボタニガードES」や「スワルスキー」「タイリク」です。「ボタニガードES」は散布、後の二つは放飼の形で使用します。

 

ボタニガードES

ITEM
ボタニガードES
微生物用の害虫駆除剤。害虫の天敵に対する影響が少なく、環境にも優しい剤です。鉱物油を含んだ乳剤で、湿度などの気候条件に左右されにくいため、露地でも使用可能!

・内容量:500ml

発生後

アザミウマが発生した後は「モベントフロアブル」「ティアナSC」が有効です。どちらとも散布で使用できます。「モベントフロアブル」は育苗期の後半に灌注処理(ジョウロ等で通常の灌水と同じ方法で行う散布)でしても良いでしょう。薬効が持続している間は散布作業を省くことが可能です。

 

モベントフロアブル

モベントフロアブル 250ml
ITEM
モベントフロアブル 250ml
アザミウマだけでなく、アブラムシ類やコナジラミ類にも優れた効果を発揮します。さらには、ハダニ類、及びチャノホコリハダニも同時に防除可能!効果が出るまでは遅いですが、持続性は高いので、前もって防除するときに使用してください。

・内容量:250ml

ミカンキイロアザミウマにはコレ!

ミカンキイロアザミウマの駆除には「コテツフロアブル」「マッチ乳剤」が効果的ですので、おすすめです。

 

マッチ乳剤

マッチ乳剤 250ml
ITEM
マッチ乳剤 250ml
本来は、ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、オオタバコガなど大型チョウ目害虫の防除を目的とした薬剤です。散布翌日にはハチを導入することができます。

・内容量:250ml

ネオニコチノイド系

ネオニコチノイド系の「モスピラン顆粒水溶剤」、「モスピランSL液剤」も使用できますが、ネオニコチノイド系に対する耐性も一部のアザミウマでは出てきているため注意が必要です。

 

モスピラン粒剤

モスピラン粒剤 1kg
ITEM
モスピラン粒剤 1kg
セル苗に対して、育苗期後半の株元処理ができ、省力的なのがうれしいですね。大きな家庭菜園をお持ちの方や農家さんは、1kgの大容量の薬剤を持っておくと安心です。

・内容量:1kg

楽しいガーデニングライフのために

アザミウマの防除のポイントは「早期発見・早期防除」の一言に尽きます。早期発見と早期防除によって対応が後手に回ることもなく、労力を減らし、低コストに繋がります。楽しいガーデニングライフは丁寧な心掛けから。アザミウマと上手に付き合っていきましょう!

紹介されたアイテム

ワラのかわりシート(1*10m)

ワラのかわりシート(1*10m)

¥1,278 税込

モベントフロアブル 250ml

モベントフロアブル 250ml

¥3,850 税込

マッチ乳剤 250ml

マッチ乳剤 250ml

¥2,430 税込

モスピラン粒剤 1kg

モスピラン粒剤 1kg

¥1,939 税込

編集部おすすめ記事


関連する記事

このまとめが気に入ったら
「いいね!」をしよう

この記事のキーワード