白絹病の原因と対策|防除方法と使用薬剤(農薬)

ネギやトマト、ピーマンや落花生(ラッカセイ)などの植物の株元やその周りに、絹糸のような白いカビが生える白絹(しろきぬ)病の感染しやすい時期や環境、石灰や土壌消毒などを用いた防除方法やおすすめの薬剤(農薬)を詳しく説明します。


白絹病 タロ芋

出典:flickr(photo by Scot Nelson)
白絹(しらきぬ)病とは、株元やその周りに絹糸のような白いカビが生える病気です。ネギやカボチャ、キュウリなど多くの野菜や草花に発生する白絹病の発見のポイントを押さえて予防と早期発見、防除を心がけましょう。

白絹病の症状は白いカビ、淡褐色の菌核

白絹病 菌核
出典:wikimedia
「株元に白い糸のようなものが生えている」「茶色くて丸い粒が付いている」などの症状が現れたときは白絹病を疑いましょう。
白絹病は土壌から感染する病気です。主に地際部から発病して、絹糸のような光沢のある白い菌糸(カビ)が根元やその周辺の土壌にはびこります。
根や茎は水に浸したように軟化して腐敗し、症状が進むと株全体が枯死します。

白絹病の発症原因

白絹病 菌糸
出典:flickr(photo by Scot Nelson)
白絹病とはカビ(糸状菌)が原因となる病気です。
名前  白絹病
菌名  Sclerotium rolfsii
分類  糸状菌
発生時期  6〜9月
発生適温  25〜35℃
▼病原体のことならこちらをご覧ください。

白絹病は土壌伝染性病害

白絹病に感染すると、茎の地際部やその周りの土壌表面に菌糸が生えます。
菌糸の中に淡褐色の粟(あわ)の粒のような1〜2mm大の菌核を多数作ります。菌核は土壌に落下して越冬し、翌年発芽して伝染源となります。
菌核は土壌中の浅いところで5〜6年生存するといわれています。

白絹病が発生しやすい条件とは

白絹病が発生しやすい環境や土壌について説明します。

◆発生時期、気温

発生時期は6~9月で、発病適温は25〜35℃と高温を好み、真夏でも発生します。
雨の多い年に多発し、雨量が少ない年には発生が少ないようです。

◆湿潤、乾燥土壌

土壌が湿潤状態で多発します。
乾燥の後に降雨が続くと発病しやすくなります。

◆酸性土壌

土壌pHが酸性で発生しやすくなり、中性~アルカリ性で発生が抑えられます。

白絹病に感染する主な植物

白絹病 地上部の様子
出典:flickr(photo by Scot Nelson)
白絹病はネギ、ナス、トマト、ピーマン、キュウリ、スイカ、イチゴ、タマネギ、ニンジン、ラッカセイなどの野菜類、キクやカラーなどの草花に感染します。

ネギ

地下部の浅い部分から根元付近が水で浸したように柔らかくなり、やがて白色の菌糸が生えます。
下葉から黄化し、症状が進むと株が萎れて枯死します。
被害部分の菌糸の中に、粟粒大の淡褐色の菌核が多数形成されます。

ピーマン

地際部付近の根と茎に感染します。
はじめ、暗褐色の病斑が茎や根に生じて、徐々に大きくなります。
病斑上には白色の菌糸が生えて、やがて菌糸の中に粟粒状の菌核を多数作ります。
生育が止まり、症状が進むと萎れて枯死します。



白絹病に有効な防除方法

白絹病に有効な防除は圃場の管理で行う方法(耕種的防除方法)と「農薬」の使用で行います。
※圃場(ほじょう)とは、田や畑のような農作物を育てる場所。

白絹病を発症させない管理方法

農薬を使わずに行う白絹病の予防方法について説明します。

1. 植物残渣の処理

前作の植物や枯れた植物に白絹病が感染している可能性があります。
残渣(ざんさ)は圃場外に持ち出して処理します。
※残渣とは、圃場などに残った生育(栽培)を終え枯れた植物体。

2. 土壌の消毒、入れ替え

前作に白絹病が発生した圃場、また発生が心配される圃場は、土壌を消毒するか新しい土を入れます。
太陽熱消毒は、一年で最も暑い時期(7月中旬から8月下旬くらいまで)に圃場にたっぷり灌水(かんすい)した後、透明のポリマルチを土の表面に隙間が無いように被せて、20日から30日程度放置してください。
※灌水とは水を注ぐこと、植物に水を与えること。

白絹病の伝染源である菌核は、土壌表面から10cm以上深いところでは生きられません。表面の土を天地返しなどで深く鋤(す)きこむ方法でも予防できます。

また、菌核は3~4カ月の湛水(たんすい)で死滅するので、多発圃場では可能であれば田んぼに転換すると発病が少なくなります。
※湛水とは水田のように水を張ってため続けること。

プランター栽培では新しい土と入れ替えるか、白絹病が発生した土に水をたっぷり含ませ、透明のビニール袋で包み、太陽の熱を利用して消毒します。
▼プランターの培土処理のことならこちらをご覧ください。

3. 土壌酸度の調整

白絹病菌はpH値が低い酸性土壌で発生しやすいため、石灰質の肥料を入れて中性~アルカリ性へ調整することも効果的です。
▼土壌のpH測定のことならこちらをご覧ください。

4. 排水性の良い圃場づくり

土壌の水分が多いことで病原菌に感染しやすくなります。
水はけを良くするには畝を高くしたり、腐植土、パーライト、バーミキュライト、ヤシガラなどの土壌改良材を投入します。
▼土壌改良のことならこちらをご覧ください。

5. 未熟有機物を入れない

稲の生わらなどの未熟有機物は白絹病菌が増殖し、発病の温床となります。
使用する際は、植え付けの1カ月以上前に広げて腐熟させておきます。

6. 連作の防止

連作すると土壌中の菌密度が年々高まり、発生が増えますので輪作を心がけます。多発圃場では、3~4年イネ科作物を輪作することで病原菌が減少します。

白絹病の防除に効果的な「農薬」

農薬を使用してより効果的に白絹病を防除しましょう。
白絹病は発生してからの防除は難しいため、予防を徹底します。
※農薬使用の際は必ず作物登録、使用方法をラベルで確認してください。地域の防除指導機関やJAなどの使用基準を守り施用してください。

◆土壌混和で病原菌を抑える

植え付け前に土壌混和することで発病を抑えます。
根こぶ病との同時防除も可能です。
ITEM
フロンサイド粉剤
土に混ぜたり、株元に散布する(ネギ、ニラ、ラッカセイ)だけで、土の殺菌・消毒ができる土壌殺菌剤です。
アブラナ科野菜の根にコブができる根こぶ病をはじめ、キャベツの苗立枯病や菌核病、ネギの白絹病、ジャガイモのそうか病など広範囲の病害にすぐれた予防効果があります。
石灰類との併用を行っても、薬効、薬害面で問題はなく、土壌pHの矯正により防除効果が高まる傾向にあります。

・内容量 700g
・有効成分 フルアジナム(0.5%)

◆土壌病害を抑える

散布や株元、土壌灌注で効果があります。
根腐病や立枯病、苗立枯病との同時防除も可能です。
ITEM
リゾレックス水和剤 
予防的な処理で効果があります。
病原菌の運動機能や細胞分裂の制御機能に影響を与えて殺菌効果を発揮すると考えられています。
優れた残効性を示し、安定した効き目があります。

・内容量 500g
・有効成分 トルクロホスメチル(50%)

▼農薬についてはこちらをご覧ください。

白絹病発症後の対策

白絹病の発生が見られたら、菌が土に残らないように周辺の土ごと株を取り去ります。土壌に鋤き込むと病原菌を放出してしまうので、圃場の外に持ち出して処分してください。
予防的に農薬を散布する場合は、株の周囲にたっぷりとかけるようにします。
また、圃場で使用した道具や土のついた靴は病原菌が付着しているため、丁寧に洗いほかの圃場へ持ち込まないようにしましょう。

白絹病対策に何より大事なのは早期発見、土壌消毒

白絹病は発病してからの治療方法は無いため、発症しないための環境づくり、土づくりが大切です。
白絹病は白いカビと粒状の菌核ができるので、比較的発見しやすい病気です。発病した株は取り去り、栽培環境を見直します。
土壌は消毒、もしくは土を入れ替えて、病原菌の菌核を残さないようにしましょう。

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rinko

農協、農業資材メーカーで農業技術指導をしていました。 現場目線の記事作成を心がけていきます。