キャベツ農家が教えます!「苦土石灰」の秘密と上手な使い方

野菜の種まきや植え付け前に使う、身近な石灰資材の苦土石灰(読み方は「くどせっかい」)。成分や価格帯、使用量、粒と粉の違いなどの基本はもちろん、苦土石灰と消石灰の違いや追肥・堆肥など肥料としての効果、また撒きすぎにならないような注意点など苦土石灰について徹底解説します!


「苦土石灰」と聞いて、皆さんはどんなことを想像されますか?土の酸度を調整するものとのイメージがありますが、実は野菜にとって、ある非常に重要な役割を担っているんです。明日から、苦土石灰を見る目がちょっと変わると思いますよ。

苦土石灰って何だろう?読み方や成分は?

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苦土石灰と書いて、「くどせっかい」と読みます。「苦土」はマグネシウム、「石灰」はカルシウムのことで、この2つを含んだ資材です。原料はマグネシウムをたくさん含んだドロマイトと呼ばれる鉱物を原料とし、それを加熱後に砕いて作られています。土にまいてもすぐには溶けず、速効性はありませんが、その代わりに根を傷めることもないので、ガーデニング初心者の方にとっても使いやすい石灰資材です。

苦土石灰の化学式を知る!

苦土石灰はドロマイトでできているので、CaCO3・MgCO3で表されます。

土壌をアルカリ寄りにする効果あり!さらに肥料の役目も

苦土石灰は、土にすき込むことで土壌と緩やかに反応し、酸性に傾いた土壌をアルカリ寄りにする働きがあります。またマグネシウムを供給し、植物が葉緑素を作るのをサポート!マグネシウムの効き方も緩効的で、安心してカルシウム、マグネシウムの養分補給ができます。

消石灰や有機石灰との違いは?

苦土石灰とよく似た資材に、消石灰や有機石灰というものがあります。消石灰と有機石灰の違いですが、消石灰はマグネシウムを含みません。またアルカリ分が60%前後と、苦土石灰よりも若干アルカリ成分が高いのが特徴です。
有機石灰は、貝殻などを砕いて作った石灰資材で、アルカリ成分は50%前後です。ゆっくり中和する働きがあるため、散布後すぐに種まきや植え付けが可能というメリットがありますが、コストは高めです。

苦土石灰の使用量、粒と粉のこと

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pHを1上げるための、苦土石灰の量とは?

土壌の条件にもよりますが、一般的には1平方メートルあたり100~200g程度で、一握りくらいが目安といわれていますが、何回か自分の手で握り、きちんと重量を測って散布の目安にすると良いでしょう。粉タイプなど手で握りにくい場合は、コップなどを使ってください。鉢植えなら、土1Lあたり3〜5gを目安にすると良いでしょう。

粒と粉、どちらがおすすめ?

苦土石灰は粉状のものと粒状のものがありますが、粒の方が散布しやすいです。使用量は変わりません。上澄み液を作るため、もしくはコストを抑えたい場合は粉がおすすめです。

卵の殻で代用できるって本当?

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苦土石灰の代わりに卵の殻で代用することもできますが、粉にしないと分解に相当の時間を要することや、効果が薄い等のデメリットがあります。ただ、与えすぎても害が出にくいこと、効果が長く持続する点がメリット。殻を洗い、薄皮をむいて乾燥させ、あとはひたすらすり鉢などでパウダー状に細かくするのが大変ですが、少量が必要であれば試してみてもいいかもしれませんね。

苦土石灰は、堆肥や肥料と同時に撒ける?すぐに植え付けできる?

生石灰や消石灰は、化成肥料と反応してアンモニアガスが発生し、植物を枯らしてしまうリスクがありますが、苦土石灰はこういった心配はあまりないので、同時に散布しても問題ありません。ただし、効き目が出るのに時間を要するため、酸性土壌に弱い植物を育てる場合は、種まきや植え付けの1~2週間前に散布しておくと良いです。

苦土石灰の使いこなし方│基本は、酸度調整

ずばり、基本は酸度調整です。ただし、まき過ぎてアルカリ性に傾くと、植物の生育阻害になったり、ジャガイモのそうか病のように、病気が発生したりする場合があります。また、カルシウム過剰やマグネシウム過剰で生理障害が出るケースもあるので、酸度をあらかじめ測定し必要な分だけを散布するのがコツです。

 

苦土石灰を投入する前に!pHや、窒素・リン酸・カリウムまで測定「みどりくん」

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農大式簡易土壌診断キット みどりくん スターターキット
試験紙タイプの土壌養分診断試験キットで、米国ETS社の土壌検査試験紙をベースに東京農業大学土壌学研究室によって開発された信頼性の高いもの。土壌のpHと肥料の三要素を誰でも簡単に診断することができ、本格的な土作りに役立ちます。

・内容:みどりくんN(20回分)、みどりくんPK(20回分)、専用採土器、浸出用容器、シリンジ
・測定項目:pH(H2O)、硝酸態窒素、水溶性リン酸、水溶性カリウム

基本的には、野菜の植え付け前に施す

苦土石灰は、植え付けの1~2週間前に施すのがベストなタイミングです。このタイミングでまくと、ちょうど種まきや植え付けの頃にじわじわ効いてくるのでおすすめです。

降雨の前に散布して耕うんすると、ベスト

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苦土石灰は、まいてから溶けるのに時間を要します。そこで、降雨の前に散布ししっかり耕うんしておくと、雨が降った後、土に溶けやすくなりますし、むらなく中和を進めることができます。

散布方法は?

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苦土石灰を土にまくときは、小さい畑や庭、プランターの場合は、肥料おけや散布おけ、スコップを使い、パラパラと土にまいて土とよく混ぜ合わせると手軽に散布できます。

ベルト付きですぐに使える!散布桶

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タチバナの 豊年散布桶
苦土石灰や肥料散布時にあると便利な、散布桶です。容量目盛りがついているので、液剤散布や農薬散布時など容量や濃度を計ることができます。耐熱温度は80℃、耐冷温度は-30℃までと、非常に丈夫でリーズナブルな価格も魅力的!

・サイズ:42×30×19cm
・材質:ポリエチレン
・容量:15.5L

価格も安価!効果抜群のおすすめ苦土石灰


ハイパワー苦土石灰 4kg

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朝日工業 ハイパワー苦土石灰 4kg
実つきを良くするリン酸分を配合し、植物を健康に育てる微量要素、土壌改良を行う腐植酸も配合した総合土壌改良材です!

ガーデニングの土改良に購入しました。
日本は、酸性の雨が降ることからこちらの商品はかかせません。
家庭のガーデニングであれば、こちらの容量で十分です。
価格も手頃で良かったです。


苦土石灰 粉状 5kg

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プロトリーフ 苦土石灰 粉状 5kg
有機物の分解を促進し、土を団粒構造に改善!花・野菜の植え付け前に、石灰分を混ぜ込み中和することで、花・野菜が元気に育ちます。

粒状苦土石灰 20kg

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あかぎ園芸 苦土石灰 1kg×20袋
苦土分15%を含む石灰質肥料で、アルカリ分55%以上、苦土分の補給と土壌の中和の役割をします。定植の7~10日前までに散布し、混ぜ込みます。

撒きすぎに注意!苦土石灰を追肥、肥料として使いこなす


追肥として使う

苦土石灰は追肥として使うこともできます。トマトやネギ、ジャガイモなどの株の上からばらまくと、病気予防に効果があります。カルシウムが植物の細胞壁を丈夫にする、植物の酵素の働きを強め抵抗力が増すためともいわれます。

マグネシウムを補給する

マグネシウムは、植物の葉緑素を作り出す重要な働きがありますが、土中のマグネシウムは流亡しやすいため、野菜や花などの栽培途中に補給する必要があります。この時、苦土石灰を肥料と同じように土に撒くとマグネシウムを補給することができます。マグネシウムは葉を緑色にする葉緑素に必要な成分ですので、植物の葉色を良くするのに効果的です。

キャベツに窒素肥料をやりすぎると石灰欠乏症に!

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キャベツは特に石灰が好きな野菜で、外葉と結球部のトータルで、50kg/10aもの石灰を吸収するともいわれています。しかし、窒素肥料過多になると、この石灰を吸収できなくなり、キャベツの葉が枯れ込んだり巻き込んだりする石灰欠乏症を発症してしまうことも。
これを防ぐには、適正な量の苦土石灰を施肥すること、そして生育が遅いと焦って窒素肥料を過剰に散布しないことが重要です。

キャベツの根こぶ病予防には、酸度調整も取り入れて!

根っこにこぶのような塊ができてしまう「根こぶ病」。キャベツなどの根が比較的短い葉野菜などで、排水が悪い畑やpH6.0以下の畑で発生しやすい病気です。この病気にかかると、幼苗期では、寄生が多くなると根部はこぶだらけになり、生育が抑制されてしまいます。
対策として、高畝や畑の周囲に溝を掘るなどして排水を最優先とし、また石灰資材を適正量入れることで発生を抑えることもできます。

簡単に散布できる!上澄み液の作り方



出典:写真AC
苦土石灰を水に溶かし、上澄み液を散布して、ダニや灰色カビ病などの病気予防に使うこともできます。粉末苦土石灰1gを水1Lに入れよく混ぜ、上澄み液を使い、それを霧吹きなどを使って散布します。

手軽に使える苦土石灰!使用前には酸度測定を忘れずに

生石灰や消石灰ほど発熱などのリスクが少ない苦土石灰は、家庭菜園をはじめ幅広く土壌の酸度調整や、カルシウムやマグネシウムなどの微量要素を補給するのにも使える手軽な資材。ただし、事前の酸度測定や追肥の量等ご注意ください!


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