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プランターの土どうする?土の再生法・処分法


プランターの土は毎回新しいものを使います。では、古い土はどうしたら?土の処分方法や再生方法を紹介します。処分方では捨て方や廃棄物業者に出す方法など、たくさんの処分方を紹介。再生方では、カビや虫を防ぐ消毒の方法を紹介します。

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murasaki

DIYなどのものつくりや植物系のガジェットが好き。 屋上で菜園をしたり、自作器具で水耕栽培をしたりしています。…続きを読む

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土の入ったバケツ

出典:写真AC
植木鉢やプランターを使う場合、新しく植物を植えるときには新しい土を使うのが基本。古い土は栄養がなくなったり偏ったりしている上に、病気の原因となる病原菌(カビ)や害虫の卵などが入っていることも。なので古い土を処分しないといけないのですが…「捨て方がわからない」「もったいないから次の鉢にも使いたい」という方も多いのでは?土の処分の仕方やリサイクル方法を解説します。

プランターの土を入れ替える理由

プランター、土、再生
出典:写真AC
まず古くなった土の処分やリサイクルをする前に、なぜ古い土は良くないのかを知っておきましょう。

1. 栄養に偏りが出ている(連作障害)

植物が育つために土の栄養分を使ってしまうため、育て終わった後の土は栄養が不足しています。また、植物が必要とする養分は種類ごとに異なるため、同じ植物(または同じ仲間の植物)を何年も育て続けると、育てた後の土は特定の養分だけ少なくなるため、新しい植物はうまく育たず生育不良となります。

2. 病原菌が増えている

病気にかかった植物を育てた古い土の中には、病気の原因となる病原菌が多く残留しています。

3. 土質が低下している

土質の良い畑や購入したばかりの新しい培養土は、植物に必要な水や空気の通りが良い栽培に適した団粒構造の土ですが、植物を育てているうちに大きな土の粒が壊れて小さな粒になり、泥のようになって目詰まりを起こし、排水性や通気性の悪い植物の育ちづらい土になっています。
※団粒構造の土とは、小さな土の粒が集まって大きな土の粒になり、大きな粒同士の間に隙間ができる構造の土。

土を捨てたい!土を処分する方法と費用

土、処分
出典:Pixabay
使い終わった土を捨てたい、引越しで土を捨てたいという場合、どのように捨てたらいいのでしょうか。土って燃えるゴミ?燃えないゴミ?土の処分の仕方について紹介します。

ゴミに出す

自治体によっては燃えないゴミとして回収してくれます。その場合は普通にゴミに出せばOK。ただし、「自然物でありゴミではない」ということで、回収してくれない自治体も多いのが実状です。また、少量であればゴミとして出しても良いが、量が多い場合には回収しない、という自治体も。自治体によって大きく違いがあるため、自治体のゴミルールを確認しましょう。

かかる費用の目安

ゴミとして回収される場合は、基本的に無料です。

自治体の回収に出す

自治体によっては土のリサイクルを推奨しており、小学校や清掃事務所などで回収してくれる場合があります。また、少ない事例ですが、自治体から委託を受けた企業が土の回収を行い、園芸用土にリサイクルすることも。ただし予約が必要で、1回に出せる量は決まっています。土を廃棄するときは、鉢やプランターから取り出し、枯れた草や根、石などを取り除いて袋に入れ、回収場所に出します。

かかる費用の目安

基本的に無料ですが、自治体により費用がかかる場合があります。

公園など土のある場所に戻す

自治体によっては、公園などに相談して廃棄させてもらう、という方法がHPなどで紹介されています。公園管理の方に相談し、許可をもらえたら指示に従って廃棄しましょう。公園や土手などに、勝手に土を捨てると不法投棄になるのでくれぐれも注意してください。

かかる費用の目安

自治体や施設により異なります。

買ったホームセンター・園芸店の回収に出す

ホームセンター・園芸店によっては不要な土を回収しているところがあります。ご自身が土を買ったお店で回収を行なっていないか調べてみましょう。

かかる費用の目安

指定の園芸用土を購入することが、回収条件になる場合があります。

廃棄物処理業者に出す

特に捨てたい量が多い場合、廃棄物回収業者に依頼をするという方法があります。お金はかかりますが、自宅まで来てくれるので手間がかかりません。

かかる費用の目安

地域や土の状態などにより変わりますが、土1kgあたり50円程度の回収料金を取るところが多いようです。また、回収に来る際の出張費もかかります。捨てる土は、根や茎などが含まれていると回収料金が高くなるので、できるだけ取り除いておきましょう。

専門業者に頼む

土の回収・リサイクルを専門に行っている業者があります。有料ですが、持ち込みのほか、回収や、宅配便で回収してくれるところもあります。費用は業者によってまちまちなので、事前に見積もりを取るようにしましょう。

ウィステリアガーデン

東京の土回収専門業者。出張引き取りをしてくれます。料金は土1kg40円〜、出張費500円〜。
HP:ウィステリア ガーデン

信太商店

東京、千葉、埼玉、千葉など首都圏で土の回収をしてくれる業者。
HP:信太商店

河南菜農園

大阪で土リサイクルを行っている会社。神戸、名古屋などへも出張可能。プランター1個100円〜、交通費、作業費別途。
HP:河南菜農園

土の回収ドットコム

宅急便を送ることで土を回収してくれる兵庫県の業者。専用ビニール袋を含む回収キットを購入し、土を送ります。料金は高めですが、なかなか家にいない人などには便利です。
HP:土の回収ドットコム

土を回収してくれるホームセンター一覧

ホームセンター
出典:写真AC
ここでは、不要になった土の回収サービスがあるホームセンターについて紹介します。

まずは回収できるホームセンターをチェック!

ホームセンター名土の回収サービスの有無
ジョイフル本田
島忠ホームズ
カインズ×
コーナン×
コメリ×
ビバホーム×
ホーマック×

ジョイフル本田の土の回収方法

ジョイフル本田では、対象商品となる培養土を購入することで、いらなくなった土を回収してくれます。対象の商品は「かる~い培養土25リットル」と「このまま使える 花と野菜の土14リットル」、「ハイポネックス 花と野菜の培養土25リットル」の3種類。 上記商品の空袋に不要となった土を詰め、ジョイフル本田の各店舗に持って行きます。廃棄する土には、石や砂利が混じらないよう注意してください。

簡単!土の再生法| リサイクル材で復活させる

土、再生
出典:Pixabay
育て終わった植物を抜き取り、同じプランターで次の植物を育てたいという場合には、土をリサイクルするという手も。土の再生方法の流れを紹介します。

STEP1. 土を乾燥させる

植物を育て終わったら植物を抜き取りやすく、土フルイにかけるときに作業しやすいように、土を乾燥させます。

STEP2. 育て終わった植物の根を取り除く

適度に乾燥した土を園芸用シートなどの上に出し、枯れた植物の茎や根などを取り除きます。このとき、病気に感染した植物の場合、できるだけ丁寧に取り除きます。

STEP3. 土フルイにかける

土フルイで土をふるい分けていきます。手で取りきれなかった根などを取り除きましょう。

ステンレス土フルイ 37cm 替え網3枚付(荒・中・細)

荒目・中目・細目がセットになった園芸用篩。大きめの37cmサイズなので、たくさんの土も効率よくふるえます。


STEP4. 消毒する(病気にかかった植物を育てた場合)

病気にかかった植物を育てた場合は、病気の原因となる病原菌を除去するため、土の消毒を行います(下記項目「病原菌(カビ)や害虫の卵を撃退!土の消毒方法いろいろ」参照)。

STEP5. 土壌改良材・リサイクル材を混ぜる

古くなった土の排水性や通気性などの土質を高めるため、土壌改良材を混ぜます。バーク堆肥や腐葉土などの堆肥を投入するか、専用の土の再生材を使用しましょう。

日清 古い土のリサイクル材 1L

古い土を再生するためのリサイクル材。1袋で65cmプランター1つ分。

STEP6. 酸度を調整する

日本は温暖湿潤の気候で雨が多く降ることから、土壌中のカルシウムやマグネシウムなどの必須元素が流れ出てしまうため、作物を育てているうちに酸性に傾いていきます。そのため、古くなった土にアルカリ性の性質をもつ石灰を投入することで、酸性に傾いた土を作物がよく育つといわれている弱酸性(pH6.0〜6.5ほど)に調整します。
※酸度とは単位はpH(ペーハー)、土の状態により酸性・中性・アルカリ性と性質が変わります。

STEP7. 肥料(元肥)を投入する

最後に植物を育て終わった養分の少ない偏った古い土に肥料(元肥)を加えます(次に育てる植物の求める養分に合わせて、窒素・リン酸・カリの割合を調節することも良質な土の再生に有効)。

病原菌(カビ)や害虫の卵を撃退!家庭でできる土の消毒方法

プランター、土、再生
出典:写真AC
土の中にいる幼虫や害虫の卵は、手作業では完璧に取り除くことは難しく、また目に見えない病原菌が繁殖しているおそれもあるので、生育不良の植物を育てた後の土を再生する際には、土の消毒を行います。消毒方法には、薬剤を使用した方法や蒸気を使った方法もありますが、家庭でできる簡単な土の消毒を紹介します。

太陽光で消毒

太陽の熱を利用して消毒する方法ですが、プランターの土という少ない土量でも、冬は太陽熱が足りないため真夏の太陽光のもとで行います。
透明のビニール袋に土を入れ、水を十分に含ませます。ビニール袋の口を閉めたら真夏の直射日光の当たる場所に袋ごと置きます。時々ひっくり返しながら、1週間前後置いて熱消毒を行います(土の温度が60℃以上になると、ほとんどの菌は死滅するといわれています。土の温度がうまく上がらない場合には、消毒する日数を増やしてみましょう)。

熱湯で消毒

土をビニール袋に入れ、熱湯をかけて消毒します。天気に関係なくできる一方、大量に熱湯を使うのが難点です。

もうプランターの土の処分に困らない

土、再生、処分
出典:写真AC
さまざまな土の捨て方や、個人でもできる再生方法を紹介しました。どれか一つくらいは使える方法があるはず!「プランター栽培はしたいけど土の処理が面倒だからなぁ…」と躊躇(ちゅうちょ)せず、安心してプランター栽培に挑戦してください。

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