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ライター - AGRI PICK 編集部
AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む

画像提供:福田俊
暑さがようやくひと段落してくる9月は、秋冬野菜の種まきの適期です。特にコマツナやホウレンソウなどの菜っ葉類のバリエーションが豊富で、種まきから収穫まで1~2カ月と栽培期間が短いのもうれしいポイント!
この記事では、9月に植え付けや種まきができる野菜を家庭菜園のプロがピックアップ。おすすめの品種も教えてもらいました!
来月(10月)のおすすめ品目もチェック!
9月に植える野菜の特徴・栽培の注意点とは?

出典:写真AC
9月は、種まきのタイミングを逃さないようにすることが大事!
春はだんだん日が長く暖かくなるため、多少のまき遅れなどにも対応できますが、秋は日に日に日照時間が短くなって気温も下がってきます。そのため、秋まきは少しの遅れが後の栽培に響くことになるのです。特に早生タマネギは、9月上旬など時期が限られているので注意しましょう。
ここでは、9月前後に栽培をスタートできる野菜の種類を紹介します!
8月に植えるおすすめの野菜
キャベツ

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キャベツは品種によって、春・初夏・夏・秋と、それぞれ適した種まきの時期があります。8月に苗植えする場合は、6月に種まきをする初夏まきの品種を選びましょう。
▼キャベツの詳しい栽培方法はこちら!
ブロッコリー

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ブロッコリーの栽培は、春まきと夏まきの年2回。8月の定植には、夏まきで育てた苗を使います。極早生種であれば、10月には収穫ができますよ。
▼ブロッコリーの詳しい栽培方法はこちら!
カリフラワー

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カリフラワーも、ブロッコリーと同じく春まきと夏まきが可能です。7月の夏まきにすれば、8~9月に苗を植え付けて11月~翌年の1月に収穫ができます。
▼カリフラワーの詳しい栽培方法はこちら!
芽キャベツ

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芽キャベツは8月に苗植えし、12月~翌2月に収穫します。小さなキャベツのような脇芽が、ぎっしりとなる様子も面白いですよ。
▼芽キャベツの詳しい栽培方法はこちら!
コールラビ

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コールラビは、丸く肥大した茎部分を食べるユニークな野菜です。種まきの場合は約2カ月、苗から育てれば1カ月ほどで収穫できます。
▼コールラビの詳しい栽培方法はこちら!
ハクサイ(早生種)

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ハクサイは2月に種まきをする春まきのほか、8月に種をまいて9月に定植する夏まきも可能。品種は栽培期間の短い早生種がおすすめです。
▼ハクサイの詳しい栽培方法はこちら!
10月に植えるおすすめの野菜
10月に栽培をスタートする場合、コマツナをはじめとする菜っ葉類や、カブなどの間引き芽を利用するのがおすすめです。間引き芽を10月に移植すると、11月には収穫できますよ。
コマツナ(小松菜)

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コマツナは春・夏・冬まきが可能で、ほぼ1年を通して栽培が楽しめる野菜です。葉の長さが20cmほどになったら収穫しましょう。
▼コマツナの詳しい栽培方法はこちら!
ミズナ(水菜)

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ミズナも通年栽培が楽しめる野菜です。10~12月に種をまくこともできますが、時期が遅くなるほど発芽がしにくくなるため注意が必要。
▼ミズナの詳しい栽培方法はこちら!
カラシナ

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カラシナは、9~10月に種まきをしてから約60~90日後が収穫時期。30cm程度の大きさで採ると辛さが強くなり、10cmほどの小ささではマイルドな辛みになります。
▼カラシナの詳しい栽培方法はこちら!
チンゲンサイ

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チンゲンサイの栽培は、種まき・定植時期が2~12月、収穫は4~翌1月。1年を通して栽培が楽しめる野菜です。間引き芽を利用すれば、スピーディな収穫が可能ですよ。
▼チンゲンサイの詳しい栽培方法はこちら!
カブ

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カブ栽培では、春まきと秋まきが可能です。10月に間引き芽を定植する場合は、9月の秋まき栽培になります。カブは寒さに当たると生育が悪くなることも。厳寒期にはトンネル被膜などで対策しましょう。
▼カブの詳しい栽培方法はこちら!
ハツカダイコン(ラディッシュ)

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「二十日大根」という名前が示すように、種をまいてから20日ほどで収穫ができる根菜。種まきの適期は、3月~5月中旬と8月下旬~11月です。
▼ハツカダイコンの詳しい栽培方法はこちら!
11月に植えるおすすめの野菜
気温が低くなる11月ですが、遅まき可能な品種を選ぶなどすれば、野菜の栽培が楽しめます。
キャベツ(秋まき)

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キャベツには、10月に種をまいて育てる、秋まきの品種もあります。11~12月に定植して冬越しさせるため、穴あきポリトンネルなどで防寒対策が必要。収穫は翌年の5月です。
▼キャベツの詳しい栽培方法はこちら!
遅まきのナバナ(菜花)やタカナ(高菜)

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ナバナやタカナの種まきは、通常9~10月ですが、11月に遅まきすることも可能。遅まきにする場合は穴あきポリトンネルを設置し、防寒しましょう。
9月に「植え付け」スタート!おすすめの野菜2選
ワケギ(分葱)

画像提供:福田俊
特徴
9月に球根を植え、出てきた葉を収穫します。食味はほんのりとした甘さがあり、薬味や酢みそ合えにして食べます。厳寒期には地上部が枯れますが、春になるとまた芽吹くので、再び収穫することが可能。5月に入ったら収穫はストップして球根を太らせます。6月に掘り上げて冷暗所で保存し、9月に植え付けます。
栽培のコツ
ワケギは植え付けた後、何もしなくてもどんどん生長する手間のかからない野菜です。畑の片隅に植えておくと何かと重宝します。
収穫時期
10~12月、3~4月
温室栽培は冬中収穫可能
ワケギ(分葱)
「分葱」という名前の通り次々と分球し、初心者でも手軽に栽培可能。プランター栽培にも適しています。
・内容量:300g
ニンニク

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特徴
あらゆる料理の名脇役である「ニンニク」。最近では、黒ニンニク加工も人気です。店で買うと高いニンニクですが、栽培すればリーズナブル!
栽培のコツ
9月になったら畑に鱗片を植えるだけ。ニンニクがかかりやすい「サビ病」の予防には、「キチン質酢」がおすすめです。原液を100倍に薄め、噴霧器やジョウロなどで散布してください。
キチン質酢の作り方
1. ハサミでカニ殻を細かく切ってガラス瓶に入れ、酢を注ぎ入れる
2. 10~12日ほど置き、カニ殻に含まれるキチン質を抽出する
3. 酢の色がクリーム色に変わったらOK!液を漉し、別の瓶に移し替える
収穫時期
翌年5~6月
福田先生おすすめの品種
福地ホワイト六片
青森県が誇る、最高級ブランドニンニク「福地ホワイト六片」が家庭菜園で育てられます!晩生で大粒の鱗片がたくさん収穫でき、貯蔵性も優秀です。
※2020年9月上旬出荷予定
・内容量:Mサイズ1,000g
ニンニクの育て方はこちらの記事で!
9月に「種まき」する!おすすめの野菜5選
ダイコン(大根)

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特徴
ダイコンは8月から種まきできますが、9月に入ると栽培できる品種のバリエーションがより増えます。
栽培のコツ
1穴に3粒まき、適期に間引きをすることで順調に太らせます。
アブラナ科のダイコンは、アブラムシを始めとする害虫がつきやすいため、種まき直後に必ず防虫網トンネルをかけましょう。
収穫時期
11~12月
福田先生おすすめの品種
福誉(ふくほまれ)
きめ細やかな肌が美しい、青首ダイコンです。よく肥大する総太り型で、長さ38cmほどに生長します。
・内容:小袋
早太り聖護院
まるまるとした根形が特徴の京野菜「聖護院ダイコン」。肉質は緻密で甘みがあり、おでんを始めとする煮物から浅漬用まで、幅広いレシピに対応します。
・内容量:20ml
紅くるり
皮も果肉も赤いダイコン!手のひらサイズのコンパクトさで、プランター栽培にも最適です。肉質はみずみずしく、柔らかでサラダや漬物におすすめ。
・内容量:3ml
ダイコンの育て方についてはこちらの記事で!
カブ

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特徴
カブは、ダイコンほど収穫までに時間がかからず、菜っ葉感覚で手軽に栽培できるのが魅力。サラダなどの生食でもおいしく食べられます。
栽培のコツ
種まきは、1穴に3粒まきにします。適期には間引くことで良く太らせることができます。間引いた苗は移植すると無駄にならず、時間差で収穫することが可能です。
カブもダイコンと同様、アブラムシなどの害虫対策が必須。種まき直後に防虫網トンネルをかけましょう。
収穫時期
10~11月
福田先生おすすめの品種
はくれい
柔らかな肉質で甘味があり、生食に適した元祖サラダカブです。耐寒性があり、低温化でも良く肥大します。
・内容量:4ml
あやめ雪
肩の部分の鮮やかな紫色が特徴のカブです。甘味が強く、生食用には最適。酢漬けにすると根全体が紫色に染まります。
・内容量:10ml
みやま小かぶ
均等のとれた丸い根形が美しい「みやま小かぶ」。緻密で甘味に富んだ肉質が特徴。春も種まきできますが、9月にまいて初冬に収穫したものが最もおいしくなります。
・内容:小袋
本紅赤丸蕪
根部だけでなく、葉柄や葉脈も紅色に染まるめずらしい品種。大きさは根径10cm程度になる中カブです。
・内容量:17ml
サラダ・ラティーナ
緻密で軟らかな食感で、甘味が強い人気の品種です。サラダやピクルスにするのがおすすめ。
・内容量:200粒
温海(あつみ)かぶ
徳川幕府にも献上された、歴史のある伝統野菜です。外皮は暗い紫色で、果肉は白色。肉質はやや堅く、甘みがあるのが特徴です。
・内容量:5ml
カブの育て方はこちらの記事で!
タマネギ

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特徴
9月の種まきで、収穫は翌年の春と、栽培期間が長いのが特徴。翌年の春から初夏に収穫できる中生種は、吊って貯蔵できます。
栽培のコツ
早生種は9月上旬に種をまき、中生種は9月中旬に種をまきます。
2カ月間育苗し、11月になったら苗を1本ずつ「9515マルチ」を張った畝に植え付けましょう。冬は防寒用ポリトンネルをかけると、欠株も少なく越冬できます。タマネギに多い「サビ病」の予防には、100倍に薄めた「キチン質酢」を散布すると良いでしょう。
キチン質酢の作り方
1. ハサミでカニ殻を細かく切ってガラス瓶に入れ、酢を注ぎ入れる
2. 10~12日ほど置き、カニ殻に含まれるキチン質を抽出する
3. 酢の色がクリーム色に変わったらOK!液を漉し、別の瓶に移し替える
収穫時期
3~5月
福田先生おすすめの品種
春風丸(しゅんぷうまる)
秋まきで4月上旬に収穫できる、極早生品種。250~300gほどのしまりの良い球に育ちます。
・内容:小袋
アトン
病気に強い大玉品種で、たくさん収穫できる中生種。歯切れの良い食感で、辛みが少なく甘みが強いタマネギです。
・内容量:6.5ml
ターボ
病気に強く、育てやすい品種です。丸くよく太り、320gほどのタマネギが収穫できます。
・内容量:6.5ml
O・P 黄
草勢が強く、苗立ち・活着にも優れた作りやすい中生種です。320gほどの大玉が収穫できます。
・内容量:3.5ml
タマネギの育て方はこちらの記事で!
菜っ葉類(コマツナ・ホウレンソウなど)

画像提供:福田俊
特徴
小松菜を始めとするアブラナ科の菜っ葉類全般は、9月から種まきの適期を迎えます。暑い夏が苦手なホウレンソウも種まきのタイミング!
栽培のコツ
「9515マルチ」を畝に張り、1穴に3粒ずつ種まきします。アブラナ科は害虫がつきやすいので、防虫網は必ずかけましょう。
収穫時期
10~11月
福田先生おすすめの品種
風のかおり
春まき・秋まきに適したコマツナ。イオウ病抵抗性品種で、収穫量も多い品種です。
・内容量:2dl
紅法師
葉柄が鮮やかな紫色をしたミズナ。緑の葉とのコントラストが美しく、食卓を華やかに彩ります。ポリフェノールの一種であるアントシアニンを多く含む健康野菜です!
・内容量:6ml
はまみなとべかな
ハクサイの仲間である「べかな(べか菜)」。別名「ツケナ(漬け菜)」とも呼ばれる葉野菜です。若採りで早く収穫できるので、手軽に栽培できます。
・内容:小袋
ソロモン
耐暑・耐寒性に優れ、たくさん収穫できるホウレンソウ。べと病にも強く、栽培しやすい品種です。
・内容量:1dl
シャオパオ
草丈10~15cmほどのミニチンゲンサイです。小さいので丸ごと調理が可能。暑さや病気に強いので、家庭菜園初心者にもおすすめの品種です。
・内容:小袋
ルッコラ
アブラナ科の葉野菜「ルッコラ」。ピリッとした辛味とゴマのような香りで、料理のアクセントに使われるハーブとして知られます。
・内容量:2ml
雪白体菜
「杓子菜(しゃくし菜)」ともいわれるアブラナ科の野菜。葉は柔らかく、煮物や漬物に多く利用されます。耐暑性があり、土質を選ばないので育てやすいのも魅力。
・内容量:10ml
「菜っ葉類」の育て方はこちらの記事で!
シュンギク(春菊)

出典:写真AC
特徴
独特の香りで、サラダやおひたし、鍋、天ぷらなど幅広いレシピで楽しめるキク科の野菜。春まきもできますが、秋まきにすると長い期間収穫が楽しめます。
栽培のコツ
「9515マルチ」を畝に張って、1穴につき3粒種をまきます。好光性種子のため、土は薄くかぶせましょう。
収穫時期
10~1月
福田先生おすすめの品種
菊之助
丸みを帯びた大ぶりの葉が特徴。生育旺盛で栽培しやすい品種です。シュンギク特有の苦みが少ないので、サラダにもおすすめ。
・内容量:25ml
大葉春菊
切れ込みが少ない大葉で、葉肉は厚くてやわらか。香りと食味にも優れます。耐暑・耐寒性に優れ、栽培しやすく長期間の収穫が可能。
・内容:小袋
中葉春菊
細かく切れ込みの入った葉は、肉厚で柔らか。香り高い食味で、おひたしや天ぷら、鍋物にするとおいしく食べられます。
・内容量:30ml
シュンギク(春菊)の育て方と品種についてはこちらの記事で!
プランターで野菜を栽培する際のコツは?

出典:写真AC
ベランダなどの狭いスペースで野菜を育てるなら、プランターや鉢での栽培に挑戦してみましょう!福田先生に、プランターで野菜を育てる際のコツを聞いてみました。
Q. プランター・鉢のサイズは?
福田先生:スペースが許すなら、サイズは大きいほど良いでしょう。
プランターについてはこちらの記事で!
Q. 種まきや植え方の違いは?
福田先生:畑と一緒でOKです。
Q. 水やりのコツは?
福田先生:土が乾いたら水をたっぷり与えましょう。プランターは、畑のように地下水が上がってくるわけではありません。雨がなければ水分はなくなるので、水やりが必要です。当然露地よりは水やりの頻度は高くなります。
Q. そのほか注意点は?
福田先生:プランターでも虫は容赦なくやってきます。防虫ネットか不織布のベタがけをすると良いでしょう。
防虫ネットについてはこちらの記事をチェック!
9月の種まきは、暑さが和らいでから!

画像提供:福田俊
真夏のピークが去った9月ですが、まだ暑い日も多いので水切れによる乾燥には注意したいところ。また、気温が高いとうまく発芽しない野菜もあるので、種まきのタイミングには注意しましょう。