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秋まき大根の年間作業スケジュール【中間地向け】
秋まき大根作業カレンダー 【中間地】秋まき大根に追肥は必要?しないとどうなる?
秋まき大根をしっかり育てるには、追肥が欠かせません。元肥だけでは途中で栄養が足りなくなることも。
立派な大根に育てるためには、成長にあわせて適切に追肥してあげましょう。
追肥をしないまま育てると、葉が黄色くなる・根が細くなる・中にス(空洞)ができるなど、見た目や味にも悪影響が出やすくなります。
すっと伸びた、みずみずしい大根に育てるには、成長の段階に応じて追肥をすることが大切です。
間引きと追肥・土寄せはセットで考えるのがコツ
大根栽培では、間引き・追肥・土寄せ※の3つの作業をセットで行うのが効率的です。この3工程を一連の流れとして覚えておけば、手間が省けるうえに、やり忘れも防げて管理がラクになります。
おすすめの流れ
- 間引きで株間を整える
- 間引き直後の根元に追肥する
- 追肥した後に軽く土を寄せて覆う
※土寄せとは、大根の株元に土を軽くかぶせる作業です。
大根の間引きのやり方とタイミング
1回目:双葉が完全に開いたころ
目安は発芽後7〜10日頃。
発芽から1週間ほど経ち、双葉が広がったら最初の間引きを行います。
元気な株を3〜4本ほど残し、ひょろひょろとした芽や生育の遅れている芽は丁寧に取り除きましょう。
2回目:本葉2~3枚のころ
目安は種まきから約2〜3週間後。株が少し大きくなってきたら、次の間引きを行います。
この段階では、生育の良いものを2本だけ残しましょう。
目安は、葉の形が整い、茎が太くてしっかりしている株です。
迷ったときは、葉色が濃く、葉がピンと張っている株を選ぶのがコツです。
3回目:本葉5~6枚のころ
目安は種まきから約4〜5週間後。
この時期は、最後の間引きのタイミングです。
残した2本のうち、生育の良い1本だけを残して、1株に絞りましょう。
株間は15cmほどが理想です。
狭すぎず広すぎない間隔にすることで風通しや日当たりも確保でき、根がしっかり太るスペースができます。
間引いた葉は捨てずにおかずにひと品プラス
せっかく育った間引き菜、実は栄養満点。
特に柔らかい若葉は苦みも少なく、料理に使いやすいのが特徴です。
- 軽く茹でて「おひたし」に
- 味噌汁に入れて「具材」として
- 油で炒めて「ふりかけ風」にも
大根の追肥タイミングと時期|目安はいつ?
1回目:2回目の間引き後が目安
本葉が2〜3枚に育ち、2回目の間引きを終えたタイミングで、最初の追肥をします。この時期は、まだ根の肥大が始まる前の助走段階。
しっかり栄養を補うことで、葉の成長を支え、これから太く育つ根の基礎をつくります。
2回目:3回目の間引き後に
本葉5〜6枚がそろい、3回目の間引きを終えた後が、2回目の追肥タイミングです。根の肥大が本格化する直前で、追肥の中でもとくに重要な時期。
このタイミングでしっかり栄養を補えば、まっすぐで太い大根に育ちやすくなります。
3回目:生育を見ながら判断
3回目の追肥は、必ずしも必要ではありません。葉や根の育ち具合を見ながら、必要に応じて行いましょう。
葉の色が薄くなったり、根の太りが悪いと感じたときは、軽く追肥して栄養を補ってあげてください。
逆に、葉色が濃く元気な状態なら、追肥は控えたほうが安心です。
肥料を与えすぎると、根が変形したり病気を招くことがあります。
いつまで追肥する?
追肥は遅くとも12月上旬までに済ませましょう。収穫が近づいてから追肥すると、かえって悪影響が出ることがあります。
特に寒さが強まる時期に施すと、土の中に肥料が残りやすくなり、ス(中心の空洞)が入ったり、根が変形したりする原因になるため注意が必要です。
秋まき大根の追肥のやり方|コツと注意点
追肥のタイミングをおさえたら、次はやり方です。追肥のやり方のコツ
- 追肥は根に直接触れないようにまく
- 追肥と水やりはセットでする
追肥は根に直接触れないようにまく
追肥でまず気をつけたいのは、肥料を根に直接当てないことです。肥料が強く触れると「肥料焼け」を起こし、大根自体が傷んでしまうおそれがあります。
ポイント
目安としては、株元から5〜10cmほど離れた場所にまくのが安心です。株の周囲をぐるっと囲むように軽くまいておくと、全体にまんべんなく養分が届きやすくなります。
追肥と水やりはセットでする
追肥のあとは、必ず水をたっぷりあげましょう。なぜ水やりが必要?
肥料をまいただけでは、土の表面にとどまってしまい、根に届きにくくなります。水やりによって肥料が土に浸透して根のまわりに行きわたることで、効果が発揮されます。
おすすめの時間帯
おすすめの時間帯は、晴れた日の午前中。夜の冷え込みを避ける意味でも、朝の水やりが安心です。
追肥におすすめの肥料と量の目安
ここでは、家庭菜園でも扱いやすい肥料の種類と、施肥量の目安について解説します。【家庭菜園】有機肥料・化成肥料どっちがいい?
大根の追肥には、即効性がある化成肥料が基本的におすすめです。とはいえ、有機肥料にも土づくりに役立つ魅力があるので、目的に応じて使い分けましょう。
有機肥料・化成肥料比較表
以下に違いを比較表にまとめました。なぜ化成肥料が適している?
追肥では「すぐに効くこと」が大事なので、効果が早く出る化成肥料が適しています。一方、有機肥料は元肥や土づくりに使うと、自然な形で植物の育ちをサポートしてくれます。
用途に応じて上手に選んでみてください。
1回の追肥で施す肥料の量
追肥は少なめに、様子を見ながらが鉄則です。与えすぎは逆効果になることもあるため、控えめにスタートしましょう。
肥料の目安は以下のとおりです。
- 化成肥料(N-P-K=8-8-8):1株あたり約10g
- 有機肥料(鶏ふん・油かすなど):株のまわりに軽くひとつまみ程度
肥料が多すぎるとどうなる?
肥料が多すぎると、根がうまく太らずに「ス入り」や「割れ」が生じたり、病気にかかりやすくなることもあります。控えめに始めて、様子を見ながら足していくのが失敗しないコツです。
大根の追肥のよくある質問
ここでは、家庭菜園でよく聞かれる3つの質問にお答えします。肥料をやりすぎるとどうなりますか?
追肥を多く与えすぎると、大根の育ちがかえって悪くなることがあります。とくに窒素(チッソ)成分が多すぎると、以下のような症状が出やすいです。
- 葉ばかりが茂って、根が太らない
- 根の形がいびつになる
- 根が割れ、変色する
- 軟腐病(なんぷびょう)などの病気にかかりやすくなる
大根の肥料不足のサインは?
追肥が足りないと、大根はわかりやすく不調のサインを出します。以下のような症状が見られたら、軽めの追肥を検討しましょう。
- 葉の色が黄色っぽくなる
- 葉が小さく垂れ下がる
- 根が太らず細いまま
- 根にス(空洞)が入る
大根に鶏ふんは使えますか?
はい、鶏ふんは大根にも使えます。栄養価が高く、特にチッソ分が豊富です。
ただし、使いすぎると葉ばかりが茂り、根が太らない原因になります。
また、においが気になったり、虫が寄ってくることもあるので注意が必要です。
使う際は完熟タイプの鶏ふんを選び、元肥ならしっかり土にすき込む、追肥なら株元から少し離して少量を与えるのが基本です。
通販で買える大根の肥料
元肥 追肥 根を食べる野菜の肥料
まとめ
秋まき大根を美味しく育てるには、間引き・追肥・土寄せをセットで行うのがポイントです。
生育に合わせて適切に追肥し、土寄せと水やりを忘れずに行えば、根もしっかり太ります。肥料は即効性のある化成肥料が使いやすく、量は控えめに。
葉や根の様子を見ながら、やりすぎに注意して管理することが大切です。