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- MitsuyaNao
埼玉県の山奥で、約1反のブルーベリー畑を管理しています。ハイブッシュとラビットアイを約20品種栽培中。野菜、花、ハーブなども育てています。AGRI PICKでは、家庭菜園や園芸の初心者に向けた記事を中心に担当。他メディアでも多数執筆中。…続きを読む
多年草とは?
多年草とは、一度植え付けると何年間も枯れずに育つ植物のことをいいます。バラやラベンダーなどの草花、アジサイやキンモクセイなどの花木、ブルーベリーやレモンなどの果樹などが有名です。毎年種まきや苗の植え付けを行う必要がなく、一度植えてしまえばあまり手をかけず、ある程度植えっぱなしでも、季節ごとに変化のある美しい庭作りができます。数年かけてたくさん花を咲かせる立派な株に育てたり、樹形を好みに整えていく楽しみも。
地上部が一度枯れる「宿根草」も
多年草の中の一部の植物は、宿根草(しゅっこんそう)と呼ばれます。冬になると地上部が寒さで枯れますが、完全に枯れたわけではなく、春になるとまた新しい芽を出してくれるのが特徴です。チューリップやクロッカスなどの球根植物は、宿根草にあたります。毎年芽を出すとはいっても、宿根草ばかり植えていると冬は緑がなくなって殺風景な印象になるので、一年中葉を落とさない多年草と組み合わせて植えるのがコツです。GardenStoryおすすめの宿根草はこちら
一年で枯れる「一年草」もある
一年草とは、種まきしてから一年以内に枯れる植物のことを指します。例えば、マリーゴールド、ノースポール、パンジー、アサガオなどは一年草です。生育スピードが早く、花も大きく目立つものが多め。枯れてしまったら、また次の植物を植え替えないと庭が寂しくなってしまいますが、植物の入れ替えがしやすいので、好きな花を自由に植え替えられる楽しみが多い種類です。一年草のことをもっと知りたい!おすすめの花の種類も。
本当は多年草だけど、一年で枯れてしまう種類も
自生地では多年草でも日本では寒さや暑さに耐えられず、一年草として扱われる植物もあります。例えば、クリスマスに欠かせないポインセチアや、ハイビスカスティーの原料になる熱帯植物のローゼルなどがそうです。このようなケースがあるため、苗のタグに「多年草」と書かれていても、その通りに育てられるとは限りません。気になる場合は、苗を購入する前にインターネットや園芸書などで、あらかじめ調べておくと安心ですよ!多年草のメリット・デメリット
メリット
冬も庭が緑でうるおう
宿根草は例外ですが、多年草は冬も葉っぱを落とさない常緑性の植物が豊富です。寒々しい印象になりがちな冬の庭には、常緑性の多年草、春から秋には開花時期が異なる多年草の花を植えれば、一年中華やかな庭が楽しめます!育てていく楽しみがある
暑さや寒さで枯れにくく、一度植えれば何年も楽しめる多年草。枯れた草花を片付けたり、頻繁に種まきや植え付けをしたりする必要がないので、ゆっくりとそれぞれの植物を育てながら、好みの庭に仕上げていく楽しさがあります。苗を何度も買う必要がない
一年草の苗は値段が安く、一見コストがかからないように思えますが、楽しめるのは一年だけ。一方、多年草は、上手にお世話すれば何年も育てることができるので、何度も苗を買う必要はありません。庭木や果樹などの多年草の苗木になると、少し高価なものもありますが、長い目で見ればお得と言えるでしょう。デメリット
植え替えが必要
鉢植えの場合は、ずっと同じ鉢で育てていると根詰まりを起こしてしまいます。2年に一度くらいの頻度で、一回り大きな鉢に植え替えが必要です。地植えでも、数年に一度株分けしたほうがよく育つ場合もあります。樹木は、育つスピードが遅い
果樹や花木は、大きく育てるのに時間がかかります。植え付けてから数年経たないと、本来の魅力が出てこない場合も。また、果樹は植え付けてから収穫できるようになるまでに、多くの場合2年以上必要です。【草花】おすすめの多年草
1. バラ
バラが美しく咲き誇る庭は、多くのガーデナーの憧れです。イングリッシュローズやオールドローズなどの種類があり、さらにその中で膨大な品種に分かれています。バラは、つるのはわせ方や日頃の管理など、育てるのが難しそうなイメージかもしれませんが、モッコウバラは病害虫に強く比較的栽培しやすい品種です。栽培時期
植え付け:4月中旬~6月下旬開花:おもに初夏だが、品種による
2. クレマチス
クレマチスはイギリスで「つる性植物の女王」と呼ばれています。フェンスやトレリスに絡みついて育ち、植え方次第でいろいろな見せ方ができる人気の多年草です。星のような形のもの、つりがねのような形のものなど、花の形もバリエーション豊か!栽培時期
植え付け:12~2月開花:春咲き、冬咲き、夏~秋咲きなど。品種によっては一年中
3. クリスマスローズ
12~4月ごろに開花するクリスマスローズは、冬のガーデニングで人気が高い多年草です。寂しくなりがちな冬枯れの庭で、存在感のある大きな花を咲かせてくれます。とても種類が多いので、好みの品種を探す楽しみもありますよ。
栽培時期
植え付け:10~3月開花:12~4月
4. ワイルドストロベリー
甘酸っぱい実と、小さな白い花がかわいいワイルドストロベリー。実のサイズは一般的なイチゴよりも小粒ではありますが、丈夫で育てやすいのが魅力です。「ランナー」と呼ばれるつるを地面に伸ばし、這うように広がります。グラウンドカバーとして利用できます。栽培時期
植え付け:4~5月、9~10月開花:4~6月
5. ヤブラン
日当たりが良い場所のほうがたくさん花を咲かせますが、日陰がちな場所でも育てられる丈夫な花です。ラベンダーのような紫や白の花を咲かせます。花だけでなく、すっきりとした細長い葉も美しいです。栽培時期
植え付け:真冬と真夏以外開花:8~10月
【宿根草】おすすめの多年草
6. チューリップ
ガーデニングの定番!秋に球根を植えると、翌年の春に開花します。色のバリエーションが多いのはもちろん、バラのような八重咲きになる華やかな品種などもあり、「今年はどんなチューリップを植えようかな?」と考えるだけで楽しい花ですね。栽培時期
植え付け:10~11月開花:3月下旬~5月上旬
7. クロッカス
クロッカスは秋植え球根植物の一つです。チューリップやスイセンと同時期に植え付けできます。開花のタイミングは品種にもよりますが、チューリップよりも早めで、いち早く春の訪れを告げてくれます。栽培時期
植え付け:10~11月開花:2~4月
【ハーブ】おすすめの多年草
8. ラベンダー
ラベンダーは色鮮やかで香りも良く、とても人気が高いハーブです。冷涼な気候を好むので、関東以南の地域で涼しい地域向きの品種を植えると、あっさり枯れてしまうことも。その地域に合った品種を選んで植えることが重要です。栽培時期
植え付け:3月下旬~4月上旬、11月開花:4~7月
9. ローズマリー
ローズマリーは葉が細く、すっきりとした見た目のハーブ。低木ではありますが、コンパクトで場所を取らないので、鉢植えでも十分育てられます。葉があるうちはいつでも収穫して、料理の香りづけなどに利用できますよ。栽培時期
植え付け:4~5月、9月下旬~10月開花:11~5月
10. ミント
病害虫に強く、雑草にも負けにくく、とにかく生育旺盛で育てやすいミント。スイーツの飾り付けやミントティーにできるのはもちろん、置いておくだけでも爽やかな香りが楽しめる、生活に取り入れやすいハーブです。栽培時期
植え付け:3月下旬~7月中旬、9~10月開花:7~9月
【庭木・花木】おすすめの多年草
11. アジサイ
アジサイは梅雨の風物詩。凜とした佇まいが、鬱陶しい梅雨の季節を涼しげに感じさせてくれます。半日陰でも育てられますが、日なたに植えたほうがきれいな花を楽しめますよ。土の酸度で花の色が変わり、美しいグラデーションを楽しめます。栽培時期
植え付け:11~3月開花:5~7月
12. コニファー
コニファーは、庭木の大定番!住宅街を歩けば、数軒に一軒はコニファーを植えていると言っても過言ではありません。花が咲いたり紅葉したりするわけではありませんが、剪定しなくても自然とすっきり美しい樹形にまとまり、とにかく管理の手間がかかりません。庭に緑が欲しいけど、定期的に手入れをする自信がないという人にとてもおすすめの庭木です。栽培時期
植え付け:3~4月、9~10月13. ライラック
ライラックは北海道に多く植えられている花木です。ピンクや白の小さい花が、ぶどうの房のようにまとまって付きます。とてもロマンチックでかわいらしいですよ。涼しい気候を好むため、関東以南では暑さに強い品種を選ぶと良いでしょう。栽培時期
植え付け:11~3月開花:4~5月
14. キンモクセイ
秋になると、オレンジの花から甘い香りを振りまくキンモクセイ。大木にならないので庭植えしやすく、季節を感じさせる人気の花木です。ちなみに、キンモクセイの花を白くしたような「ギンモクセイ」という花木もあります。ギンモクセイの花も、キンモクセイによく似たとても甘い香りがしますよ。栽培時期
植え付け:3~4月開花:9月下旬~10月中旬
【果樹】おすすめの多年草
15. ブルーベリー
ブルーベリーは鉢植えでもたくさん収穫でき、基本的に難しい世話も必要ないので、初めて果樹を育てる人にもおすすめです。「ハイブッシュ」という系統は味の質が高いですが、涼しい地域でないと失敗しやすく、ややデリケート。育てやすさを重視するなら、丈夫な「ラビットアイ」という系統からチャレンジするとGood!栽培時期
植え付け:10〜12月、3〜4月収穫:6~9月
16. レモン
レモンも比較的育てやすい果樹のひとつです。ただし寒さは苦手なので、暖かい地域以外では、室内に取り込んで越冬できるよう鉢植えで育てるのがおすすめですよ。定番の人気品種は「リスボン」ですが、最近は新品種の「璃の香(りのか)」なども注目されています!栽培時期
植え付け:3月下旬~4月収穫:10~4月