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ライター - AGRI PICK 編集部
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出典:写真AC
家庭菜園でせっかく育てた果物を猫にいたずらされるってことありませんか。また糞尿などのスポットになっていて困っている人もいると思います。そんなときは、ハーブを植えてみてはいかがでしょうか。猫よけに効果的ともいわれているハーブだけに、植えてみる価値ありかもしれませんよ。
ハーブによる猫よけの効果

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猫は柑橘系やミントの臭いが苦手とされており、ハーブは猫よけとして使われることがあります。ハーブは丈夫な品種が多く、植えておくだけで簡単に育ち、比較的手間のかからない植物のため、猫に近づかれたくないエリアにハーブを植える人が多いのです。プランターや鉢であれば、猫の行動に合わせて移動できるので便利です。
猫よけに効果のあるハーブ1|ローズマリー

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栽培難易度 | 植え付け月 |
☆(苗)/☆☆☆☆☆(種) | 4~6月/9~10月 |
肉・魚料理の臭み消しによく使われる「ローズマリー」。とても香りが強く、猫が嫌がることでも知られています。
ローズマリーには大きく分けて3種類があり、まっすぐ伸びる「木立性」と横に伸びる「半立ち性」、そして地面に伸びる「ほふく性」になります。どれも育て方に大きな違いはありません。
ローズマリーは過湿を嫌うため、水はけの良い土に植え、風通しの良い場所で乾燥気味に育てるのがポイント。初心者は苗から育てるのがおすすめです。
ローズマリー 苗
ハーブの中でも一番人気のローズマリー。料理にもガーデニングにも楽しめます。大きく育つと花も楽しめる丈夫な植物です。
詳しい育て方はこの記事をチェック!
猫よけに効果のあるハーブ2|レモングラス

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その名の通り、レモンのようなさわやかな香りが楽しめる「レモングラス」。レモングラスは、虫よけや猫よけに効果がある植物としても知られています。栽培して育てれば、タイ料理などのアジア系の料理に使えますし、ドライにしてハーブティーとして楽しむこともできます。
レモングラスは、熱帯地域が原産なので寒いのは苦手。日当たりの良い場所を好みます。日光が不足すると間延びして、地際から倒れやすくなるので注意しましょう。株を増やすときは、根元の白く肥大した部分を丁寧に取り、葉を3分の1程度残してカットしてから挿し木すると簡単に増やすことができます。
レモングラス 苗
見た目がススキに似ているレモングラスはレモンの香りが爽やかなハーブ。気候が合えば、ぐんぐんと伸びます。太くてたくましい葉の香気は元気がでます。
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猫よけに効果のあるハーブ3|タンジー

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ハーブの中でも香りの強い部類に入るタンジー。英名ではジンジャープランツやビターボタンなどとも言われています。その香りはミント同様防虫効果があるとされ、それを目的として育てる人も多くいます。
夏にも冬にも強く、とても育てやすいハーブの一つ。草丈は50cmから120cm程度まで育ちます。半日陰の場所に植えてあげてください
タンジー 苗
タンジーは、花の色が半永久的に褪せないことからギリシャ語で「不死の花」とも呼ばれるハーブ。樟脳(しょうのう)のような香りがする深い切れ込みのある葉を持ち、金色のボタンのような丸い花を咲かせます。葉をサシェ(におい袋)にして洋服ダンスに入れると殺菌・殺虫効果が期待できます。
猫よけに効果のあるハーブ4|ルー

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猫よけとして有名なハーブで、「ネヨコラズ」として売られているほどの植物になります。ルーは別名「ヘンルーダ―」と言われ、ミカン科の常緑多年草です。匂いが強いことから猫よけとしても、また虫よけとしても利用されているハーブです。
乾燥には強いのですが湿気に弱いため、風通しの良い場所で育てます。梅雨時などは腐りやすいので注意してください。
ルー(ヘンルーダ)苗
ヨーロッパ南東部原産のミカン科ヘンルーダ属の植物。柑橘系の匂いで野良ネコを寄せ付けません。柑橘系の匂いがし、オーストラリアではネコが嫌がる植物として有名。ネコの侵入を防ぎたい場所に植え込んだり、鉢植えとして置くのにおすすめです。
猫よけに効果のあるハーブ5|ゼラニウム

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ヨーロッパで古くから愛されている、きれいな花が咲くゼラニウム。ゼラニウムは、見た目がきれいなだけではなく、香りが強烈なため「虫よけ」としての効果もあります。猫も植物の強烈な匂いを嫌うため、不快に感じて近づきにくくなります。ゼラニウムの品種はいろいろありますが、猫よけには、ローズゼラニウム(センテットゼラニウム)がおすすめです。
ゼラニウムは暑さに弱いので、気温が25℃以上を超える時期は、涼しい場所で育てましょう。
ローズゼラニウム (センテッドゼラニウム)苗
ゼラニウムの中でも、ハーブゼラニウムと呼ばれるセンテッドゼラニウムは、品種ごとの多種多様な香りが魅力です。バラと同じゲラニオールという芳香精油を多く含み香水の原料として栽培されています。葉に触れれば数時間は指に残る香りがあります。
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猫よけに効果のあるハーブ6|ペパーミント

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ミントは多年草のシソ科の植物。別名「ハッカ」としても知られている、ハーブを代表するもっともポピュラーな植物です。草丈は50cmから80cm程度。リラックス効果があるとされ、ハーブティーなどで楽しまれています。
猫が嫌う香りの代表でもあるミントは、蚊よけとしても利用される人気の種。ミントといってもその種類は多く200種を超えるともいわれています。
比較的暑さにも寒さにも強いのですが半日陰で風通しの良いところが理想的。
ただし、ミントは非常に強い植物。囲いなどをせずに直植えすると、どんどん広がってしまうので気をつけましょう。
ペパーミント 苗
ピリッと目の覚めるような強い清涼感のミント。ペパーミントは、ガム、デザート、飲料、化粧品、歯磨き粉など日常のあらゆるものに使われ、ハーブの中でも、とても生活になじみの深い品種です。丈夫で比較的季節を問わず栽培できるので、初心者の方にもおすすめです。
詳しい育て方はこの記事をチェック!
猫よけに効果のあるハーブ7|チャイブ

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チャイブは、紫色のかわいい花も咲かせる、アサツキによく似たヒガンバナ科ネギ属の多年草。セイヨウアサツキ、エゾネギとも呼ばれています。とても食べやすく、薬味感覚でいろいろな料理に使えます。チャイブには、猫が嫌う匂いがあり、猫よけにも効果があります。
チャイブは成長が旺盛で、春~秋の生育期間中に茎を4~5cm残して収穫すると、2週間ほどで再生。初夏には、ピンク色のかわいらしい花(ネギ坊主)をつけます。高温と乾燥に弱いため、夏は半日陰で育てるようにしましょう。
チャイブ 苗
チャイブはセイヨウアサツキとも呼ばれるネギの仲間。ネギやアサツキと同じように薬味感覚で使え、味や香りはマイルド。花も美しく、簡単に育てられます。
ハーブ以外の猫よけに効く植物

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猫の侵入経路に植えておける植物やきれいな花、ニンニクや柑橘類の食品など、ハーブ以外の植物や食品の猫よけ対策をご紹介します。
カニナハイブリッド

日本ではあまり馴染みのないドイツ生まれのコリウスの一種である、シソ科の植物「カニナハイブリッド」。最近ではホームセンターなどで猫よけとして売られています。この植物は、猫以外にも犬にも効果的とされ、動物の忌避植物として人気です。多年草のため、育てやすく乾燥にも暑さにも強いのですが、水のやりすぎには気をつけてください。
ランタナ
中南米が原産のクマツヅラ科の常緑小低木「ランタナ」。花色はとてもカラフルで、花期は5月~10月。日差しが暖かくなってから、秋ごろまで咲き続けます。白やピンク、オレンジ、黄色など、徐々に花色が変化していくので、別名「七変化」と呼ばれています。
ランタナには、猫が嫌う独特の匂いがあります。
ランタナ 苗
非常に分枝が良く、小さな花が半球状に集まって、長期間たくさん咲き続けるので、花壇や鉢植えでとても楽しめる花です。
ユーカリ
コアラの大好物としても有名な「ユーカリ」。ユーカリはフトモモ科ユーカリ属の樹木の総称。葉っぱが丸くてかわいく、ドライフラワーや花束としても人気の植物です。
ユーカリは、ダニやノミ、ハエ、蚊などの駆除に役立つ香りがあり、猫よけにも効果があると言われています。
ユーカリ 苗
葉が丸く白銀のような色でとても美しく、切り花やドライフラワーで人気の高いユーカリ。成長が早く、乾燥地でも良く育ち、比較的寒さに強く良く繁りますので緑陰樹として世界中で植栽されています。
柑橘類

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柑橘系の果物のすっぱい匂いは、猫が嫌う匂いです。オレンジやグレープフルーツやミカン、レモンやゆずなどの柑橘系の皮に含まれている「リモネン」と「ソラレン」は、猫に害を及ぼす危険性があると言われています。猫の侵入経路に、柑橘系の皮や柑橘類のアロマオイルやスプレーを撒くと、猫よけ対策になります。
柑橘類に関してはこちらの記事もチェック!
ニンニク

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にんにくには、猫に有害な成分が含まれており、猫はにんにく特有の匂いが苦手です。猫の侵入経路に、にんにくを刻んだものをまいたり、ネットに入れて吊るしたりすると効果的です。
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マリーゴールド
鮮やかな黄色や橙色の花を長い間次々と咲かせる「マリーゴールド」。開花期間が長く、花色が明るいことから、ガーデニングで人気のお花です。独特の香りと根の周りにいる菌で、猫よけや虫よけになる植物としても知られています。
乾燥に強く、日当たりと水はけのよいところが適しています。育てやすいため、ガーデニング初心者にぴったりの植物です。
ハーブを猫よけに使う際のポイントと注意点

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猫被害を軽減させるためには、猫にとって快適となっている場所を、猫が嫌いな場所に変えることが大事です。ハーブを猫よけに使う際のポイントと注意点をご紹介します。
猫は場所に執着する
猫は一度決めた場所に執着する習慣が強いため、トイレの場所などを決めたらずっとそこを使い続けてしまいます。そのため、ハーブを置くにもできるだけピンスポットに設置することをおすすめします。
いくつもの種類を組み合わせる
猫によって嫌がるハーブの種類が違うとも言われています。そのためいくつかの種類のハーブを組み合わせて設置するといいかもしれません。効かないと思ったらハーブそのものの種類を変えることもお忘れなく。
ハーブの育て方はこちらの記事をチェック!
虫が集まる場合もある
ハーブは自分を守るために、虫が嫌う香りを発するので、植物の中では虫がつきにくいですが、日当たりや水はけが悪い場所など、栽培環境によっては害虫が発生しやすくなるので注意が必要です。またアブラムシは、肥料をあたえすぎると発生しやすいので、肥料をあげすぎないようにしましょう。
虫よけ効果のあるハーブをチェック!
生育が旺盛なハーブに注意!
ミントは生育が旺盛で繁殖力が強いので、地植えすると、庭を覆いつくしてしまうこともあります。地植えにする場合には、根の生育をコントロールし、はびこり過ぎないようにすることが大事です。
ローズマリーやユーカリなども大きくなりすぎることがあるので、きれいに育てるには、剪定が必要です。
一定の範囲内に収めたい場合は、地植えは避け、鉢植えで管理するのがおすすめです。
スプレーならより手楽に猫よけ対策可能

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ハーブで効果が上がらなければ、猫よけグッズとして人気の高いスプレーを試してみるのもおすすめです。スプレーするだけなので、お手軽に猫よけ対策ができます。
フマキラー 強力猫まわれ右 スプレー
猫が嫌がる刺激成分〈ペッパーオイル〉を配合。さらにメントールのスーッとする刺激が猫に警戒心を抱かせ、忌避効果を高めます。処理した部分がひと目でわかる泡タイプ。10分程度で泡は消えるので気になりません。
・容量:350ml
犬・猫・獣いやがるスプレー
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・容量:500ml
猫よけ対策グッズはこちら記事もチェック!
ハーブで環境にやさしい猫よけを

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猫が嫌がる臭いを持つことから猫よけとして利用されるハーブ。ハーブは、環境にもやさしく、虫よけにも効果があるものがあります。料理のアクセントやハーブティーなど、さまざまな楽しみ方ができるハーブ。猫が寄りつかず、ハーブも楽しめたら最高ですね。
猫の糞尿などで困っているなら、ぜひ試してみてくださいね。