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- MitsuyaNao
埼玉県の山奥で、約1反のブルーベリー畑を管理しています。ハイブッシュとラビットアイを約20品種栽培中。野菜、花、ハーブなども育てています。AGRI PICKでは、家庭菜園や園芸の初心者に向けた記事を中心に担当。他メディアでも多数執筆中。…続きを読む
イングリッシュローズとは?|基本データ・花言葉・育て方
イングリッシュローズは、イギリスのバラ育苗家であるディビット・オースチン氏が交配を行って作りだしたバラの品種のことを指します。バラのブランド名のようなものです。基本データ
特徴・成り立ち
イングリッシュローズの多くは、オールドローズのような深いカップ咲きやロゼット咲き。ゴージャスなボリューム感と香り、そして育てやすさ、四季咲き性(剪定すると秋頃まで何度も咲く性質のこと)と返り咲き性(2度咲きする性質のこと)を兼ね備えているのが特徴です。最初に発表されたのは1961年で、数あるバラの中ではまだ新しい位置付け。デビット・オースチン氏について
バラ育種家であり栽培家のデビッド・オースチン氏は、1961年の「コンスタンス・スプライ」という品種以降、現在までに200近いイングリッシュ・ローズを生み出し続けています。1969年には「デビッド・オースチン・ローゼズ社」を設立しました。この会社でバラ苗の販売やガーデンデザインを行うかたわら、現在も新品種を発表し続けています。イングリッシュローズの花言葉は?
イングリッシュローズの花言葉は「微笑み」です。イングリッシュローズの育て方
バラは病気や害虫の被害を受けやすいため、「栽培が難しい」と言われがち。でもイングリッシュローズは丈夫な品種が多いため、種類選びさえ慎重に行えば、初心者さんでもチャレンジできます!用土
水はけの良い有機物たっぷりの土で育てましょう。地植えの場合、植え穴に完熟堆肥や有機肥料を混ぜます。鉢植えで育てるときは、赤玉土5~6:有機物(腐葉土や牛ふん堆肥)5~4の割合で配合しましょう。そのまま使えて手軽な「バラ用の土」も市販されていますよ。水やり・肥料
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりします。地植えの場合は、乾燥が激しいとき以外は水やり不要です。加湿は病気の原因になります。地面の水はけが悪いと感じるときは、パーライトや軽石で調節してください。
肥料は生育が活発になる開花時期の3~4月に、緩行性のものを与えましょう。
剪定
12月後半~1月、または2月に剪定をします。枯れている枝、古い枝、 弱っている枝を優先的に切ってください。初めの年は全体の1/3を剪定します。その後はもとのサイズの半分を目安に剪定しましょう。古い枝は花が咲きにくくなるので、新しい枝を育てるよう意識してください。誘引
半つる性やつる性のイングリッシュローズは、フェンスやトレリス、支柱に枝を絡ませる「誘引」の作業を行いましょう。枝と枝が密集しすぎると蒸れて病気につながるので、風通しを意識してください。枝と支柱は麻紐で結び付けます。植え付け・植え替え
植え付けに適切な時期は4~6月です。鉢植えの植え替えの場合は、根詰まりを防ぎ、より大きく育てるために、毎年ひとまわり大きな鉢へ植え替えましょう。このとき、根に付いている土を崩さないようにします。イングリッシュローズの栽培カレンダー
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
植え付け | ● | ● | ● | |||||||||
肥料 | ● | ● | ||||||||||
剪定 | ● | ● | ● | |||||||||
開花 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
【色別・強健種など】人気!イングリッシュローズの種類とおすすめのバラ苗
薄い・濃いピンクのおすすめ品種
ジュビリーセレブレーション|病気に強く育てやすい
デヴィッド・オースチン氏の自信作です。病気に強く、たくさん花が付くおすすめ品種!レモンやラズベリーのような、フルーティーな香りがします。スコットランドで開かれた香りのコンテストで優勝したことも!クイーンオブスウェーデン|まっすぐ伸びる
ひまわりのようにまっすぐ上に伸びます。数株並べて植えるとバラが一面に広がる花畑のようになりますよ。切り花にも適しており、とても丈夫で育てやすいです。花色はアプリコットピンクからソフトピンクへと変化します。プリンセスアレキサンドラオブケント|大輪でゴージャス
花びらが密に詰まった、ゴージャスなディープカップ型。花自体もかなり大きく、見応え抜群です。紅茶→レモン→ブラックカラントに変化する香りも堪能できます。赤・紫のおすすめ品種
L.D.ブレスウェイト|もっとも明るいクリムゾン色
イングリッシュローズの中でもっとも明るい、クリムゾン色が特徴です。最初は大輪のカップ咲きですが、開くにつれてロゼット咲きになります。遠くから眺めても存在感を放つ品種です。ムンステッドウッド|ダークなカラーが神秘的
つぼみのときは明るいクリムゾン色。開花すると紫っぽいダークな色味になり、横によく茂る品種なので、ミッドグリーンの葉とのコントラストが美しいです。フォールスタッフ|大きな花とパワフルな香り
何重にも重なった花びらが豪華な大輪種。花色はクリムゾンから紫へと変化します。病気にかかりにくく、強いオールドローズの香りです。オレンジ・黄系のおすすめ品種
レディ エマ ハミルトン|珍しいオレンジ系
イングリッシュローズとしては珍しい、オレンジ系の花色です。花びらの内側は濃いオレンジですが、外側は白っぽく見え、コントラストが絶妙!次から次へとよく咲き、乾燥した環境が得意です。グラハムトーマス|イングリッシュローズといえばこれ!
イングリッシュローズの中でもっとも人気のある品種の一つ、それがグラハムトーマスです。中輪のカップ咲きで、色はピュアなイエロー。外側は白っぽく見えます。よく茂り、つるバラとして育てることも可能です。ジュードジオブスキュア|内側に丸まる優雅な名花
ゴブレット型の大輪種。内側に向かってカーブを描く花びらが特徴的です。花の中心部は黄色、外側は白っぽい色味をしています。強健で病気に強い名花!ティージングジョージア|上品なグラデーションイエロー
ぎっしりと詰まった花びらが美しい、カップ咲き品種。中心は深みのあるイエローですが、外側に向けて薄くなり、花びらがやや反っています。シュラブ状とつる状の両方で育てられますよ。育てやすくおすすめの強健種
モーティマーサックラー|大きく茂り、トゲが少ない
半八重のような変わった花姿です。大きく生長し、ほとんどトゲがありません。かわいらしいソフトピンクの花を咲かせる丈夫なイングリッシュローズ。ボスコベル|丈夫で生育旺盛
まっすぐ旺盛に育ち、とても丈夫です。最初はカップ咲きですが、だんだんとロゼット咲きに変化します。色は赤みのあるサーモンカラー。ザレディガーデナー|深みのあるアプリコットカラー
外側へ向かって徐々に薄くなるアプリコット色がポイント。直径約10cmの大輪種です。早いペースで繰り返し咲き、元気に育ちます。おすすめのイングリッシュローズガーデン情報!
無料&世界有数の大きさ!デビッド・オースチンのイングリッシュローズガーデン
大阪・泉南の「花咲きファーム」には、イングリッシュローズの生みの親であるデビッド・オースチンのガーデンがあります。約3000株の世界有数規模でありながら、無料で観賞できるスポットです。バラの鉢苗も販売されていますよ!デビッド・オースチン・ロージズ「花咲きファーム内デビッド・オースチンのイングリッシュローズガーデン」
首都圏なら横浜がおすすめ!
横浜にもローズガーデンがあります!イングリッシュローズだけでなく、野生種、オールドローズ、モダンローズも約1,800種類植えられていますよ。2018年の世界バラ会議では、「優秀庭園賞」を受賞しました。旅行クチコミサイト「トリップアドバイザー」でも高評価!横浜イングリッシュガーデン