- Akiko Isono
編集者兼ライター。家庭菜園・ガーデニング専門誌の編集に8年間携わり、現在は雑誌やムック、WEBを中心に、植物、農業、環境、食などをテーマとした記事を執筆。好きな野菜はケールとにんじん。…続きを読む
1. チューリップは、どうやって育つ?
小学校などでチューリップを育てたことがある方も多いと思いますが、まずは、基本をおさらいしておきましょう。チューリップは、球根を土に埋めて育てる植物です。球根とは、植物の根や茎などが肥大したもので、生育に必要な栄養分を貯蔵する器官のこと。スイセンやヒヤシンス、ムスカリなど、春の草花には球根で育つものが多くあります。
チューリップの成長サイクルは、秋に植えた球根が冬の間に根を張り、翌年の春に地上部が成長して花が咲き、初夏から夏に地上部が枯れます。春から夏の間に球根がいくつかに分かれて、新しい球根ができるので、掘り上げて保存しておくと秋に再び植えつけることができます。詳しい育て方や球根を掘り上げる方法は、次の項目で紹介します。
2. 庭や鉢で育てるチューリップ
同じ品種をたくさん植えたり、色や高さの違う品種をミックスしたり、寄せ植えにしたりと、チューリップの楽しみ方はさまざま。球根を植え付けるタイミングは、10〜11月の気温が15℃を下回る頃です。Step1. 球根選び
チューリップの球根は、ホームセンターや花屋、インターネット通販などで購入できます。表面に傷や黒ずみのない、きれいなものを選んで植え付けましょう。発根部分が変色していたり、すでに根が出ていたりするものも避けましょう。Step2. 土作り
市販の草花用培養土や、球根専用の培養土を使うのが手軽です。庭植えの場合は、事前に石灰をまいて土を中和し、堆肥や腐葉土を加えて耕し、土をふかふかにします。SCG球根 草花の培養土
Step3. 植え付け
根がしっかり張れるように、鉢は深さが20cm程度あるものを用意します。大きさは植える数に合わせて選びましょう。培養土を鉢の縁から3cmほど下まで入れ、球根の向きをそろえて10cmほどの深さに埋めます。球根と球根の間隔は7〜8cmが目安で、小さな球根をたくさん植える場合は、半分ほどの間隔にします。庭植えの場合も、植える深さや間隔は同じです。植え付け後はたっぷりと水やりしましょう。Step4. 冬の管理
冬の間は地上部が成長しないので忘れがちですが、土の中で根は成長を始めているので、土がカラカラにならない程度に水やりをしましょう。過湿になり過ぎると球根が傷んでしまうので、気を付けてください。庭植えの場合、12〜1月頃に一度肥料を与えると、より成長がよくなります。JOYアグリス 球根の肥料
Step5. 開花
3月頃になるとつぼみがふくらみ始めます。この時期にアブラムシがつくことがあり、病気を媒介するので、見つけたら早めに取り除きましょう。品種にもよりますが、開花のピークは3〜5月、開花期間は1〜2週間ほどです。Step6. 球根の掘り上げ・保存
関東地方以北の涼しい地域では、花後に球根を太らせ、翌年も栽培することができます。花が終わった頃に花首を切り取り、その後も株を残して球根を太らせ、葉や茎が枯れる5月下旬〜6月に球根を掘り上げます。掘り上げた球根は茎からねじって外し、軽く土を払い落としてネットなどに入れ、涼しく風通しのよい場所で秋まで保存します。
3. 室内でおしゃれに楽しむチューリップ
チューリップが成長する様子を身近に眺めたい、という方には、室内での水栽培がおすすめです。専用の容器や手持ちのフラワーベースで、おしゃれに育ててみましょう。切り花を飾るのとは、また違った楽しみ方ができますよ。Step1. 球根の準備
チューリップの球根は、冬の寒さに当たることで花をつけるため、温度の保たれた室内では、普通の球根では開花しにくくなります。低温処理の施された「水栽培用」の球根を選ぶか、あるいは、普通の球根を9月ごろから冷蔵庫に入れ、5℃程度の温度で2カ月間保存してから、栽培を始めます。このほか、すでに葉や茎の出た「芽出し球根」も市販されているので、手軽に楽しみたい方はこちらもおすすめです。
Step2. 容器の準備
成長の様子を観察するには、透明な容器が向いています。水栽培専用の容器が手軽ですが、深型のフラワーベースなども、ひと工夫加えれば利用できます。チューリップは品種によって茎の長さが違うので、高さのバランスが合うものを選びましょう。また、容器が汚れているとカビなどの原因になるので、栽培前に洗ってよく乾燥させておきます。バルブベース クリア
バルブベース クリア
上部に球根をセットして、底に水をためて育てる専用容器。チューリップのほかにヒヤシンスやクロッカスなど、いろいろな球根植物が育てられます。
・サイズ:約直径10×高さ12.5cm
・材質:ガラス
・サイズ:約直径10×高さ12.5cm
・材質:ガラス
Step3. 球根をセット
球根に傷や黒ずみがないことを確認し、カビを予防するために表面の薄皮をむきます。球根をセットして、お尻の部分だけが浸かるように水を注ぎます。フラワーベースを使う場合は、底にハイドロカルチャー用のゼリーやハイドロボールを敷き、その上に球根を乗せて、お尻だけが水に浸かるようにします。
茎や葉が出るまでは、暗くて暖房の当たらない寒い場所で育てましょう。
バブルジェリー クリア
Step4. 水替え・追肥
水替えは週に1〜2回、容器の水を捨てて、新しい水を注ぎます。球根から根が伸びてきたら、根の先端から1/3ほどが水に浸かるように水の量を調節しましょう。根全体が水に浸かると、根が酸素不足になってしまうので、気を付けてください。基本的に水だけでも花をつけますが、液体肥料で成長を促すとより確実です。根が伸び始めたら、水の代わりに水栽培用の液体肥料を、規定の倍率に薄めて与えます。
ハイポネックス キュート ハイドロ・水栽培用
Step5. 開花までの管理
茎や葉が伸びてきたら少しずつ明るい場所に移動させ、最終的には日当たりのよい窓辺などに移します。成長するにつれて水の減りも早くなるので、水(液体肥料)も忘れずに取り替えます。4. 今育てたい、人気品種
チューリップは品種の数がとても多く、毎年のように新しいものが登場します。スタンダードから個性派まで、人気のチューリップをピックアップしました。ピンクダイヤモンド
アントワネット
アフェール
ダンシングショー
ベルエポック
ペパーミントスティック
アイスクリーム
5. 魅力的なチューリップの世界
カラフルでかわいらしいチューリップ。春の花の中でも特に身近と言える存在ですが、掘り下げてみると、まだまだ知らないことがたくさんあります。この春は、ぜひチューリップを育てて、その多彩な魅力に触れてみませんか?紹介されたアイテム
平和 草花・球根の培養土(SCGシリーズ)
¥756 税込
JOYアグリス 球根の肥料
¥227 税込
ハイポネックス キュート ハイドロ・水栽培用
¥376 税込
アントワネット 球根
¥540 税込
ラ ベルエポック 球根
¥515 税込