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- YasuhiroOgawa
植物園に勤務していた経験を活かして、正確でわかりやすい記事を書いていきたいです。好きな花はハイビスカス。現在は、トロピカルフルーツの新しい栽培に取り組んでます!…続きを読む
クリスマスローズとは?花言葉は?
クリスマスローズの基本
クリスマスローズは、キンポウゲ科ヘレボラス属の多年草で、ヨーロッパから西アジア、中国西部に20種類ほどの原種が知られています。寒さには強いですが、高温多湿にはやや弱い傾向があり、夏は生育を停止します。
本来は原種のニゲルだけをクリスマスローズと呼んでいましたが、現在はヘレボラス属全体の原種、園芸品種を指すのが一般的です。以前はくすんだような色の花がうつむき加減に咲き、地味な印象のある植物でした。現在は日本でも育種が進み、明るい花色や上向きの目立つ花、複雑な色模様が美しい複色の花、豪華な八重咲などの品種が登場し、クリスマスローズのブームが起きる要因となりました。鉢植えや庭植でも楽しめ、丈夫で育てやすい品種が多く、冬のガーデニングを楽しむうえでの数少ない貴重な植物です。
開花時期
開花時期は12月から4月までの冬から春で、気候や管理等による株の状態や種類によって、時期が前後します。色の種類
主な花色は白色、黄色、ピンク、紫色などで、それらの複色の品種もあり、種類ごとに様々な色調の変化があります。花言葉
いたわり、追憶クリスマスローズの楽しみ方
ヨーロッパでは古来から親しまれてきた花ですが、洋風だけでなく和風の庭にも合い、上品な美しさを演出できます。開花鉢を楽しむ場合は、台の上など高い位置に置くと良いでしょう。花がうつむき加減な種類も、花がよく見えるようになります。ただし風当たりの強い場所や強風時は鉢が倒れたり株が傷んだりすることがあるので、下におろすなど安全な場所に移すようにしてください。また比較的長期間花が咲くので、寄せ植えしても楽しめます。高さのあるコニファーやエリカとともに、冬の定番の花のパンジーやビオラ、銀葉が美しいシロタエギクなどと合わせると良いでしょう。パンジーやビオラより開花が早く終わりますが、咲き終わったら鉢に植え替えてください。
愛好者が多いので、冬の開花シーズンには展示会もよく開かれています。またクリスマスローズの愛好者団体もあるので、クリスマスローズを通して人との交流を楽しむのも良いかと思います。
クリスマスローズの置き場所
一方、10月から5月初旬ころまでの寒い時期は、日光がよく当たる場所が適します。光線が不足すると生育が悪くなります。また株が軟弱に育って病害虫の被害を受けやすくなり、良い花も望めないでしょう。
地植えに適した場所は
複数の株を植え付ける際は、株間を50cmほど空けるようにします。はじめはさびしい印象でも、大株に育ってくるとちょうど良い感じになります。
条件が合えば手間要らずで毎年花を咲かせてくれますが、ずっとそのままだと生育が衰えることがあります。7~8年経ったら10月ごろに掘り起こし、腐葉土などの有機物を入れてよく耕し、再度植え直すと良いでしょう。
クリスマスローズを室内で育てるのは?
適度な通風と、開花するときに低温になることが大切なので、屋外で育てるのが基本です。ただし開花中の株を数日間、室内に入れて楽しむ程度なら大丈夫でしょう。短期間室内に置く場合も、日当たりが良く、暖房が入らないような場所が良いです。クリスマスローズの育て方!水やりや肥料は?
肥料は、3要素が等量か、花重視の場合はリン酸が多めの緩効性化成肥料を10月から4月に与えます。花が咲き終わった3~4月くらいにも、来年の開花のために肥料を忘れないようにしてください。また液体肥料を1週間に1回、規定量与えても良いでしょう。
クリスマスローズの植え替えは?
植え替えのタイミング
だんだんと大株に育ち、根の生育の早いクリスマスローズ。根詰まりすると生育が衰え、良い花も咲きません。毎年10月から4月頃に、1~2まわり大きな鉢に植え替えてください。花付きの鉢を購入して楽しんだ場合も、花が終わったら鉢替すると良いでしょう。3号くらいのポット苗を購入した場合は、すぐに4号鉢に植え替えた方が株の根の生育も促され、管理も楽になります。使用する用土
用土は一般的な草花用培養土を使うことができます。ただし培養土の水持ちが良過ぎる場合は、軽石を2割程度混ぜると排水が良くなります。またクリスマスローズ専用の培養土も通販などで入手容易なのでおすすめです。鉢底の穴が小さい場合や、6号鉢以上の深めの大きい鉢を使う場合は、鉢の底に鉢底石を入れてから通常の用土を入れると良いでしょう。
クリスマスローズの土
プロトリーフ クリスマスローズの土
クリスマスローズが好む中性にpH調整済みの、クリスマスローズ専用の土です。 根腐れしにくい硬質赤玉土を原料にしています。
内容量 | 12L |
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クリスマスローズの病害虫
ウイルス病
最も怖い病気で、クリスマスローズの大敵です。病気にかかった株は、捨てるしかありません。せっかく集めたクリスマスローズのコレクションも全滅してしまうなど、最悪の失敗の可能性もあります。葉や茎、花に黒い染みが出る黒死病(ブラックデス)、葉にかすり模様が入って縮れるモザイク病などがあり、ウイルスによって起こります。ハサミ等を使った場合は、火であぶるなどの滅菌処理をしないと他の株に移るので注意してください。
害虫類
春から秋に、アブラムシやハモグリバエ、ナメクジ、ハダニなど、様々な害虫が発生します。特にアブラムシはウイルス病の原因になるので、見つけ次第早めに防除してください。クリスマスローズの手入れについて
また花が咲き終わったら、花茎を地際付近で切ります。そのままにすると種を付けて栄養を取られます。特に春になると種を付ける可能性が高くなるので、花が色あせて緑色っぽくなってきたら、早めに切ると良いでしょう。
クリスマスローズの増やし方!株分けや種まきの方法は?
冬の生育期前の10月~11月頃が、株分けの適期です。1芽単位で分けると生育が遅く管理が難しくなるので、3芽くらいの単位で分けると良いでしょう。
種で増やすこともできますが、親株と花など形質が変わります。また1株ごとに様々な花が咲くので、自分好みの花や優れた品種を見つけることができるかもしれません。
クリスマスローズのトラブル!花が咲かない、枯れる原因は?
花が咲かない
日陰に適する植物とされるので、年中日陰に置いていることが考えられます。冬はしっかりと日光に当てることが大切です。庭植する場合も、暗すぎる場所は避けてください。また植え替えを行わず根詰まりを起こしている、水の与え過ぎなどが初心者によくあるトラブルのようです。成長が遅い、葉の数が少なくなってきた
初心者に多いのが、鉢替えをしていないことです。1~2年おきに鉢サイズを大きくするか、株分けしてください。また水の与え過ぎや、急にサイズの大きな鉢に植え替えた場合も、根が過湿で傷むなどして生育が衰えます。急に枯れてしまった
鉢の用土が湿っているのに水やりすると、根腐れを起こして枯れる原因になるので注意して下さい。また大きすぎる鉢や水持ちの良過ぎる用土を使うと根腐れを起こしやすくなります。また風通しの悪い場所に置いたり、夏に強い日光に当てたりするのも避けてください。夏に暑さで葉が枯れてしまった場合は、秋になると再び新芽が出てくることがあります。
クリスマスローズの株はどう入手する?
クリスマスローズ専門のナーセリーもあり、ネット通販で株を入手することができます。希少品種も専門のサイトなら入手できるかもしれません。
クリスマスローズ苗 3号
クリスマスローズ苗 5号
クリスマスローズの種類
ヘレボラス・ニゲル(Helleborus niger)
純白の美しい花が咲く原種で、クリスマス頃に冬を告げる花としてヨーロッパで広く親しまれてきました。有茎種と無茎種の中間種で、開花時期は12月から2月頃です。寒さには強いですが、暑さには弱い傾向があります。ヘレボラス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)
無茎種の多くの交配種の親となった原種で、変異に富みます。ギリシア、トルコ原産でレンテンローズの名があり、春ごろに開花します。日比谷花壇 クリスマスローズ
白い美しい花がかわいいクリスマスローズの花鉢。オリジナル鉢カバー付きで、クリスマスの贈り物にぴったりです。
クリスマスローズの情報をもっと知りたい人に!
日本クリスマスローズ協会
1998年に設立された全国的な組織です。イベント等、盛んに活動しているので、クリスマスローズが好きな人にはお勧めです。協会のサイトも情報が豊富で、必見でしょう。リンク集も素晴らしいサイトが紹介されているので、ぜひチェックしてみてください。http://www.hellebores.gr.jp/
若泉ファーム
情報サイトが非常に充実しており、しかもネットショップで買えてしまうという凄いサイトです。都内のファームで育種されたオリジナル品種や様々な原種などを直販もするので、クリスマスローズ好きには必見でしょう。http://www.wakaizumi-farm.com/