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ライター - AGRI PICK 編集部
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出典:写真AC
遠くからでも目を引く華やかな花が多い一年草は、「限られたスペースでも、いろいろな種類の植物を育てたい」「花壇をカラフルな花でいっぱいにしたい」ときにぴったり!何年も根付く植物ではないので、毎年違う種類の植物を育てたり、入れ替えたりする楽しみが増えますよ。
一年草とは?二年草、多年草との違い

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一年草とは、種まきや苗の植え付けを行ってから一年程度で枯れて、翌年は生えてこない植物のことです。例えば、春に種まきして夏ごろに開花し、秋に枯れる植物は一年草です。
苗の値段も安い傾向があり、花が咲いた状態などでたくさん販売されていて、花に詳しくなくても、好みに合わせて色・形・大きさを見た目で選ぶこともできます。また、暑さや寒さの対策が不要で手のかからない植物が多く、一年草なら花や緑を手軽に生活に取り入れやすいですね!
アサガオ、ヒマワリ、パンジーなどの花が多いですが、ジャーマンカモミールやボリジといった一年草のハーブもあります。ただし、品種によっては多年草のものもあるなど、この花の種類は一年草!と言い切れないことも多くあります。
二年草、多年草との違い

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二年草
二年草とは、種まきしてから枯れるまでの期間が二年程度の植物を指します。例えば春に種まきすると、夏~秋にかけて生育し、冬に茎や根のまま休眠したあと、翌年の春~夏ごろに開花します。秋に発芽して冬を越し、翌春に花を咲かせる植物のことを指して、二年草と呼ぶこともあります。
多年草
多年草とは、一度植えれば冬も枯れずに、一年中緑の葉や茎のまま何年も育ち続ける植物のことです。冬に地上部が一時的に枯れ、春になるとまた新しい芽を出して生長する多年草もあり、こういった種類を「宿根草(しゅっこんそう)」と呼び分けることもあります。
一年草のメリット・デメリット

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メリット
育つスピードが早く、華やかな植物が多い
一年草は生育期間が短く生長も早いうえ、華やかで存在感のある花なども多く、その植物の魅力をいち早く堪能することができます!例えば、ひまわりは一年草ですが、春に種まきすると夏には高さ30~300mになり、非常に大きな花を咲かせます。
花の入れ替えが簡単
一年草は、好きな種類の花が咲く時期だけ植え付けて、枯れたらまた次の季節の花に入れ替えることが簡単にできます。季節に合わせて、好きな植物を選んだり、いろいろな寄せ植えを楽しめますね!
種を採れば、毎年楽しめる

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一年草は「枯れたら終わり」ではありません。多くの植物の場合、種を採ればまた来年も育てることができます。花が完全に茶色く枯れて乾燥した状態になったら採種し、冷暗所で保管しましょう。生命力が強い植物だと、種を採らなくても、土に落ちたこぼれ種で勝手に翌年も生えてくる場合も。
デメリット
植えっぱなしの庭作りができない
一年以内には枯れてしまうので、植えっぱなしの庭作りができません。花壇や庭を華やかにしたい場合は、枯れた苗を取り除き、新しく種まきや苗植えをする必要があります。できるだけ手をかけずに緑のある庭を楽しみたい人は、多年草や花木中心の庭作りがおすすめです。
一年草の代表種|パンジー・アサガオ・ジニアなど
パンジー

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パンジーは、秋~春のガーデニングでとても人気が高い花です。花が少ない冬の花壇や鉢植えを、カラフルに華やかにしてくれます。特別な世話をしなくても枯れにくく、丈夫に育ってくれますよ。長期間にわたって次々と新しい花を咲かせるのも魅力です。
栽培時期 植え付け:10月下旬~12月中旬
開花:10月下旬~5月中旬
アサガオ

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日本の夏を涼しげに演出してくれるアサガオも、枯れる、虫の被害を受けるといったトラブルが少なく、育てやすい一年草です。つる性植物なので、支柱やネットに絡ませましょう。鉢植えでは、円柱型の支柱に絡ませる「行灯仕立て」が人気です。
栽培時期 植え付け:5月下旬~6月中旬
開花:7~10月上旬
ジニア(百日草)

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百日草とも呼ばれるジニア。「百日」というだけあって、開花期間が長く、しかも生育旺盛です。夏のガーデニングにおすすめですよ。
栽培時期 植え付け:5~7月中旬
開花:5~11月上旬
ジャーマンカモミール

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花の部分をハーブとして利用できるカモミール。「ジャーマンカモミール」と「ローマンカモミール」があります。一年草なのはジャーマンカモミールで、ローマンカモミールは多年草です。青りんごのようなとても良い香りがします。
栽培時期 植え付け:3~4月、9月下旬~11月
開花:5~7月
ネモフィラ

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青空のような色をした小ぶりな花を、次々にたくさん咲かせるネモフィラ。数株まとめて植えると、まるでブルーの絨毯のように見えます。
栽培時期 植え付け:3~4月
開花:4~5月
多年草だけど、一年草として扱う種類|ペチュニア・シクラメンなど
自生地では多年草ですが、日本では寒さや暑さに耐えられず枯れてしまい、一年草として扱われる植物もあります。苗のタグに多年草と書かれていても、このようなケースがあるため、本当に多年草として育てられるとは限りません。苗を購入する前に、インターネットや園芸書などであらかじめ調べておくと安心ですよ。
ペチュニア

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春から秋まで、長い間花を咲かせてくれるペチュニア。寒さに当てないようにすれば、越冬できないわけではありませんが、徒長して花姿が乱れることが多いので、一年草として扱うのがおすすめです。
栽培時期 植え付け:4~5月
開花:3~11月
ポインセチア

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茎の上部が真っ赤に色づくポインセチア。クリスマスを飾る定番の植物なので、寒さに強いイメージを持たれがちですが、実は寒さにも暑さにも弱く、一年草扱いされます。5℃を下回らない室温で育てましょう。
栽培時期 植え付け:4~5月
開花:11~1月
シクラメン

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ピンク系のかわいい花を咲かせるシクラメンは、冬の時期に室内で楽しめる鉢物として人気が高い多年草ですが、暑さに弱く夏越しさせるのにはテクニックが必要。一年ごとに買い換えるのがおすすめです。
栽培時期 植え付け:9~10月
開花:10~4月
ローゼル

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赤い実の部分をハイビスカスティーに使用する、草丈1~2mの大きな植物です。熱帯植物なので寒さに弱く、越冬できません。
栽培時期 植え付け:5~6月
開花:9~11月
一年草は枯れたらどうする?

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花がら摘みはこまめにしよう
一年草の花は、一気に咲いたり枯れたりするわけではなく、同じ株でも開花時期にばらつきがあります。枯れた花はこまめに摘み取ることで、まだ咲いている花やこれから咲く花に、必要な栄養を行き渡らせることができますよ。
採った種は来年使える
新しい花が咲かなくなると、枯れた花の部分が乾燥して、中に種ができます。採った種は涼しくて風通しの良い冷暗所で保存しましょう。また来年に種まきすれば、繰り返し育てることができますよ。
枯れた苗は、根ごと処分
種も採り終わった苗は、根ごと引っこ抜いて取り除き、処分しましょう。次の年にまた同じ場所で植物を育てるときは、植え付けの2週間以上前に腐葉土や牛ふんなどの土壌改良材を入れ、よく耕して土作りをしておきましょう。
一年草は手軽に楽しめる!気になる種類にどんどんチャレンジ

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販売する店や植物の種類にもよりますが、一年草は一つの苗を100円程度から購入でき、見た目もわかりやすいため、手軽に栽培できる植物です。気になったものをどんどん植えて、お気に入りの花や組み合わせを見つけてくださいね!