人気の京野菜!万願寺とうがらしの育て方&レシピ

京野菜の代名詞!京都府舞鶴市発祥の「万願寺とうがらし」の栽培方法について解説します。辛さ控えめでほんのり甘い万願寺唐がらしを、お庭やベランダで育ててみませんか?じゃこあえなどの人気レシピもご紹介♪


出典:写真AC
ジャンボサイズで肉厚、さわやかな香りと甘みが持ち味の万願寺とうがらし。今では全国各地で手に入れることができますが、元々は京都の限られた地域だけで栽培されていた野菜です。栽培方法はピーマンやししとうとよく似ていて手がかからず、追肥などの管理作業をきちんと行えば、初夏から秋にかけて次々と収穫できます。果菜類の中では省スペースで育てられるので、ベランダ菜園にもぜひおすすめ。食卓の主役にもなるおいしい万願寺とうがらしを、この夏は育ててみませんか?

1. 万願寺とうがらしとは?どんな野菜?

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万願寺とうがらしは、京都府舞鶴市の万願寺地区で栽培されてきた野菜で、ピーマンやししとうと同じ甘とうがらしの一種。大正時代の終わりごろ、京都の在来種である「伏見甘長とうがらし」とアメリカの「カリフォルニア・ワンダー」というピーマンの交配によって誕生したと言われています。長さ約15cmと、とうがらしの仲間のなかでは大型で、果肉が厚く食べごたえがあり、味や香りが良いことから全国的に人気を集めました。種が少ないので調理も楽。炒め物やグリルなど、シンプルな料理でおいしく食べられます。

 

ピーマンやししとうはビタミン類が豊富な野菜として知られていますが、万願寺とうがらしも同様で、風邪や肌荒れ予防に役立つビタミンC、高い抗酸化作用を持つビタミンEなどを多く含みます。また、体内でビタミンAに変わり、免疫力を高める効果を発揮するベータカロテンも豊富。ベータカロテンは油に溶ける性質を持つので、炒め物や揚げ物など、油を使った調理で効率よく摂取できます。ビタミンCは熱で壊れやすい栄養素ですが、万願寺とうがらしの場合、加熱してもあまり損失しないという特徴があります。

甘みが特徴のパプリカから激辛ハバネロまで、唐辛子の仲間はほかにもいろいろ。

2. 万願寺とうがらしは辛くなる?

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ナス科トウガラシ属の野菜のなかで、ピーマンやししとうのように辛みのないものは「甘とうがらし」に分類されます。万願寺とうがらしもこの仲間で、基本的には辛みがありません。ただし、ししとうにときどき激辛があるように、万願寺とうがらしも辛くなるケースがあります。辛い品種の花粉を受粉すると辛くなる、という説がありますが、そうではなく、原因は水切れや肥料切れ、害虫被害などのストレスがかかること。特に栽培の後半は株の体力が衰えてくるため、秋になると辛い実がつきやすくなるようです。栽培中は極端な乾燥や肥料切れに注意し、株を元気に育てることが、甘くておいしい実を収穫するためのポイントになります。それでも辛い実が増えてきたら、そろそろ収穫終了のサインだと考えましょう。

3.家庭菜園での育て方

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万願寺とうがらしの植え付け時期は、5~6月にかけて。苗はホームセンターなどで4月ごろから入手できますが、寒さに弱いので、1日の平均気温が15℃を超えてから植えるようにしましょう。種から栽培を始める場合は、2~3カ月前にポリポットに種をまき、本葉8枚程度まで育ててから菜園に植え付けます。

万願寺とうがらしの栽培カレンダー

植え付け/5~6月上旬
収穫/6~10月

栽培方法

Step1. 用意するもの

万願寺とうがらしの苗

そのほか栽培に必要な道具や資材については、こちらの記事を参考にしてください。



ITEM
万願寺とうがらし 苗
苗ひとつ一つを優良農家さんが手間をかけてつくっています。苗の状態も良く、スクスクと育ちます!

・内容:1苗

苗も少し大きめで、育てやすい感じ、霜に注意し育てたいと思います。 


Step2. 土作りと畝立て



栽培する区画の土壌酸度を測り、pH6.0~6.5になるように必要に応じて石灰をまきます。1週間以上置いてから、堆肥、肥料(粒状の化成肥料など)をまいてよく耕し、幅60cm、高さ15cmの畝を立てます。土作りと畝立ては植え付けの1~2週間前までに済ませましょう。苗が根付く前に低温に当たると、枯れてしまうことがあるので、気温が低い場合は保温のためのマルチを張ります。

*土作りの詳しい方法はこちらの記事を参考にしてください。

Step3. 苗の植え付け

畝の中央に苗のポットと同じ大きさの穴を掘り、ポットをはずして植え付けます。植え終わったら周りの土を寄せて軽く押さえ、ジョウロでたっぷりと水やりします。2株以上植える場合は、間隔を40~50cmあけましょう。株が根付くまでの支えとして、脇に長さ15~20cmの細い支柱を斜めにさし、ひもで誘引します。

Step4. 本支柱立て

成長すると重みで倒れやすくなるので、株の脇にの脇に長さ150cm程度の支柱をしっかりさし、中心の太い茎にひもをかけて誘引します。植え付け後に立てた細い支柱は、そのままでも抜いてもどちらでもかまいません。

Step.5 整枝

一番花(最初についた花)より下から伸びるわき芽(葉の付け根から出る新芽)は、すべて摘み取ります。その後は特に整枝は必要ありませんが、栽培後半に入り、葉が茂り過ぎていたら適宜剪定します。特に内側の葉が混み合うと風通しが悪くなり、蒸れや病気の原因になるので気をつけましょう。

Step6. 追肥

植え付けの2~3週間後から、2週間に1回を目安に肥料を与えます。散布する量や頻度は製品によって違うので、肥料のパッケージを参照してください。粒状の肥料は株の周りにパラパラとまき、クワなどで土となじませて株元に軽く盛り上げます。

Step7. 収穫

開花から2週間ほどたち、実の長さ15cm程度になったものから収穫します。たくさん実を付けている状態では株が体力を消耗するので、とり遅れないように次々収穫するようにしましょう。収穫中も2週間に1回ペースで、追肥を続けます。

4. プランターでの育て方

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プランターで育てる場合も、やり方は畑とほとんど共通です。日当たりの良い場所にプランターを置き、水切れや肥料切れに注意しながら育てれば、次々と収穫が楽しめます。ただし、暑すぎると実を付けにくくなるので、マンションなどのベランダの場合、夏場の直射日光やコンクリートの照り返しに注意しましょう。

Step1. 用意するもの

万願寺とうがらしの苗
直径30×深さ30cm程度のプランター
そのほか必要な道具などは、こちらの記事を参照してください。

Step2. プランターの準備

プランターの底に鉢底ネットを敷き、底面が見えなくなるくらい鉢底石を入れます。野菜用培養土を縁から2cmほど下まで入れ、水で湿らせておきます。

Step3. 苗の植え付け

プランターの中央に苗のポットと同じ大きさの穴を掘り、ポットをはずして植えつけ、たっぷりと水やりします。根付くまでの支えとして、株の脇に長さ15~20cmの細い支柱を斜めにさします。植え付け後は日当たりの良い場所に置き、土が乾いたら水やりしながら育てましょう。

Step4. 本支柱立て

株が成長してきたら、長さ150cm程度の支柱を株の脇にまっすぐさし、中心の太い茎にひもをかけて誘引します。

Step5. 整枝

一番花(最初についた花)より下から伸びるわき芽(葉の付け根から出る新芽)は、すべて摘み取ります。栽培後半になり葉が茂り過ぎていたら、間を透かすように適宜整枝して、風通しよく育てます。

Step6. 追肥

植え付けの2~3週間後から、粒状の肥料または液体肥料を2週間に1回を目安に与えます。散布する量や頻度は製品によって異なるので、パッケージを参照してください。

Step7. 収穫

実の長さが15cmほどになったものから収穫します。多少小さめでも味は変わらないので、株を疲れさせないようにどんどん収穫しましょう。

5. 万願寺とうがらしのおすすめレシピ

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ビタミンたっぷりで食べごたえも十分な万願寺とうがらしは、食べ方もバリエーション豊富。メインのおかずや常備菜、お酒のおつまみまで幅広く活躍します。簡単ですぐに作れるレシピをご紹介しましょう。

万願寺とうがらしとカリカリじゃこの炒め物

冷めてもおいしく食べられて、お弁当にも重宝するヘルシーな常備菜。じゃこをツナ缶や塩昆布に替えてもOKです。

【作り方】
万願寺とうがらし200gは洗って軸を切り落とし、縦半分に切って種を取り除きます。フライパンにゴマ油をひいて熱し、ちりめんじゃこ20gを入れて焦げないように混ぜながら炒め、色が変わってきたら万願寺とうがらしを加えてさらに炒めます。万願寺とうがらしがしんなりしたら、酒・しょうゆ各大さじ1、砂糖小さじ1を加え、全体に味を絡めるように混ぜながら炒めます。水分が軽く飛んでぱらりとなったら完成です。

スペイン風万願寺とうがらしの素揚げ

スペインのバルの定番料理“ピミエントス・デ・パドロン”をアレンジした、ワインにぴったりのおつまみ。本場ではししとうに似た小さな甘とうがらしを使いますが、食べごたえのある万願寺とうがらしでも、もちろんおいしく作れます。

【作り方】
万願寺とうがらしは洗ってよく水けを拭き取り、つまようじで数カ所穴をあけます。深型のフライパンなどに2cmほどオリーブオイルを入れて180℃に熱し、万願寺とうがらしを入れて、表面が色づくくらいにしっかり揚げます。油を切って盛り付け、お好みの塩をふって食べます。

万願寺とうがらしの焼きびたし

暑い時期にぴったりの冷たい常備菜。作り置きもできるので、そうめんやざるそばなどの簡単な食事に、あと一品足したいときに便利です。軽く焼き目をつけて香ばしく仕上げましょう。

【作り方】
万願寺とうがらし200gは洗って軸を切り落とし、つまようじで数カ所穴をあけます。鍋にだし汁100ml、しょうゆ・みりん各大さじ1~1.5を入れて火にかけ、煮立ったらすぐに火を止め、粗熱が取れたら保存容器に移します。フライパンに油を熱して万願寺とうがらしを入れ、焦がさないように箸で転がしながら焼きます。表面に焼き色がついたものから取り出し、だし汁に浸けます。20~30分味をなじませてから食べましょう。

6. ご当地野菜を育てる楽しみ

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日本には、それぞれの土地で古くから育まれてきた伝統的な作物がたくさんあります。万願寺とうがらしもその一つ。ただ味わうだけでなく、そのルーツを知ったり、自ら育ててみたりすることでより理解が深まり、食の楽しみも大きく広がります。万願寺とうがらしは栽培も調理も簡単ですから、初めて野菜を育てる方も、ぜひ気軽に挑戦してみてくださいね。これをきっかけに、普段あまり口にしない珍しい野菜への興味が広がっていくかもしれません。

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Akiko Isono
Akiko Isono

編集者兼ライター。家庭菜園・ガーデニング専門誌の編集に8年間携わり、現在は雑誌やムック、WEBを中心に、植物、農業、環境、食などをテーマとした記事を執筆。好きな野菜はケールとにんじん。