目次
- MitsuyaNao
埼玉県の山奥で、約1反のブルーベリー畑を管理しています。ハイブッシュとラビットアイを約20品種栽培中。野菜、花、ハーブなども育てています。AGRI PICKでは、家庭菜園や園芸の初心者に向けた記事を中心に担当。他メディアでも多数執筆中。…続きを読む
ローゼルとは?
ローゼルとは、草丈1~2mになる背が高い熱帯植物です。花や実を観賞して楽しむだけでなく、食用にもできるんですよ。本当は多年草ですが、熱帯植物で寒さに弱いため日本で越冬させるのは難しく、一年草として扱われます。白い花と真っ赤な実
ローゼルの名前の由来は、花の形がバラに似ていることですが、どちらかというと写真のようにオクラの花に似ています。ローゼルの花は白く大きめで、存在感があり、遠くからでも目を惹きます。花が終わった後には、真っ赤なホウに覆われた実を付けるのが特徴です。実を包んでいる赤い部分は食べられる
ローゼルの実(種)を包んでいる紅紫色のガクとホウは、実から外して食用にできます。ハイビスカスティーの原料は、乾燥させたローゼルのガクとホウ。ビタミンCたっぷりで、とても酸っぱいです。その他、ジャムや塩漬けにしても食べられています。ローゼルの花言葉
ローゼルの花言葉は「新しい恋」や「常に新しい美」です。ローゼルの育て方!種まきや植え付けのコツは?
ローゼルは熱帯の植物なので、寒い季節と栽培期間が重ならないよう、計画的に種まきや植え付けを行うことが大切です!栽培カレンダー
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
種まき | ● | ● | ||||||||||
植え付け | ● | ● | ||||||||||
肥料 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||
収穫 | ● | ● |
種まき
ローゼルは発芽に20℃前後必要で、時期は4~5月です。十分に暖かくなってからでないと失敗しやすいですが、かといって遅まきになると、果実が収穫できないこともあります。寒さが心配な場合は、室内の温度管理できる場所で育苗するといいでしょう。ポットに種まきして、種が軽く隠れる程度の土をかぶせたら、土が乾かないように水やりしながら発芽を待ちます。うまくいけば1~2週間程度で芽を出します。
植え付け
植え付けは5~6月に行います。時期が遅れると、果実を付ける前に寒さで枯れてしまうこともあるため、注意してください。地植え:腐葉土や堆肥を混ぜ込んだ、水はけのいい肥えた土へ植え付けます。
鉢植え:花や野菜用の園芸用培養土か、赤玉土と腐葉土を6:4くらいの割合で混ぜて植えましょう。
1~2mの高さになる植物なので、倒れないように支柱を立てておきます。また、ローゼルは連作障害を起こす植物です。前の年とは違う場所で育ててください。
日当たり
日当たりのいい場所で育てましょう。ローゼルは「短日植物」といって、日照時間が短くなると花芽を作る性質を持っています。窓や街灯の近くだと、夜でも明るい状態が続くため、花芽が付かなくなることも。夜しっかり暗くなる場所を選ぶこと。水やり
鉢の表面が乾いたら、たっぷりと水やりしましょう。地植えした場合は基本的に水やり不要ですが、何日も雨が降らないときは人の手で水を与えてください。肥料
植え付けから収穫まで、肥料を切らさないようにしましょう。緩効性の肥料を1~2カ月に一度、株元へ施してください。もしくは、液体肥料を2週間に一度与えてもOKです。害虫
アブラムシやハダニが発生することもあります。殺虫剤などを使わない防虫の方法や自然派農薬などについては、この記事で確認を!
ローゼルの実や種の収穫方法
花が枯れると、種を包んでいる濃い赤色のガクがぷっくりと膨らみ、イチゴのような形になります。ギザギザしたガクのすぐ下をハサミで切って収穫しましょう。
ホウ・ガク・実を分ける
主に食用として利用されるのは、外側の実を包んでいる赤いホウと、ギザギザしているガクの部分です。収穫したローゼルを丸ごと水洗いしたら、内側に入っている実は除いて、ガクとホウを分けましょう。尖っていないほうの下半分を包丁で切り、中に入っている種を取り出します。切った断面に割り箸を当てて、尖っているほうに向かって押し出すと、作業が簡単です。
種を採って、ローゼルを増やそう!
春に植えたローゼルは冬に枯れてしまうので、挿し木ではなく、種まきで増やします。次の年もローゼルを育てたいなら、実の中の種を採取してみましょう。
種を取るタイミングの目安は、花が咲いてから45~60日後です。早く採取しすぎた種は、うまく発芽しないこともあるので、しっかり熟したものが取れるまで待ちましょう。
ローゼルの食べ方&レシピ|生・加熱・乾燥OK!
生のままハーブティーや塩漬けにしても
ガクとホウは、そのまま生食できます。かなり酸味が強いですが、料理の彩りや味のアクセント、塩漬けなどにして調味料代わりにも使えます。ハーブティーにする場合ははちみつを入れるのがおすすめ!ハイビスカスティー(ローゼルティー)
千切りにしたローゼルのホウとガクを、耐熱カップにたっぷり入れ、熱湯を注いだらふたをし、3~5分蒸らします。そのままだと酸っぱいので、お好みで砂糖やはちみつを加えましょう。とっても簡単に作れて、色や香りなどにも癒やされます!出典:クックパッド「ハイビスカスティー(ローゼルティー)」
塩漬け
煮沸消毒した瓶に、種を取り出したローゼルのホウとガク、ローゼルに対して10%の塩を入れ、軽く振ってなじませます。2~3日冷蔵庫で寝かせたら完成です。ご飯と一緒に食べたり、おにぎりの具にしたりと、梅干しと同じ使い方ができますよ。塩を多めにすれば常温保存も可能!出典:クックパッド「ローゼルの塩漬け」
加熱しても鮮やかな色のまま
ローゼルは熱を加えても、きれいな赤色がそのまま残ります。真っ赤なジャムやソースなどが作れますよ。ローゼルとリンゴのジャム
種を取り出したローゼルのホウとガクを、皮をむいて細かく切ったりんご、砂糖と一緒に煮詰めます。材料の分量はお好みで調整OK!りんごと砂糖を加えることで、ローゼルの酸味がやわらぎ、ほどよい甘酸っぱさになります。出典:クックパッド「鮮やかな♪ローゼルとリンゴのジャム」
乾燥させると長期保存できて便利
ローゼルのガクとホウを、電子レンジや天日干しなどでしっかり乾燥させてから、保存袋や瓶に入れて保存しましょう。ハイビスカスティーにはもちろん、細かく砕いてハーブソルトのように使うなど、一年中重宝します。葉も食べられるって本当?
ガクとホウに比べると利用される機会は少ないですが、ローゼルの葉も食べることができます。ゆでた葉に醤油と砂糖を加えるだけのトロトロおひたしや、サッと天ぷらにしても甘酸っぱさが残りおいしいです。ローゼル|Q&A
ここでは、ローゼルについてよくある疑問についてお答えします!Q1. ローゼルに効能や副作用はある?
ローゼルには、疲労回復によいと言われているクエン酸が含まれており、ビタミンCも豊富に含有されています。ほかにも、体内の過剰なナトリウムを体の外に排出する作用するカリウムや、ポリフェノールであるアントシアニンも含まれています。
ローゼルには特に副作用はありませんが、血圧降下剤のお薬を飲んでいる方は、血圧が下がりすぎる可能性があるため注意が必要です。
Q2. ローゼルはプランターでも育てることができる?
ローゼルはプランターでも育てることができますが、1~2mの高さになる植物なので、プランターが小さいと、すぐに水枯れを起こしています。株間を十分に空けて、大きいプランターで育てましょう。
Q3. ローゼルに摘心は必要?
ローゼルの草丈が1m以上になったら摘芯が必要です。ハサミなどで、茎や葉を草姿を整えます。果実を収穫したい場合は、花芽は切らずに、枯れた葉や伸びすぎた枝を切りましょう。
Q4. ローゼルは挿し木で殖やすことはできる?
ローゼルは、挿し木によって増やすことができます。新しい茎を取り、先端の1~3枚ほどを残して、下の葉を取り除きます。切り口を斜めに切り取って、水分を吸収する面積を増やします。生育期間中であれば、いつでもできます。
Q5. 収穫後のローゼルの保存方法は?
収穫したローゼルを生のまま保存したい場合は、新聞紙かキッチンペーパーに包んでから、ビニール袋に入れ、冷蔵庫で保存します。3~4日保存可能ですが、なるべく早くジャムやシロップにして保存しましょう。
長期保存したい場合は、電子レンジや天日干しなどでしっかり乾燥させてから、保存袋や瓶に入れて保存します。