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ライター - こぐま農場
私たち「こぐま農場」は、「野菜をつうじてお客様を笑顔に。」を経営方針に掲げ、
野菜・花卉の生産、販売、および各種イベント活動により、食の価値創造を追求しております。小松菜やブロッコリー、キャベツなどの定番野菜はもちろん、バターナッツ、コリンキー、イタリアナスなど新しい野菜の生産も行っています。また、学校給食への継続した食材提供により、地産地消の取組も行っています。…続きを読む

出典:写真AC
「防虫ネットを張ったのに、いつのまにか野菜が虫だらけだった…」という経験はありませんか?防虫ネットは単に野菜の上から被せればよいというものではありません。害虫が増える季節を前に、正しい張り方をマスターしましょう。
環境に合ったネットを選ぼう
プロ農家向け防虫ネットは、ネットの幅や長さだけではなく、目合(網目の大きさ)やオレンジ色をしたカラーネットなどバリエーションも豊富。また、ビニールハウス用には出入口用のジッパー付きネットなどもあります。
ベランダやプランター向けには、かさばらないコンパクトサイズのネットが主流となっています。
→用途に応じた防虫ネットの選び方はこちらでチェック!
防虫ネットの張り方【畑】
ここからは、畑での防虫ネットの張り方をご紹介します。作業はできるだけ風のない日を選べば、効率よく行えますよ。
Step1. 支柱の下穴をあける

支柱穴あけ機を使うと便利(写真提供:こぐま農場)
まずはじめに、防虫ネットを支える支柱を差すための下穴をあけます。支柱の間隔が狭いほど雪や強風に対して頑丈になるので、50~70cm程度の間隔を目安にしましょう。専用の道具を使うと簡単に下穴をあけることができます。
お手頃価格の支柱穴開け機 直径16
支柱が差しにくい固い土に。踏みこみ棒が付いているので、しっかり体重をかけられます。
・穴サイズ:16mm
・重量:約1.6kg
・材質:スチール
Step2. 支柱を差す

竹割り機で製作した竹支柱(写真提供:こぐま農場)
グラスファイバーや鋼管の支柱を下穴に差し、アーチを作ります。
グラスファイバー支柱は比較的安価ですが、雪が降るとトンネルが潰れることもあるので、注意が必要です。丈夫な鋼管支柱を数メートル間隔で差すことで、耐久性を上げることができますよ。
なお、畑の周りに生えている竹(孟宗竹)を使って支柱を自作する手段もあります。竹を必要な長さにカットして、「竹割機」を使うと、簡単に数多くの支柱を作ることができるんです。
大五郎 竹割 小 六つ割 120mm
竹割(六つ割・鋳物製)
・サイズ:全長:約315mm 外径:約120mm 内径:約90mm
・材質: 鋳物製
Step3. 防虫ネットを支柱にかぶせる
防虫ネットを支柱に被せます。このときに害虫がネットの内側に入ってしまわないよう、手際よく行うのがポイント。
支柱にかぶせた防虫ネットの端は、鉄杭などにしっかり固定します。
Step4. 土を寄せる

ネットの裾に土を被せていく(写真提供:こぐま農場)
鍬や管理機などでネットの裾に土を乗せていきます。虫は小さな隙間からでも入ってくるので、絶対に隙間を作らないようにしてください。防虫ネットの生地と支柱を密着させながら土を乗せていくと、強風でも飛ばされにくくなります。
Step5. 支柱で押さえる

グラスファイバー支柱でトンネルを押さえる(写真提供:こぐま農場)
強風で防虫ネットが周りの道路や畑に飛び出さないよう、トンネルの上から支柱で押さえます。
Step6. パッカー(固定具)で止める
「パッカー」で防虫ネットを支柱に固定し、ずれを防止します。パッカーは支柱の径に適合するものを使いましょう。
トンネルパッカー直径5.5mm(50個入り)
グラスファイバー支柱にビニールやネットを固定します。収穫の際、ネットの裾を挟むのにも使えます。取り外しが楽にできますよ。
・内容:50個入パック
・適合支柱サイズ:直径5.5mm
・主材料:ポリエチレン
Step7. 収穫が終わってから外す
防虫ネットは、害虫以外にも野菜へのゴミの付着も防いでくれます。基本的には、トンネル内の収穫がすべて終わるまでネットをかけておくことをおすすめします。ただし、野菜が大きくなりすぎてネットに触れるようになってしまったら、その段階で外しましょう。以降は消毒で害虫を防除します。
防虫ネットの張り方【プランター・ベランダ栽培】

出典:
楽天市場【アブラムシ対策 新防虫ハウス 710型用】
プランター・ベランダ菜園用の防虫ネットは、コンパクトサイズで扱いやすいです。ネットのサイズに合う支柱やプランターがセットされている商品なら、すぐに使えるのでおすすめですよ。
菜園プランター&支柱防虫ネットセット
深さと幅があるプランターに、防虫ネットと支柱がセットされています。ネットだから、風通しも万全です!
・内容:2個組
・プランター容量:約48L
Step1. プランターに支柱を取り付ける
野菜や花などを植えたプランターに支柱を立てます。
Step2. 防虫ネットを被せる
支柱の上から防虫ネットをかけます。
Step3. 裾を麻ひもなどで縛る
防虫ネットの裾とプランター本体の間に隙間があると害虫が侵入するので、紐でしっかりと縛って密閉しましょう。
防虫ネットは夏だけじゃない!一年中フル活用しよう

出典:写真AC
ここでは、防虫ネットの役に立つ使い方を一挙にご紹介します!
種まき後、畝に被せる
枝豆やインゲンマメ、エンドウマメなどは、鳥たちが種を狙っています。種まき後に畝(うね)を防虫ネットで覆ってしまえば鳥害を防ぐことができます。
冬野菜の鳥よけに
真冬の鳥たちは、畑の作物を餌にすることがあります。根こそぎ食い尽くされる前に、防虫ネットのトンネルで作物をガードしましょう。また、何もかけない場合に比べて若干の保温性もあります。
育苗中の害虫防除
「苗半作」という言葉があるように、良質な苗を作るためにも、育苗期間中は苗床を防虫ネットで覆いアブラムシなどの害虫を防ぎましょう。また、ポリポット鉢で育苗する場合、あらかじめ花かごなどに針金で支柱を固定し、鉢を花かごに並べてから防虫ネットで覆う方法もあります。
ポリポット苗の保管に最適なカゴトレー
野菜の苗をまとめて保管・運搬するトレーです。
・内容:50枚入り
・サイズ:約縦37.6×横52×高さ10.2cm
ビニールハウスにも!

ビニールハウスの側面に防虫ネットを設置して、害虫の侵入を防ぎます。専用のハウス部材と被膜スプリングを使うと密閉性が高まりますよ。
ハウス部材 ビニペットEX
たわみに強く、被膜スプリングが外れにくい構造です。防虫ネット、ビニールなど多重被膜が可能です。「ヒロパイプジョイント」などのビニペット部材を使い、ハウスのパイプに固定することができます。
・内容:2m×10本
被覆スプリング
防虫ネットやビニール資材をやさしくビニペットに固定します。全体にコーティングが施されているので錆びにくいです。・内容:500本
・サイズ:2m×2mm
防虫ネットを張るときの注意点は?

出典:写真AC
ズバリ、害虫の侵入経路を遮断する。その一点に尽きます!
防虫ネットの裾に隙間を作らない
ネットの裾に隙間があると、害虫が侵入するのでしっかり土をのせておきましょう。ネットの両端部は隙間ができやすいので要注意です。
あらかじめ作物に消毒をしておく
作物に害虫が付着した状態で防虫ネットをかけてしまうと、中で害虫を飼育する、という恐ろしい事態を招くことになります。ネットの内側には天敵もなく、害虫が増殖する一方…。事前にしっかりと消毒をしてからネットをかけましょう。畝立ての前に「太陽熱」で土壌を消毒するとさらに効果がアップします。
作物よりも高い支柱を立てる
作物が成長し、トンネルの中でパンパンになってしまうことがあります。このとき、害虫がネット越しに産卵している場合が。作物とネットができるだけ接触しないように、作物の大きさにあった防虫ネットの選択、支柱の高さ設計を計画的に行いましょう。
頑丈な支柱を組み、そして害虫の侵入を遮断することが最大のポイント
支柱の差し込みもネットの裾への土寄せも大変な作業ですが、手間を惜しまず行うことで、きれいな野菜を作ることができます。ぜひ防虫ネットをフル活用してみてください!