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家庭用温室ヒーターおすすめ11選!選び方や設置場所・電気代目安も


小型~大型の家庭用温室やハウスにおすすめの「温室ヒーター(園芸ヒーター)」をピックアップ。温室ヒーターの電気代の目安や正しい設置場所、効率の良い使い方も紹介!インテリアグリーンのプロに、冬越しでヒーターを使いたい観葉植物の種類も聞きました。

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白田 仁 監修者

ボタニカルショップ「NEO GREEN 渋谷」オーナー

白田 仁

「趣味の園芸」テキストで、園芸ダイアリーの観葉植物を担当し、執筆・監修を2年間務める。そのほか、インテリアグリーンに関する本の監修も多数。店舗で扱う植物は、全て自身の目で厳選し、鉢合わせしたもの。植物とかわいらしいネコ達との暮らしが垣間見れるインスタグラムは必見! HP:http://www.neogreen.co.jp/ Instagram:https://www.instagram.com/neo_green/…続きを読む

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AGRI PICK 編集部

AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む

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家庭用温室

出典:写真AC
冬の寒さで、大切にしていた植物が枯れてしまった…そんな苦い経験はありませんか?とくに寒さに弱い熱帯植物や幼苗などは、越冬の際に温室を利用すると安心です。ですが、ただ温室の中に植物を入れただけでは、十分な防寒対策をしているとはいえません。温室は、植物用の暖房設備である「温室ヒーター(園芸ヒーター)」を併用することで、初めて保温効果を発揮するのです。
今回は、主に家庭用の温室にぴったりのヒーターを紹介。また、観葉植物のプロに、温室ヒーターの使い方や選び方、注意点なども聞きました。

温室ヒーターはなぜ必要?

温室
出典:Pixabay
暖かいイメージがある温室やビニールハウスですが、実は保温効果はごくわずか。日中は太陽光で暖かくなっても、夜間になれば温室内は外気温と変わらない寒さになってしまいます。さらにひどい場合は、屋外よりも温室内のほうが寒くなってしまうことも。これは、温室内の空気がビニールやガラスで遮断されることで、空気循環ができずに冷たい空気がとどまってしまう「放射冷却」による現象。
そこで必要となるのが、温室内を一定の温度に保つことができる温室ヒーターです。とくに栽培する植物の越冬最低気温が、管理環境下で維持できない場合に有効です。
白田仁さん
白田仁さん
温室ヒーターをサーモスタットとセットで稼働させ、設定した最低気温を確実に維持できることは、非常に心強いものです。屋外に植物専用の温室を持っている場合には、必需品と言っても良いでしょう。

温室ヒーターの選び方|ワット数の目安は?サーモスタット機能にも注目!

温室内の鉢植え
出典:PIXTA
温室ヒーターは、設置予定の温室を十分暖められるパワーがあるかどうかが重要。そこで必ず確認したいのが「ワット数(消費電力)」です。ワット数が大きいほどパワーが強く、広い空間(容積)に対応できます。販売されている温室ヒーターには、小さな温室向けの150Wモデルから、2坪程度の広い温室にも対応できる2,000Wのハイパワーモデルまであります。
白田仁さん
白田仁さん
温室ヒーターは、あくまでも限られた空間内を暖めるための設備であり、植物の周辺だけを集中的に暖めることはできません。必ず植物を管理する空間の大きさに合わせた機種を選びましょう。

温室の大きさとワット数(消費電力)の目安

ワット数によって、どのくらいの大きさの温室を暖められる目安です。正確なデータは各ヒーターのメーカーに確認するようにしましょう。

小型の温室(0.3~1.8立方メートル程度)に必要なW数

温室サイズ(容積/立方メートル)W数(ヒーター消費電力)
~0.3立方メートル150W
~0.6立方メートル200W
~0.8立方メートル250W
~1.0立方メートル300W
~1.4立方メートル400W
~1.8立方メートル500W

大型の温室(1~2坪程度)に必要なW数

温室サイズ(容積/平方メートル)W数(ヒーター消費電力)
~3.3平方メートル(~1坪)1,000W
~6.6平方メートル(~2坪)2,000W
※室内において、外気温0℃で温室内最大上昇温度が10℃程度になる組み合わせ

おすすめの家庭用温室はこちら!


ワット数は大きめを選ぶのがコツ

温室ヒーターを選ぶ際、必要なものの一つ上のワット数のモデルを買っておくのがおすすめです。サーモスタットで適正な温度をきちんと設定すれば、電気代が無駄になることはありません。逆に容量が足りないと十分に暖まらず、後で困ってしまうことになるので注意しましょう。
白田仁さん
白田仁さん
ヒーターを買う前に、使用予定の温室の容積を調べておきましょう。温室の容積がヒーターの加温可能な数値以下であることを確認してから選ぶと良いですよ。

サーモスタットは温室ヒーターに必須!火事の予防にも

常にヒーターをつけっぱなしにしておくと、温室内の温度が上がり続けてしまい、逆に植物が弱ってしまうことも。また、高温が続くと火事の危険性も高まってしまいます。でも、常に温度計をチェックして、ヒーターをオンオフするのは大変ですよね。そんなときに役立つのが「サーモスタット」です。

サーモスタットは温度を調節する装置のこと。内蔵センサーにより、設定した温度を超えるとヒーターを自動で切り、低くなり過ぎたら作動させることで温度を一定に保ちます。市販されている温室ヒーターには、サーモスタットが付いているものと、付いていないものがあります。購入する際は、サーモスタットの有無を必ず確認するようにしましょう。もし付属していないものを購入してしまった場合、サーモスタットを購入して後から取り付けることもできます。
白田仁さん
白田仁さん
温室ヒーターには、サーモスタット機能が必要です。サーモスタットがセットになっていない機種は、サーモスタットの購入をおすすめします。また、送風機能のない場合は、温室内全体の空気を適度に拡散させるための送風機が必要です。

昭和精機工業 グリーンサーモ E-300E

昭和精機工業のパネルヒーター「SP-150」「SP-200」「SP-250」専用のサーモスタットです。電源タップを使用することで、複数のヒーターに接続することができます。

ヒーター容量300W
定格電圧AC100V
温度範囲15~40℃
温度幅±1.5℃
サイズ幅11.2×奥行3×高さ4.5cm

温室ヒーターの電気代はどれくらい?

電気代イメージ
出典:写真AC
温室は広い空間なので、暖房の電気代が気になりますよね。そこでここでは、温室ヒーターの電気代に注目してみました。
一般的な電気代の目安は、1kWh単価31円(※1)です。1日のうち、8時間使用する条件で計算(※2)すると、消費電力200Wのタイプで、電気代が1時間あたり6.2円、1日あたり49.6円となります。消費電力1,000Wのタイプでは、1時間あたり31.0円、1日あたり248.0円となります。
※1:参照:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会による電気代の目安単価
※2:電気代は「消費電力(W)÷ 1,000×電気代単価(円/kWh)×時間」で計算

温室ヒーターおすすめ9選|小型~大型の温室に!ワット数別に紹介

ここからは、ワット数別におすすめの温室ヒーターを紹介!小型の温室であれば150~250W、1~2坪あるような大型の温室には1,000~2,000W程度のヒーターを選ぶと良いでしょう。
白田仁さん
白田仁さん
私が使っているのは、2,000Wの吊り下げ式ヒーターです。設置する温室の容積に見合ったパワーであったことと、またそのパワーが過剰でなかったことが選ぶ際のポイントになりました。

150W|~0.3立方メートル以下のミニ温室に

【サーモスタットなし】パネルヒーター SP-150

150W

昭和精機工業 パネルヒーター SP-150

家庭用のミニ温室に最適なヒーター。アルミフィンの放熱により、穏やかな自然対流で温度を上げていきます。動作音もないので、室内やベランダで気兼ねなく使えるのもうれしいポイント。ヒーター単体のため、使用する際には別売りのサーモスタットが必要です。

適合温室サイズ(目安)120×85×44cm
消費電力150W
電圧100V
サイズ直径12.7×高さ12.4cm
重量870g
サーモスタットなし
加湿機能なし
送風機能なし

【サーモスタットあり】ウイングヒーター W-1500

150W

海野製作所 ウイングヒーター W-1500

サーモスタット付きで、0~40℃の調整ができる小型ヒーター。保温できる温室の大きさは、幅50cm、奥行40cm、高さ180cmくらいまでが目安です。付属の蒸発皿に水を入れ、放熱板の上にセットすればヒーターの熱で蒸気が発生し、温室内の乾燥も防ぎます。

適合温室サイズ(目安)幅50×奥行40×高さ180cm
消費電力150W
電圧100V
サイズ14.5×10×9.5cm
重量
サーモスタットあり
加湿機能あり
送風機能なし

200~210W|~0.6立方メートル前後の小型温室に

【サーモスタットなし】パネルヒーター SP-200

200W

昭和精機工業 パネルヒーター SP-200

アルミパネルから熱が放射され、温室内に自然対流を起こして穏やかに暖めます。動作音がなく、夜間も静かに使えるため住宅街でも安心。本体が異常な高温になった際は、内蔵の温度ヒューズが切れ、電源を遮断する安全機能も搭載。ヒーター単体なので、サーモスタットは別途必要です。

適合温室サイズ(目安)45×85×150cm
消費電力200W
電圧100V
サイズ直径12.7×高さ16cm
重量1.09kg
サーモスタットなし
加湿機能なし
送風機能なし

【サーモスタットあり】ウイングヒーター W-2000

200W

海野製作所 ウイングヒーター W-2000

ゆっくりと加熱する設計で、植物にやさしい環境をつくる温室ヒーターです。蒸発皿が付いているので、ヒーター使用時に水を入れてセットすれば冬場の乾燥を防ぐことができます。

適合温室サイズ(目安)幅80×奥行80×高さ180cm
消費電力200W
電圧
サイズ14.5×10×12cm
重量
サーモスタットあり
加湿機能あり
送風機能なし

【サーモスタットあり】ベースヒーター BHS-210

210W

海野製作所 ベースヒーター BHS-210

床面に設置するフラットタイプの温室ヒーター。上から水がかかっても、サイドパネルにある水抜きで下に流れ落ちるので、ヒーターの上や内部に水が溜まらず安心。素材には腐食に強いステンレスやポリカーボネートを使っており、長く使えるのも特長です。自動で温度制御ができるサーモスタット付き。

適合温室サイズ(目安)幅100×奥行100×高さ180cm
消費電力210W
電圧100V
サイズ幅45.5cm×奥行19.5×高さ6cm
重量2kg
サーモスタットあり
加湿機能なし
送風機能なし

【サーモスタットなし】ベースヒーター BH-210

210W

海野製作所 ベースヒーター BH-210

上記で紹介した、ベースヒーターのサーモスタットなしタイプです。すでにサーモスタットを持っている人や、温室ヒーターを増設したい人におすすめ。ベースヒーター1台では0.6立方メートル前後の温室に対応しますが、2台目を設置すれば倍の容積を暖められます。

適合温室サイズ(目安)幅100×奥行100×高さ180cm
消費電力210W
電圧100V
サイズ幅45.5cm×奥行19.5×高さ6cm
重量2kg
サーモスタットなし
加湿機能なし
送風機能なし

250W|~0.8立方メートル以下の温室に

【サーモスタットあり】パネルヒーター SPZ-250

250W

昭和精機工業 パネルヒーター SPE-250

自然対流方式で音もなく、穏やかに温室内を暖めるパネルヒーター。サーモスタット付きなので、電源をつけっぱなしでも安心。万が一異常高温になった際は、通電をストップする安全設計も。タップコンセントに接続することで、ヒーターの増設も可能です。

適合温室サイズ(目安)
消費電力250W
電圧100V
サイズ直径12.7×高さ19.4cm
重量1.33kg
サーモスタットあり
加湿機能なし
送風機能なし

1,000W以上|1~2坪程度の大型温室に

【サーモスタットあり】園芸用電気温風機 SF-1016A

1,000W

ソーワ 園芸用電気温風機 SF-1016A

電気温風器とサーキュレーターを兼ね備えた温室ヒーターです。吊り下げ式なので設置スペースを取らず、送風機能により温室内をまんべんなく暖めます。また、付属の筒型ビニールを本体に取り付けることで、床面まで効率良く送風。温度は0~30℃まで調節可能で、運転設定も「送風連続・ヒーター自動運転」と「送風連続・ヒーター自動運転」の2パターンに切り替えできます。

適合温室サイズ(目安)1坪
消費電力500W/1000W
電圧100V
サイズ直径27×33cm
重量3.9kg
サーモスタットあり
加湿機能なし
送風機能なし

【サーモスタットあり】園芸用電気温風機 SF-2005A-T

2,000W

ソーワ 園芸用電気温風機 SF-2005A-T 三相200V

2,000Wのハイパワーで、2坪程度までの温室に対応できる吊り下げ式ヒーター。電気で熱せられた風が、サーキュレーター機能により温室内で循環され、上下の温度差を解消。過熱防止装置とサーモスタット機能で安全に使用できます。暖かい風を温室の床まで届ける、筒型ビニールも付属。このビニールは、温室の高さに合わせて自由にカットできます。

適合温室サイズ(目安)2坪
消費電力2,000W
電圧200V
サイズ直径27×高さ33cm
重量3.9kg
サーモスタットあり
加湿機能なし
送風機能あり

電気式温室ヒーター比較一覧表

上記で紹介した、150W~2,000Wの電気式温室ヒーター9機種を一覧表にしました。選ぶ際の参考にしてみてくださいね。

低温期の種まきや挿し木に!植物用ヒーターマット

温室は持っていないけれど、気温の低い時期に育苗や挿し木をしたいという人には、植物用のヒーターマットがおすすめです。使い方は簡単で、ポットや育苗トレーを上に載せるだけでOK。寒さに弱い植物の冬越しなど、栽培管理にも役立ちます。

ヒーターマット

20~45℃までの温度設定と、4~24時間のタイマー設定ができる、園芸用ヒーターマット。マット部分は防水仕様で、水やりなどで濡れても大丈夫。使用していないときは丸めてコンパクトに収納できます。

電圧110V
サイズ本体:幅52×奥行25cm、電源コード:1.8m
重量440g
サーモスタットなし
加湿機能なし
送風機能なし

電気不要!灯油式温室ヒーター2選|冬場のハウス管理にも

温室ヒーターには、電気式のほかに灯油を使うタイプもあります。灯油式は電気式よりもかなりパワーがあるため、大型温室やプロのハウス栽培などに最適。燃費も良いので、ランニングコストを抑えたいという人にもおすすめです。

1~3坪程度の温室に|温度センサーで自動オンオフ

ダイニチ 蘭 RA-329

温室園芸専用の灯油式暖房機です。スイッチオンで水蒸気を含んだ温風が吹き出し、ハウス内の乾燥を防ぎながら素早く暖めます。温度設定は5~30℃まで可能で、内蔵された温度センサーが室温を検知して、自動でオンオフを繰り返します。

適合温室サイズ(目安)1~3坪
タンク容量5L
連続燃焼時間大火力:16.1時間、小火力:64.4時間
サイズ幅38.4×奥行43.6×高さ44cm
重量約9.8kg
送風機能あり

10坪までの大型ハウスに|1回の給油で最大60時間稼働

グリーンハウス ハウスヒーター 暖太郎 DTR-2

ハウスの環境管理に最適な灯油式ヒーターです。660kcalの大発熱量で、凍害霜害から作物を保護します。ハウス内の空気を循環させることとで、霜がつきにくく、効率の良い暖房効果を発揮します。燃費効率も良く、一度の給油で数日間使えるメリットも!

適合温室サイズ(目安)10坪
タンク容量4L
連続燃焼時間50~60時間
サイズ幅25×奥行25×高さ66cm
重量1.8kg
点火方式マッチ点火
送風機能なし

温室ヒーターの使い方|設置場所や使用するタイミングは?

温室
出典:Pixabay
温室ヒーターの正しい設置場所や、使い始めるタイミングの見分け方について解説します。また、ヒーターで効率的に温室を暖めるためのポイントも紹介!

温室ヒーターの設置場所

据え置き型ヒーター

据え置き型の温室ヒーターは、温室内の最も低い位置に設置します。温室の棚に置く場合は、最下段の隅がおすすめです。ヒーターを下に置くことで、暖められた空気が下から上に昇っていき、温室内を効率良く保温できます。ヒーターを置いた棚の上に鉢や物を置くと、暖気の上昇を遮断してしまうため注意しましょう。
白田仁さん
白田仁さん
ヒーターは、植物に触れないように設置してください。

吊り下げ式ヒーター

天井から下げて使うタイプのヒーターは、送風機能も備えています。温室内の気温を均等にするには、天井の角に設置するのがおすすめです。また、吊り下げ式ヒーターを設置する高さは、一般的な住宅の天井高である2.3~2.6m程度を想定すると良いでしょう。
白田仁さん
白田仁さん
私が使用している吊り下げ式ヒーター(ソーワ・SF-2005A-T)には、温風を床に誘導するための筒型ビニールが付属しています。ヒーター本体と筒型ビニールを合わせた寸法から、設置する高さは2.3m以上を想定しているようです。

温室ヒーターを効果的に使うポイント

温室の気密性を高める

せっかくヒーターを設置しても、温室の気密性が低いと効果は半減してしまいます。使用する温室は、空気の漏れの少ないことが大切な条件です。ヒーターを稼働させる前に、温室にすき間がないか、扉はしっかり閉まっているかなどチェックし、気密性を高めるように意識しましょう。
白田仁さん
白田仁さん
吊り下げ式ヒーターの場合、加温可能な温室を床面積で表示しますが、この数値は屋外に設置したガラス製やビニール製の温室を想定しています。そのため、気密性の高い住宅内などで使用する場合は、より広い空間を加温できるんですよ。

送風機で温度のムラを防ぐ

冷たい空気は下に、暖かい空気は上に溜まる性質があります。そのため、ヒーターで温室内を暖めると、天井付近のみ温度が上がり、床面付近は寒いという温度ムラが発生してしまいます。そこでヒーターとセットで使いたいのが、送風機(サーキュレーター)です。送風機で温室の天井のほうに風を送ると、うまく空気を循環させることができます
白田仁さん
白田仁さん
温室内全体の室温を均一にするために、送風機は必ず使用しましょう。


▼おすすめのサーキュレーターはこちらの記事で!

    温室ヒーターを使い始めるタイミング

    温室ヒーターを使うかどうかは、室外の最低気温が何℃になるかが判断基準になります。まめに天気予報をチェックして、栽培している植物の必要最低温度に近づいたら、ヒーターを稼働させましょう
    白田仁さん
    白田仁さん
    ヒーターの使用し始めは、晴天時の昼間に温室内の気温が上がり過ぎないよう注意が必要です。最低気温と最高気温の開きが大きくなり過ぎると、植物にダメージを与えてしまいます。気温が上昇し始める春も要注意。昼間に換気をすれば、温室内の気温が上がり過ぎるのを防ぐことができますよ。

    温室ヒーターが必要な観葉植物の種類は?

    シンゴニウムの葉
    出典:写真AC
    美しい葉や個性的な株姿で、お部屋に彩りを与えてくれる観葉植物。大切に育てていたのに、冬越しに失敗して枯らしてしまったという人も多いのでは?観葉植物は熱帯・亜熱帯地方を原産とする種類が多く、寒さに弱いタイプもあるため注意が必要です。
    そんな耐寒性の低い観葉植物をじょうずに越冬させるには、温室ヒーターで温度管理するのがおすすめ。冬でも生育に適した温度を保つことで、葉枯れや根腐れなどのダメージを防ぐことができます。
    ここでは、インテリアグリーンのプロ・白田さんに、越冬時に温室ヒーターを使うと良い観葉植物の種類を聞きました。
    白田仁さん
    白田仁さん
    私は仕事柄、多くの種類の植物が入れ替わりで温室内にあるので、低温に弱い種類に合わせて15℃の最低温度を維持しています。そのため、寒さに強い種類は冬でも生育を続けているような環境になっています。

    温室ヒーターで温度管理が必要な観葉植物の種類

    越冬するために必要な気温が比較的高い、主な観葉植物を一覧表にまとめました。
    白田仁さん
    白田仁さん
    断水すれば耐寒性の上がるサンセベリアなどは、温室ヒーターで10℃以上を維持することで、冬期の断水の必要がなくなります。ヒーターを使うことで、より健全な栽培が可能になるのです。

    観葉植物の種類(50音順)越冬に必要な最低気温の目安
     アグラオネマ 12℃
     アロカシア(クワズイモを除く) 10℃
     カラテア 10℃
     クロトン 12℃
     ザミオクルカス・ザミフォリア 10℃
     シッサス・ディスコロル(ディスカラー) 15℃
     シンゴニウム 10℃
     ディフェンバキア 10℃
     ドラセナ・スルクロサ 10℃
     ネペンテス 15℃
     フィットニア 12℃
     ペペロミア 10℃

    自宅エリアの最低気温も要チェック

    植物の種類に必要な温度だけでなく、自分が居住しているエリアの最低気温を確認するのも重要です。特に冬の最低気温の目安が何℃くらいで、育てている植物のために、温度は何℃上昇させる必要があるのかを把握しておきましょう。

    温室内の環境管理に!温湿度計はこちらの記事で


    観葉植物は寒さに強いものも!おすすめの種類はこちら


    温室ヒーターで冬枯れにさよなら!

    温室
    出典:写真AC
    寒さに弱い観葉植物の越冬時や、春に向けて育苗をスタートするときなどに、強い味方となる温室ヒーター。サーモスタットや送風機で上手に温度管理をすれば、冬でも植物を元気に保てます。寒さが本格的になる前に、ぜひヒーター付きの温室を準備してみてはいかがでしょうか。

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