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バーミキュライト|挿し木や水耕栽培、種まきへの使い方は?価格やパーライトとの違いも徹底解説


挿し木や水耕栽培、種まきに使用されるバーミキュライト。その特徴や成分、使い方、価格などを、土の専門家監修のもと解説します。パーライトとの違いや代用品、捨て方と再利用方法、アスベストとの関連性まで、気になる疑問も解決!

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AGRI PICK 編集部

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園芸用土

出典:Pixabay
挿し木や水耕栽培、種まきなどで活用される「バーミキュライト」。土壌を改良し、植物の生育を促す便利な園芸資材です。園芸以外にも建材や包装材などさまざまな用途で活用されています。
ここではバーミキュライトの概要や効果、成分、使い方、気になるアスベストの関係性などをご紹介します。

教えてくれたのは?

お話を聞いたのは、株式会社大宮グリーンサービスの鴻谷さん。育てる植物に合わせた土の選定や調合を行うプロに、バーミキュライトの正しい使い方を教えてもらいました。

大宮グリーンサービス 「優しい緑があふれる生活環境を作りたい」という思いのもと、園芸資材の中でも主に培養土・肥料などの製造・卸販売を行っている会社。植物、花、果実の命の糧である土を吟味し、各々の植物に合わせた調合を加えるといった土のブレンダー及び、健康診断の役割を担っています。
株式会社大宮グリーンサービス:http://www.ohmiyags.com/gaiyou.htm

バーミキュライトとは

バーミキュライトを使った鉢植え
出典:Pixabay

バーミキュライトとは

バーミキュライトはケイ酸塩鉱物の「苦土蛭石(くどひるいし)」からできた鉱物です。この苦土蛭石を700度以上の高温で焼くと、アコーディオン状に膨張します。それを細かく砕いたものがバーミキュライトと呼ばれています。
産地によって違いはありますが、色は金、銀、白などで光沢感があるのが特徴です。

バーミキュライトの成分|肥料として使える?

バーミキュライトは酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムを主成分としています。植物の生育に有効なマグネシウムやカリウム、鉄分を含みますが、それらの成分が土に溶け出すことはなく、単体で肥料として使われることはありません。園芸に使用する際には、栄養のあるほかの用土に混ぜて使われています。

カイロの原料にも使われている

カイロ
出典:Pixabay
バーミキュライトはその保水性の特徴から、カイロの原料としても使われています。
カイロの原料はバーミキュライト活性炭、鉄粉、塩類、水となっており、バーミキュライトに含まれた食塩水がもまれることで染み出て、鉄粉が酸化し熱が出るという仕組みです。

断熱・防音材や建材に

建築
出典:Pixabay
バーミキュライトはその隙間に空気を多く含むことができるため、吸音、遮音、断熱性能が高く、屋根裏や床下、壁の断熱材、防音材としても使われています。水分を多く吸収できるため、結露を防止する効果もあります。

また、バーミキュライトはその軽量性、耐火性、断熱性を生かし、建材としても使われています。鉄骨の耐火被覆施工や耐火ボードとして使われるほか、耐火性と軽量化を実現するためにコンクリートに混ぜることもあります。

包装材としての使い方も

軽量性や取り扱いのしやすさ、断熱性や保水性を生かして、緩衝材や球根などを保存する際の包装材としても使われています。

バーミキュライトの効果

畑
出典:Pixabay
バーミキュライトには多くの効果が見込めます。ここでは代表的な6つをあげます。

1. 通気・保水・保肥

バーミキュライトは多孔質の多層構造なので、通気性が抜群です。その隙間に水や肥料を吸収することができるため、用土に混ぜれば保水性と保肥性に優れた通気性の高い用土を作ることができます

2. 断熱・保温

バーミキュライトは表面にあいた多数の穴に熱を保ち、種の発芽を促します。外からの熱を遮断するため、夏の暑さから植物を守ってくれる効果も期待できます。

3. 水はけをよくする

じょうろ
出典:Pixabay
バーミキュライトには粒子の中に必要最低限の水を貯えながらも適度に排水する効果もあります。そのため水はけが良いといえるでしょう。

4. 土の比重を軽くする

バーミキュライトは通常の土の約10分の1以下の重さなので、ほかの用土と混ぜ込むことで土全体の比重を軽くできます。重量を抑えたい吊り鉢や、重い用土の持ち運びに苦労するベランダ園芸にも最適です。

5. 無菌性で病害虫の発生を抑える

バーミキュライトは生成するときに高温で処理されるため、無菌状態で病害虫の発生を抑える効果があります。同じく無菌の赤玉土やピートモスと混ぜることで挿し木や発芽に使用する土として活用できます。

6. 酸性度(pH)が中性で使いやすい

科学
出典:Pixabay
水と同じく土にも酸性、アルカリ性がありますが、植物を育てるうえでこの酸性度(pH)がどちらかに偏るのは好ましくありません。バーミキュライトの酸度は中性なので、単体でもほかの用土と混ぜるのにも使いやすいです。

パーライトとの違いは?バーミキュライトの代用品になる?

バーミキュライトを使用した挿し木
出典:PIXTA
バーミキュライトと混同されがちな土壌改良材にパーライトがあります。多孔質で軽量性がある点は同じですが、原料や効果に少々違いがあります。代用する際には注意が必要です。

原料の違い

バーミキュライトは雲母類の苦⼟蛭⽯、パーライトは黒曜石や真珠岩などの火山岩が原料です。どちらも石も高温で熱して作られた人工的な資材という点では共通しています。

パーライトは排水性・バーミキュライトは保水性が特に優れている

バーミキュライトにもある程度排水性がありますが、パーライトの方がより優れています。
水はけに特化した土を作るときにはパーライト、ある程度の保水性も持たせたいのならバーミキュライト、と使い分けるのがいいでしょう。

バーミキュライトの使い方|正しい使用量、割合で使おう

水耕栽培
出典:Pixabay
バーミキュライトを使用するときは、それぞれの使い方に合わせて混ぜる割合を変える必要があります。

1. 水耕栽培

土を使わずに植物を育てる水耕栽培。重い土や大きなプランターを用意する必要がないので、室内でも気軽に楽しめると人気です。土を使わないとはいえ、水耕栽培には植物が水に沈まないよう支えるための「培地」が必要になりますが、バーミキュライトは保水性と保肥性があるのでその材料としてもおすすめです。
バーミキュライト単体で培地を作ることもできますし、より植物を安定させるために赤玉土小粒やピートモスなどを混ぜるのもいいでしょう。

2. 種まき

種まき
出典:写真AC
バーミキュライトの保水性、保肥性、無菌性は種まき用土にも最適です。細菌から守りつつ、たっぷりの水と肥料を効率的に与えることができます。バーミキュライトは小粒のものを使うとより効果的です。
芽が出た後にしっかり根と茎を支えるために赤玉土を混ぜ込むとさらに良いでしょう。

3. 挿し木

バーミキュライトを挿し木用の土に使うと、挿し木が乾燥しにくくなり発根を促す効果があります。赤玉土、腐葉土、バーミキュライトを3:1:1で混ぜると土がふかふかになり、より効果的です。

4. 土壌改良

畑や庭の土壌改良としてバーミキュライトをもとの土に混ぜ込む方法があります。混ぜ込む際にはもとの土と粒の大きさをそろえるとバーミキュライトの特性を十分に生かせます。

バーミキュライトの再利用方法や捨て方

ゴミ
出典:Pixabay

バーミキュライトは再利用できる

バーミキュライトは鉱物なのでしっかり消毒すれば再利用が可能です。植物の根を取り除き水で洗い流した後、日光や熱湯で消毒しましょう。

捨てるときは自治体のルールに従って

捨てる場合は自治体への事前確認が必要なことがあります。バーミキュライトはほかの用土や砂利などと同様に自然物のため、中にはゴミとして回収していない自治体もあります。燃えるゴミなのか、燃えないゴミなのか、それとも特殊な回収方法なのか事前に確認するようにしましょう。

バーミキュライトの価格|100均でも買える

価格
出典:Pixabay

バーミキュライトの価格と選び方のポイント

バーミキュライトはホームセンターの園芸コーナーや通販をはじめ、100円ショップにある場合もあります。メーカーにより異なりますが、安いものだと2L100円前後で手に入れることができます。大粒では10mm以上、小さいものだと1mm以下のものまでさまざまなサイズが販売されています。大粒のものは通気性に、小粒のものは保水性により特化していますので、用途に適したサイズ選びをするといいでしょう。

大宮グリーンサービスのおすすめバーミキュライト

プレミアムソイル バーミキュライト

大宮グリーンサービスのバーミキュライトは約3~7mmのサイズで、さし芽、挿し木などに最適。中国産蛭石を原料に使用し、国内で製造した安全性の高い商品です。

・容量:2L
・メーカー:大宮グリーンサービス

バーミキュライトとアスベストの関連性|安全性に問題はない

鉱山
出典:Pixabay
バーミキュライトは以前天井を施工する吹付バーミキュライトという建材として使われており、そこに発がん性の危険のあるアスベストが含まれていると問題になったことがありました。これは、バーミキュライトの原料の蛭石とアスベストの鉱脈が近く、採掘の際に誤ってアスベストが混入してしまったことから起きた問題です。
1960~1980年ごろアメリカのモンタナ州リビー鉱山で採掘されたバーミキュライトには実際にアスベストを含んでいましたが、1990年に閉山し、現在日本で使われているバーミキュライトにはアスベストは含まれていませんので安心してください。

バーミキュライトを活用して、植物を育てやすい土壌を作ろう

プランターのチューリップ
出典:写真AC
バーミキュライトを実際に使用するときには、適したサイズを選び、混ぜる用土などを工夫するとより効果的です。使い勝手のいいバーミキュライトは園芸の強い味方になってくれます。積極的に活用していきましょう。

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