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パーライトとは|効果や特徴、使い方を解説!バーミキュライトとの違いも紹介します


土壌改良材として利用される「パーライト」の効果、組織やpHなどの特徴、実際の使い方について紹介!黒曜石と真珠岩の原料別の使い分け、パーライトとよく似た「バーミキュライト」との違いについても解説します。「パーライトの危険性は?」「ダイソーにも売っている?」といった疑問にお答えするQ&Aコーナーも!

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パーライト

出典:Flickr(Photo by Maja Dumat
園芸店などで購入した植物の土に、小さな白い粒が混ざっているのを見たことはないでしょうか?その正体は、園芸用資材の「パーライト」です。パーライトは、市販の培養土にもよく配合されているので、目にすることが多い資材ですが、一体どのような効果があるのでしょうか?
この記事では、そんなパーライトについて詳しく解説。特徴や種類、おすすめの使い方も紹介します!

土壌改良材の種類や使い方については、こちらの記事をチェック!


パーライトとは|特徴や性質について

パーライト入りの培養土
出典:写真AC
パーライトは、マグマが固まってできたガラス質の火山岩を高温加熱し、膨張・発泡させた粒状の資材です。一般的に土壌改良材として園芸に使用されますが、ほかにも建築や食品加工、化学工業分野などで多く利用されています。特にパーライトの特性である、保温性と断熱性、耐火性の高さを生かし、セメントと混合した「パーライトモルタル」が建築現場で活躍しています。

パーライトの特徴

パーライトの最大の特徴は、多孔質で非常に軽いこと。これは、熱処理によって原料の火山岩の水分が抜け、内部や表面に無数の空洞ができるためです。この空洞に空気や水を含みやすいことから、通気性や排水性、保水性にも優れます。

パーライトのpH

パーライトのpH値は中性です。ピートモスなどのように酸度調整をする必要がなく、手軽に使えます。

パーライトの組織

パーライトの組織は、柔軟性のあるフェライトと、強靭なセメンタイトが層状になって形成されています。顕微鏡で見ると、この微細複層組織が真珠のように輝いているため「パーライト(pearlite、perlite)」と呼ばれるようになったといわれています。

パーライトの種類|原料の「真珠岩」と「黒曜石」で異なる効果

パーライト
出典:写真AC
パーライトは、原料の違いによって主に「真珠岩パーライト」と「黒曜石パーライト」の2種類に分かれます。両者とも多孔質で、非常に軽いという点では一緒ですが、土壌改良材としては保水性と排水性の点で異なります。

真珠岩パーライト|保水性・保肥性を改善する

真珠岩
出典:Flickr(Photo by James St. John)▲真珠岩の原石
真珠岩を原料とするパーライトは、保水性が高いのが特徴。よく見ると、粒の表面はザラザラとしています。これは、水分を多く含む真珠岩が高温で熱せられた際、表面から内部までたくさんの気泡ができ、スポンジのような多孔質の構造になるためです。
真珠岩パーライトは、この無数の穴に水分を溜める性質があることから、保水性を良くする土壌改良材になります。また、水もちの良い土は肥料成分も留まりやすくなるため、保肥性の向上にも役立ちます。

真珠岩パーライトの使用目的
・ハンギングバスケットなど、土を軽くしたいとき
・土の水もちを良くしたいとき
・土中の肥料成分を保ちたいとき


黒曜石パーライト|排水性・通気性を改善する

黒曜石
出典:写真AC ▲黒曜石の原石
黒曜石を原料とするパーライトは、通気性と排水性の向上を目的として使われます。黒曜石も高温加工で発泡し、内部に無数の空洞ができますが、表面にはほとんど穴があかずツルツルとしているのが特徴。そのため、水分が染み込みにくく、排水性と通気性に優れます。
これらの特徴から、黒曜石パーライトを土に混ぜると、水はけの向上や、植物の根腐れの防止につながります。また大粒のものは、排水性を高める鉢底石にも最適です。

黒曜石パーライトの使用目的
・ハンギングバスケットなど、土を軽くしたいとき
・粘土質など、排水性が低い土の改良に
・通気性をアップし、根腐れを防ぎたいとき


パーライトとバーミキュライトの違いは?

パーライトとバーミキュライト
出典:Flickr(Photo by Urban Turnip
パーライトと似た用途で使われる資材に「バーミキュライト」があります。上の画像では、左がバーミキュライト、右がパーライトになります。両者は原料が異なり、パーライトは火山岩、バーミキュライトは鉱物からつくられています。また、パーライトは白っぽいものがほとんどですが、バーミキュライトは茶色や銀色、白など産地によって色合いが異なります。

バーミキュライトとは

バーミキュライトは、「苦土蛭石(くどひるいし)」という鉱物からつくられる園芸資材です。苦土蛭石は、高温処理で膨張・多層構造化し、すき間に水分や空気を溜め込みます。このため、バーミキュライトは保水性や軽量性、断熱性に優れるなど、パーライトとよく似た性質を持っています。

挿し木には、パーライトとバーミキュライトどっちが良い?

バーミキュライトもパーライト同様、高温処理されて無菌状態であることから、雑菌を嫌う挿し木や挿し芽に適しています。挿し床は水切れしないように管理する必要があるので、できるだけ水分保持能力の高い土を選びたいところ。その点バーミキュライトは、パーライトよりも保水性に優れているため、挿し木にはおすすめの資材になります。

バーミキュライトの詳しい情報は、こちらの記事で!


パーライトの使い方|土壌改良・挿し木・水耕栽培に

鉢と培養土
出典:写真AC
ここからは、パーライトの使い方を目的別に紹介します。

パーライトを土壌改良に使う場合

植え替え
出典:写真AC
パーライトは、土壌改良の資材として使われるのが一般的です。肥料成分はないので、ほかの土に混ぜて使用します。
注意したいのが、パーライトは非常に軽いため土になじみにくいということ。配合量が多過ぎると、水やりを繰り返すうちに浮き出てきたり、土が軽くなって植物が倒れやすくなったりします。パーライトを土壌改良に使うときは、土全体の1~2割程度を目安に、よく漉き込むようにしましょう
前述のように、パーライトは原料が真珠岩か黒曜石かで性質が異なります。すぐに乾燥し、水切れしやすい土の改良には「真珠岩パーライト」を、水はけが悪く、ジメジメしやすい土には「黒曜石パーライト」を使うのがポイントです。

パーライトを挿し木や挿し芽に使う場合

挿し木
出典:写真AC
パーライトは高温で熱処理されているため、無菌で清潔。そのため、挿し木や挿し芽の土にも使えます。さらに、挿し床には保水性の高さが求められるので、種類としては水をよく含む真珠岩パーライトがおすすめです。
使い方は、容器にパーライトを入れたら水を注ぎ、挿し穂を挿します。パーライト単体で挿し木するのも良いですが、挿し穂が安定しにくいときは、赤玉土やバーミキュライトなどを混ぜても良いでしょう。

赤玉土については、こちらの記事で詳しく紹介しています!


パーライトを水耕栽培の土に使う場合

水耕栽培のリーフレタス
出典:写真AC
無菌状態であるパーライトは雑菌がわきにくく、水耕栽培の土としても最適です。水耕栽培も水分保持が重要になるので、できれば真珠岩パーライトがおすすめ。
使い方は、不織布のお茶パックに半分ほどパーライトを入れ、水で湿らせてから種をまきます。種をまいたお茶パックは、穴のあいていない容器に立てて置きます。水やりは容器のほうに注いで与え、パックを通して吸い上げる腰水にしましょう。肥料は、水耕栽培専用の液体肥料を使い、記載の量を与えてください。

パーライトのおすすめ8選

ここでは通販で購入できる、真珠岩と黒曜石が原料のパーライトを紹介します。お試し用におすすめの少量タイプから、畑などの土壌改良に適した大容量パックまでピックアップしました。

真珠岩パーライト|保水性・保肥性の改善に

田宮園芸 パーライト 2L

パーライトを試してみたいという人におすすめの少量タイプです。真珠岩が原料なので、保水性・保肥性の向上やハンギング鉢の軽量化に最適。

内容量2L
原材料真珠岩

国産パーライト 6L

国産の真珠岩を使った、高品質のパーライトです。粒の大きさは、約1.5~5mmと小粒で使い勝手に優れます。

内容量6L
原材料真珠岩

瀬戸ヶ原花苑 パーライト 10L

ハンギングバスケットやプランターなど、たっぷり使える10Lパック。ほかの用土との配合例も記載されているので、初心者でも迷わず使用できます。

内容量10L
原材料真珠岩

パーライト 4-8mm 100L

土壌改良に最適な、大粒のパーライト。1袋で100Lも入っているので、畑や花壇など広範囲の使用に便利です。

内容量100L
原材料真珠岩

黒曜石パーライト|排水性・通気性の改善に

黒曜石 パーライト 約4L

約4Lの少量パックで、小さめの鉢やお試し用におすすめ。黒曜石パーライトなので、通気や排水性の改善に効果を発揮。もちろん高温処理済なので、清潔に使えます。

内容量約4L
原材料黒曜石

岐阜産の黒曜石バーライト 細粒 10L

岐阜県産の黒曜石が原料のパーライトです。粒のサイズが1~2mmと非常に細かいため、小さな鉢の土壌改良にも最適。排水性を高め、根腐れを防ぐには10%程度混ぜるのがおすすめです。

内容量10L
原材料黒曜石

プロトリーフ かる~い鉢底石 12L

大粒の黒曜石は鉢底石にもぴったり!鉢の中の通気性や排水性が向上し、根腐れも防止します。また、鉢底からナメクジが侵入するのを防ぐ効果も。鉢底石として使ったあとに細かく崩せば、土壌改良材として再利用することもできます。

内容量12L
原材料黒曜石

太平洋パーライト M-1 国産 黒曜石 100L

100Lの大容量で、高コスパなパーライト。北海道・奥尻島で産出された良質の黒曜石を破砕し、加熱発泡させています。粒の大きさは3~15mmで、幅広い用途に使えます。

内容量100L
原材料黒曜石

パーライトに関するQ&A|危険性は?ダイソーでも買える??

FAQイメージ
出典:写真AC
ここからは、パーライトに関するよくある質問や疑問にお答えします!

パーライトに危険性はあるの?

パーライトは天然の鉱物からできているため、土壌改良材として使用している場合、特に危険性はありません。しかし、パーライトの粉塵を大量に吸入すると、体調に影響がでる可能性があります。畑の土壌改良など、一度にたくさんのパーライトを使用する際は、念のためマスクの着用をおすすめします。

パーライトは100均のダイソーでも買える?

ダイソーでは、真珠岩パーライトを購入することができます。2Lパックなので、パーライトを少しだけ使いたいというときに便利です。近くに店舗がない場合は、公式通販サイトの「ダイソーネットストア」でも買うことができますよ。


パーライトは目的に合わせて使いこなそう!

植物の植え替え
出典:写真AC
土の軽量化や水はけ、水もちなど、土壌改良材として活躍するパーライト。ホームセンターや園芸店のほか、100均ストアでも販売されているので入手しやすい資材です。パーライトは原料により、使用目的が変わってくるので、真珠岩か黒曜石かをチェックしてから購入してくださいね!

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