農業・ガーデニング・園芸・家庭菜園マガジン[AGRI PICK] > ガーデニング・園芸 > ガジュマルの育て方|剪定・植え替え・増やし方から水やりのコツまでプロが徹底解説!人気の種類も紹介

ガジュマルの育て方|剪定・植え替え・増やし方から水やりのコツまでプロが徹底解説!人気の種類も紹介


人気の観葉植物「ガジュマル」の室内での育て方を徹底解説!インテリアグリーンのプロが、剪定や植え替え方法、挿し木のやり方、水やりや土選びのポイントなどを詳しく紹介します。また、「パンダガジュマル」など人気の種類やおしゃれなインテリア実例もピックアップ!

AGRI PICKではアフィリエイト広告を利用しています。当サイトの記事で紹介された商品を購入すると、売上の一部がAGRI PICKに還元されることがあります。

白田 仁 監修者

ボタニカルショップ「NEO GREEN 渋谷」オーナー

白田 仁

「趣味の園芸」テキストで、園芸ダイアリーの観葉植物を担当し、執筆・監修を2年間務める。そのほか、インテリアグリーンに関する本の監修も多数。店舗で扱う植物は、全て自身の目で厳選し、鉢合わせしたもの。植物とかわいらしいネコ達との暮らしが垣間見れるインスタグラムは必見! HP:http://www.neogreen.co.jp/ Instagram:https://www.instagram.com/neo_green/…続きを読む

Avatar photo ライター
AGRI PICK 編集部

AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む

  • Facebook
  • Twitter
  • はてなブックマーク
  • Pocket
  • Feedly


ガジュマル

出典:写真AC
ぷっくりした独特の形をした根と、こんもり茂った濃緑の葉が魅力的な「ガジュマル」。沖縄では、ガジュマルの古木には、幸せを呼ぶ「キジムナー」という精霊が宿るという言い伝えがあり、庭に植えるとその家は繁栄するともいわれています。いくつもの長い気根を地面に伸ばし、大木に育つその神秘的な姿から、そのような伝説が生まれたのかも知れません。
そんなガジュマルは、観葉植物としても大人気!一度は育ててみたいと思う人も多いのではないのでしょうか。
そこで今回は、ガジュマルの育て方のコツや種類について、観葉植物のプロに詳しく話を聞きました。ガジュマルを飾ったおしゃれなインテリア例も紹介します!

ガジュマルについて教えてくれたのは

白田 仁さん

白田仁さん
撮影:AGRI PICK編集部
ボタニカルショップ「NEO GREEN 渋谷」オーナー。
NHK「趣味の園芸」テキストで、園芸ダイアリーの観葉植物を担当し、執筆・監修を2年間務める。そのほか、インテリアグリーンに関する本の監修も多数。店舗で扱う植物は、全て自身の目で厳選し、鉢合わせしたもの。植物とかわいらしいネコ達との暮らしが垣間見れるインスタグラムは必見!

HP:http://www.neogreen.co.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/neo_green/

NEO GREEN 渋谷

NEOGREEN渋谷
画像提供:白田仁
あわただしい現代生活を送る都市生活者に向け、グリーンポットを提供。観葉植物をよりインテリアに取り入れやすいよう、「景色をつくる」鉢合わせを追求しています。
「NEO GREEN 渋谷」では、ほっこりかわいらしい「どんぐりポット」から、マニアックな多肉・観葉植物まで、さまざまな植物に出合うことができます。

ADDRESS:東京都渋谷区神山町1番5号グリーンヒルズ神山 1階
OPEN:12:00-20:00
TEL/FAX:03-3467-0788
E-MAIL:[email protected]
定休日:月曜日(祝祭日にあたる場合は火曜日)

白田さん監修の記事をチェック!

グリーンライフの提案

ガジュマルってどんな観葉植物?特徴や魅力

ガジュマル
出典:写真AC
ガジュマルは、「ゴムの木」と同じフィカス属に分類される植物です。フィカス属は葉が大きいものが多いのですが、ガジュマルは小ぶりの葉がかわいらしく、みっしりと茂るのが特徴。

ガジュマルの学名は「フィカス・ミクロカルパ」といいます。その原種の「ミクロカルパ」にもいくつかのバリエーションがあり、それぞれ観葉植物として生産されていますが、園芸店で最も多く見られるのが、まるでニンジンのような太い根を地上部に露出させた「ニンジンガジュマル」と呼ばれる仕立てのガジュマルです。この特徴的な根は実生株独特のもので、畑で肥培して根を太らせた後、根を露出させて鉢上げしたものです。
ほかにもガジュマルは、盆栽や苔玉(こけだま)など、仕立て方によってバリエーション豊かな姿を楽しむことができるのも魅力。最近では、ガジュマルの太った気根部分をらせん状にくねらせた台木に、「センカクガジュマル」を接ぎ木した「昇り竜」と呼ばれる仕立ても人気です。

そんなガジュマルは、丈夫で乾燥にも強く、ほかのフィカス属と同じように耐陰性もあるため、初心者でも育てやすい観葉植物といえます。しかし、明るい場所から急に暗い場所に移動させると、大量に葉を落として貧相な姿になってしまうため注意が必要です。

ガジュマルの基本情報

ガジュマル
出典:写真AC

基本情報

学名 Ficus microcarpa
英語名 Chinese Banyan、Malayan Banyan
科名 クワ科
属名 フィカス属(イチジク属)

原産地

ガジュマル原産地地図
図:AGRI PICK編集部

樹高

最大約30m

耐寒性

弱い

耐暑性

強い

ガジュマルの花

パンダガジュマルの花嚢
画像提供:白田仁 ▲パンダガジュマルの花嚢
ジャンボリーフガジュマルの花嚢
画像提供:白田仁 ▲赤く色付いたジャンボリーフガジュマルの花嚢
フィカス属(イチジク属)であるガジュマルは、果実のように見える「花嚢(かのう)」の内側でいくつもの花を咲かせます。そのため、ガジュマルの花は外側から見ることはできません。花嚢は時間の経過と共に赤く色付いていきますが、最終的には未完熟のまま落下してしまいます。
ガジュマルを始めとするフィカス属は、それぞれの種類ごとに適応した生態をもつイチジクコバチ科の昆虫と共生関係にあり、その共生する虫たちがいないと受粉できません。食用の「イチジク(無花果)」はフィカス属の中では特殊で、自家受粉できるのですが、自生地以外に置かれたフィカス属の植物たちが種子をつくることはありません。

花言葉

ガジュマルの花言葉は「健康」。たくさんの気根を伸ばしながら大木へと生長する、強健なガジュマルらしい花言葉といえるかもしれません。

風水

別名「多幸の木」とも呼ばれるガジュマル。風水では、金運アップや人間関係を円滑にする効果があるとされています。デスクの上に置いたり、家族が集まるリビングに置くと良さそうですね。

ガジュマルの人気の種類を紹介!

ここからは、インテリアグリーンにおすすめのガジュマルの品種を紹介していきます。
それぞれの品種の栽培難易度を、星の数(☆~☆☆☆☆☆)で表示していますので、育てる際の参考にしてください。星の数が少ないほど育やすい品種になります!

ニンジンガジュマル(フィカス・ミクロカルパ)

フィカス・ミクロカルパ
画像提供:白田仁
栽培難易度☆☆☆
沖縄や台湾などで街路樹として植えられている、最も多く見られるガジュマルを根上がりに仕立てた株です。実生の株は根が太くなる性質があるため、肥培した実生株を掘り上げて、根を露出させて鉢に上げた仕立てが「ニンジンガジュマル」と呼ばれて流通しています。

センカクガジュマル(フィカス・ミクロカルパ・センカク)

センカクガジュマルを接ぎ木したニンジンガジュマル
画像提供:白田仁
栽培難易度☆☆☆
「センカクガジュマル(フィカス・ミクロカルパ・センカク)」は、尖閣諸島に自生する種類です。横に這うように生長するほふく性で、高木(こうぼく)にはなりません。通常のガジュマルよりも節間が短く、葉は丸みを帯びています。
画像は、通常のガジュマルのニンジンガジュマル仕立ての台木に、センカクガジュマルを接ぎ木したもので、ねじれるように絡み合った太い根と、センカクガジュマルのこんもり茂る丸い葉が圧倒的な存在感をアピールしています。

パンダガジュマル(フィカス・ミクロカルパ・パンダ)

ガジュマル・ミクロカルパ・パンダ
画像提供:白田仁
栽培難易度☆☆☆
「センカクガジュマル」よりもさらに葉が丸いのが、台湾産といわれるこちらの「パンダガジュマル」。以前は希少種でしたが、現在は生産数が増えて入手しやすくなりました。ガジュマルの気根を挿し木すると、発根しても発芽はしないため、気根を台木にしてパンダガジュマルを高接ぎした仕立てが生産されて、人気商品となっています。

ジャンボリーフガジュマル

ジャンボリーフガジュマル
画像提供:白田仁
栽培難易度☆☆
その名の通り、通常のガジュマルの葉の大きさの倍くらいはある大葉のガジュマル。通常のガジュマルの葉は、5~10cmほどですが、ジャンボリーフガジュマルの葉は8~13cmほどもあります。葉肉も厚く、葉先が丸いのが特徴で、通常のガジュマルより耐陰性が高く扱いやすい性質です。

ビッグリーフガジュマル

ビッグリーフガジュマル
画像提供:白田仁
栽培難易度☆☆☆
「ビッグリーフガジュマル」は、最近よく見かけるようになった品種です。通常のガジュマルとほとんど変わらない葉型や葉肉で、葉の大きさだけが少し大きく、葉の重みで枝がしなるためか、枝葉の茂り具合からふんわりとした印象を与えます。

ベビーリーフガジュマル

ベビーリーフガジュマル
画像提供:白田仁
栽培難易度☆☆
葉先のとがった小さな葉が、かわいらしい「ベビーリーフガジュマル」。葉がみっしりと茂って見えますが、これは節間が短いため。枝が直線的な上、葉の色は濃く、シックなインテリアによくマッチします。

ガジュマル・ナナ

ガジュマル・ナナ
画像提供:白田仁
栽培難易度☆☆☆
非常に小さな葉を茂らす、ガジュマルの枝変わり品種で、枝分かれも多くこんもりと茂ります。画像のように幹に曲をつけると、まるで盆栽のような趣に。

斑入り枝垂れガジュマル

斑入り枝垂れガジュマル
画像提供:白田仁
栽培難易度☆☆☆
流通量が非常に少なく、珍しい種類ですが、ガジュマルには枝垂れ性のタイプもあります。こちらは、さらに白斑が入った優雅な雰囲気の品種。斑の色味は白のほかに黄色い斑が入るタイプもあり、そちらは「オウゴンガジュマル」の名で知られています。

番外編|つる性ガジュマル(フィカス・バクチニオイデス)

フィカス・バクチニオイデス
画像提供:白田仁
栽培難易度☆☆☆
最後は番外編!こちらは、葉の形や色がガジュマルと似ていることから、「つる性ガジュマル」という流通名がつけられた「フィカス・バクチニオイデス」です。フィカス属の植物ではありますが、ガジュマルではありません。バクチニオイデスは、日光が大好きなので日陰はNG。光が足りないとごっそりと落葉し、寂しい姿になってしまいます。

ガジュマルの仲間「フィカス(ゴムの木)」の種類はこちらの記事で!


ガジュマルの室内での育て方|水やりのコツや用土の選び方など

ガジュマル
出典:写真AC

栽培カレンダー

ガジュマル栽培カレンダー
図:AGRI-PICK編集部

温度

ガジュマルの生育に適した温度は、20~30℃。35℃以上の酷暑が続くと株が弱り、生育が鈍ります。また、耐えられる最低気温は5℃が目安になります。

置き場所

ガジュマルは日光を好む植物です。暗い場所では株の勢いが弱くなり、葉もどっさり落ちて貧相な姿になってしまいます。充実した株に育てるには、できるだけ日光を当ててあげるのが重要。置き場所は、南向きの窓の側など、明るい場所が適しています。
ただし、真夏の直射日光に急に当てると葉焼けしてしまうことがあるので注意しましょう。光の弱い場所に置いていたガジュマルは、徐々に日光にならすようにしてください。
白田仁さん
白田仁さん
ガジュマルは、光不足で葉が大量に落ちてしまうと、切り戻しても元のような豊かな姿には戻りません。できるだけ明るい場所で管理してあげましょう。

観葉植物に適した置き場所や飾り方は、こちらの記事で!


夏越しの注意点

ガジュマルは葉が密になるため、気温が高くなる夏場はムレやすくなります。ムレると株が弱るだけでなく、カイガラムシなどの害虫も発生しやすくなるため、風通しの良い場所で管理してください。

冬越しの注意点

冬場は、日中と夜間の寒暖差に注意が必要です。気温が下がる夜は、窓のカーテンを閉めたり、鉢を窓から1m以上離したりするなど、外気温の影響を少なくする工夫をしましょう。
白田仁さん
白田仁さん
湿度が低くなる冬は乾燥が心配ですが、ガジュマルは肉厚の葉や太い幹に水分をためることができるので、あまりダメージはありません。

水やり

ガジュマルは乾燥に強く、過湿の状態が続くと根腐れしてしまいます。水やりは、ほかの観葉植物よりも、乾湿のメリハリをつけるのが大事です。鉢土の表面がしっかり乾いたら、鉢底穴から流れ出るくらいたっぷり与えましょう。

観葉植物への水やり方法や、便利な給水グッズについてはこちら!


用土

観葉植物用の配合土で育てられます。排水性を重視した配合のものを選びましょう。

観葉植物の土

排水性と保水性を兼ね備えた、観葉植物用の配合土。初期育成を助ける有機元肥入りです。

・内容量:14L

観葉植物におすすめの土の種類や配合については、こちらの記事で!


肥料

水はけの良い用土であれば、即効性のある液体肥料がおすすめ。ガジュマルの生育期である6月下旬~9月下旬に、1カ月に1回を目安に施肥しましょう。水やりの後、まだ土が湿っているうちに与えると吸収が良くなります。

ハイポネックス 原液

植物の健全な生育に必要な、15種類の栄養素をバランスよく含んだ液体肥料。水で薄めて散布する原液タイプです。

・内容量:800ml
・N-P-K=6-10-5

観葉植物の肥料については、こちらの記事で詳しく紹介しています!


日ごろの手入れ

ガジュマルは生育が旺盛なため、枝もグングン伸びて姿がすぐに乱れます。購入時のような、葉がこんもりとまとまっている姿を保つには、こまめな切り戻しが必要です。
また、肉厚の葉が密集するガジュマルは、葉の上にホコリがたまりやすくなります。時々、強めのシャワーで洗い流してあげましょう。その際は過湿気味にならないように、鉢を丸ごとビニール袋で覆って、土に水がかからないようにしてください。

ガジュマルの木の生長スピード|どこまで大きくなる?

ガジュマルの葉
出典:写真AC
ガジュマルは、自生地では樹高が最大30mほどにもなる樹木です。生長スピードは早く、適した環境で育てていると枝葉がどんどん増え、1年ほどで姿も乱れてしまいます。ただ、観葉植物として鉢で育てているガジュマルは、地植えのように根が自由にならないため幹が太くならず、巨大化はしません。
白田仁さん
白田仁さん
節間が短い「ベビーリーフガジュマル」や「パンダガジュマル」は、ガジュマルの中では生長スピードは遅めです。

ガジュマルの植え替え方法|適した時期とタイミング

ガジュマル
出典:PIXTA
新しい葉が生えるよりも、古葉が落ちるスピードのほうが早くなり、葉数が全体的に減ってきたら根詰まりを起こしている可能性があります。植え替えをして、新しい根が伸びるスペースをつくってあげましょう。
根鉢を抜いたら傷んだ根や古くなった根をカットし、新しい用土を入れた鉢に植え替えます。ガジュマルの大きさを維持したい場合は、元の鉢に戻します。大きく育てていきたいのであれば、ひと回り大きな鉢に植え替えましょう。
白田仁さん
白田仁さん
根をカットしたら葉数も減らし、水分の蒸散量を抑えるようにしてください。

観葉植物の鉢選びは、こちらの記事で詳しく解説しています!


ガジュマルの剪定・切り戻し|ひょろひょろ飛び出た枝はカット!

センカクを接いだ台木から出た普通のガジュマル
画像提供:白田仁 ▲台木のニンジンガジュマルから枝が生えてきた様子
ガジュマルらしい、葉がこんもりと茂った姿をキープするために必要なのが剪定(せんてい)作業です。剪定の適期は、ガジュマルの生育が旺盛になる、5月下旬~9月上旬。冬は株が弱る原因になるため、避けましょう。

余分な枝は剪定して美観を保つ

生長が早いガジュマルは、剪定しないで放置していると姿が乱れてしまいます。特に接ぎ木タイプのガジュマルは、台木から枝がひょろひょろと生えてくることがあります。飛び出した枝は根元からカットし、まとまりのある葉姿をキープしましょう。
白田仁さん
白田仁さん
「センカクガジュマル」などの節間が短いタイプの枝は、どの位置で切ってもOK。切り戻したいところでカットしましょう。通常のガジュマルは、切った位置からその下の節までが、枯れ込んで見た目が悪くなるので、葉のすぐ上で切るときれいに見えますよ。

虫がついたら丸坊主にする方法も

ガジュマルは風通しの悪い場所に置いていると、カイガラムシなどの害虫がつくことがあります。ガジュマルの葉は密に茂っているため、一度カイガラムシが発生すると完全に駆除するのは困難です。そんなときは、葉を全てカットして丸坊主にすると、手っ取り早く害虫を駆除できます。
白田仁さん
白田仁さん
接ぎ木されたガジュマルを丸坊主にする場合は、切る位置に注意!枝を根元から切ると、接ぎ木されたガジュマルではなく、台木となっているガジュマルの葉が生えてきてしまいます。枝の根元部分は、少し残してカットするようにしましょう。

ガジュマルの樹液

ゴムの木の仲間であるガジュマルは、枝や幹を切ると白い樹液が出てきます。この樹液はベタベタするうえ、乾燥すると固まって取れにくくなるので要注意。剪定作業をするときは、新聞紙を敷くなどして樹液がつくのを防ぎましょう。
また、ガジュマルの樹液は天然ゴム(ラテックス)の原料成分と似ているため、ラテックスアレルギーの人はビニール手袋や軍手を着けて作業してください。

ガジュマルの増やし方|挿し木・取り木

ガジュマル
出典:写真AC
ガジュマルは、挿し木で増やすことができます。また、枝や幹が太い樹木仕立てのガジュマルは、取り木で増やすのもおすすめです。成功率を上げるためには、生育期である5月下旬~9月上旬に行いましょう。

挿し木

Step1. 枝を切って挿し穂をつくる

ガジュマルの枝を3~4節ほどの長さでカットし、何本か挿し穂をつくります。節間が短いタイプのガジュマルは、これより長めに切りましょう。

Step2. 葉の数を減らす

切り取った枝についている葉は、水分の蒸散を防ぐため、数枚だけ残して取り除きます。

Step3. 土に挿す

1~2節ほど埋まるように、挿し穂を土に挿します。挿し床にする土は、水はけが良く、雑菌の少ないものを使いましょう。市販の挿し木用の土や小粒の赤玉土、バーミキュライトなどがおすすめです。

さし芽種まきの土

粒子が細かく、挿し芽のしやすい専用配合土。特殊パーライトが水の浸透性を高めます。生育を早める活力材も配合。

・内容量:5L
・成分:バーミキュライト、パーライト、鹿沼土、ピートモス

赤玉土(小粒)

幅広い植物や園芸用途に使える、小粒(4~7mm)タイプの赤玉土です。

・内容量:2L

Step4. 土が乾かないように管理する

挿し木をしたら、土が乾かないように常に湿った状態をキープしてください。約1カ月ほどで挿し穂から根が出てきます。挿し穂を軽く引っ張ってみて、抵抗を感じたら発根しています。

取り木

Step1. 枝か幹の表皮をはぎ取る

幹や枝の直径の2倍ほどの長さを目安に、カッターを使って表皮をぐるりとはぎ取ります。

Step2. 発根剤を塗る

表皮をはいだ部分に発根剤を塗付すると、根が出るのを早めることができます。

住友化学園芸 植物成長調整剤 ルートン

取り木などの発根を促進させる、植物成長調整。表皮をはいだ箇所に塗付します。

・内容量:15g

Step3. 取り木部分に水苔を巻く

乾燥を防ぎ、発根を促進させるために、表皮をはいだ部分に水苔を巻きつけます。さらに、上からビニールシートをかぶせ、両端をビニールタイなどでしばって水苔を固定します。ビニールシートは、発根が確認しやすいように透明なものがおすすめです。

水苔 Spagmoss

ニュージーランド産の水苔。葉が小さく、細い羽のような手触りが特徴です。圧縮されており、水で戻すと約12Lになります。

・容量:約150g


水苔の戻し方や使い方は、こちらの記事で詳しく紹介しています!

Step4. 発根したら取り木部分を切り取り、土に植える

水苔が乾燥しないように注意し、発根を待ちましょう。
ビニールシートの外から発根が確認できたら、取り木部分のすぐ下をカットし、水苔ごと鉢に植え替えます。

ガジュマルは種でも増やせる?

授粉を媒介するイチジクコバチがいないと、育てているガジュマルに花がついても種はできません。しかし、通販などでガジュマルの種を入手すれば、実生にチャレンジすることも可能です。
花嚢から種を取り出したら、雑菌の少ない種まき用の土の上にまきます。覆土はせず、明るい場所で管理しましょう。水やりは種が流れてしまわないように、スプレーなどで与えるのがおすすめです。

挿し木・取り木の詳しい方法は、ガジュマルの仲間「ゴムの木」を参考に!


ガジュマルの病気と害虫|根腐れを防ぐ管理方法とは?

ガジュマルの葉
出典:写真AC
葉が密集するガジュマルは、ハダニやカイガラムシが発生する場合があります。

ハダニ

ハダニは風通しが悪く、空気が乾燥した環境で発生します。葉に寄生して養分を吸汁するため、放置すると株の生育が阻害されてしまいます。早めに薬剤を散布し、駆除するようにしましょう。または、葉水をたっぷり与えてハダニをおぼれさせるのも有効な手段です。ハダニは葉裏に多く寄生するため、日ごろからよく観察し、まめに葉水をすることで予防ができます。

ベニカXファインスプレー

花や観葉植物につくハダニやアブラムシ、コナジラミなどに有効な殺虫剤。病原菌の侵入を防いで病気も防除します。

・内容量:1,000ml

葉水の正しいやり方はこちらの記事をチェック!


詳しいハダニ対策はこちら!


カイガラムシ

カイガラムシも、風通しが悪く、空気がよどんでいると発生しやすくなる害虫です。カイガラムシには非常に多くの種類がありますが、ガジュマルを始め、観葉植物によく見られるのが「コナカイガラムシ」や「カタカイガラムシ」です。
対処法としては薬剤の散布が有効ですが、成虫を駆除しても卵が残っていることが多く、完全に駆除するのはなかなか大変。カイガラムシ用の駆除剤には、植物に薬剤を吸収させ、それを吸った成虫にダメージを与えるものや、油で窒息死させるといったタイプのものがおすすめです。

カイガラムシ退治

2つの成分で、カイガラムシを効果的に退治するエアゾール式の殺虫剤。成分が枝葉に浸透し、殺虫効果が約1カ月持続するため、散布後に発生した害虫も退治します。

・内容量:480ml

詳しいカイガラムシ対策はこちら!


観葉植物の害虫対策はこちらの記事で!


ガジュマルのある暮らし|おしゃれなインテリア実例

小鉢仕立てのガジュマルはかわいらしい雰囲気が楽しめますが、大鉢仕立てにすると存在感抜群のインテリアグリーンに!ここでは、大きなガジュマルをお部屋のアクセントにした、おしゃれな飾り方実例を紹介します!

枝を剪定することでシンプルに

フィカス・ミクロカルパの大鉢
画像提供:白田仁
通常のガジュマルのスタンダード仕立て。まるで庭木を鉢に上げてインテリアグリーンにしたかのような雰囲気です。次々と伸びてくる枝をこまめに剪定することで樹形を維持します。幹の途中から出てくる枝も長くならないうちにカットします。スッと上へ立ち上がる姿が縦の空間を強調するため、お部屋を広く見せる効果も。

大胆にカーブさせた幹がおしゃれ!

パンダガジュマル
画像提供:白田仁
こちらも幹を大きくカーブさせた、パンダガジュマル。丸みを帯びた葉が、動きのある幹の形によくマッチしています。幹の途中から鉢土へ下がる気根が野性味たっぷり。お部屋をぐっとおしゃれにしてくれる、魅力的なひと鉢です。

観葉植物のプロが回答!葉が落ちる・枯れるなど|ガジュマルに関するQ&A

ガジュマル
出典:写真AC
ガジュマルを育てているとよくある、疑問やトラブル。そんなお悩みに、観葉植物のプロ・白田さんが答えてくれました!ぜひ参考にしてみてくださいね。

Q. ガジュマルの幹を太くするには?

白田仁さん
白田仁さん
冬に気温が低くなる地域では、ガジュマルの幹を太くするのは困難です。沖縄で2~3年かけた太さの幹になるまで、10年以上はかかってしまいます。また、販売されている幹が太いガジュマルは、畑で地植え栽培されたものが鉢上げされているものです。一般家庭で、鉢植えにされたガジュマルの幹を太くするのは困難といえるでしょう。

Q. ガジュマルが枯れる原因は?

白田仁さん
白田仁さん
ガジュマルが枯れる原因は、根腐れが一番多いです。水の与え過ぎで根が吸収できず、元気がなくなっているのに、さらに水やりすると弱って枯れてしまいます。土の乾き具合をよく観察し、乾湿のメリハリをつけるように心がけましょう。

Q. ガジュマルの気根を増やすにはどうすれば良い?

白田仁さん
白田仁さん
ガジュマルは、気温と湿度が高くなると気根をどんどん出します。20℃以上あれば気根が伸びてくるので、5月下旬~9月上旬の生長期は期待できます。この時期に、水やりをした後に幹の部分だけビニールで覆い、湿度を高めてあげると気根の生長の促進になりますよ。水は株元だけでなく、幹にもたっぷりかけてあげましょう。

Q. ガジュマルの葉が落ちる原因は?

白田仁さん
白田仁さん
光不足が考えられます。ガジュマルは暗い場所に移すと、葉をどっさり落としてしまうことがよくあります。葉を維持するにはエネルギーが必要であるため、光が足りない場所は葉を落として体力を温存するのです。ガジュマルの葉を豊かに保つには、できるだけ明るい場所に置くようにしましょう。

Q. ガジュマルはハイドロカルチャーや水耕栽培でも育てられる?

白田仁さん
白田仁さん
ガジュマルは、ハイドロカルチャーや水耕栽培も可能です。ただし、土栽培のように大きく育てることはできません。
土植えだったガジュマルをハイドロカルチャーにする場合は、土はよく洗い落として植え替えてください。ハイドロボールの下に根腐れ防止剤を入れておくのもお忘れなく。水の量は、根腐れ防止剤が浸かる程度に少なめに管理してください。

ハイドロカルチャーの詳しい方法はこちらの記事で!


丈夫なガジュマルは初心者にもおすすめ!

ガジュマル
出典:写真AC
とても人気のあるガジュマルは、100均ストアでも販売されていることがあります。まずは、そんなミニ鉢から育ててみるのも良いですね。ガジュマルは過湿気味にならないように注意し、明るめの場所で管理さえすれば、初心者でもスクスク元気に育てることができます。ガジュマルならではの個性的な姿をぜひ楽しんでみてください!

表示中の記事: 1/3ページ中

RECOMMENDSおすすめ

SERIALIZATION連載

  • 脱・東京!北海道でメロン農家になりたい夫婦の農業研修記
  • 農業失くして持続可能な社会なし
  • 農業失くして持続可能な社会なし
  • 農業失くして持続可能な社会なし
  • 農業失くして持続可能な社会なし
  • 農業失くして持続可能な社会なし
  • 農業失くして持続可能な社会なし
  • 収量アップの秘訣
農業・ガーデニング・園芸・家庭菜園マガジン[AGRI PICK] > ガーデニング・園芸 > ガジュマルの育て方|剪定・植え替え・増やし方から水やりのコツまでプロが徹底解説!人気の種類も紹介