農業害虫ウリハムシを防除・駆除する方法

キュウリやスイカ、メロンなどのウリ科の野菜を食害するウリハムシの生態や発生しやすい時期、発見のポイント、予防するための薬剤など防除方法や駆除対策を紹介します。


ウリハムシ

出典:wikimedia
育てている野菜の葉や果実に、円形や網目状の傷が付いている場合、ウリハムシが発生しているかもしれません。
ウリハムシはメロン、カボチャ、キュウリなどのウリ科作物をはじめ、ダイコンやインゲンなど多くの野菜を食害します。
ウリハムシの発見のポイントや予防と対策、使用する薬剤について初心者の方にもわかりやすく紹介します。

ウリハムシとは

ウリハムシ
出典:Flickr(photo by Ton Rulkens)
ウリハムシは体調7〜9mmほどの黄色い甲虫です。ハエのように飛び回るので、別名「ウリバエ」とも呼ばれています。
成虫は葉を円形に食害し、食害痕は枯れて抜け落ちて丸い穴が開いてしまいます。
幼虫は根を食害して、株の生長を抑制します。
名前  ウリハムシ
学名  Aulacophora femoralis
分類  コウチュウ目ハムシ科
多発時期 ・成虫:5月末~6月中旬、7月中旬~8月中旬
・幼虫:6月中旬から7月下旬

ウリハムシの生態

ウリハムシの生態を紹介します。

ウリハムシの越冬

成虫は日当たりの良い場所で越冬します。枯れ草の下や、株元、家や石垣の隙間などに潜みます。

ウリハムシの産卵

成虫は4月ごろ暖かくなるとウリ科などの作物に飛来して、株元に1か所当たり数十個の卵を産みます。
1雌当たりの産卵数は100~500個で、4月下旬から7月上旬にかけて産卵が行なわれ、最盛期は6月上旬ごろです。

幼虫の特徴

卵から孵化したうじ状の幼虫は、作物の根や株元の茎にもぐり込んで食害するようになります。主根の内部を食害すると根がスポンジ状となります。
幼虫期間は3~5週間で、土中の比較的浅いところに土まゆをつくって蛹となります。
同様の被害をもたらすチビクロバネキノコバエより、体長が大きいのが特徴です。
大きさ  体長約10mm(老齢幼虫)
 黄白色

成虫の特徴

新成虫は7~8月に現われます。
成虫は葉に半円形~円形の特徴的な形、もしくは網の目状に食害します。ウリ科作物では果実の表面を浅く不規則に食害します。
9月下旬ごろから成虫は越冬場所へと移動します。
大きさ  体長7~9mm
・頭部:光沢のある橙黄色
・はね:くすんだ黄褐色

ウリハムシに似た昆虫

ウリハムシによく似た昆虫として、「クロウリハムシ」「ヒメクロウリハムシ」「ウリハムシモドキ」などがいます。

クロウリハムシ・ヒメクロウリハムシ

クロウリハムシ
出典:wikimedia(Photo by urasimaru)
クロウリハムシ(上画像)とヒメクロウリハムシは、頭部は黄褐色ですが、背中は黒色をしています。
ウリハムシと同じようにウリ類を好み、葉や根を食害しますが、ウリハムシほど数は多くありません。

ウリハムシモドキ

ウリハムシモドキは、背中が黄褐色〜黒色をしており、ウリハムシとよく似ています。マメ科の植物を好み、マメ科牧草や大豆などに被害をもたらします。幼虫と成虫が葉を食害します。

ウリハムシが好む作物

ウリハムシ
出典:写真AC
ウリハムシは主にウリ科作物を好みますが、そのほかの野菜や花き類も食害します。特にアスターを好み、成虫が花びらを食い荒らします。
成虫が越冬から目覚める春になると、近くにあるソラマメ、インゲンや、ダイコン、ハクサイ、アスターなどの葉を食害し、5月ごろにメロン、キュウリ、スイカ、カボチャ、マクワウリなどウリ科の作物が植え付けられると、飛来して食害し、株元に産卵するようになります。



ウリハムシに有効な3つの対策

防虫ネット
出典:写真AC
ウリハムシの被害が拡大する前に行う対策について説明します。
ウリハムシは比較的農薬に弱い虫で、薬剤がかかると駆除効果は高いのですが、次々と飛来するので散布のタイミングが難しいことから、成虫の飛来を抑えるネットなどを利用した防除方法が最も効果的です。

1. 成虫の飛来を防ぐ被覆資材の利用

防虫ネットや寒冷紗などでウリハムシの成虫の飛来を防ぎます。ネットの目合いは1mm以下のものを使用すると、アザミウマなどの侵入も同時に防ぐことができます。
また、ウリハムシは光反射を嫌がる習性があるため、銀糸入りの防虫ネットやシルバーマルチによる光反射で飛来を軽減することができます。
地表面との間に隙間から成虫が侵入しないように、被覆資材の端は土中に埋め込んでおきましょう。
また、苗を植え付けたばかりの幼苗期は、苗を覆うドームの利用も効果的です。

ITEM
防虫ネット
透光性・雨通し・強風暖和に優れ、縦縞のシルバーが太陽光線の反射で大切な農作物を害虫から守る効果があります。
農薬の使用量を減らし、安全安心な野菜を栽培するための代替技術として非常に有効です。

・規格:幅1.5m×長さ10m、網目サイズ:1mm

ITEM
シルバーマルチ
春、夏、秋栽培の葉菜・根菜果菜の栽培に使用するマルチングフィルムです。
光の反射効果により、アブラムシ類への忌避効果、反射光線の確保にも使われます。
一般的なマルチング栽培の効用として地中水分の確保、肥料の流亡を抑え、土が固くならない、病気の発生が少なくなる等々があります。

・規格: 厚さ0.02mm×幅95cm×長さ200m


ITEM
苗ドーム
ドーム上部に換気用の穴が開いているので、急激な温度上昇を防止します。
植物の生長に合わせて支柱用保持穴に支柱を設置することが可能です。
再生樹脂PET製なので丈夫で長持ち。繰り返し使用可能です。

・セット内容:苗ドーム×5枚セット
・規格:直径35cm×高さ24cm(大)

2. 成虫の捕獲

ウリハムシの成虫の姿を見つけたら捕獲します。
晴天時よりも曇天時の早朝や夕方は成虫の動きが遅いため、比較的簡単に捕まえることができます。
葉にいる成虫は叩くと葉から落ちるので、下に容器などを置いて地面に落ちないように駆除しましょう。

3. 農薬(殺虫剤)で駆除

ウリハムシの農薬による対策は、播種や定植時に発生する幼虫への粒剤処理と、植物の生育期に発生する成虫に対する農薬散布で行います。
特に成虫の飛来最盛期となる5月下旬~6月中旬は、忘れずに農薬の散布を行いましょう。
※生産者の方は、地域の防除指導機関やJAなどが推奨する効果の高い薬剤を選定し使用基準を守って作物に合う薬剤を使用しましょう。
※家庭菜園の方は、駆除したい虫をしっかり把握した後、必ず作物に合った薬剤を選びましょう。

土壌にいる幼虫対策

土の中にいるウリハムシの幼虫による被害を防ぎます。

ITEM
ダイアジノン粒剤3
土壌混和処理で、各種土壌害虫に効果を発揮します。
残効性に優れ長期間効果が持続します。
ウリハムシ幼虫、ネキリムシ類、タネバエ、ケラ、コガネムシ類幼虫などの土壌害虫に速効的で幅広く使えます。

・内容量:1kg
・有効成分:フルスルファミド(0.3%)

作物の生育期の成虫対策

飛来するウリハムシの成虫に効果のある農薬です。

ITEM
マラソン乳剤
速効性を有する有機リン系の殺虫剤です。
適用作物が広く使いやすい薬剤です。
植物に浸透移行性があり、吸汁性害虫に効果があります。
残効は短いです。

・内容量:500ml
・有効成分:マラソン(50.0%)


ITEM
アルバリン顆粒水溶剤
野菜、果樹、花に多彩な使用方法がある殺虫剤です。
植物体内に浸透移行して速やかに効果を発揮します。
ウリハムシ成虫のほか、野菜のコナジラミ類、果樹のコナカイガラムシ、カメムシ類に高い効果を示します。

・内容量:100g
・有効成分:ジノテフラン(20.0%)

ウリハムシから作物を守るために

ウリハムシ
出典:wikimedia
主にウリ科の作物を食害するウリハムシは、成虫が葉を、幼虫が根を食害します。
成虫は次々とウリ科作物に飛来するので、防虫ネットやシルバーマルチなどで成虫の飛来を防ぐことが効果的です。
作物の生育期に比べて、幼苗期に食害されるとダメージが大きいので、粒剤タイプの農薬を使用して土壌にいる幼虫の防除を心がけましょう。

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rinko
rinko

農学部大学院にて植物病理学の修士号を取得。 農協、農業資材メーカーで合わせて約10年間、農家へ栽培技術指導、病害虫診断業務を担当。現場で得た経験と知識で正確な情報をお伝えします。