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- Akiko Isono
編集者兼ライター。家庭菜園・ガーデニング専門誌の編集に8年間携わり、現在は雑誌やムック、WEBを中心に、植物、農業、環境、食などをテーマとした記事を執筆。好きな野菜はケールとにんじん。…続きを読む
じつは、育てられない野菜はない!と言っても過言ではありません。ベランダの広さや住んでいる地域の気候によって、なかには難しいものもありますが、仕立て方や栽培時期などを工夫すれば、ほとんどの野菜が育てられます!
そして、ベランダでの野菜作りを成功させるために大切なのが、プランターの選び方。サイズや形の合ったプランターに植えれば、野菜はしっかり根を張って元気に育ち、収穫量もアップします。また、水やりの手間を軽くしてくれたり、支柱や防虫ネットが楽に設置できたりと、栽培を助けてくれるアイデアプランターもいろいろあります。
プランターを選ぶときのポイントや、おすすめのプランターをたくさん紹介しますので、ぜひ、ご自宅のベランダにぴったりくるものを見つけてくださいね!
1. 「ちょうどいいプランター」はどうやって見きわめる?
プランターは、野菜を育てるための「小さな畑」のようなもの。本物の畑との違いは、根を張るための土のスペースが制限されるという点です。植物は、地上に茎や葉を伸ばすと同時に、土の中に根を広げながら育ちます。外からは見えないので、つい忘れがちですが、根は水や空気、肥料分などを吸収する重要な器官。根をしっかり張ることは、植物が元気に育つために欠かせない条件なのです。限られたスペースで、しっかり根を張らせるには、その植物に合ったサイズのプランターを選ぶことが大切です。
「大は小を兼ねる」で、とりあえず大きなプランターを用意して…というのはNG!大き過ぎるとうまく根づかなかったり、土の水分が多過ぎて根腐れを起こしたりします。小さ過ぎても、根詰まりや水切れの原因になってしまいます。
逆に言えば、ちょうどいいプランターで育てれば、こういったトラブルは防げるということ。次の項目では、野菜ごとのプランターのサイズを詳しく紹介しましょう!
2. 野菜別・プランターのサイズ選び
野菜を元気に育てるために、プランターのサイズ選びで重要なのは、「深さ」と「土の容量」。植物は種類によって、根が浅く張るもの、地中深くまで伸びるものなど、いろいろなタイプがあります。ざっくり言うと、トマトやキュウリなどの地上部が大きく育つ野菜は、根もその分深くまで伸びるので、深さ30cm、土の容量が10L程度のプランターが適しています。根を育てて食べる大根やイモ類なども、同じく深型のプランターを使います。葉物野菜やハーブなどのコンパクトに育つものは、根の張り方も比較的浅いので、深さ10~15cmのプランターで十分栽培できます。主な野菜と、プランターのサイズを下の表にまとめました。ちなみに、横幅は育てる野菜の数によって変わります。トマト1株なら深さ・直径30cmの丸型プランター、2株なら幅65cmの長方形プランターというように、株と株の間隔を十分にあけられるサイズを選びましょう。
深型 | 深さ30cm前後 土の容量 10L程度 | トマト、なす、キュウリ、ゴーヤ、ピーマン、ししとう、オクラ、インゲン、そらまめ、えんどう(さやえんどう、スナップえんどう、グリーンピースなど)、キャベツ、白菜、ブロッコリー、カリフラワー、だいこん、にんじん、じゃがいも、さつまいも |
中型 | 深さ15~20cm 土の容量5L程度 | かぶ、小松菜、水菜、ルッコラ、ちんげんさい、ほうれんそう、レタス、春菊、玉ねぎ、ねぎ、いちご、えだまめ、しそ、バジル、パクチー |
小型 | 深さ10〜15cm 土の容量3L程度 | ラディッシュ、ベビーリーフ類(リーフレタス、小松菜、水菜、からし菜、ちんげんさい、ルッコラ、ビーツ、スイスチャードなど)、三つ葉、パセリ |
3. いろいろな素材のプランター
プランターには、テラコッタや木製、プラスチックなど、いろいろな素材のものがあります。もちろん、どれでも野菜は育てられるのですが、テラコッタや木製は、どちらかというと草花や樹木向き。野菜用として一般的に使われているのは、プラスチック製のプランターです。軽くて移動させやすく、丈夫で、土が乾きにくいなどの特徴があります。このほか、おしゃれな布素材や、環境に配慮したエコ素材などでも、野菜の栽培に適したものがたくさん登場しています。それぞれのおすすめを紹介しましょう!プラスチック製プランター
アップルウェアー 野菜鉢 33型
トマト、ナス、きゅうりなどの夏野菜を育てるのにぴったりの大きさ。寸胴型で倒れにくく、野菜が大きくなっても安定感があります。大和プラスチック フレグラープランター 30型
素焼きの鉢のような質感がおしゃれ。幅30×奥行12×高さ13cmで、葉物野菜やハーブの栽培に向いています。底面に貯水スペースがあり、水切れを防いでくれます。アイリスオーヤマ ライズプランター 550
レッドベリー、セサミグレーなど、ナチュラルな6色がそろった横長プランター。育てる野菜とのカラーコーディネートを考えるのも楽しそうです!ナチュラル素材のプランター
キューブプランター GH004S
ナチュラルなジュートファイバー素材の、シンプルなフォルムとシックな質感が魅力です。底穴有り。タフガーデンバッグ丸型 持ち手付き
厚手のフェルト生地でできたプランター。トマトなどの果菜類が育てられるサイズで、排水性に優れています。いろいろな野菜を育てるときも、こんなデザインのプランターでそろえるとおしゃれですね!パームハンギングバスケット 深型
ココヤシの繊維から作られたプランターは、ふわふわ軽くてハンギングにぴったりです。いちごやハーブの寄せ植えなどが、かわいらしくコーディネートできそうですね。4. 便利機能付きプランター
毎日の水やり、害虫対策のためのネット設置、株を支えるための支柱たてなど、野菜の栽培に必要な作業の手間を軽くしてくれるプランターもあります。時間がない、できるだけ手間をかけたくないという方は、必見です!底面給水プランター
アップルウェアー 楽々菜園 丸型380
底に水が貯められる底面給水プランターは、留守がちで毎日水やりできない方におすすめ!サイドに開いたスリットと、余分な水を排出するオーバーフロー穴で、根腐れも予防します。リッチェル ミエルノPlusプランター 27型
水の減り具合が外から確認できるタイプの、底面給水プランター。こちらのサイズは葉物野菜などに向く幅27×奥行14.5×高さ12cmです。果菜類用のプランター&支柱フレームセット
「楽々菜園」丸型380+支柱用フレームセット
背の高くなるトマトやきゅうりは、倒れないように支柱に誘引しながら育てます。こちらは支柱用フレーム付きの丸形プランターです。(支柱はセットに含まれません)「楽々菜園」丸型380 +支柱用フレームセット
・サイズ:約直径39.5×高さ35.3cm
・適応支柱サイズ:Aセンター支柱:11φmm × 2本、Bサイド支柱:8φmm×4本
・土の容量:約15L
・適応支柱サイズ:Aセンター支柱:11φmm × 2本、Bサイド支柱:8φmm×4本
・土の容量:約15L
グリーンカーテン用プランター
しゅうかく菜 ネット付き 700型
グリーンカーテン用のネット付きプランター。幅70cmの深型で、ゴーヤなら2株育てられます。プランターの縁に専用の支柱が差し込める穴があり、簡単に設置できます。(支柱は別売りです)防虫ネットが取り付けられるプランター
リッチェル 緑のやさい@プランター 40型
幅40×奥行14.5×高さ30cmで、葉物野菜が2列で育てられます。下の虫除けセットが簡単に取り付けられます。リッチェル 簡単虫よけセット
「リッチェル菜園シリーズ」に対応した支柱と防虫ネット。支柱はプランターの縁にしっかり固定できて倒れにくく、高さの調節もできます。5. 究極!プランターを使わずにベランダ菜園!?
ベランダ菜園に興味はあるけれど、スペースがない、物を増やしたくない…そんな方におすすめなのがこちら!培養土袋でそのまま野菜が育てられるキットをご紹介します。それぞれの野菜に合わせて土がブレンドされているので、初めてでも失敗なく育てられそうですね。
デルモンテ キッチンガーデン培養土 トマト用
デルモンテのトマト缶そのままのイメージの、かわいい培養土袋でトマトが栽培できます。リング付きの支柱などを差し込んで袋を立たせ、中央に苗を植え付けて、日当たりの良い場所に置いて育てましょう。プロトリーフ トマトにとまと 培養土
土に必要な肥料分も含まれています。収穫は袋を切り開くだけなので楽々!プロトリーフ ゴーヤ DE ゴーヤ 培養土
横長で安定した形の培養土袋で、ゴーヤが手軽に育てられます。ネットを設置して、苗を植え付けた袋を置けば、グリーンカーテンにも。詳しい植え付けの方法はこちらの動画で紹介されています!
6. ベランダで大収穫をめざそう!
簡単そうでむずかしい、プランター選び。お店に行くと同じようなサイズ、デザインのものが並んでいて、どれを選べばいいのかわからなくなってしまうことも…。まずは育てる野菜を決め、それに合わせて、サイズ、形、素材などを絞り込んでおけばスムーズに選ぶことができます。上で紹介したサイズや素材選びの目安を、ぜひ参考にしてくださいね。それでも迷ったときは、お店の人に聞いて、アドバイスしてもらいながら選ぶのもいいでしょう。
それぞれの野菜にぴったりのプランターを選べば、畑での栽培に負けないくらいの大収穫も、夢ではありません!