トマト・ミニトマトの支柱の立て方や、雨よけについてはこちら
トマト・ミニトマトの肥料「追肥」
作物に与える肥料には、植え付け時(または前)に行う「元肥(もとごえ)」と、生育期間中に与える「追肥(ついひ)」があります。今回紹介する肥料の与え方は「追肥」です。トマト・ミニトマトを植え付ける際に施す肥料「元肥」の関連記事はこちら
トマト・ミニトマトの基本の追肥
トマトは第1果房がピンポン玉大になったころから、ミニトマトは第1果房の実が大きくなったころから追肥を始めます。トマト・ミニトマトの追肥の与え方
2週間ごとに追肥を行います。【畑】
大きく広げた葉先下の辺りまで根が張っているので、葉先下の地面に数カ所穴を掘って与えるか、円を描くように肥料を施します。
【プランター】
できるだけ株元から離れたところに数カ所穴を掘って与えるか、プランターに大きく円を描くようにして肥料を施します。
トマト・ミニトマトの追肥の注意事項
肥料は与え方を誤ると、収穫することができなかったり、実がなったとしても異常果になったりします。追肥のタイミングや肥料の量に注意が必要な作物です。▼そのほかの生理障害のまとめ
つるボケ
肥料が多過ぎると茎葉ばかりが繁って実がつかなる「つるボケ」になってしまいます。例えば、トマトの第1果房がピンポン玉大になる前に「株の生育が悪い」と感じても、すぐに肥料を与えてはいけません。というのも、「トマトの水分は控え気味に」という栽培のコツを実行し過ぎると、単に水分や養分が不足していることがあります。まずは土の中に養分が残っているかどうかを調べるため、先に水を与えて2〜3日観察しましょう。
家庭菜園初心者さんの落とし穴?
生育が悪くなったら肥料を与えるという考え方は、家庭菜園初心者の方が陥りやすい間違いです。肥料の過不足以外にも、水や日光、温度、病害虫も作物の生育に大きな影響を与えています。
なり疲れ
順調に生育してたくさんの実がなった株は「なり疲れ」といって徐々に草勢が落ちてきます。栽培後半は追肥を忘れがちになることが多いので、株の生育をしっかり観察してあげてください。肥料不足以外の「なり疲れ」
梅雨以降の高温期にも株が疲れ「尻腐れ果」など異常果になりがちです。トマト・ミニトマトの生産者さんは、ハウス内の温度を下げるなど環境制御を行ってトラブルを解消しますが、家庭菜園では難しいですね。
トマト・ミニトマトの症状別病害虫の見分け方など
尻腐れ果を引き起こすカルシウム欠乏のことは、こちらをチェック
トマト・ミニトマトの肥料の種類
トマト・ミニトマト専用の肥料には、「尻腐れ果」を防ぐために不足しがちなカルシウムやマグネシウムなどの微量要素を含んだものが販売されています。また、果実を肥大させる「実肥え」と呼ばれるリン酸が多く入ったものもありますが、一般的な野菜用の肥料でも十分育ちます。畑
有機栽培にこだわって育てている方は、ぼかし肥や天然の原料から作られた肥料を使用します。プランター
ベランダで育てるプランター栽培では、コバエの発生が気になるので、特殊コーティングされた化成肥料や液肥などがおすすめです。トマト・ミニトマトの生育状態から判断する肥料不足と肥料過多
作物は生育状態から肥料が多過ぎるのか、反対に少な過ぎるのか、ある程度判断することができます。しかし、肥料のほかにも作物を元気に育てるために、適度な日光や温度、水分も影響しています。例えば、日照が足りないときにも肥料過多と同じような生育状態になるときがあるため、さまざまな角度から考える必要があります。ここで紹介する生育状態と肥料の関係もその判断材料の一つとして参考にしてみてください。肥料切れ?肥料過多?|トマト・ミニトマトの株の先端付近の生育状態
株の先端付近は現在のトマト・ミニトマトの生育状態がよく現れる部位です。トマト・ミニトマトの若葉
肥料切れ
黄色くなる
肥料過多
包み込むように内側に巻く
トマト・ミニトマトの開花果房までの距離
生育が順調な場合は、株の先端から開花果房までの距離がだいたい15cm前後といわれています。肥料切れ
近ければ肥料不足
肥料過多
遠ければ肥料過多
肥料切れ?肥料過多?|トマト・ミニトマトの葉の生育状態
肥料が多過ぎると葉の長さも幅も大きくなり過ぎる傾向があります。トマト・ミニトマトの葉柄
葉柄は地面に対して水平からやや上向きの状態がベストですが、時間帯によっても葉柄の角度が左右されます。ほかの部位の生育状態と合わせて判断してください。肥料切れ
Vの字のように立つ
肥料過多
茎に対して葉柄が垂れ下がる
肥料切れ?肥料過多?|トマト・ミニトマトの茎の生育状態
茎の頂上から15cmほど下の位置の茎が、鉛筆の太さくらいが順調な生育といわれています。トマト・ミニトマトの茎の太さ
肥料切れ
細過ぎる
肥料過多
太過ぎる、茎に穴があく
肥料切れと肥料過多|判断以降の追肥の与え方
上記の文章は、日光や温度、水分が適切な環境で栽培されているトマト・ミニトマトに、2週間おきに追肥を行っている前提での判断方法です。肥料切れと判断されたトマト・ミニトマトの追肥
肥料切れの場合は1回に施す肥料の量が少な過ぎることが原因ですが、焦って急激に肥料の量を増やすことはせず、もう一度使用している肥料の使用適量を確認してから追肥を行います。土に肥料の成分が溶け出しやすいように、追肥後は水をたっぷり与えましょう。液肥を使用して肥料の効果を早めるのも有効です。
▼液肥のことならこちらをご覧ください。
肥料切れに気付くころには、すでに要素欠乏を起こして調子を崩しているので、生産者さんは至急葉面散布などで対応していることが多いようです。
▼葉面散布のことならこちらをご覧ください。