目次
- 7~9月まで収穫できる!プランターでのトウガラシ栽培のポイント
- 春〜夏にかけてグングン育つ!プランターでのトウガラシの栽培時期・気温
- プランター栽培におすすめ!トウガラシの品種
- トウガラシ栽培に必要な道具|最適なプランターのサイズ・土・支柱など
- Step1. トウガラシの種をポットにまいて苗を育てる
- Step2. トウガラシの苗をプランターへ植え付け、仮支柱を立てる
- Step3. プランターへ本支柱を立て、トウガラシの枝の誘引やわき芽かきをする
- Step4. プランターへの追肥や摘花後、トウガラシを収穫する
- プランター栽培でトウガラシが実らない、実が固くなる原因とは?
- 次の栽培に使える!トウガラシの種採り方法
- トウガラシの栽培が終わったら?プランターの土の片付け方法
- さわやかな辛味がやみつきに!採れたてのトウガラシを家庭菜園で味わおう
プランター野菜栽培家
安藤 康夫自宅のベランダと屋上のプランターでさまざまな野菜や果樹を栽培し、50品目達成。栽培の様子や採れたて野菜を使った料理などを、「Hanna-papaの菜園日記」にて発信しています。 現在は、プランターの限られた土の量で、どれだけ高品質な野菜が育てられるかを探求中! ■関連サイト:Facebook「Hanna-papaの菜園日記」、 2019年5月以前のブログ「Hanna-papaの菜園日記 2」 ■著書:『プランターで有機栽培1』(農文協)、『プランターで有機栽培2』(農文協)…続きを読む
トウガラシを畑や庭で育てたい人はこちら
7~9月まで収穫できる!プランターでのトウガラシ栽培のポイント
- トウガラシの栽培適温は25~30℃。高温で乾燥した環境を好む
- 容量20L、直径30cmのプランターで1株、90cmのワイドプランターなら2株の栽培可能
- 夏場の水やりは1日2回。朝夕たっぷり水を与える
- 一番花が咲いたら、プランターに油かすをまいて収穫量アップ!
- 収穫は7〜9月。時期をずらせば青トウガラシと赤トウガラシの2種類が収穫できる
春〜夏にかけてグングン育つ!プランターでのトウガラシの栽培時期・気温
プランターで育てるトウガラシの栽培時期
・種まき:4~5月(外気温で育てる場合)・植え付け:5月中旬~6月上旬
・収穫:7~9月
※年間平均気温が、15~20℃の温暖(中間)地基準
プランターで育てるトウガラシの栽培適温
25~30℃トウガラシの栽培に適したプランターの置き場所
トウガラシは温暖で明るい場所を好むため、日当たりと風通しが良い場所にプランターを置きましょう。遮光ネットは必要ありません。ベランダで育てる場合は、室外機の風がプランターに直接当たらないよう注意が必要です。雨の日はプランターを移動!
トウガラシは、過湿に弱い性質を持ちます。雨の日はトウガラシがぬれないように、プランターを軒下へ移動させましょう。ベランダ菜園の関連記事はこちら
プランター栽培におすすめ!トウガラシの品種
安藤康夫さん
定番のトウガラシを育てたい場合は、鷹の爪やカイエンペッパーなどがおすすめです。激辛料理でおなじみのハバネロやハラペーニョは、今流行りの品種ですよ!
激辛トウガラシの代名詞|ハバネロ・レッド
さわやかな辛味とつやのある深紅色が特徴|鷹の爪とうがらし
有機栽培された細長く美しい品種|赤トウガラシ
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トウガラシ栽培に必要な道具|最適なプランターのサイズ・土・支柱など
トウガラシ栽培には、プランターと土のほかに支柱や肥料も必要です。栽培に必要な道具をチェックしておきましょう。トウガラシ栽培におすすめのプランターの大きさや深さ
トウガラシは、容量20Lで深さが30cm以上あるプランターで1株栽培すると、のびのび育ちます。たっぷり土が入ることでトウガラシの根が十分に広がり、生長に必要な養分も吸収可能です。安藤康夫さん
トウガラシを2株育てたい場合は、プランターを2つ用意して1株ずつ育てると、管理も収穫も簡単です。1つのプランターで2株育てたいときは、90cm以上のワイドプランターを用意しましょう!
トウガラシ栽培におすすめのプランター
トウガラシのプランター栽培におすすめの土・鉢底石
トウガラシは元肥入りの野菜培養土で育てると、元気に生長します。排水性や通気性を良くするために、プランターの底に鉢底石を敷いてから、土を入れましょう。おいしいトウガラシが育つ!元肥入り野菜培養土
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トウガラシのプランター栽培におすすめの肥料
トウガラシは、一番花が咲くころに追肥しましょう。実付きが良くなるリン酸入りの油かすがおすすめです。トウガラシの生長を促す!おすすめの油かす
トウガラシのプランター栽培に必要な支柱
トウガラシは2本仕立てで育てるので、1株につき2本の支柱が必要です。長さ60~90cm程度の支柱を用意しましょう。トウガラシ栽培におすすめの支柱
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Step1. トウガラシの種をポットにまいて苗を育てる
トウガラシを栽培するときは、種から苗を育てる方法と、苗を購入して育てる方法があります。種から育てる方法は温度管理が難しいため、家庭菜園初心者は苗を購入して育てる方が簡単です。トウガラシの種まきと育苗の手順
1. 直径7.5cm、2.5号程度の育苗ポットに、トウガラシの種を10粒程度ばらまき、優しく散水します。ポットは日当たりの良い場所に置きましょう。2. 双葉が出たら元気なものを選び、1本ずつ別のポットに移して育てます。
4月からの種まきの場合、温度が下がる夜間はポットを室内に入れましょう。2~3月に種まきする場合は、25℃程度に設定できる育苗器が必要です。
安藤康夫さん
幼苗のころは、アブラムシを介してウイルス病にかかりやすくなります。水やりの際に葉の両面や茎をチェックして、見つけたら捕殺しましょう。
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トウガラシの苗を購入する場合
トウガラシの苗を購入するときは、濃い緑色で葉と葉の間が間延びしていないものを選びましょう。葉っぱが縮れているとウイルスに感染している可能性があるので、新芽に縮れがないかもチェックしてくださいね。Step2. トウガラシの苗をプランターへ植え付け、仮支柱を立てる
トウガラシの本葉が8~9枚程度付いたら、プランターに苗を植え付けましょう。トウガラシの苗の植え付け手順
- プランターに鉢底石を敷き、8分目の量まで土を入れましょう。
- 中心に苗と同じくらいの大きさの穴をあけ、根を傷つけないよう優しくほぐしながら植え付けます。
- 苗の根元が見えなくなるように、土をかぶせて水をあげましょう。
植え付けと同時に仮支柱を立てる
プランターにトウガラシの苗を植え付けたら、雨や風で倒れないように仮支柱を1本立てましょう。苗が生長したら、もう1本追加して支柱を立て直します。1. 苗から5cm程度離れたところに、30cm程度の支柱を立てて茎をひもで固定します。
2. 植え付けする5月中旬でも夜の気温は低いため、苗を守る保温キャップ、寒冷紗、肥料袋などを支柱の周りに行灯のようにかぶせ、夜風から守ってあげると元気に育ちます。
安藤康夫さん
プランターに寒冷紗をかければ、アブラムシなどの害虫を防ぎ、寒さや風よけ対策にもなります!
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乾燥に注意!毎日たっぷり水やりする
プランターの土の表面が乾いたら、水やりのタイミングです。植え付け後、根が土に活着するまで1週間程度は、プランターの底から水が出るくらいたっぷり水を与えます。さらに夏場は、朝夕2回水やりをしましょう。水切れを起こすと、トウガラシの実が硬くなり、ツヤが失われます。安藤康夫さん
ナスやトウガラシの水やりは、葉に勢いよくシャワーを散水することでハダニを落とす効果がありますよ!
Step3. プランターへ本支柱を立て、トウガラシの枝の誘引やわき芽かきをする
トウガラシの苗が生長し、一番花のつぼみが付いたら、その上から二股に枝分かれします。その2本を伸ばしていくように、支柱を2本仕立てにして育てましょう。土の量が限られているプランター栽培では摘芯せず、2本の茎を伸ばせるだけ伸ばすようにして育てていくのがポイントです!プランターに支柱を立てる方法&誘引の方法
仮支柱を抜き、伸びていく2本の枝に沿わせて、長さ60cm程度の支柱をクロスさせ、支柱同士を結び固定します。支柱を立てたら麻ひもや誘引ばさみを使い、茎を数カ所、支柱に誘引しましょう。トウガラシのわき芽かき
葉が混みあってくると日当たりや風通しが悪くなり、病気になることも。一番花より下に出てくるわき芽は、随時取り除きましょう。取ったわき芽は、葉トウガラシとして食べられますよ!Step4. プランターへの追肥や摘花後、トウガラシを収穫する
一番花が咲いたら追肥しよう
一番花が咲いたら、プランターのトウガラシに追肥しましょう。根と葉の広がりは同じくらいといわれているので、葉の先の位置に一握り程度の油かすをまきます。花の咲く数が少ないようなら、さらに一握り程度追加しましょう。追肥してから一週間後には花の咲く数が増えるので、肥料の効果を実感できますよ。安藤康夫さん
肥料の与え過ぎは、アブラムシやハダニなどの害虫を呼び寄せる原因になります。苗の生長具合や花の咲く数をよく見て、追肥しましょう!
トウガラシの生長を促すために摘花
花が咲いたら5~7番花くらいまでは摘み取って、株の生長を促しましょう。摘花することでトウガラシの収穫量がアップしますよ!生長に勢いがない場合は摘果もしよう
プランターに苗を植えた後の生育初期に花や実が付き、あまり新芽が出てこない場合は苗に負担がかかっています。小さめの実を摘み取る摘果をして、苗への負担を軽減させましょう。肥料を与え、生育に勢いが出てきてから実を付けさせます。トウガラシの収穫開始!青トウガラシ・赤トウガラシを採るタイミング
トウガラシは未熟果から完熟果まで、用途によっていつでも収穫OK!青トウガラシを採る場合、長さが5cm程度になったら収穫のタイミングです。赤トウガラシを採りたい場合は、青トウガラシが真っ赤に完熟するまでそのまま待ちましょう。トウガラシの枝は折れやすいので、はさみを使ってヘタの上から切り取ります。プランター栽培でトウガラシが実らない、実が固くなる原因とは?
トウガラシは、低温・極端な高温・湿度が苦手です。日照時間・水・肥料の量が不足すると、草勢が弱くなって落花もしやすくなるので収穫までに至らないことも。実が付かなかったり硬くなったりするのは、以下のような栽培環境が原因かもしれません。・株が長雨にさらされた
・水切れを起こしていた
・水はけのよくない土を使用した
・プランターの通気性が悪かった
・肥料の与え過ぎでアブラムシやハダニが付いた
・プランターを40℃以上の高温の下に置いていた
安藤康夫さん
秋にさしかかるとトウガラシの実が硬くなるので、なるべく小さめのうちに収穫するのがおすすめです!
次の栽培に使える!トウガラシの種採り方法
F1種から種採りをすると、特徴を受け継がないものが発生します。種を採るならば、在来種か固定種のトウガラシにしましょう。トウガラシの種を採る手順
1. トウガラシが真っ赤でシワシワになったら収穫します。2. 収穫したトウガラシを2週間程度、そのまま天日干しします。
3. 乾いたら中の種を取り出し、封筒や清潔なビンなどに入れて冷暗所で保存します。
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トウガラシの栽培が終わったら?プランターの土の片付け方法
栽培が終わった後の葉や茎などの残さは、再利用が可能です。ちょうどトウガラシの収穫が終わるのが10月くらいなので、10月中旬に種まきをするソラマメ栽培の土の準備にも活用できますよ。葉:袋に入れて、パリパリになるまで乾燥させると堆肥になります。
茎:剪定(せんてい)ばさみで5cm程度に切っておくと、次の野菜栽培の鉢底石代わりに使えます。
根:土をふるいにかけたときに取り除きます。
安藤康夫さん
うちでは、収穫後のすべての残渣はプランターの底に入れて、次の野菜を栽培し土に還しています。例えば、ソラマメ栽培に再利用した残渣は、ソラマメの収穫が終わる5月にプランターをひっくり返すと、見事に肥沃な土に還っていますよ!その土を次のトマトなどの夏野菜の栽培にも活用できます。