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寒冷紗(かんれいしゃ)とは|黒と白では効果が違う?遮光率、不織布との違いや正しい使い方も紹介!


「寒冷紗」の使い方や効果、黒と白の色別の遮光率、使い分けについて紹介。また「不織布との違いは?」「不織布は寒冷紗の代用になる?」「ダイソーやセリア、ホームセンターでも買える?」いった疑問にもお答えします。寒冷紗の畑とプランターへの張り方も解説します!

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寒冷紗

出典:PIXTA
強い日差しや冷気、害虫などから作物を守るために使われる、農業用被膜資材。被膜資材には遮光ネットや不織布、防虫ネットなど、さまざまな種類がありますが、中でもマルチに使えて便利なのが「寒冷紗」です。
この記事では、寒冷紗の特徴や効果、種類などについて紹介。畝とプランターへの正しい設置方法もお届けします!

寒冷紗(かんれいしゃ)とは

黒い寒冷紗
出典:PIXTA
まずは、寒冷紗の使用用途と主な素材を紹介します。

寒冷紗の用途

寒冷紗は、平織で粗く織られた薄いシートで、農業では被膜資材として使われます。ほかにも、建築現場の塗装の下地材や、製本・印刷業界の本の補強材、食品分野のろ過材など幅広い分野で利用されています。

寒冷紗の素材

寒冷紗の素材は用途によってさまざまで、農業用では、強度のあるビニロンやポリエチレン、ポリエステルが主流です。農業以外の用途の寒冷紗には、麻や綿などが多く使われます。

寒冷紗の効果

寒冷紗を張った畑
出典:PIXTA
寒冷紗を用いることで、防虫や防寒、遮光、防風、保湿などの効果があります。通気性の良いメッシュ生地で水も通すため、そのまま上から灌水できるのもメリットです。

防虫・防鳥効果

寒冷紗を畝(うね)やプランターにかけることで、外部から害虫が侵入したり、成虫が飛来して産卵したりするのを防げます。また、鳥による食害を防ぐ効果も。ただし、寒冷紗は防虫ネットより目が粗いため、微小な害虫の対策には適しません。より効果的な防虫対策をしたい場合は、目合いの細かい防虫ネットを使いましょう。

防虫ネットに関する情報は、こちらの記事をチェック!


防寒・防霜効果

寒冷紗は、防寒・防霜用にも使えます。特に冬場の温度管理には、透光性の高い白色の寒冷紗が適しています。注意したい点は、農業用ビニールシートなどに比べると保温性が劣るため、寒冷地での防寒対策には向いていないことです。

遮光効果

強い日差しによる葉焼けなどのトラブルを防ぐにも、寒冷紗は有効です。特に黒い寒冷紗は遮光率が高いため、夏の強い直射日光対策に適しています

真夏の日よけには、遮光ネットもおすすめ!


保湿効果

遮光効果のある寒冷紗は、直射日光で地温が上昇し、土壌の水分が蒸発してしまうのを防ぐこともできます。種まき後の畝やプランターへの寒冷紗を設置すると、土が乾燥しにくくなるため発芽が促進されます。

防風効果

寒冷紗は防風対策にも効果的です。メッシュ状なので、適度に風を通しながらも、強風をやわらげることができます。

台風対策には防風ネットという選択も!


寒冷紗の日よけ効果|遮光率について

夏の畑
出典:写真AC
寒冷紗の遮光率は、目合いや色によって差がありますが、20%~50%前後が目安です。
白い寒冷紗は、約20~30%と遮光率がおだやかなため、冬場の保温や種まき後の日よけに適します。これに対し、黒い寒冷紗の遮光率は50%程度と高めで、夏場の強い日差しや高温から植物を守るのにおすすめです。

寒冷紗の種類|黒と白の違いは?サイズはどう選ぶ??

寒冷紗
出典:写真AC
寒冷紗を初めて使うという人に向け、種類やサイズの選び方を紹介します!

色による種類|黒は遮光・白は保温目的に

寒冷紗は、一般的に黒と白の2色ありますが、それぞれ遮光率が異なります。そのため、寒冷紗の色は、季節や環境によって正しく使い分けることが肝心です。

黒い寒冷紗の遮光率と特徴

黒い寒冷紗
出典:写真AC
黒い寒冷紗の遮光率は、50%前後。遮熱効果も高いため、主に夏場の強い日差しや高温から植物を守る用途に適します。また、直射日光をやわらげることで、土壌の水分蒸発を抑える効果も。
黒い寒冷紗のデメリットは、日光不足になったり、蒸れやすくなったりすること。苗の生育不良を防ぐためにも、使用する時期に気をつけましょう。

寒冷紗 黒 シNDPZZ

夏の強い日差しから作物を守る、遮光率約51%の寒冷紗です。家庭菜園で手軽に使える10mサイズ。

サイズ幅135cm×長さ10m
遮光率約51%
材質ポリエステル

白い寒冷紗の遮光率と特徴

白い寒冷紗とカマキリ
出典:写真AC
白い寒冷紗の遮光率は、20~30%程度。透光性が高いため、主に冬場の保温や凍霜害の防止に適します。また、種まきや苗の定植後の乾燥を防ぎ、育成効果を上げることができます。

寒冷紗 白 シNZ

家庭菜園の冬越し対策に使いやすいサイズ。丈夫なポリエステル素材で、長持ちするのもおすすめのポイントです。

サイズ幅135cm×長さ10m
遮光率22%
材質ポリエステル

寒冷紗のサイズの選び方

寒冷紗
出典:写真AC

寒冷紗のサイズ・その1|幅の目安

寒冷紗は通常トンネル被覆にするため、必要な幅は設置する支柱の長さを目安にします。例えば、180cmのトンネル支柱であれば、寒冷紗の幅は140cm程度あればOK。支柱を設置する際は、両端をそれぞれ地面に20cmほど挿し込んで固定させるので、地上部は約140cmとなるためです。

寒冷紗のサイズ・その2|長さ(全長)の目安

寒冷紗は、畝やプランターよりも長めにカットして使います。その理由は、寒冷紗を設置する際に両端(トンネルの出入り口の部分)をねじり、Uピンなどで地面に固定するため。3mの畝の場合、両端1m程度の余裕があると安心なので、寒冷紗は5mほどあれば良いでしょう。

寒冷紗の使い方|畑・プランターに設置する方法

畑の白い寒冷紗
出典:PIXTA
幅広い用途に使える寒冷紗ですが、きちんと設置しないとせっかくのメリットも台無しに。実際に使用する前に、正しい張り方を確認しておきましょう。ここでは、寒冷紗を畑とプランターへ設置する方法を紹介します。

必要なもの

寒冷紗は通常トンネル被覆にするため、支柱や固定用のピンなどが必要です。

寒冷紗

畝やプランターの長さより、余裕をもたせてカットします。事前に設置場所の横に寒冷紗を置いて、サイズを確認しておくと良いでしょう。

トンネル支柱

植物の生長後の大きさを想定し、それに見合った高さの支柱を選びましょう。支柱の幅は、畑の畝やプランターに合わせたサイズにすることをお忘れなく。

クリップ

寒冷紗が風で飛ばされないように、支柱に留めるために使用します。クリップは洗濯バサミなどで代用してもOKです。

Uピン

寒冷紗の両端を土に固定するときに使います。

寒冷紗の使い方|畑に設置する方法

寒冷紗の設置
出典:PIXTA

Step1. トンネル支柱を設置する

トンネル支柱を50cm前後の間隔で、土に差し込んで設置します。風にあおられて抜けないように、支柱の先端は20cmほど埋まるようにしましょう。

Step2. 支柱の上に寒冷紗をかぶせる

寒冷紗を支柱の上からかぶせます。広い範囲に使う場合は、2人以上で作業するとスムーズです。

Step3. 寒冷紗の両端をUピンで固定する

寒冷紗の両端は、ねじって上からUピンで挿し、地面に固定します。さらに、寒冷紗のすそに土をかぶせたり、重石を載せたりすると風で飛ばされにくくなり、すき間から虫が入るのも防げます。

Step4. クリップで寒冷紗を留める

最後にクリップで、寒冷紗を支柱の数カ所に留めます。

トンネルの張り方は、こちらの記事でも詳しく紹介しています!


寒冷紗の使い方|プランターに設置する方法

プランター栽培
出典:写真AC

Step1. トンネル支柱を設置する

トンネル支柱をプランターの土に挿し込んで設置します。65cmプランターであれば、支柱は2本あればOKです。平行に設置しても、支柱を上部でクロスさせても良いでしょう。

Step2. 支柱の上に寒冷紗をかぶせる

寒冷紗を支柱の上からプランターにかぶせます。

Step3. 寒冷紗を固定する

寒冷紗の余った端をねじり、プランターの下にたくし込んで固定します。レンガや石などを重しにするのもおすすめです。寒冷紗とプランターの間にすき間があると、虫が侵入してしまうので注意しましょう。

Step4. クリップで寒冷紗を留める

寒冷紗がずれないように、支柱の数カ所にクリップを留めます。

寒冷紗と不織布の違いは?代用できる?

不織布のベタがけ
出典:写真AC
寒冷紗と似た用途で使われるのが「不織布(ふしょくふ)」です。どちらも畑やプランターにかけて使う被膜資材ですが、どのような違いがあるのでしょうか?それぞれの正しい使い方を知るためにも、ぜひチェックしておきましょう。

不織布とは?

不織布のべたがけ
出典:写真AC
不織布は、繊維を接着剤で結合させたり、熱や水圧でからませたりしてつくるシートです。多孔質のため通気性があり、繊維層に空気を含みやすいことから保温性にも優れます。
不織布はさまざまな用途に使われますが、農業では土壌の保温や保湿、遮光、防風などの目的で使われます。また、虫よけや鳥よけに使われることも。不織布は軽量なので、植物の上に直接かぶせる「べたがけ」での使用が一般的です。

寒冷紗と不織布の違い

不織布をかけた畝
出典:写真AC

見た目による違い|網目があるかないか

寒冷紗と不織布は、製造方法により見た目が異なります。繊維を織り込んでつくる寒冷紗はメッシュ状ですが、繊維を圧着する不織布には網目がありません。

機能による違い|保温性がより高いのは不織布

不織布は、寒冷紗より保温効果が高いのが特徴です。そのため、寒冷地の凍結防止・霜よけには不織布のほうが適しています。

不織布は寒冷紗の代用になる?

不織布は、寒冷紗と似た用途に使えます。ですが、熱がこもりやすいという点から夏場の使用には向いていません

寒冷紗はどこで買えるの?|ホームセンターや100均のダイソー、セリアにもある??

買い物かご
出典:写真AC
寒冷紗はホームセンターや園芸用品店のほか、楽天市場などの通販サイトでも購入できます。ホームセンターは、店舗によって1m単位の切売りをしているところもあるので、ジャストサイズで買いたいという人にはおすすめです。

100均ショップですが、筆者が自宅周辺(23区内)のダイソーとセリアで寒冷紗を探してみました。防虫ネットと遮光ネットはありましたが、寒冷紗を見つけることはできませんでした。ダイソーのネットストアも念のためチェックしましたが、「寒冷紗」と入力しても「多用途不織布シート」が検索結果に出てしまうことから、今現在の取り扱いはない模様。
寒冷紗を確実に手に入れたい場合は、ホームセンターや通販サイトを利用してみましょう。ホームセンターは、各公式サイトで取り扱い店舗を探しておくと便利ですよ!

寒冷紗は目的に合わせて使い分けよう!

黒い寒冷紗
出典:PIXTA
遮光や防虫、保温に防霜、防風と幅広い用途に使える寒冷紗。これから家庭菜園を始めるという人は、基本の被膜資材として備えておくと安心です。季節や目的に合わせて、遮光率の異なる黒と白の寒冷紗をじょうずに使い分けてくださいね!

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