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-  AGRI PICK 編集部AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む 
 
結論:寒冷紗は家庭菜園に不可欠!その理由とは?
 
 家庭菜園で野菜を上手に育てるための秘訣をご存知ですか?それは「寒冷紗(かんれいしゃ)」という優れものの活用です。結論から言うと、寒冷紗は日差しや害虫、寒さはもちろん、凍霜害や強風までも防ぎ、土の乾燥を抑えてくれる万能ネットなんです。
園芸の世界では「種をまいたらすぐ寒冷紗」という鉄則があるほど重要なアイテム。
想像してみてください。寒冷紗1枚をトンネル状にかけておくだけで、真夏の強い日差しによる葉焼けを防ぎ、害虫の侵入を阻み、夜間の冷え込みからも守ってくれるのです。これ一つで野菜たちが健やかに育つ環境が整います。
それでは、寒冷紗がどのような効果を発揮するのか、そして初心者の方が知っておきたい選び方や設置方法について詳しくご紹介していきましょう。
寒冷紗の多彩な効果を知って、快適な家庭菜園を始めよう!
寒冷紗を使うと、家庭菜園での野菜づくりがぐっと楽になります。この便利な資材は「遮光」「防虫・防鳥」「防寒・防霜」「乾燥防止」「防風」など多くの効果を一度に得られる優れものです。しかも春夏秋冬、一年中活躍してくれるので、初心者の方でも安心して野菜づくりを始められますよ。それでは、寒冷紗がもたらす具体的な効果をわかりやすく解説していきます。
遮光効果(日よけ・葉焼け防止)
 夏の強い日差しは野菜の大敵。葉焼けや高温障害を引き起こして、せっかく育てた野菜をダメにしてしまうことも。そんな時、黒い寒冷紗を使えば日光を約50%カットできるので、野菜たちはとても快適に過ごせます。
 夏の強い日差しは野菜の大敵。葉焼けや高温障害を引き起こして、せっかく育てた野菜をダメにしてしまうことも。そんな時、黒い寒冷紗を使えば日光を約50%カットできるので、野菜たちはとても快適に過ごせます。地表面の温度も下がるため、土の水分蒸発も抑えられます。特に暑さに弱いレタスやホウレンソウなどの葉物野菜には強い味方です。ただし、遮光しすぎると植物の成長に必要な光が足りなくなるので、天気や野菜の様子を見ながら時々ネットを外してあげると良いでしょう。
防虫・防鳥効果
 「せっかく育ててきた野菜が虫に食べられた…」という残念な経験はありませんか?寒冷紗は物理的なバリアとなって、モンシロチョウなどの害虫や、鳥による食害から大切な野菜を守ってくれます。
 「せっかく育ててきた野菜が虫に食べられた…」という残念な経験はありませんか?寒冷紗は物理的なバリアとなって、モンシロチョウなどの害虫や、鳥による食害から大切な野菜を守ってくれます。ぜひ覚えていただきたいのが「種をまいたらすぐ寒冷紗」という鉄則。発芽前の卵の産み付けや、小さな双葉を虫に食べられるのを防げます。寒冷紗は防虫ネットほど目は細かくないので、アブラムシなどの小さな虫は完全には防げませんが、それでも大きな害虫やチョウ・ガ、鳥からは作物をしっかり守ってくれます。農薬に頼りたくない方にもおすすめです。
防寒・防霜効果
 冬の家庭菜園では、思わぬ霜で作物がダメージを受けることもあります。そんな時は白い寒冷紗が活躍します。日中は太陽光を通し、夜間は冷え込みを和らげてくれるので、植物にとって優しい環境を作れます。
 冬の家庭菜園では、思わぬ霜で作物がダメージを受けることもあります。そんな時は白い寒冷紗が活躍します。日中は太陽光を通し、夜間は冷え込みを和らげてくれるので、植物にとって優しい環境を作れます。特に秋冬野菜の苗を植え付けた後や、越冬中の野菜を守る時に役立ちます。白い寒冷紗は「夜のお布団」のように野菜を守り、「ひんやり快適!」な空間を作ってくれるのです。ただし、真冬の厳寒地では保温力に限界があるので、必要に応じてビニールシートなども併用すると良いでしょう。
乾燥防止・保湿効果
 種まきや苗の植え付け時には、土の乾燥を防ぐことが大切です。寒冷紗は直射日光をやわらげて水分蒸発を抑制し、土の湿り気を保ってくれます。特に白い寒冷紗は、種の発芽や苗の活着(根付き)を促進する効果があります。
 種まきや苗の植え付け時には、土の乾燥を防ぐことが大切です。寒冷紗は直射日光をやわらげて水分蒸発を抑制し、土の湿り気を保ってくれます。特に白い寒冷紗は、種の発芽や苗の活着(根付き)を促進する効果があります。嬉しいことに、寒冷紗は通気性の良いメッシュ素材。水やりの際もネットを外す必要がなく、そのまま上から水をかけられます。ちょっとした手間が省けるのも、忙しい方にはありがたいですね。この保湿効果のおかげで、真夏の乾燥による水切れや、発芽直後の繊細な苗のしおれを防げます。
防風効果
 意外と見落とされがちですが、寒冷紗には風除け効果もあります。メッシュ状の素材が風を穏やかに通すので、強風や台風時に野菜が煽られるのを軽減します。また、大雨の直撃も和らげるため、土が跳ね返って葉が泥だらけになる「跳ね土」も防止できます。寒冷紗自体は軽い素材ですが、適切に固定すれば風雨に飛ばされにくく、長期間使えます。この風対策も、繊細な野菜にとっては大きな助けになるのです。このように寒冷紗は「虫除けネット+日よけ+簡易ビニールハウス+防風ネット」といった役割を1枚でこなしてくれる、まさに家庭菜園の強い味方です。これから野菜づくりをはじめる方も、ぜひ試してみてくださいね。
 意外と見落とされがちですが、寒冷紗には風除け効果もあります。メッシュ状の素材が風を穏やかに通すので、強風や台風時に野菜が煽られるのを軽減します。また、大雨の直撃も和らげるため、土が跳ね返って葉が泥だらけになる「跳ね土」も防止できます。寒冷紗自体は軽い素材ですが、適切に固定すれば風雨に飛ばされにくく、長期間使えます。この風対策も、繊細な野菜にとっては大きな助けになるのです。このように寒冷紗は「虫除けネット+日よけ+簡易ビニールハウス+防風ネット」といった役割を1枚でこなしてくれる、まさに家庭菜園の強い味方です。これから野菜づくりをはじめる方も、ぜひ試してみてくださいね。寒冷紗の選び方(黒と白の違い)
寒冷紗を選ぶときは、色(黒・白)とサイズの2つがポイントです。黒と白では遮光率や特性が異なるので、用途に合わせて選びましょう。
白の寒冷紗

黒の寒冷紗
 
  【色による違い】
| 色 | 遮光率 | 得意な時期・用途 | 特徴 | 
|---|---|---|---|
| 黒 | 約50% | 夏の強い日差し対策 | ・遮熱効果が高い ・土の乾燥防止に効果的 ・使いすぎると日光不足や蒸れの原因に | 
| 白 | 約20〜30% | 冬の保温・霜よけ 通年使用可能 | ・透光性が高い ・種まき・苗の植え付け後の保護に最適 ・多目的に使える | 
初心者におすすめ
まずは1枚だけ試すなら、汎用性の高い白い寒冷紗がおすすめです。防虫・遮光・防寒のどの目的にも使え、1年中活躍します。真夏の強い日差し対策には黒寒冷紗の効果が高いので、余裕があれば両方持っておくと便利です。
サイズの選び方
寒冷紗のサイズは「幅×長さ」で表示されています。【幅の選び方】
- 家庭菜園向けは幅1.35mや1.8mが一般的
- トンネル支柱の高さに合わせて選ぶのがコツ
- 例:高さ180cmのアーチ支柱なら、地上部分は約140cmになるので、幅1.35mがちょうどよい
【長さの選び方】
- 「畝の長さ+両端で1mずつ余裕」が目安
- 例:3mの畝なら、5m程度が適切
- 余った部分は固定用に使えるので、少し長めを選ぶと安心
おすすめ寒冷紗(黒・白それぞれの製品紹介)
ここでは、家庭菜園初心者でも使いやすい寒冷紗として黒と白それぞれ1種類ずつ人気の製品を紹介します。いずれも幅約1.35m×長さ10m程度で家庭菜園にちょうど良いサイズの寒冷紗です。
カインズなどのホームセンターや100均でも購入できる寒冷紗
- ホームセンターや園芸店で簡単に購入できます。一部の100円ショップでも小さいサイズの白寒冷紗が売られています。品質重視なら国産のポリエステル製がおすすめ(丈夫で長持ち)。
- 初心者は5〜10mのカット品から始めるのが◎
寒冷紗の使い方|畑・プランターに設置する方法
 幅広い用途に使える寒冷紗ですが、きちんと設置しないとせっかくのメリットも台無しに。実際に使用する前に、正しい張り方を確認しておきましょう。ここでは、寒冷紗を畑とプランターへ設置する方法を紹介します。
 幅広い用途に使える寒冷紗ですが、きちんと設置しないとせっかくのメリットも台無しに。実際に使用する前に、正しい張り方を確認しておきましょう。ここでは、寒冷紗を畑とプランターへ設置する方法を紹介します。必要なもの
寒冷紗は通常トンネル被覆にするため、支柱や固定用のピンなどが必要です。寒冷紗
畝やプランターの長さより、余裕をもたせてカットします。事前に設置場所の横に寒冷紗を置いて、サイズを確認しておくと良いでしょう。トンネル支柱
植物の生長後の大きさを想定し、それに見合った高さの支柱を選びましょう。支柱の幅は、畑の畝やプランターに合わせたサイズにすることをお忘れなく。クリップ
寒冷紗が風で飛ばされないように、支柱に留めるために使用します。クリップは洗濯バサミなどで代用してもOKです。Uピン
寒冷紗の両端を土に固定するときに使います。寒冷紗の使い方|畑に設置する方法
Step1. トンネル支柱を設置する
トンネル支柱を50cm前後の間隔で、土に差し込んで設置します。風にあおられて抜けないように、支柱の先端は20cmほど埋まるようにしましょう。
Step2. 支柱の上に寒冷紗をかぶせる
寒冷紗を支柱の上からかぶせます。広い範囲に使う場合は、2人以上で作業するとスムーズです。Step3. 寒冷紗の両端をUピンで固定する
寒冷紗の両端は、ねじって上からUピンで挿し、地面に固定します。さらに、寒冷紗のすそに土をかぶせたり、重石を載せたりすると風で飛ばされにくくなり、すき間から虫が入るのも防げます。Step4. クリップで寒冷紗を留める
最後にクリップで、寒冷紗を支柱の数カ所に留めます。寒冷紗の使い方|プランターに設置する方法

Step1. トンネル支柱を設置する
トンネル支柱をプランターの土に挿し込んで設置します。65cmプランターであれば、支柱は2本あればOKです。平行に設置しても、支柱を上部でクロスさせても良いでしょう。Step2. 支柱の上に寒冷紗をかぶせる
寒冷紗を支柱の上からプランターにかぶせます。Step3. 寒冷紗を固定する
寒冷紗の余った端をねじり、プランターの下にたくし込んで固定します。レンガや石などを重しにするのもおすすめです。寒冷紗とプランターの間にすき間があると、虫が侵入してしまうので注意しましょう。Step4. クリップで寒冷紗を留める
寒冷紗がずれないように、支柱の数カ所にクリップを留めます。寒冷紗と不織布の違いは?代用できる?
 寒冷紗と似た用途で使われるのが「不織布(ふしょくふ)」です。どちらも畑やプランターにかけて使う被膜資材ですが、どのような違いがあるのでしょうか?それぞれの正しい使い方を知るためにも、ぜひチェックしておきましょう。
 寒冷紗と似た用途で使われるのが「不織布(ふしょくふ)」です。どちらも畑やプランターにかけて使う被膜資材ですが、どのような違いがあるのでしょうか?それぞれの正しい使い方を知るためにも、ぜひチェックしておきましょう。不織布とは?
 不織布は、繊維を接着剤で結合させたり、熱や水圧でからませたりしてつくるシートです。多孔質のため通気性があり、繊維層に空気を含みやすいことから保温性にも優れます。
 不織布は、繊維を接着剤で結合させたり、熱や水圧でからませたりしてつくるシートです。多孔質のため通気性があり、繊維層に空気を含みやすいことから保温性にも優れます。不織布はさまざまな用途に使われますが、農業では土壌の保温や保湿、遮光、防風などの目的で使われます。また、虫よけや鳥よけに使われることも。不織布は軽量なので、植物の上に直接かぶせる「べたがけ」での使用が一般的です。
寒冷紗と不織布の違い

見た目による違い|網目があるかないか
寒冷紗と不織布は、製造方法により見た目が異なります。繊維を織り込んでつくる寒冷紗はメッシュ状ですが、繊維を圧着する不織布には網目がありません。機能による違い|保温性がより高いのは不織布
不織布は、寒冷紗より保温効果が高いのが特徴です。そのため、寒冷地の凍結防止・霜よけには不織布のほうが適しています。不織布は寒冷紗の代用になる?
不織布は、寒冷紗と似た用途に使えます。ですが、熱がこもりやすいという点から夏場の使用には向いていません。寒冷紗はどこで買えるの?|ホームセンターや100均のダイソー、セリアにもある??
 寒冷紗はホームセンターや園芸用品店のほか、楽天市場などの通販サイトでも購入できます。ホームセンターは、店舗によって1m単位の切売りをしているところもあるので、ジャストサイズで買いたいという人にはおすすめです。
 寒冷紗はホームセンターや園芸用品店のほか、楽天市場などの通販サイトでも購入できます。ホームセンターは、店舗によって1m単位の切売りをしているところもあるので、ジャストサイズで買いたいという人にはおすすめです。100均ショップですが、筆者が自宅周辺(23区内)のダイソーとセリアで寒冷紗を探してみました。防虫ネットと遮光ネットはありましたが、寒冷紗を見つけることはできませんでした。ダイソーのネットストアも念のためチェックしましたが、「寒冷紗」と入力しても「多用途不織布シート」が検索結果に出てしまうことから、今現在の取り扱いはない模様。
寒冷紗を確実に手に入れたい場合は、ホームセンターや通販サイトを利用してみましょう。ホームセンターは、各公式サイトで取り扱い店舗を探しておくと便利ですよ!

 
 




 
 










 
 








































