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そんなときに挑戦したいのが、「挿し木」や「茎伏せ」「株分け」でモンステラを増やすテクニック。初心者でもコツさえつかめば、じょうずに増やすことが可能です。今回は、観葉植物のプロに挿し木や株分けの方法を教えてもらいました。ステップごとに画像を交え、わかりやすく解説していますのでぜひ参考にしてみてくださいね!
モンステラの種類と詳しい育て方はこちらの記事をチェック!
モンステラの挿し木・株分け・茎伏せの方法を教えてくれたのは
白田 仁さん
NHK「趣味の園芸」テキストで、園芸ダイアリーの観葉植物を担当し、執筆・監修を2年間務める。そのほか、インテリアグリーンに関する本の監修も多数。店舗で扱う植物は、全て自身の目で厳選し、鉢合わせしたもの。植物とかわいらしいネコ達との暮らしが垣間見れるインスタグラムは必見!
HP:http://www.neogreen.co.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/neo_green/
NEO GREEN 渋谷
「NEO GREEN 渋谷」では、ほっこりかわいらしい「どんぐりポット」から、マニアックな多肉・観葉植物まで、さまざまな植物に出合うことができます。
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定休日:月曜日(祝祭日にあたる場合は火曜日)
白田さん監修・観葉植物の記事をチェック!
モンステラを増やすのに適した時期は?
白田仁さん
上記の期間内であっても、35℃以上の猛暑日は避けましょう。真夏日はモンステラの生育が鈍くなってしまうためです。
モンステラの挿し木の方法|失敗しないやり方を観葉植物のプロが解説!
モンステラの挿し木に必要なもの
挿し木用の鉢
挿し木をする鉢は、小ぶりのものでOKです。用土を入れる前に、鉢底石を入れておきましょう。鉢底穴から用土が流れ出てしまうのを防ぎ、排水性も高めてくれます。用土
挿し木には、水はけが良く、雑菌の少ない用土が適しています。初心者は、市販の専用配合土を使用すると安心です。 さし芽種まきの土
粒子が細かく、挿し芽のしやすい専用配合土。特殊パーライトが水の浸透を高めます。生育を早める活力材も配合。
・内容量:5L
・成分:バーミキュライト、パーライト、鹿沼土、ピートモス
・内容量:5L
・成分:バーミキュライト、パーライト、鹿沼土、ピートモス
挿し木に最適ですね、培養土に混ぜても水はけ良く重宝しています。
出典: Yahoo!ショッピング
剪定(せんてい)ばさみ
モンステラは茎が太いため、カットするには剪定(せんてい)ばさみがおすすめです。切断面の繊維がつぶれてしまわないように、できるだけ切れ味の良いものを使うようにしましょう。ビニール手袋
サトイモ科の植物であるモンステラの樹液には、シュウ酸カルシウムが含まれており、肌が弱い人はかゆみを感じたりかぶれてしまうことがあります。モンステラの樹液はそれほど多く出ませんが、長芋やサトイモなどでかぶれやすい人は、ビニール手袋をして作業しましょう。Step1. 挿し穂の長さを決める
節(せつ)は、茎にあるちょっとくびれた線のような部分です。上の画像で説明すると、赤い矢印で指したところが節になります。新根はこの節付近から発生するため、何節か含んだ長さで挿し穂をつくります。
白田仁さん
モンステラの挿し穂をつくるときは、気根もできるだけ残しましょう。気根がない挿し穂よりも早く根を張るため、安定しやすくなります。
Step2. 茎を切り取る
Step3. 余分な葉をカットする
Step4. 長過ぎる気根を切る
Step5. 鉢に入るように気根をカット
Step6. 用土に植え付ける
Step7. 用土を足す
Step8. 挿し木の完成!
発根するまでの期間
気根がある挿し穂の場合は、土に埋めた気根から新根が1週間~10日ほどで出てきます。気根がない挿し穂は、あるものよりも倍以上の日数がかかります。挿し木の管理方法
置き場所
風通しの良い半日陰で管理します。直射日光が当たって高温になるような場所は避けましょう。水やり
挿し床が乾かないように、水やりは多めに管理します。土の表面の一部が乾き始めたら、水を与えるようにしましょう。肥料
新しい葉が出てくるまで肥料は控えます。モンステラは水を使った挿し木(水挿し)もおすすめ!
モンステラの株分け方法|ステップごとに解説!
今回株分けをしたのは、複数の株が寄せ植えになっているモンステラの幼苗です。葉数も多く混み合っているため、それぞれ株を分けることにしました。
モンステラの株分けに必要なもの
鉢
モンステラは、ある程度高さのある鉢のほうがバランス良く見えます。観葉植物の鉢選びはこちらの記事で詳しく解説しています!
用土
市販の観葉植物用の培養土など、水はけの良いものを使用しましょう。草花や野菜用の培養土しかないという人は、小粒の赤玉土を半分量混ぜると排水性を良くすることができます。鉢底石
軽石を鉢底に敷くことで、鉢底穴から土が流れ出てしまうのを防ぎ、排水性も高めてくれます。鉢底石は、軽石のほかに大粒の赤玉土(ゴロ土)もおすすめです。鉢底石や挿し木にも!赤玉土の種類や使い方はこちらの記事をチェック!
土入れ
土や鉢底石を鉢に入れるときに使います。いくつかサイズをそろえておくと、鉢の大きさや用途に合わせて使い分けができるので便利です。 園芸用土入れ 大和プラスチック
用途により使い分けができる、大中小の3個セットです。
・サイズ:大/16.7×8×6cm、中/16.4×6×5.5cm、小/16×5×4.5cm
・材質:ポリプロピレン
・サイズ:大/16.7×8×6cm、中/16.4×6×5.5cm、小/16×5×4.5cm
・材質:ポリプロピレン
鉢底ネット
鉢底穴から土が流出するのを抑えるほか、害虫が侵入するのを防ぐ効果があります。針金
鉢底ネットがずれないよう、固定するために使います。ペンチ
針金を曲げて加工したり、適度な長さにカットしたりするときにあると便利です。はさみ
鉢底ネットを適切な大きさに切ったり、余分な根や枝葉を切り取ったりするときに使用します。長めの棒
土をつついてならし、すき間をなくすための必須アイテム。根鉢に付いた古い土を取り除くときにも活躍します。木づち
根が回った株は引き抜くくなるため、木づちがあると便利です。新聞紙
床が土などで汚れないように、新聞紙でカバーしましょう。Step1. 根鉢を引き抜く
Step2. 根をほぐす
今回株分けをしたモンステラは、複数株の根がからみ合い、ガチガチに固まっていました。植物の根は、硬いところに沿って伸びていく性質があるため、根鉢の外側は特に根の密度が高くなっています。ほぐすときは、根の密度が低い根鉢の中心部分から行うと比較的スムーズです。根鉢の下部分から指を差し入れてほぐすと良いでしょう。
手でほぐしていると、どうしても根が切れてしまうことがありますが、あまり神経質にならなくても大丈夫。株分けをする時期は、モンステラの生育が旺盛になるため、根にダメージを受けても回復しやすいためです。ただ、根はできるだけ残したほうが、土に植え付けたときに安定します。
根鉢の外側は、棒でつついて根のすき間に詰まった土をある程度取り除きます。
白田仁さん
モンステラの根鉢をほぐすときは、まず土をシャワーで落とすのがおすすめです。散水ノズルなどの水流をストレートにして、強い水圧で吹き飛ばしてから根をほぐすとやりやすくなりますよ。
Step3. ひと株ずつに分ける
これから、新しい鉢に植え付けていきます。大きめの1株は独立させ、残りの3株は大きい鉢に寄せ植えにすることにしました。
また、大きなモンステラに育てていくために、植え付けの際、支柱も立てることにします。
Step4. 鉢底穴にネットを設置する
Step5. 鉢底石を敷く
白田仁さん
鉢底石は、たくさん入れ過ぎると用土の容積が狭くなり、保水性や保肥性も低くなってしまうので注意してください。根鉢の大きさやバランスを見ながら量を調整するようにしましょう。
Step6. 鉢に移し入れる
Step7. 余分な葉をカットする
Step8. 土を入れる
白田仁さん
土を注ぎ入れただけでは、中にすき間ができてしまいます。そのまま水やりをすると、土が片寄って株が傾く原因に。棒でまんべんなくつついて、土中のすき間をなくしましょう。あまりつつき過ぎると土の団粒構造がくずれ、水はけが悪くなってしまうので注意してくださいね。
Step9. 株分け完了!
モンステラはつる性植物なので、今後生長すると共に株が倒れてきてしまいます。それを防ぐために、それぞれ株分けと同時に支柱を立てました。支柱の立て方は別記事で詳しく紹介しているので、そちらをチェックしてみてくださいね。
モンステラの支柱の立て方はこちらの記事で紹介しています!
モンステラが大きくなったら植え替えも!詳しい方法はこちらの記事で
株分け後の管理方法
置き場所
風通しの良い、明るい日陰で管理します。元気に育っていたのであれば、同じ場所でOKです。水やり
株分け前と同様に管理します。株分けに適した時期はモンステラの生長期のため、水やりは多めに与えましょう。3~5日に1回が目安になります。肥料
株分け後は、根にダメージを受けているため施肥は控えます。新葉が展開してきたら、肥料を与えるようにしましょう。観葉植物の肥料の種類や使い方はこちらの記事で!
モンステラの詳しい育て方はこちらの記事で紹介しています
モンステラは茎伏せでも増やせる!
白田仁さん
土のほかにも、水持ちの良い水苔(ミズゴケ)やベラボン、バーミキュライトも茎伏せに使えます。赤玉土は乾きが早過ぎるため、茎伏せにはあまり向いていません。
茎伏せの方法
Step1. 茎をカットする
前項で挿し木にしたモンステラの株を使って、茎伏せを行いました。赤い矢印で指した、線のように見える部分が節です。
白田仁さん
切り出す長さは1節あれば十分ですが、今回の株は節間が詰まっているため、2節分の長さでカットしました。気根があると活着が早くなるため、活かすようにしましょう。
Step2. 土の上に置く
Step3. 気根は用土に挿す
Step4. 茎伏せ完了!
茎伏せ後の管理方法
置き場所
用土が湿っている状態をキープできる、半日陰などの環境が適しています。霧吹きなどを利用して、湿度管理をするようにしましょう。水やり
用土が乾かないように管理します。水苔(みずごけ)やベラボン、バーミキュライトを使うと、水持ちが良いため、水やりの管理も楽になります。発根までの期間
茎伏せの発根目安は、約1~2カ月。気根がついていれば、これよりやや早くなります。白田仁さん
メネデールなどの発根剤を与えると、根が出るのを早めることができます。
発根剤(メネデール)
液状の発根剤は、稀釈(きしゃく)して水やりを兼ねて与えられるので便利です。発根を促進させるほかにも、弱った株の栄養剤としても使えます。 メネデール
植物の生長に欠かせない鉄を、根から吸収されやすいイオンの形で含む植物活力剤。発根を促して元気な株に育てます。挿し木のほか、種まきや植え付け、植え替えから弱った時の活力アップなど、あらゆる場面で活躍!
・内容量:100ml
・内容量:100ml
鉢上げのタイミング
茎から芽が出てきて、葉が2~3枚ほどになったら鉢上げのタイミングです。植え替える用土は、水はけの良い観葉植物用がおすすめです。モンステラの増やし方に関するQ&A|冬の間は?水栽培にできる??
Q. モンステラは冬でも挿し木や株分けすることはできますか?
白田仁さん
冬の間は避けましょう。生育期以外に挿し木や株分けを行うと、ダメージから回復しづらくなり、そのまま枯れてしまう可能性が高くなります。成功率を上げるには、モンステラの生育が旺盛になる時期がおすすめです。
Q. 株分けしたモンステラは水栽培にできますか?
白田仁さん
モンステラは水栽培も可能です。水に移し入れる際は、水が濁らないように、根についた土をよく洗い落としましょう。肥料は、必ず水栽培専用のものを使ってください。
水栽培は清潔感のある見た目が魅力ですが、土栽培のように微生物の助けがないため大株に育てることはできません。モンステラを大きくしたいのであれば、土栽培がおすすめです。
水栽培は清潔感のある見た目が魅力ですが、土栽培のように微生物の助けがないため大株に育てることはできません。モンステラを大きくしたいのであれば、土栽培がおすすめです。
モンステラの水栽培の方法はこちらの記事で紹介しています!
Q. 葉をつけたまま挿し木にするのは可能ですか?
白田仁さん
葉をつけたまま挿し木にしても大丈夫です。気根さえ生えていれば新根の発根も早く、太い茎に多くの水分を保持しているので、葉からの蒸散に水分を取られることが原因で枯れてしまうリスクは低いです。気根が無くて勢いのない挿し穂の場合は、新葉1枚を残し、そのほかの葉を切除したものを挿し穂にします。
Q. 挿し木にはメネデールなど発根剤を使ったほうが良いですか?
白田仁さん
発根剤を使うと、新根が出るまでの日数は若干早まりますが、使わない場合も根が出るスピードにそれほど違いはありません。ただ、モンステラを茎伏せで増やす場合は、挿し木よりも日数がかかるため、発根剤はおすすめです。
Q. 水挿しにしていた挿し木を土に植え替えたい!注意点はありますか?
白田仁さん
モンステラを土植えにしたいのであれば、水挿しで楽しむのは短期間にしましょう。長期間水挿しにしていると根が水に慣れてしまい、土に植えたときに弱ってしまいます。
モンステラの植え替え方法はこちらの記事をチェック!
モンステラを増やしてみよう!
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観葉植物の土
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