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- AGRI PICK 編集部
AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む
この記事では、そんなベラボンの特徴や使い方のコツなどを詳しく紹介します。手間なくガーデニングを楽しみたいという方も必見ですよ!
ベラボンとは
ベラボンは「株式会社フジック」が特許技術を使い、ヤシの実を加工して作った園芸資材です。ヤシの実は本来水を吸いませんが、スポンジ状の繊維を特殊加工することで、すぐれた吸水性と排水性を実現しています。土の代わりになる植物の植え込み材として、また水はけや通気性をアップさせる土壌改良材、花壇のマルチングなどにも使える汎用性の高さも魅力です。ベラボンのメリット
ベラボンは、一般的な園芸用の土と比べてさまざまなメリットがあります。吸水性・排水性・水持ち・肥料持ちが良い
ベラボンは水を含むと1.5倍に膨らみ、乾燥すると収縮するという性質があります。そのためベラボンは弾力性にすぐれ、吸水性や排水性、保水性、保肥性も豊か。植物が健康に育つための理想的な条件を兼ね備えています。通気性と保温性に優れる
ベラボンは水分量によって、膨張と収縮を繰り返します。その際、繊維の中に新鮮な空気も取り込まれるので、植物の根張りが良くなります。また、空気を多く含むことから保温性もあり、冬でも凍りにくいというメリットも。あく抜き加工で安心・清潔
ヤシの実にはタンニンが含まれており、植物によっては生長に悪影響が出る場合があります。そのため、ベラボンは水に浸してタンニンを取り除く、あく抜き作業を3~4回行っています。あく抜きすることで、幅広い植物に安心して使用でき、質感もサラサラに。土のように手が汚れず、室内でも清潔に使えます。腐りにくく、虫がわきにくい
ヤシの実は、丈夫で腐りにくい優秀な素材です。5年程度は腐敗の心配がないことから、コバエなどの虫がわきにくく、室内の観葉植物にも安心して使えます。ちなみに「亀の子たわし」も同じヤシの実が原料。水をかけても腐りづらいからこそ、昔から活用されているんですね。軽量なので鉢の移動が楽々
ベラボンが園芸資材として支持される理由は、その軽さにもあります。一般的な土の約1/3と非常に軽量で、ベラボンを植え込み材にすれば大鉢でも楽に移動ができます。掃除の際などに、観葉植物を移動させるときにも便利ですよ。使用後は可燃ごみとして処分できる
使い終わったベラボンは、可燃ごみとして出すことができるので処分も簡単!また、花壇や庭の土に漉き込めば、土壌改良材として再利用できます。ベラボンのデメリット
軽く使い勝手の良いベラボンですが、一方で注意したい点もあります。使用するうえで気を付けるべきデメリットをまとめました。向かない植物もある
根が細いモウセンゴケやハエトリソウなどは、ベラボンだと根が張りづらいといった声もあります。このような植物を植える際は、ベラボンに水をたっぷりと含ませて、とにかくよく固めて植え付けることが肝心です。軽過ぎて鉢が倒れやすい
環境によってはベラボンの軽さがデメリットになることもあります。ベラボンそのものが軽量なので、プランターもプラスチック製などの軽いものにしてしまうと、風が吹いたときに倒れやすく危険です。また、背の高くなる植物の場合は、大きくなったときにベラボンのみだと支えづらくなる可能性があります。植えてからしばらくすると、ベラボンが根になじんで水持ちも良くなって重さも出てきますが、できれば重さのある鉢を使ったり、鉢底に重い石を入れたりすると良いでしょう。
ベラボンの種類|プレミアムとサキュレントの違いって?
現在ベラボンには、ベーシックな「あく抜きベラボン」のほか、さらにあく抜き加工を重ね、粒も厳選した「プレミアム」や、通気性が特に高い「サキュレント」といったラインナップがあります。ここでは、それぞれの種類の特徴を紹介します。あく抜きベラボン|用途に合わせて粒のサイズを選べる
あく抜きベラボンは、40年以上前から販売されているロングセラー商品。ランやバラ、山野草の植え込みに使えるほか、土壌改良、挿し芽・育苗、マルチングなど幅広い用途に使えます。あく抜きベラボンには、粒の大きさによってS・M・Lの種類があり、最も多く使われているのがMサイズです。Sサイズは挿し芽・育苗に最適で、Lサイズはマルチングにも活躍します。ベラボン・プレミアム|さらにあく抜きを強化し、粒も厳選!
ベラボン・プレミアムは、従来製品よりもさらにあく抜きを強化し、ふるいで粒を選別したものです。植物の根にやさしいふわふわの質感で、吸水性・通気性も抜群!根腐れしにくいので、鉢底穴のない容器でも観葉植物を育てることができます。また、乾いたままでも土と同じように使用できるため、従来のベラボンのように、水に浸ける手間がかかりません。ベラボン・サキュレント|通気性抜群で根腐れを防ぐ
こちらは、湿度が苦手な多肉植物に最適な、通気性を高めたベラボンです。保温性もあるので根をやさしく守り、植物にかかるストレスを軽減する効果もあります。「ベラボン・プレミアム」よりも粒が細かいため、小さな多肉植物の寄せ植えや挿し芽にもおすすめです。ベラボンの使い方1|観葉植物の植え込み材に
清潔で虫のわきにくいベラボンは、室内で楽しむ観葉植物にはぴったり!通気性がとても良いので根腐れを起こしにくく、生き生きと育てることができますよ。観葉植物へのおすすめは「ベラボン・プレミアム」
観葉植物の植え込み材には、「ベラボン・プレミアム」がおすすめです。植物を植え込むときは、株を持っても鉢から抜けなくなるまで、ベラボンを固く押し込むのがポイント。ベラボンは弾力があるので、強く押し固めても根を傷める心配はありませんよ。使用用途
- ベラボンの単体使用で観葉植物の植え込み材に
- 培養土にベラボンを3~5割ほど混ぜて、水はけや通気性を改善
- ハンギングで観葉植物を楽しむときに、鉢の重さを軽減
- 穴のない容器で観葉植物を育てたいときに
ベラボンの使い方2|多肉植物の植え込み材に
通気性や排水性にすぐれるベラボンは、ジメジメとした土が苦手な多肉植物の植え込み材にも最適!多肉植物へのおすすめは「ベラボン・サキュレント」
多肉植物には「ベラボン・サキュレント」がおすすめです。粒が細かくフワフワなので、小さな多肉植物を植え付けるのも簡単!鉢いっぱいにベラボンを入れたら割り箸などで穴をあけ、ある程度土を落とした多肉植物を植え付けます。株をギュッと押し込んだら、株元にベラボンを追加し、指や棒で押し固めましょう。使用用途
- 多肉植物の植え替えに
- 多肉植物の苗を寄せ植えするときに
- 挿し芽や葉挿しで、多肉植物の株を増やすときの挿し床に
ベラボンの使い方3|花壇の土づくり・土壌改良に
ベラボンを花壇の土に混ぜることで、水はけや水持ち、排水性を向上させることができます。ベラボンは長持ちするので、5年ほど土壌改良効果が持続しますよ!土壌改良におすすめは「あく抜きベラボン(M・L)」
花壇の土壌改良には「あく抜きベラボン」のMサイズ、もしくはLサイズがおすすめです。1平方メートルあたり、約30Lのベラボンを使います。できるだけ深くまで漉き込むようにしましょう。使用用途
- 排水性・通気性の向上に
- 保水性・保肥性の改善に
- 土壌をフカフカにし、固く締まるのを防ぐ
- 土壌に空気を含ませることで、寒さ・暑さのストレスから根を守る
ベラボンの使い方4|グランドカバー・マルチングに
腐りにくく、長持ちするベラボンは、庭のグランドカバーやマルチングにも最適です。ベラボンはゆっくりと分解されるので、5年ほどはそのままでOKです。古くなったものは、土に漉き込むことで、土壌改良材として再利用できますよ。グランドカバー・マルチングにおすすめは「あく抜きベラボン(L)」
広範囲に使うグランドカバーには、粒の大きな「あく抜きベラボン」のLサイズがおすすめです。1平方メートルあたり、約30~50Lが使用量の目安になります。使用用途
- 水やりや雨による泥はねで、植物が病気になるのを防ぐ
- 雑草が生えにくくする
- 土壌の乾燥対策に
- 夏や冬の地温管理に
ベラボンの使い方5|挿し芽・種まきに
挿し木や種まきをする挿し床は、水はけが良く、清潔で肥料分もないことが大切。それらの条件をクリアしたベラボンは、挿し床に最適です。挿し芽・種まきにおすすめは「あく抜きベラボン(S)」
挿し芽や種まきには、粒の細かい「あく抜きベラボン」のSサイズがおすすめです。使用方法
鉢や容器にベラボンを入れ、水でよく湿らせてから使用します。挿し芽や種まきをしたあとは、ベラボンが乾燥しないように、こまめに水やりしましょう。ベラボンに関するQ&A|どこで売ってる?カビが生えてしまったときは??
ここからは、ベラボンに関する疑問や質問にお答えします!ベラボンはどこに売ってる?
株式会社フジックの公式オンラインストアのほか、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのネット通販でも購入することができます。また、ホームセンターの園芸用品コーナーでも多く扱われているので、実物をチェックしたいという人は店頭でも確かめることができますよ。
ベラボンにカビが生えたときの対処法は?
季節によっては、ベラボンに白っぽいカビのようなものが生えることがあります。そのままでも植物への影響はありませんが、気になる場合は生えた部分を取り除くか、新しいベラボンに植え替えましょう。
水やりの頻度はほかの土と同じ?
ベラボンは一般的な土と比べると乾きやすいので、やや多めの回数で水やりすると良いでしょう。ただ、常に湿っている状態は良くないので、必ずベラボンの表面が乾いてから水を与えてください。
水の量は、植えている鉢の容量の2倍を目安にします。また一度に与えるのではなく、間隔をあけて2回に分けるのがコツです。1回目は、ベラボンの中の空気を押し流すための水やりを。3~5分ほど置いたら2回目の水やりをしましょう。こうすることで、ベラボンに水を十分含ませ、植物の根に水分を届けることができます。