目次
-
- Miyuki Tateuchi
アメリカのミシガン州に居住中。海外の農業情報や普段の生活を通して感じた食農トピックを紹介します。祖父が農家だった影響もあり、四季折々の「旬」を大切にしたいと思っています。…続きを読む
前回は、アメリカの芝生事情について家の前庭として広がった成り立ちやメンテナンス方法について書きました。
今回は、主に流通の場で、アメリカの野菜や果物について驚いたことや日本の常識とはまた違っていて魅力的だと思ったことを紹介します。
私の独断というものもあるかもしれませんが、普段から消費者として野菜や果物と接しているなかで面白いと感じたことを5つ取り上げます!
量り売りが基本。色んな種類の野菜を少量から買えるありがたさ
アメリカでは、一部を除いてパックされた野菜は少なく、基本的にはバラ売り。インゲンのように1つずつが小さい野菜も、必要な分だけ自分でビニールに入れて購入します。
これは野菜の買い方が「量り売り」であるから。例外はありますが、野菜や果物は1個あたりやセット単位ではなく、重さあたりいくらという単位で値段が決まっています。売り場には、はかりも置いてあり、値段が気になる人は自分で量って計算をします(だいたい予想できるのか、そこまで気にしていないのか、今まで、お客さんが量っているのは一度も見たことがありません)。
びっくりしたのは、バナナ。6本くらいの房で売られていても、自分が必要な分だけ、例えば2本だけをもいで買うことができます。キャベツにいたっては、周りの外葉をはがして、中の使う部分だけを持っていく人もいます。使わないで捨てるところに、わざわざお金を出すのはもったいないという感覚なのでしょうか。
必要なものを必要な分だけ。多く買ったから安くなるのではなく、あくまでもポンドあたりの値段。消費者としては無駄買いをする必要がなく、何だか筋が通っています。重量ベースなので、「1個あたりの野菜が均一の大きさである必要がない!」というのがアメリカの売場での新たな発見でした。
パック売りのニンジンの場合
ただ、料理の量や調理法によって、どの太さのニンジンを使うかはコントロールできるので、そんなに困ることはありません。逆に、「半分だけ使って残りは保存」みたいな手間が省けるので、なかなか使い勝手がいいのでは?と思っています。
アメリカの野菜は、日本の流通で求められるような「工業品のように形が整っている野菜」である必要がなく、「自然において個体差は当たり前というのが受け入れられている」ということになるでしょうか。
まだ熟していなくても売り場へ。真緑のアボカドやバナナの存在
皮の色が黒くて、軽く押した時に柔らかい感触があったら食べごろ。でも頭でわかっていても、なかなか判断が難しく、切ってみて「あ、まだ早かったな」ということや少し黒ずんできていて「あー、もう熟れ過ぎた」ということもあります。
アメリカでは、真緑のアボカドが売り場に並んでいます。同じタイミングで入荷されたのか、特に冬場には売り場に緑色のものしかない場合も。最初は「え、これいつになったら食べられるんだろう?」という感じでしたが、買ってから室温に置いておくと3日程度で食べれる状態になることがわかり、今では逆算ができるようになりました。
急にアボカドが必要になった時には困りますが、あらかじめわかっていれば食べごろが予測しやすいともいえます。反対に、皮が黒っぽいと売れ残りである可能性が高く、熟れ過ぎてしまっているため、最近は買わないようにしています。
同じように、バナナも真緑の状態で売られていることがあります。皮が緑から黄色になる追熟の過程を子どもが待ちきれず、早々と食べたがってしまうのが難ですが、こちらもシュガースポットが出るベストのタイミングを見定めることができて便利です。特に夏場は腐らせないで済むので助かっています。
野菜売り場でミストが噴射。実は乾燥を防ぐほかにも理由が!
調べてみると、実は2つの理由があることがわかりました。
理由1:人の感性に訴える。しずくがついた野菜はみずみずしく、おいしそうに見える。ミストはそのための演出
理由2:野菜が乾燥すると、水分が減ってしまい、結果として全体の重量も減ってしまう。量り売りでは、重さの低下は売上の低下につながるため、ミストはそのための対策
自動のミスト装置がないお店では、店員さんがホースを使って水をかけていたのも見たことがあります。水浸しの野菜は衛生面も気になるところで、これは重量がベースになる量り売りのデメリットかもしれません。
日本では珍しいパッケージ。思わず売り場で魅せられた野菜たち
驚いたくらいなので私は日本のスーパーではあまり見かけていなかったのだと思いますが、調べてみると、日本でも商品化の例はありました。
房つきトマト
つるは鮮度を見極めるバロメーター。つるの緑がきれいに保たれている地元産のトマトを口にした時は、みずみずしいおいしさに感動もしました。
赤と緑の対照的な色の組み合わせもきれいで、トマトだけがぎっしり詰まっているパックに比べると、全体の個数は変わらなくても高級感があります。
根つき土つきレタス
近づいて見てみると、なんと根と土がついたままのレタスが入っていて二度びっくり。今までレタスの本来の姿をあまり意識してこなかった自分に気づきました。
大きなプラスチック容器に入っていて環境への配慮という点では課題が残りますが、アメリカではしなびて売られているレタスも珍しくない中、しゃきしゃきで抜群の鮮度。「また買いたい」と思わせる一品でした。
日本でも栽培できる、アメリカで見かけた巨大野菜と小さめ野菜
そこで、バーベキュー好きの人の家庭菜園にもおすすめなのが、アメリカ品種のピーマンやナス。なにせ大きいので存在感があり、豪快な調理法にもぴったりです。
米ナスの「べい」はアメリカに関係があった
ヘタが緑色で、重量が350g程度と重いのが特徴的。日本では「くろわし」という品種の種が購入できます。
種まきは関東などの中間地で2〜3月が一般的なので今年は間に合いませんが、バーベキュー好きの人は来年の栽培の候補にぜひ入れておいてください!
ナスの栽培方法はこちら
パプリカのようなピーマン
一般的なピーマンより肉厚で、えぐみが少なく、食べやすいという定評があります。
こちらの中間地での種まきの時期は2月末〜5月となっています。
ピーマンの育て方はこちら
アジア食料店で見つけた小さめのチンゲンサイ
見慣れているものと何かが違うと思ったら、下の方の白軸が長いという違いでした。もう少し葉が青々としているものが欲しくなり、アジア食料店を探したら見つかったのが小さめのチンゲンサイです。
「ミニチンゲンサイ」は10〜15センチ程度。耐暑性があり、病気にも強いため、家庭菜園でもおすすめです。
プランター栽培でチンゲンサイを育てるには?
ミニ白菜はスーパーにも
「ミニ白菜」には、タイニーシュシュや娃々菜(わわさい)という品種があります。
失敗しない!白菜の栽培方法はこちら
小さめ野菜は、これからの季節も栽培可能
チンゲンサイ、白菜ともにこれからの栽培が可能なので、暑さが落ち着いたらミニ野菜の栽培はいかがでしょうか。ミニ野菜であれば、「大量に作り過ぎてしまった」ということも少なく、家庭菜園に向いているかもしれませんね。今回取り上げたことのほかにも、豊富なオーガニック商品や大容量のサラダパック、日本では見かけたことがない珍しい野菜など、まだまだアメリカで驚くことはありますが、また別の機会に取り上げたいと思います。
次回は、これから見ごろを迎える「ラベンダー」に注目します。日本では北海道が有名ですが、ミシガンでもこれから開花時期を迎えます。
花に元気をもらいながら、これからの夏場の暑さも乗り切りたいですね。
バックナンバーはこちら
「アメリカ生活アグリ日誌」Miyuki Tateuchi プロフィール
就職情報会社、外資系人事コンサルティング会社を経て、2017年よりアグリコネクト株式会社でリサーチ業務に従事。2019年より夫の転勤に伴い、アメリカのミシガン州在住。成長期真っ只中の2児の母。農業と地域、世界の料理などへの興味を元に、情報発信していきます。