今回は、アガベの人気の種類(18品種)を多肉植物マニアが厳選して紹介します!また、アガベの特徴や魅力、水やりや育てるコツ、植え替えのタイミングなども詳しく解説します。
アガベとは?どんな植物
昔はアロエの一種やヒガンバナ科に分類されてきましたが、現在ではリュウゼツラン科に属する植物です。原産地はアメリカ南部から中米や南米にかけてで、300種以上あるといわれています。アガベの特徴
アガベは、暑さにも寒さにもとても強い丈夫な植物。比較的強い日差しを好み、乾燥にも耐えられる多肉植物の仲間です。多くの品種は茎がとても短いので、葉が根から直接生えているように見えるのが特徴。また、生長がとてもゆっくりで、環境や品種によっては開花に数十年必要。そのため、100年に1度だけ開花する植物として「century plant」と呼ばれることもあります。アガベはなぜ人気?
アガベの人気の理由は、なんといってもワイルドでスタイリシュな葉の形。また色も美しく、インテリアとしてもおしゃれで存在感もバツグン!希少価値も高く、強健な性質で育てやすいので、プレゼントとしても人気があります。テキーラやアガベシロップでもおなじみ!
食用としても栽培されるアガベ。肥大化した茎から作られるテキーラや、花茎の樹液を煮詰めたアガベシロップが代表的な加工品になります。アガベの花
開花には10数年から数10年の歳月が必要なアガベ。葉の付け根の株の中央から数メートルの茎を伸ばし、ちょっと不思議な見慣れない黄色の花を咲かせます。花言葉は「繊細」。一度開花するとまるで化石のような姿で枯れてしまうことから、こうした花言葉が付けられたのかもしれません。アガベの値段は?なぜ高い??
フラワーショップや園芸店、ホームセンターでも通年通して販売されているアガベ。品種の希少性によって、アガベの値段はかなり変わります。よく見かける普及種であれば、数百円~数千円程度ですが、市場には出回らず、コレクターが欲しがるような希少種は、数万~数十万円とかなりの高額になります。また、アガベは生長スピードが遅く、株を増やすのに時間がかかることから、珍しい種類や人気のある品種は価格が高くなりがちです。
アガベの種類|人気のおすすめ品種18種
人気の品種をメインにご紹介しますので、ぜひお気に入りの1鉢を見つけてください。1. アテナータ
アガベの中でとても人気の高いアテナータ。白粉に覆われたライムグリーンの葉がとてもきれいな品種です。固く鋭い葉が多いアガベの中で、柔らかな葉を生やします。また、生長すると茎が伸びるのも特徴のアガベです。葉が柔らかいので、夏場の直射日光は避けましょう。また、耐寒性がありますが、冬は室内での栽培をおすすめします。2. チタノタ(オテロイ)
青みがかった肉厚で幅の広い葉と、葉を覆うよう映えるサメの歯のようなトゲが特徴のアガベ。さまざまなバリエーションの交配種も多く、男性に人気の高い品種です。寒さにとても強いので、冬も温かな地域なら地植えも可能です。3. チタノタ 白鯨
白鯨は、青みがかった肉厚の葉に真っ白なトゲあるチタノタ。台湾から輸入ものが多く、成長はゆっくり。暑さには強いですが、寒さにはやや弱いので、冬場は日当たりのよい室内の窓際で育てるのがおすすめです。4. ベネズエラ
肉厚なシルバーグリーンの葉が美しいベネズエラ。波打つような葉の躍動感が特徴のアガベです。寒さには強い方ですが、冬は5℃以上の環境で育てたほうが良いです。5. アメリカーナ
マットな青みがかった葉がスタイリッシュなアガベの大型種です。生長すると高さが1~2mになります。また寒さにも非常に強く、乾燥した環境ならマイナス8℃まで耐えられます。ホテルやマンションのエントランスのシンボルプラントとしても人気のアガベです。6. 笹の雪(ビクトリアレジーナ)
まるで雪が降り積もっているように見えることから「笹の雪」という優雅な和名がついてるアガベ。ツヤがある太くて肉厚な葉と、通称「ペンキ」といわれる白いラインが魅力。生長すると球状の美しい株になります。とても乾燥に強く、原産地では年に数回しか雨が降らない環境でも育ちます。生長は遅く、大株になるほど高価になります。7. 吉祥天(パリー)
幅のあるシルバーブルーの葉と、赤く鋭いトゲのコントラストが美しいアガベ。高さ70cm程に生長する中型サイズです。和名の吉祥天は、美と幸運をもたらす仏教の女神。その名にふさわしく、美しく気高い雰囲気です。8. 吉祥冠
白粉をまとった淡い青緑の葉と、褐色のトゲが特徴の吉祥冠。くびれのある葉がバランスよく整うアガベです。凍結の心配がない暖地なら、地植えもできます。9. ドラゴントゥース
その名の通り、葉の周囲の赤いトゲがドラゴンの爪先を連想させるアガベ。幅のあるブルーグレイの葉も美しい品種です。高さは最大で30cm程。アガベコレクターにも人気の小型の品種です。10. ホリダ
光沢のある緑の葉に、サメの歯のような短く鋭いトゲをぎっしりと付けるホリダ。まだ、国内の流通が少ないアガベですが、独特のワイルドな姿が人気で、男性コレクターの間ではチタノタと双璧をなす人気品種になっています。11. モンタナ
鮮やかな緑の葉と、先端の長く鋭いトゲが印象的なアガベです。葉の周囲の短いトゲも力強くワイルドな雰囲気のモンタナ。種で育てることが難しく、また子株も出にくいことから希少な品種となっています。寒さに強く、大型になる品種なので、地植えにも向いています。12. パラサナ
グレイブルーの肉厚な葉に小さなトゲを付けるパラサナ。生長が遅く比較的小型の品種ですが、豪快な雰囲気です。13. 雷神
白粉をまとった青白い葉が涼しげなアガベ。葉の長さが短めで、バランス良くまとまる品種です。子株が出やすく増やしやすいので、最近では園芸店やフラワーショップでも良く見かけるようになりました。日当たりが良いほど葉の色が美しくなる雷神ですが、斑入りの株は直射日光に弱いのでご注意ください。14. 吹上(ストリクタ)
シャープな葉を放射状に広げるアガベ。生長すると樹形が球状になるのが特徴です。明るいグリーンの葉は優しい印象ですが、葉もトゲもとても固い品種です。寒さに強いので暖地なら地植えが可能です。15. 五色万代
濃い緑色の葉に、クリームイエローやライトグリーのグラデーションが特徴のアガベ。幾重にも重なりあう独特の葉色は、とても存在感があるのでインテリアのアクセントとしても人気があります、ただし、斑入りの品種は一般的なアガベと比べるとデリケートな性質なので、直射日光と冬の寒さには気を付けましょう。16. 乱れ雪
葉の縁の白い繊維状のほつれがユニークな乱れ雪。固く鋭い葉は放射状に延びて、生長すると球形になるアガベです。通称「ペンキ」といわれる白いラインも特徴。17. オバティフォリア
2002年にアガベの新種として登録されたオバティフォリア。スモーキーなブルーの葉が神秘的なアガベです。増やすのが難しいため、世界的にもレアな品種ですが、最近はネット販売で見かけるようになりました。寒さに強いので、暖地では地植えも可能です。18. カブトガニ
ゴツゴツとした幅の広い葉がとても素敵なカブトガニ。白粉をまとった青みの強い葉と、連なる赤いトゲのコントラストも魅力的なアガベです。アガベの人気おすすめ品種|一覧表
アガベの売れ筋人気ランキング
アガベの育て方
アガベは明るい方に向かって葉を伸ばすので、鉢の向きを固定した状態で育てると株の形が偏ってしまいます。水やりをするときなど、定期的に鉢を90~180°くらい回してあげると、バランス良く育ちます。鉢植えの置き場所や日当たりは?
春
春は生長期のスタートシーズンです。アガベは日当を好む植物なので、できるだけ日当たりの良い場所で育てましょう。屋外の風通しの良い場所が理想的です。夏
梅雨の時期に、屋外で育てる場合は長雨に注意します。アガベは乾燥を好むので、土が湿った状態が続くと根腐れの原因になります。雨除けのある風通しの良い場所で育てましょう。真夏は午前中まで日が当たる場所が好ましいです。笹の雪や乱れ雪のような葉が固いタイプや、雷神や吉祥天のような白粉をまとったタイプは、真夏の直射日光にも強い傾向があります。しかしながら、春まで室内で育てていた株やまだ小さい株は、葉が焼けてしまうことがあるので注意しましょう。
秋
春と同じく、日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。ただし、秋の長雨にはご注意ください。数日雨が続くようなら、雨ざらしを避けて管理しましょう。冬
陽が短くなる季節ですが、一日に最低でも3~4時間は日が当たるように管理しましょう。天気の良い日は屋外で日光浴をさせてあげましょう。最低気温が5℃を下回るようになったら、室内に置いた方が無難です。アガベは寒さに強い植物ですが、霜や凍結によって葉が傷んでしまうことがあります。水やりの頻度は?
春
土がしっかりと乾いたら、鉢底から水が出るまでたっぷりと水をあげましょう。鉢の中の乾き具合は串などを用土に挿してみるとわかりやすいです。土の表面が乾いていても、鉢の中が湿っている場合は乾くまでしっかり待ちましょう。夏
基本は春と同様の水やりです。ただし、梅雨は土が乾きにくくなるため、水やりの回数を減らしたほうが無難です。また、できるだけ午前中の涼しい時間帯の水やりをおすすめします。夏場の日中に水やりをしてしまうと株が蒸れてしまうので避けましょう。秋
基本は春と同様です。ただし、気温が10℃以下になると生長が止まり休眠期に入るので、水やりの回数を減らしていきます。冬
屋外で育てる場合は月1~2回ペースになります。室内で育てる場合も、基本は乾燥気味に育てます。土の表面がしっかりと乾いてから数日後に水やりをします。冬の水やりは日中の温かい時間がおすすめです。寒さに強い品種は?
一般的な観葉植物と比較すると、アガベは寒さにとても強く、乾燥気味に管理すれば最低気温5℃くらいまでなら耐えられます。特に寒さに強い品種は、チタノタやアメリカーナ、吉祥冠、吹上(ストリクタ)、乱れ雪が代表的。ただし、株がまだ小さいようでしたら、真冬は温室や室内で育てたほうが無難です。室内でも育てられる?
日当たりと風通しの良い環境なら、室内でも育てることができます。日が当たりにくい場所でも育ちますが、葉が細くなったり、株が間延びしてしまうのでできるだけ日の当たる場所で育ててください。また、アガベは乾燥した環境を好みますが、エアコンの風が直接当たる場所では極度に乾燥し、葉が枯れてしまう場合があるのでご注意ください。どうしてもエアコンの風が当たり続けてしまう場合は、霧吹きなどでケアしてください。
アガベの植え替え
植え替えのタイミングは?
1~2年に1回が目安になります。アガベは根の生長が早いので、植え替える際は1サイズ大きめの鉢に植え替えます。また、アガベの根は下に伸びやすいので、高さのある鉢がおすすめです。植え替えの時期は、生長期に入る春が適期です。真夏や休眠期の冬の植え替えは、株に負担がかかってしまうので避けたほうが良いでしょう。秋の植え替えも可能ですが、できるだけ温かい時期に行います。
土づくりは?
アガベは乾燥した用土を好むので、水はけの良い土に植えましょう。市販の多肉植物用の用土が手軽です。一般的な培養土を使用する場合は、赤玉土を半分ほどブレンドすると水はけが良くなります。植え替えのやり方
枯れた下葉があるようでしたら、株を傷つけないように、葉の根元をやさしく揺すりながら取り除きましょう。枯れた葉が付いたままだとカビや病害虫が発生してしまうことがあります。アガベは清潔で新しい土を好むので、古い土はできるだけ落とします。ただし、白い根はとてもデリケートです。切れてしまうと生長が一時的に鈍ってしまうので、土を落とす際は無理のない範囲で行います。古い根は簡単に取れるものがあれば取り除いてください。
植え付け後の管理
植え付け直後の株は、根の環境の変化により、ストレスがたまっている状態です。すぐに日当たりの良い場所に置くと株が疲れてしまうので、数日は明るい日陰で管理して、少しずつ日当たりの良い場所に移してあげると良いでしょう。また、花や野菜などの一般的な園芸では植え付け後に水やりをしますが、アガベなどの多肉質な植物は1週間は水やりを控えましょう。植え付け直後は、どうしても根に傷が付いています。そのため、すぐに水やりをしてしまうと、根の傷から菌が入って株が弱ってしまうことがあります。