プランターでカボチャを栽培！支柱立てや人工授粉など家庭菜園初心者でもできる育て方のコツを伝授

甘くておいしいカボチャをプランターで栽培してみませんか？カボチャは栄養豊富で長期保存もできる便利な野菜です。野菜栽培家監修のもと、種まきのコツや支柱・ネットの使い方、人工授粉の方法など初心者でも簡単にできるカボチャのプランター栽培について紹介します。

カボチャを畑や庭で育てたい人はこちら

カボチャを農業でチャレンジしたい人はこちら

春に種まきをして夏に収穫！カボチャのプランター栽培のポイント

1. カボチャの栽培適温は20～30℃。3～4月に種をまく
2. 75型プランターで小型カボチャなら2株、大型カボチャは1株栽培できる
3. 栽培スペースが狭い場合、空中栽培できる小型カボチャがおすすめ！
4. 花が咲いたら晴れた日の朝8時ごろまでに人工授粉
5. カボチャの収穫時期は7～8月。追熟は通気性の良い日陰で保管する

カボチャの詳しい育て方はこのあと解説していきます！

プランターで育てる！カボチャ栽培の特徴・時期・気温

特徴1. 小型のカボチャはプランターで空中栽培、大型のカボチャは地這い（じばい）で栽培する

小型のカボチャは、ネットと支柱を使って空中栽培します。大型カボチャは、庭やベランダでもプランター周りのスペースを広くとることができれば、つるを地面に這わせながら育てる地這い栽培が可能です。

特徴2. 種まきの方法は2種類｜ビニールポットに種まき or プランターに直まき

カボチャはビニールポットに種まきして育苗する方法と、プランターに直まきする方法の2種類あります。ビニールポットで苗をしっかり育ててからプランターに植え付ける方法は、間引きする手間がなく種の節約にもなりますよ。

プランターでのカボチャの栽培時期

・種まき：3～4月
・植え付け：4～5月
・収穫：7～8月
※年間平均気温が、12～15℃の温暖（中間）地基準

プランターで育てるカボチャの栽培適温

20～30℃

カボチャ栽培に適したプランターの置き場所

カボチャのプランターは、日当たりと風通しが良い場所に置きましょう。カボチャは浅いところに根を張るため、乾燥は大敵です。ベランダで育てるときは、室外機の風がプランターに直接当たらないよう注意しましょう。

安藤さんおすすめ！プランターで育てやすいカボチャの品種

カボチャをプランターで栽培するときは小型の品種を選ぶと、空中栽培できるため省スペースで育てられます。色・形など種類が豊富なので、品種選びも楽しいですよ！

プッチィーニ｜甘みが強くねっとりした食感

坊ちゃん｜栗カボチャのようなホクホクした質感

ロロン｜ラグビーボールのようなユニークな形

バターナッツ｜繊維が少なくなめらかな歯ざわり

ハロウィンパンプキン｜くりぬきやすいやわらかな皮が特徴

育てやすいカボチャの品種をもっと知りたい方はこちら

カボチャのプランター栽培に必要な道具｜適切なプランターの大きさ、支柱・ネットなど

カボチャの栽培に適したプランターのサイズやおすすめの土、肥料の種類などを紹介します。

カボチャ栽培におすすめのプランターのサイズや深さ

カボチャは幅75×奥行35×深さ25cm程度のプランターで、大きいサイズなら1株、ミニサイズなら2株栽培できます。土の量が多ければ、根が十分に広がり実も付きやすいので、大きめのプランターでゆったり育てましょう。

大きいカボチャなら1株、ミニカボチャなら2株栽培できる！おすすめのプランター

カボチャのプランター栽培に適した土

カボチャのプランター栽培には、元肥入りの野菜培養土を使いましょう。ほかの野菜栽培に使用した土を使うときは、カキ殻石灰、腐葉土（堆肥）、油かす、くん炭もみがらを混ぜて土の力を復活させます。

栽培初心者にピッタリ。元肥入りの野菜培養土

カボチャのプランター栽培にピッタリの肥料

カボチャ栽培を成功させるために、追肥は欠かせません。骨粉入りの油かすを使うと、カボチャの実付きが良くなりますよ。

カボチャの実付きを促す！おすすめの油かす

空中栽培のカボチャを支える支柱・ネット

プランターでカボチャを空中栽培するときは、支柱とネットを使います。キュウリやゴーヤなどの栽培で使われるネット付き支柱を使うと、準備が簡単です。ベランダに柵がある場合は、柵に直接ネットを張ってもOK！ネットだけ購入する場合は、目合いが10cm程度のものを選びましょう。

ネット付き支柱ならプランターへの設置も簡単

【カボチャの種まき方法1】成功率アップ！ビニールポットでの育苗＆プランターへの植え付け

種を1粒ずつビニールポットにまいて育苗すると、1つの株に栄養が集中するため、カボチャ栽培の成功率がアップします！

Step1. カボチャの種をポットに1粒ずつまく

1. 直径9cm程度のビニールポットをいくつか用意して、8分目程度まで培養土を入れておきます。
2. それぞれに1粒ずつ、種のとがっている方を下に向けて、深さ2cmくらいまで土の中に差し込みましょう。
3. 種をまいた後は、種が流れないように優しく水やりをし、その後も毎日水を与えます。ジョウロを使う場合は細めの穴、シャワーヘッドを使う場合はミストにして水やりしましょう。

育苗用ビニールポットについて詳しく知りたい方はこちら

Step2. カボチャの苗をプランターへ植え付ける

葉が増え過ぎるとポット内で根詰まりを起こし、生育不良に陥ります。本葉が1枚出たタイミングで、ビニールポットから根鉢を崩さないようにそっと出して、プランターに植え付けましょう。複数株植える場合は、株間を50cn程度あけて植え付けます。

カボチャの苗を購入する場合

ポットでの育苗に自信がない場合は、園芸店などでカボチャの苗を購入しましょう。

カボチャの苗選びのポイント
・双葉が左右対称に開いている
・茎が太くしっかりしている
・苗がグラグラしていない

【カボチャの種まき方法2】簡単！プランターへ直接種をまく

カボチャは、直接プランターに種をまいて育てることもできます。プランターに直まきする場合は、間引きしながら元気な株に栄養を行き渡らせるようにします。

Step1. カボチャの種をプランターにまく

1. 直径5cmで深さ2cm程度の穴をあけ、カボチャの種を2〜3粒、とがった方を下に向けて土の中に押し込みます。複数株育てる場合は、種をまく穴の間隔を50cm程度に。
2. 種をまいた後は手で軽く鎮圧し、優しく水やりをします。

Step2. 本葉が2～3枚出たら1本立ちになるよう間引き

カボチャは種まきしてから1週間程度で発芽します。本葉が2～3枚出たら、一番元気な苗を1本だけ残し、ほかは間引きしましょう。

プランターでのカボチャの育て方｜支柱立て、人工授粉・収穫のタイミングなど

プランターへの水やりや人工授粉のコツ、カボチャを収穫するタイミングなど確認しておきましょう。カボチャのプランター栽培では光合成を促すため、摘心や摘果、わき芽かきは不要です。

Step1. 土の表面が乾いたらたっぷり水やり

カボチャは、土の表面が乾いたらたっぷり水やりをします。葉が大きく蒸散作用が激しいため、特に盛夏は水不足になりがちです。1日3回は水やりしましょう。

Step2. カボチャのつるが伸びたら？

【小型のカボチャ】つるをプランターから支柱＆ネットに誘引して空中栽培する

小さいサイズのカボチャでも、実の重さは収穫前になると0.5〜1kg程度になります。つるが伸び始めたら、ベランダの柵や太めの支柱にネットを取り付けて、麻ヒモなどで誘引し、ネットにつるを絡ませましょう。支柱を立てるときはぐらつかないように、とがっている方を下にしてプランターの底に付くまで深く挿します。

【大型のカボチャ】人工芝を使ってプランターの地這い栽培に挑戦！

大きなカボチャの実は3kgほどの重さになるため、空中栽培は困難です。プランター周りのスペースを広くとって地這い栽培に挑戦してみましょう！プランターの前に人工芝を敷き、カボチャのつるを這わせることで栽培できます。

Step3. カボチャの花が咲いたら人工授粉しよう

ほとんどの場合、カボチャの雄花が咲くと蜂などの虫がやってきて、自然に受粉し実がつきます。花粉を運んでくれる虫を見かけなかったり、実ができるか心配な場合は、ぜひ人工授粉にチャレンジしてみましょう！

カボチャの人工授粉の方法

1. カボチャは雄花が先行して咲いた後、雌花が咲きます。
2. 雌花が開花したらなるべく同じ日に咲いた雄花を切り取り、花粉を雌しべにこすり付けましょう。

カボチャの雄花と雌花の見分け方

雌花のと雄花を見分けるときは、花の下に注目します。丸い膨らみがあるほうが雌花、膨らみがない方が雄花です。

Step4. カボチャの実付きを良くするため週に1回追肥

カボチャの雄花が開花したら、週に一度、油かすを一握りプランターにまきます。油かすが株に直接触れないよう、プランターの縁を一周するようにまきましょう。

Step5. カボチャの収穫のタイミング

カボチャのヘタの部分がコルク状になったら、または葉が枯れ始めたら、ヘタの上の部分をはさみで切って収穫しましょう！

プランターから収穫したカボチャの追熟方法と種採り

すぐに食べないほうがカボチャが甘くなる!?上手な保存方法

収穫したカボチャは、風通しの良い日かげで保存すると、長く貯蔵できて追熟もします。寒くなるころまでそのまま保存しておくと、さらに甘いカボチャに！

カボチャの保存方法を詳しく知りたい方はこちら

次の栽培に使える＆おいしい！収穫したカボチャから種を採ろう

1. 取り出した種は水洗いして、天日干しをしましょう。
2. カボチャの種が乾燥したら、封筒やビンなどに入れて冷蔵庫で保管します。

カボチャの種の栄養や食べ方など、関連記事はこちら

カボチャのプランター栽培で起こりやすいトラブルと対策

カボチャのプランター栽培で、虫や病気の被害はそこまで多くありません。ただしプランターのサイズが合っていなかったり、土の水はけが良くないとカボチャの生長に影響を及ぼすことも。

カボチャの実が付かない

カボチャの生長には、根の広がり具合が重要です。プランターが小さく、根が十分に広げられないと栄養分を吸い上げられず、カボチャが実らないことも。ミニカボチャの栽培でも、75型のワイドプランターを選んでゆったり育てましょう。

うどんこ病にかかる

カボチャは土の水はけが悪かったり、長雨で過湿状態になると、古い葉からうどんこ病にかかりやすくなります。日照不足も一因なので、プランターの日当たりには十分注意しましょう。

カボチャの病気についての関連記事はこちら

葉がウリハムシに食べられる

カボチャやキュウリなど、ウリ科の野菜にはウリハムシが寄ってきます。穴だらけの葉は、ウリハムシが食べている可能性も。ウリハムシはどんどん増えていくので、見つけたらすぐに捕殺しましょう。

ウリハムシについての関連記事はこちら

カボチャの栽培が終わったら？プランターの土の片付け

栽培を終えたプランターの土は、しっかり乾燥させてから、ふるいにかけて細かい根やゴミを取り除きましょう。ふるった土に腐葉土を混ぜて土のう袋に入れ休ませておけば、翌年の春にまた野菜栽培ができる良い土になります。

ふるいや腐葉土、プランターの土の再生方法についてはこちら

おいしいカボチャをプランターで栽培しよう！

カボチャは病害虫の被害や間引きなどの手間が少ないため、初心者でも比較的簡単に栽培できます。長期保存しながら追熟できるのも魅力ですよね。ぜひお気に入りの品種を見つけて、カボチャのプランター栽培を楽しんでみてくださいね。