トマトを大きく育てるわき芽かきのコツ【小規模農家が実践する収量アップの秘訣】

トマト栽培を行ううえで欠かせない大事な作業が「わき芽かき」。そもそも「わき芽」とは?その見分け方や取り方、作業時に気を付けておくべきポイントについて、現役のトマト農家が解説します。


フルティカ

撮影:梶原 甲亮
トマト栽培を行ううえで欠かすことのできない大事な作業の1つが「わき芽かき」。わき芽をきちんと取り除くことで、トマトの実を大きくすることができます。

これからトマト栽培にチャレンジしたい方、あるいは、既にトマト栽培を始めている方に、トマトのわき芽かきの際に押さえておくべきポイントをお伝えします。

トマトのわき芽の見分け方とは

トマトわき芽強調
撮影:梶原 甲亮
そもそもわき芽は、トマトのどこに生えるかご存じですか?

写真のように、トマトの主枝と葉の間から生えてきます。主枝と葉の間=脇から生えてくるから「わき芽」ですね。主枝と対比して、わき芽のことを「側枝(そくし)」と呼ぶ場合もあります。

なぜわき芽を取る必要があるのか

トマトのわき芽をそのままにしておくと、本来は主枝の方に行くべき養分が、わき芽の生長のため余計に消費されてしまいます。養分が分散すると花に行く養分も少なくなり、全体が弱々しくなってしまいます。

実際にわき芽を放置すると、あらゆるわき芽がどんどん伸びてどれが主枝かわからず、収拾がつかない状態になってしまいます。もうトマトの収穫どころではなくなりますよね。
そうなってしまわないように、きちんとわき芽をかいて効率よく実に養分が送れるようにする必要があるのです。

トマトのわき芽をかく理由がわかったところで、実際にわき芽かきのポイントを解説します。

わき芽の取り方のポイント

ミニトマトの芽
出典:写真AC
わき芽は基本的に、生えてきたものを全て取り除くと考えた方が良いです。
ただし、私の圃場で行っているように、第1花房下のわき芽を伸ばして2本仕立てにする場合など例外もあります。

わき芽かきを行う際には押さえておくべきポイントがあります。

道具は「手」

わき芽をかく時にはハサミなどの道具は使わず、素手で行うのが一番良です。
ハサミを使うと、刃が傷口に直接触れることになるので、万が一病気に感染したトマトに使うとほかのトマトにも感染が広がってしまう場合があります。
一方、手だと傷口に触れずに折ることができるのでそのリスクを大幅に減らせます。

なお、トマトの樹液はアクが多く含まれており、作業していると手が緑色に染まってしまいます。作業時は手袋をすることをおすすめします。

晴天日に行う

わき芽かきは、できるだけ天気の良い日に行いましょう。
雨天時などに行うと傷口が乾きにくいため、そのぶん病気にかかりやすくなります。
晴天日でも早朝は朝露でトマトの樹が濡れている場合がありますので、露が乾いてから行った方が無難です。

花房下のわき芽を優先

トマトわき芽大小
撮影:梶原 甲亮
わき芽はほぼ全ての主枝と葉の間から生えてくるのですが、特に、花房のすぐ下のわき芽は優先して取り除きましょう
花房下のわき芽は養分の吸収力が高くて生長の勢いが強く、油断していると、主枝に追いつくばかりでなく余分な養分吸収によって主枝の花が弱々しくなってしまいます。

万が一作業中に主枝を折ってしまった場合でも、代わりに勢いのある花房下のわき芽を伸ばしてあげると、主枝と変わらないくらい生長していくので大丈夫です。

なるべく小さいうちに

わき芽は手でつまめる程度の大きさになってきたら、なるべく小さいうちに取り除いてください
余計な養分の消費を防げますし、傷口も小さくて済みます。

わき芽かきは毎日行えると理想的ですが、3日に1回程度のペースで作業できれば、わき芽が大きくならないでしょう。

きれいにわき芽をかいて傷を防ぐ

「わき芽を取り除くことができさえすれば、別にきれいに折れなくても良いじゃないか」と思うかもしれませんが、花房下のわき芽が一部残ってしまうと、大きく生長してきたトマトの実に傷をつけてしまう場合があります。
それを防ぐためにも、わき芽はなるべくきれいにかくように心がけてください。

私がわき芽かきの作業を行う時に実際行っている”きれいにわき芽をかくコツ”をお伝えします。

トマトのわき芽をかく前
撮影:梶原 甲亮
わき芽の根元を持ったら、葉の方向(下方向)に曲げてください。

トマトのわき芽を折る
撮影:梶原 甲亮
根元からきれいに折れ、傷口も滑らかですよね。乾くのも早いです。

私の経験上、このように葉のある下方向に折った方がきれいに折れます。また、折る時はなるべく根元に近いところをつまむとうまくいきます。
下方向ではなく横方向に折ると、わき芽の根元が少し残ってしまったりするケースが多いです。

わき芽かきは面倒でも大事な作業

フルティカ実
撮影:梶原 甲亮
3日に1回のペースでわき芽かきを行うのは、結構面倒ですよね。
「そんなに手がかけられないよ」という声も聞こえてきそうです。

でも、トマトの主枝や実に十分な養分を送るためにも、通気を良くするためにも、わき芽かきはとても大事な作業。
雨が多い時期だとわき芽かきのタイミングが難しく、やきもきすることも。晴天になるタイミングを見計らって一気に作業を行ってください。

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梶原 甲亮
梶原 甲亮

熊本県山都町在住。代々続く農家の7代目。九州大学法学部を卒業して熊本県庁に就職。子どもが生まれ、食への関心が高まると共に「安心安全な食べ物を届けたい」「農業を夢のある仕事にしたい」という想いでUターン。現在、3兄弟の父親として日々学びながら農業に取り組んでいます!

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