実質公債比率が全国1位(2014年)、合計特殊出生率2.03人(2014年)という実績から「奇跡の村」とも呼ばれ、全国各地から多くの自治体が視察にくるほどの注目を浴びる村です。
下條村の農業
村全体で防霜資材「フロストバスター」の実証試験にチャレンジ
そんななか、防霜資材「フロストバスター」の実証試験の話が、2018年に設立された日本食農連携機構の中部支部から下條村にもちかけられました。そこで、霜害に悩んでいた農家と村役場が連携して試してみることになったのです。「フロストバスター」は、関西大学発のベンチャー企業KUREi(カレイ)とアサヒクオリティーアンドイノベーションズが共同で開発した防霜資材。原料となっているのは、アサヒクオリティーアンドイノベーションズのグループ会社アサヒ飲料のコーヒードリンクの製造途中に出たコーヒー粕です。霜の降りる前に農作物に噴霧することで、霜の被害を防ぎます。
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下條村のこれまでの霜害状況
下條村は標高が高いうえに傾斜もあり、霜の道(※)に当たる場所も多数。そのため昔から霜害被害も少なくありませんでした。※霜の道とは、霜の被害を受けやすい場所。冷気が流れていく道筋に沿って霜が降りやすい性質があります。
約2年に1度は大きな被害が
冬の寒さ、昼夜の寒暖差は果樹にメリットもあるものの、降霜と降雹(こうひょう)は頭の痛い問題です。
農業の後継者が減りつつある昨今、農業従事者の負担や被害額を減らすことは喫緊の課題となっています。
下條村の霜害被害額
2019年は33回の霜注意報が出た下條村。たった30分の霜でも農作物へのダメージは大きく、畑によっては3割くらいの被害を出したところもあったそうです。下條村の果樹の被害はこれだけ出ています。
2019年 | 2018年 | 2017年 | 2016年 | 2013年 | |
被害面積(ha) | 3.0 | ー | 0.8 | ー | 35.0 |
被害額(千円) | 3,600 | ー | 1,700 | ー | 46,000 |
実証試験の実施農家【かおちゃん農園】
自分の圃場のことだけでなく、村全体の農家のことも考えていて、村役場にも「村としても対策を講じてほしい」と直談判したのだそう。そんな折り、村役場から「フロストバスター」の実証試験の話を受けたのです。
今までの霜対策は?
防霜ファンを設置
2019年の降霜では、いろいろ対策を講じてきたにもかかわらず梨の幸水に約2~3割の被害が出てしまいました。
霜予想が出たときは燃焼法で
そのほかにも薬をまくなど、試してみた対策はありましたが「これは効く」と実感できたものがなかったそう。
「フロストバスター」の効果は?
さらに、地域の農家が集まっての着花点検のとき、ほかの農家と比べても明らかに被害の大きさが違っていたこともわかりました。
「フロストバスター」を使った枝
「フロストバスター」未使用で被害が出た枝
今後も「フロストバスター」に期待!
実証実験の結果を写真に残し、それをもとにJAや村役場、ほかの農家にも「フロストバスター」のよさを伝えています。できるだけ農園にも招いてその効果を感じてもらうようにしているのだそう。
今後も串原さんは「フロストバスター」を積極的に使い、地域の農家に広めていきたいと意気込みを語ってくれました。
効果を出すためには
串原さんによると、エキスをまくのは霜の降りる前日午後1~3時(8~10℃以下にならないタイミング)がベスト。噴霧の時間が遅かった場合、効果が出ない可能性があるとのこと。2ha余りの圃場すべてにエキスをまくのは2日がかり、合計8時間ほどかかります。前日の霜予報を聞いてからではすべての樹にまくのは間に合いません。そのため「フロストバスター」には定着性も期待しているとの意見も。
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実証試験の実施農家【カネシゲ農園】
農業者が組織したグループ「新鮮組」の仲間同士で情報共有し、「フロストバスター」の実証試験に参加しました。
今までの霜対策は?
ところが近年遅霜がひどくなってきていて、2019年には梨が約8~9割も被害にあってしまいました。従来は、何かの作物に被害が出たとしてもほかの作物の収穫で収入は補填できていましたが、こんなことが続くなら栽培品目を見直さなければならないのでは、ということも考えていたのだそう。
梨の被害が4~5割程度に
霜の被害の大きかった梨でしたが、「フロストバスター」をまいた樹は被害が4~5割程度に抑えられ、効果を十分に感じられました。
新鮮組のほかの農家は効果が出たところと出なかったところがあったそうですが、よく聞くとその結果の違いはエキスをまくタイミングにあったようだということです。
「フロストバスター」の効果はあると言っていいのではないか、と古田さんは力強く話していました。
今後の霜対策は?
カネシゲ農園のように広い圃場では、エキスを全体にまくのは難しい話。そのため、「フロストバスター」は特に霜のたまりやすいところに限定して使っていきたいということでした。下條村としての今後の対策
今回の実証実験の結果を受けての考えなどを、下條村村長金田憲治さんにうかがいました。
下條村の農業の状況
ただ、専業農家はかなり減って兼業農家のほうが多い現状があり、さらにどこの農家も後継者不足に悩まされています。
その状況を変えるために、現在、下條村では「下條ブランド」の農産物を増やしていこうという動きも出ています。
農産物の品質均一化が課題
下條村ではふるさと納税の返礼品にも果樹を採用しているため、果樹を含めた農産物の安定した収穫は大切です。
個々の農家に対しては、果樹共済の加入をすすめて何かあった場合の補填対応はしていますが、必要なのは農家としても村全体としても安定した収入。そのため、実際に起きてしまってからの対応よりも予防に力を入れていきたいと村として考えているところです。
「フロストバスター」の効果に期待!
幸い、協力してくれる農家もあり村全体で実証試験を行ったのは10軒。かおちゃん農園、カネシゲ農園のように成果を出した農家もあり、今後への期待は大きいようです。試験データがもっと集まり、効果がはっきりしたら、村としても補助をすることも考えていけるだろう、と金田村長は語ってくれました。
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適用植物
・バラ科植物:リンゴ、梨、ビワ、桃、プルーンなど・カキノキ科植物:柿
使用方法
凍害、霜害が予想される月の1カ月前から使用。霜が予想される前日の散布が推奨されています。展着剤の使用有無は自由です。取材協力
かおちゃん農園(長野県)
口コミを大切にして、おいしいと言ってくれる人たちに販売しているとのこと。
カネシゲ農園(長野県)
りんご狩りも人気。
カネシゲ農園:https://www.kaneshige.jp/
下條村
昭和半ばから過疎化が進み人口もピーク時の約40%減少しましたが、平成に入ってから村役場を再編。住民の力を借りながら公共事業を実施して健全財政化と子育て支援を図りました。
その結果、実質公債比率は全国1位(2014年)、合計特殊出生率は2.03人(2014年)を達成。この実績から「奇跡の村」とも呼ばれ、全国各地から多くの自治体が視察にくるほどの注目を浴びています。移住者も少しずつ増えつつあります。
金田村長のもとへは農家さんも直接要望を届け、村役場のスタッフはどこに行っても住民に声をかけられるようなあたたかさにあふれる村です。
下條村:https://www.vill-shimojo.jp/
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<取材>小林 由弥
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