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今注目の防霜資材「フロストバスター」は関西大学とアサヒのコラボが生み出した!


3~5年に一度の頻度で大規模な被害が報告されている凍霜害。従来、ファン、スプリンクラーといった設備や被覆資材、焚火などの対策がなされていましたが、このたび新しい資材「フロストバスター」が開発されました。コーヒー粕を活用したというその資材の特徴や効果などを、開発者である霜害研究の第一人者、関西大学化学生命工学部の河原秀久教授にお聞きしました。

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3~5年に一度は大きな霜害が発生している!

霜が付いた植物
出典:PIXTA
明け方の急激な気温低下に伴って発生した霜が、花芽や葉の細胞を部分的に破壊して農作物に悪影響を与える”凍霜害”。日本国内では3~5年に一度の頻度で大規模な被害が報告されています。被害が報告されているのは、果樹(梨、リンゴ、桃、柿、梅など)、野菜から花きなど多岐に渡っており、生産者の所得低下や離農者の発生など、農業の持続性にさえ深刻な影響を与えています。
凍霜害の詳しい記事はこちら。

凍霜害に対して、農業界は手をこまねいているわけではありません。設備(ファン、スプリンクラー)が市販されているほか、不織布を掛ける、また夜を徹して焚火をするなどの対策が行われていることは、ご存じの通りです。しかしながら、設備にかかる価格や効果、それに労働生産性の問題もあり、どれも凍霜害に対する決定打と言えるものではないのが現状。安価で効果の高い防霜資材が求められているのです。そんな今、一人の霜害研究者が、注目すべき防霜資材を開発しました。

霜害研究の第一人者・河原秀久先生は関西大学に居た

関西大学化学生命工学部河原秀久教授
撮影:川島礼二郎
その防霜研究者とは、関西大学化学生命工学部の河原秀久教授です。その研究内容が人気テレビ番組「ガイアの夜明け」に取り上げられるなど、一般にも広く知られた霜害研究の第一人者です。岡山大学農学部で農芸化学を学んだ河原先生は、1991年に同大学大学院自然科学研究科博士課程を修了して博士号を取得。同年、関西大学助手に着任して研究者としての道を歩み始めました。

1998年8月からは、関西大学在外研究員としてカナダ・オンタリオ州 Waterloo大学生物学科に留学。Bernard R. Glick 教授のもとで、冷凍時の氷を制御する能力を持つ不凍タンパク質の研究を行いました。河原先生は帰国後も本研究を精力的に進めた結果、カイワレ大根から不凍タンパク質を発見。大手化学メーカーより冷凍加工食品品質保持剤として販売されています。

河原先生の研究を特別なものとしているのは、企業との共同研究を重視し、特許出願を前提に研究を進めている点です。常に研究の成果を工業化し、社会に還元させようとする、その姿勢にあります。それが今回、防霜資材「フロストバスター」として実ったのです。

詳しい製品情報はこちら

フロストバスター特設ページ

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防霜資材製品化への取り組み

限外ろ過装置
メルクミリポア(株)製の限外ろ過装置。コーヒーエキスの製造時に使用する
撮影:川島礼二郎
そんな河原先生が教鞭をとる関西大学発のベンチャー企業KUREi(カレイ)と飲料メーカーのアサヒとが共同で事業を開始する、というニュースリリースが2019年3月に発表されました。それが「コーヒーの副産物を有効活用し、農作物の凍霜害を抑止・低減~関西大学発ベンチャーKUREi(カレイ)社と提携し、共同で事業化を推進~」というものです。コーヒーの副産物を活用して凍霜害防止するとは、一体どのような物なのでしょうか? そこでAGRI PICKでは関西大学の河原先生を訪ね、この凍霜害を防ぐ技術について聞いてきました。

凍霜害を防ぐ「過冷却促進物質」とは?

氷結晶制御物質概要
提供:株式会社KUREi

「凍霜害を抑止・低減するために用いるのは、過冷却促進物質です。それを一言で表現すると『異物と認識させない物質』のことなんですよ。ヨウ化銀が核になることで雨粒ができることは一般的にも知られていますが、水が氷になる理屈もそれに似ているのです。実は水は必ずしも0℃で凍るわけではありません。例えば、一般に水が氷になるとき、一度、過冷却点温度と呼ばれるマイナス数℃にまで温度が下がると核形成が起きます。それから凍結が0℃で開始されます。この核形成によってできる物質を氷核と呼ぶのですが、この氷核になる異物はいろいろあります。空気中や水中の無機物や有機物(アミノ酸の一部など)、それと氷核活性細菌が生産する氷核タンパク質があります。この氷核活性細菌というのが、霜害を引き起こすのです」

「氷核活性細菌の細胞表層には粒状の物質が局在しているのですが、それを氷核活性物質と呼びます。この氷核形成を阻害すれば水溶液中で異物とみなされないので、過冷却温度(核形成温度)が低下する。この低下によって、水が凍結し始める温度を下げることができる、というわけなのです」

少し難しかったですが、わかった気がしました(笑)。氷を作ろうとする氷核ができるのを邪魔する、それが「過冷却促進物質」ですね。

「その通り! 過冷却促進物質というのは、抗氷核活性物質ともいうことができます」


天然成分で安心のコーヒー粕は循環社会の実現にも貢献

「これまでも人が合成した過冷却促進物質は存在していたのですが、それでは人が直接口にする農作物に適用するには心配があります。そこで天然物のなかに過冷却促進物質がないかと、実験を繰り返しました。そして2009年に見つけたのがコーヒー粕でした

なるほど、コーヒーならば元々口に入れるものですから、例えば果物や野菜の表面に残っていても安心ですね。

「そのうえ本来は捨てるはずのものを有効利用できるわけですから、持続可能な社会を目指そう、という現在の社会的潮流にも合致しています。効果的があるからと言って化石燃料由来の防霜資材を新規で作るのではなく、捨てられてゴミになる物を原料にすることで、循環型社会の実現に貢献できるのです」


飲料メーカーアサヒと提携し実用化へ

「ちょうどコーヒー粕から防霜資材に最適なエキスを抽出できるようになった2014年ごろに、飲料メーカーのアサヒから過冷却促進物質の有効利用について相談を受けました。その翌年となる2016年に関西大学が130周年を迎えて新研究センターが建つこともあり、大学発ベンチャーKUREi(カレイ)社を設立して、防霜資材の実用化に向けて動き出したんですよ」


コーヒー由来の防霜資材「フロストバスター」

防霜資材フロストバスター
撮影:AGRI PICK編集部
それではいよいよ、河原先生とアサヒが共同開発する防霜資材「フロストバスター」をご紹介しましょう。

多様な農作物に使える

「フロストバスター」は、果樹や茶、野菜類など、多様な農作物に使⽤できる液体状の防霜資材です。バラ科植物(リンゴ、梨、桃、プルーンなど)を中心に有効性が確認されています。

希釈した液体を散布して使用

原液を500倍に水で希釈して植物表面に散布して使用します。近年は気象情報の正確性が増しており霜害発生を予測しやすくなっています。霜害が予想される前日に散布すると、高い効果が期待できます。

フロストバスターの3つの特徴

導入が簡単

導入にあたって特別な設備は不要。手軽に使い始めることができます。

散布作業自体は簡単

「フロストバスター」は一般的な液肥と同様、液体で販売されます。これを500倍に水で希釈して散布しましょう。

天然素材で安心

原料が自然由来のコーヒー粕だから安心して使用できます。

詳しい製品情報はこちら

フロストバスター特設ページ

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実証試験の結果

実証試験の結果
提供:アサヒクオリティーアンドイノベーションズ
最後に「フロストバスター」の効果を詳しくご説明します。既に研究室での実験に加え、圃場での実証試験でも効果が確認できてきています。

圃場での試験結果も上々

原料となるコーヒー粕を手にする河原先生
原料となるコーヒー粕を手にする河原先生
撮影:川島礼二郎
最後に河原先生が、最新情報を教えて下さいました。

「2019年からはいよいよ、1府4県の約30の生産者さんの協力を得て、12作物(茶、果樹、野菜)で試験を実施しています。
生産者の方ならば記憶にあるかも知れませんが、2019年は4月28日と5月8日の2回、全国的に低温に見舞われ、各地で霜害が発生しましたよね。それでも、「フロストバスター」を適用していた作物は多くの場合で効果を発揮して、霜害を防ぐことができたんですよ。実験室と試験場では文句なしの結果でしたから当然といえばその通りなのですが、実際に生産者さんの作物を霜害から守ることができたと知ったときはホッとしました」

実際の圃場での試験結果で優れた効果を発揮したことから、KUREiとアサヒは正式に商品化し、2020年から長野県を中心に試験販売を開始しました。

試験販売実施中!晩霜害対策に備えよう

本格発売に先駆け、「フロストバスター」の試験販売がスタートしています。お問い合わせ、お申し込みはこちらから。

取材協力

株式会社KUREi(カレイ)

http://www.kurei.co.jp/

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販売者:アサヒクオリティーアンドイノベーションズ株式会社

アサヒクオリティーアンドイノベーションズロゴ

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<取材>川島礼二郎

Sponsored by アサヒクオリティーアンドイノベーションズ株式会社

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