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主な野菜の反収一覧|生産性を上げるポイントも


反収とは1反当たりの収量のことです。主な野菜一覧のほか、にんにく、サツマイモ、ブロッコリー、ほうれん草、ネギなど新規就農者でも栽培しやすい野菜や、キュウリやトマトなど施設野菜の反収についてもお伝えします。

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神山 朋香

大学卒業後、地方公務員として消費者教育や労働福祉の普及事業に従事した後、AGRI PICK編集部に。AGRI PICKでは、新規就農に役立つ情報などを執筆しています。…続きを読む

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ニンニク

出典:写真AC
農業で稼ぐためには、収量を増やした方が良いのは当然ですが、平均の収量はどのくらいなのでしょうか?一つの目安に反収があります。ここでは、反収の意味や基準、主な野菜の反収一覧などをお伝えします。

反収とは?|約10a当たりの収量

稲
出典:写真AC

反収とは

反収とは、1反(約991.74平方メートル・約10a)当たりの収量のことです。「反」は日本で昔から使われてきた尺貫法という単位のしくみによるもので、戦後、法律により廃止されましたが、現在でも農業の現場では反収という言葉が日常的に使われています。

反収の計算方法と「収量」の考え方

反収の計算方法は「収量÷耕作面積」で、一反あたりの収量を求めます。

収量は、植物の中で収穫利用する部分の量を意味します。植物のどの部分までを「収量」にするのかは作物の種類によって異なり、農林水産省が行っている作物統計では、その基準が「収量基準」として定められています。例えば、農林水産省が公表した「作物統計調査 令和3年産水陸稲の収穫量」によると、収量は「1.70mmのふるい目幅で選別された玄米の重量」との基準が示されています。

「反収」と「単収」の違いは?

同じ読み方の「単収」という言葉は、ある単位あたりの収量を示しています。例えば、ha当たりなど、どの広さに対する収量なのかが別に示されます。

主な反収は?野菜・米の一覧をチェック|1反あたりの収益を計算

ニンジン畑
出典:写真AC
それでは、主な野菜と米の反収を見ていきましょう。
品目選びには収量だけでなく収益も重要です。そのため、農林水産省の作物統計の「10a当たりの収量」に、青果物卸売市場調査の「1kg当たりの卸売価格」・水稲については米の相対取引価格を参照し、1反当たりの収益も計算してみました。(※データはいずれも令和2年のものを使用しています。)
品目反収(10a当たりの収量)(kg)1kg当たりの卸売価格(円)収益(円)
はくさい5,38077414,260
だいこん4,21084353,640
にんじん3,490140488,600
かぶ2,520136342,720
ごぼう1,730227392,710
みずな1,610337542,570
れんこん1,400507709,800
水稲531252133,812
作表:AGRI PICK編集部
収量は少なくても、卸売価格の高いれんこんは、収益性が高いことがわかります。

れんこん農家についてはこちら


新規就農者が取り組みやすい露地野菜|にんにく・ブロッコリー・サツマイモ・ほうれん草・ネギの反収をチェック!

ブロッコリー畑
出典:写真AC
新規就農者でもチャレンジしやすい露地野菜の反収を見ていきましょう。サツマイモやネギは収量が多く収益があがりますが、にんにくは反収が少なくても卸売価格が高く収益率が良いことがわかります。
品目反収(10a当たりの収量)(kg)1kg当たりの卸売価格(円)収益(円)
サツマイモ(かんしょ)2,080256532,480
ネギ2,010384771,840
ほうれん草1,090525572,250
ブロッコリー1,050364382,200
にんにく838840703,920
作表:AGRI PICK編集部

ニンニクとほうれん草の栽培方法はこちら


新規就農者に人気の施設野菜|キュウリ・トマト・ピーマンは反収が多い!

ハウス栽培のキュウリ
出典:写真AC
新規就農者に人気があり、ハウスで育てられることが多い野菜の反収を見ていきましょう。ハウスを導入するため初期投資はかかりますが、収量も収益も露地栽培野菜と比較して多くなっています。なお、農林水産省が作況調査で指定する41品目の野菜のうち、収量が最も多いのがトマトで、きゅうりは4位、ピーマンは6位となっています。
品目反収(10a当たりの収量)(kg)1kg当たりの卸売価格(円)収益(円)
トマト6,1903412,110,790
きゅうり5,3403301,762,200
ピーマン4,5205152,327,800
作表:AGRI PICK編集部

トマト農家についてはこちら


ピーマン栽培の就農体験談はこちら


反収を上げる3つのポイント

野菜を持った女性
出典:写真AC
ここまで見てきた反収は全国平均のデータですが、それぞれの土地での収量には開きがあります。十分な施肥や適切な管理のもとで栽培されたときに得られる収量を「収量ポテンシャル」と呼ぶことがあります。収量を上げるポイントを考えてみましょう。


気象災害をできるだけ避ける

収量の差異の原因の一つには、気象による影響があげられます。日照時間や気温など、それぞれの地域の条件や災害により避けられないものも多くあります。季節や年により、冷害、干害、霜害などの被害が発生することがありますが、気象災害を避けるための品種の選択や栽培スケジュールの策定は収量の増加につながります。

霜害についてはこちら


適切な作付けを行い、土壌の生産性を維持する

水持ちの良さやpH、窒素の量などの土壌の力は作物の生産に大きな影響を及ぼします。特に気をつけたいのが、同じ種類の作物を同じ畑に続けて栽培したときに起こる連作障害です。病原菌や病害虫のセンチュウの増加などを原因として、生育や収量、品質などが低下します。連作障害が起こらないような作付けを行っていくことが大切です。

連作障害についてはこちら


土地の条件に適した品種の選定、栽培技術の向上

作物の収量は、肥料や農薬、機械などの発展や品種改良によって向上してきました。一方で、土地の条件に合わないにもかかわらず、高価格で販売できる品種を栽培するケースも見られます。品種の特性に合わない土地での作付けは、品種の持つ良さを十分に引き出せないこともあるほか、収量が少なくなることもあります。適切な品種の選定をし、そのうえで品質の良い作物を栽培できるよう、優れた栽培技術を地域で共有するなどの方法を検討しましょう。

プロ生産者向けのジャガイモの品種はこちら


単価を上げるため栽培技術を磨いてきた生産者の事例


限られた農地を最大限に活用するために

玉ねぎを収穫する手
出典:写真AC
日本の国土は森林が70%を占め、農用地の割合はわずか13%にとどまっています。その限られた農地で、農業に関わる多くの人の努力の上に反収は増加してきました。これからも土地の力が十分に生かされて品質の良い農産物が生産されれば、消費者の食卓は豊かなものになるでしょう。一方、収量が少なくても大きな収益を上げられる作物もあります。反収は一つの指標ですが、農業経営を行ううえで欠かせないものであることに違いありません。

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