目次
新しく誕生した防霜資材「フロストバスター」を用いた実証試験結果をもとに、農家の霜害の状況や防霜対策について紹介します。
初夏や晩秋に起こりやすい霜害は、農家への被害が深刻
霜害は、初夏や晩秋のよく晴れた日に発生します。夕方ごろの湿度が高く、風の弱い日は要注意。移動性高気圧に覆われて日中に温められた空気は、夜になって雲のない上空へ逃げていき、明け方に放射冷却が起こります。作物が異常な低温状態になることで、細胞内外の水分が凍結して壊死に至る深刻な被害につながります。晩秋に起こる初霜や、特に4〜5月の初夏のころの遅霜は、作物の萌芽(ほうが)や開花時期に当たる場合が多く、最も注意が必要な時期でもあります。
農林水産省の調査では、2013年4月以降の低温による農業被害額は全国で74億円に達したと報告されています(※1)。また、2021年春には、山形県(※2)や福島県(※3)の果樹にも霜害による損害が発生しており、効果的な対策が急務となっています。
参考:(※1)農林水産省「平成25年4月以降の低温による被害状況等について」
(※2)山形県「今春の凍霜害・雹害に係る農業被害対策について」
(※3)河北新報「福島特産モモに凍霜害拡大 被害額過去2番目の10億円」
気象予報士が解説!遅霜とは
従来の霜対策には課題も多い
霜害には、いくつかの対処法があります。・燃焼法
・送風法
・散水氷結法
・被覆法 など
燃焼法は近隣のほ場との距離が近過ぎるとトラブルになる場合や、深夜の時間帯に作業するため手間や労力の負担が大きいなどのデメリットも。霜害対策には防霜ファンやスプリンクラーの使用が一般的ですが、昨今は燃料費の高騰などによる必要経費のコストアップに頭を悩ませる農家も少なくありません。
霜害について詳しくはこちら
新しい防霜資材「フロストバスター」が誕生!現在、全国で実証試験を実施
従来の防霜対策では手間や労力の点でデメリットになっているもの、コスト面や効果などについて課題の残るものなども見受けられます。そんななか、注目を集めているのが2018年から実証試験が行われている「フロストバスター」です。コーヒー粕からエキスを抽出して作られる新しい防霜資材で、販売元のアサヒクオリティーアンドイノベーションズの関連企業であるアサヒ飲料が、缶コーヒーを作る過程で大量に排出される副産物を再利用しています。人の口に入っても害はなく、安心して使用できることも特徴のひとつです。
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コーヒー粕が霜害抑制に効果を発揮するのはなぜ?詳しくはこちら
2021年春には、お茶や果樹、野菜に対する「フロストバスター」の防霜効果の実証試験が全国82カ所で実施されました。コーヒー粕から抽出されたエキスを500倍に希釈して、直接散布するだけで防霜対策ができるという「フロストバスター」。実際にどの程度の効果を発揮したのでしょうか。従来の対策方法とくらべて手間や労力はどれほど違うのかなど、実証試験に参加した宮崎県の永友製茶さんに話を聞きました。
宮崎県屈指のお茶の産地、川南町の霜害状況と従来の対策とは
宮崎県川南町はお茶の栽培の盛んな地域。昼間は暖かく夜は冷え込む適度な寒暖差がおいしいお茶を育てます。年間を通して温暖な気候ですが、この地でお茶と大根を栽培している永友製茶 永友辰樹さんは、数年に一度は大きな霜害が発生すると言います。永友製茶さんのお茶畑の場所は海に近い平坦地や山間部など、町内に点在しているため栽培環境はそれぞれに異なります。霜害対策には防霜ファンとスプリンクラーを使用していますが、7年前に拡大した山間部の畑には灌水設備がありません。一番茶が全滅した畑では防霜ファンのみを使用していました。
「フロストバスター」実証試験に参加したきっかけは?
2020年、一番茶に被害が出た永友さんの畑は、山の中腹に位置していて西側に傾斜があります。北側に川が流れていることもあってか特に冷え込みやすく、常時防霜ファンを回しておく必要があります。この畑だけでも光熱費は毎月10万円程度かかっているとのこと。防霜ファン以外にどのように対策するのがいいのか、わからない状態だったと言います。永友さんは、生産組合の先輩から新しい防霜資材「フロストバスター」の実証試験の話を聞きました。
「フロストバスター」実証試験の方法
散布日 | 2021年3月22日 |
散布作物 | お茶(さえみどり) |
散布方法 | 500倍に希釈したものを乗用機械に積載して散布 |
散布面積 | 30a |
作業時間 | 約40分 |
散布回数 | 1回 |
灌水設備のある畑では「フロストバスター」をスプリンクラーに混入させて散布できればもっと簡単にできるのではないか、と永友さん。ただし、アサヒクオリティーアンドイノベーションズでは、スプリンクラーによる散布では効果が発揮できないとして推奨していません。
実証試験では、霜害に対するフロストバスターの成果を実感
2021年3月22日に「フロストバスター」を散布し、3月25日に散布区と無散布区を観測した結果がこちらです。フロストバスター散布区 | フロストバスター無散布区 | ||
評価基準 | % | 評価基準 | % |
A:障害なし | 18.6 | A:障害なし | 4.3 |
B:障害あり | 81.4 | B:障害あり | 15.7 |
C:枯死 | 0 | C:枯死 | 80.0 |
今回紹介した宮崎県のお茶農家 永友さん以外に、青森県のりんご農家での実証試験でも明らかな成果が見られました。りんごの安全限界温度−2.1℃以下の低温に3時間以上さらされても、「フロストバスター」散布により被害を回避する事例が報告されています。
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青森県のりんご農家での実証試験結果についてはこちら
2022年シーズンは、フロストバスター散布区拡大に意欲
実証試験では確かな手応えを感じたと話す永友さん。「フロストバスター」散布によって一番茶の芽の芯部分が守られたことで、その後の二番茶にも著しい生長が見られたとの報告がありました。今回の試験では、限られた面積でもっとも被害が出やすい日にピンポイントで散布しました。この1回で効果を確信した永友さんは、来シーズンへの資材導入も前向きに検討しています。
「フロストバスター」は、芽が伸長する前から低温が来るたびに散布するのが効果的です。お茶は一番茶の売上がその年の収入額に大きく影響すると言います。永友さんも一番茶の収穫量を確保するために、2022年度は芽が伸長する前の寒さの厳しい1〜2月のころから「フロストバスター」を使用してみたいと話してくれました。永友さんの近隣のお茶農家では、すでに「フロストバスター」を使用しているところが3軒あり、情報交換も行っているそうです。
「フロストバスター」の販売情報をチェック
「フロストバスター」は2020年に販売開始され、りんごなどバラ科の花芽のほか、茶などの霜害対策に効果が期待できるエキスです。詳細をチェックして問い合わせてみてはいかがでしょうか。詳しい製品情報はこちら
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適用植物
・バラ科植物:リンゴ、梨、ビワ、桃、プルーンなど・カキノキ科植物:柿
・ツバキ科植物:茶
使用量の目安
メーカー推奨の使用量は10a当たり250L。500倍希釈で使用します。使用方法
霜が予想される前日の散布が推奨されています。展着剤の使用有無は自由です。取材協力
永友製茶|〒889-1301 宮崎県児湯郡川南町大字川南4540
お茶の栽培と畜産がさかんな宮崎県川南町で、お茶(7.4ha)と大根(2.5ha)を育てる永友製茶。標高300mに位置する山間部のほ場からは、雄大な太平洋が一望できます。お茶はさえみどり、やぶきた、かなやみどり、さやまかおり、ゆたかみどり、くらさわの6品種を市場出荷しています。お問い合わせ
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