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11月に植えるおすすめの野菜5選|苗を越冬させて翌春に収穫!栽培のコツもプロがアドバイス


11月に、種まきや苗を植えることができる野菜の種類を紹介!冬越し方法など、それぞれの野菜の栽培ポイントも菜園のプロが解説します。また11月にプランターで栽培できる野菜のおすすめや、前後月の10月と12月に定植できる野菜の種類もピックアップ!

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福田 俊 監修者

菜園家・ブルーベリー研究家

福田 俊

東京農工大学農学部農学科卒。「どうすればおいしい野菜がたくさん採れるか」「いかにラクで楽しい野菜づくりができるか」を追求し、「フクダ流」自然農的有機栽培を実践。16平米という限られたスペースの市民農園で、年間50品目以上の野菜を有機・無農薬で栽培しています。監修を務めた家庭菜園誌や著書も多数。 ■関連サイト HP:http://www.fukuberry.com/ Youtube:https://www.youtube.com/user/f104ryo Instagram:https://www.instagram.com/fukuberry104/?hl=ja Twitter:https://twitter.com/29da104 facebook:https://www.facebook.com/toshi.fukuda.73 ■著書:『市民農園1区画で年間50品目の野菜を育てる本』(学研プラス)、『フクダ流家庭菜園術』(誠文堂新光社)、『福田さんのラクラク大収穫!野菜づくり』(学研パブリッシング)…続きを読む

Avatar photo ライター
AGRI PICK 編集部

AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む

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植え付けられたエンドウの苗

出典:写真AC
冬の足音が聞こえはじめる11月。日中はまだ過ごしやすい気温ですが、朝晩の冷え込みには注意が必要です。種まきや苗の植え付けをしたら、本格的な冬に備えて十分な防寒対策をしましょう。
この記事では、11月に栽培をスタートできる野菜の種類を紹介します。おすすめは、エンドウやキャベツ、ホウレンソウ、ニンジンなど。それぞれの野菜の栽培ポイントも、家庭菜園のプロに聞きました!

11月に植える野菜の特徴・栽培の注意点とは?

霜よけの寒冷紗
出典:写真AC
11月から栽培を始められる野菜の特徴は、寒さに強いということ。秋~初冬に栽培をスタートし、翌春に収穫する「冬越し野菜」がこの時期におすすめです。
福田先生
福田先生
寒さに強い野菜でも、できるだけビニールトンネルや不織布などで霜よけするようにしましょう!

11月に「植え付け」スタート!おすすめの野菜

タマネギ

タマネギ
画像提供:福田俊

特徴

9月に種まきし、育った苗を11月に植え、冬越しさせて春に収穫します。タマネギは15cm間隔の5条植えにしますが、穴が5つずつあいた「穴あきマルチ 9515」を使用すると、手間なく植え付けられます。

栽培のコツ

タマネギは寒さに強い野菜ですが、厳寒期はポリトンネルで防寒しましょう。寒さによる生育不良を防ぎ、できの良いタマネギに育ちます。また、よく太らせるためには、1月と2月に追肥することも重要です。
福田先生
福田先生
追肥する際、一緒にキチン質酢(※)を散布すると、タマネギがかかりやすいさび病の予防になります。

※キチン質酢
お酢300mlにカニ殻(またはエビ殻)30gを入れて10日ほど漬け、カニ殻のキチン質が溶け出た液を100倍に薄めたもの。一度作れば数年もちます。カニ殻は市販のものを使うと便利です。


収穫時期

3〜5月

福田先生おすすめの品種

フォーカス

3月に収穫できる極早生品種。トウ立ちや分球の発生が少なく、よくそろったタマネギが収穫できます。

内容量2ml

アトン

肥大性に優れた中生種です。家庭菜園でも、丸くて大きなタマネギが収穫できます。辛味の少ないジューシーな味わいも魅力!

内容量2.7ml

新きぬ 和(なごみ)

貯蔵性に優れた中晩生種。べと病にかかりにくく、300~350gのタマネギがたくさん収穫できます。

内容量4.5ml

ももえ

こちらも、長期の保存ができる中晩生種です。よく太り、350gほどのタマネギが収穫できます。味は甘みが強いのが特徴。

内容量約300粒

タマネギの詳しい栽培方法はこちらの記事で!


キャベツ

収穫したキャベツ
画像提供:福田俊

特徴

キャベツには春まきや夏まき、秋まきに適したものなど、さまざまな品種があります。11月の定植には、10〜11月に種まきができる秋まき品種を選びましょう。秋まきのキャベツは、春まきキャベツより、短期間で良品が採れるのが魅力です。

栽培のコツ

苗の植え付けは、幅70cmの畝(うね)に45cm間隔で、1条植えにします。
福田先生
福田先生
ビニールトンネルをかけて防寒すると、良くできますよ。

収穫時期

5月初旬

福田先生おすすめの品種

おすすめの品種は「新若夏」。晩秋に種まきをして越冬させ、春の新キャベツが終わったころに収穫の時期を迎えます。雨に強く育てやすい品種です。

キャベツの詳しい栽培方法はこちらの記事で!


エンドウ

収穫したスナップエンドウ
画像提供:福田俊

特徴

エンドウには、未熟なうちに収穫して食べる「サヤエンドウ」と、豆だけを食べる「実エンドウ」、豆が大きくサヤごと食べられる「スナップエンドウ」の3種類があります。

栽培のコツ

エンドウの苗は、伸び過ぎなければ耐寒性がありますが、霜よけをすると良いできになります。越冬した苗は、春になると生長が早くなるため、4月には支柱を設置しましょう。支柱の高さは、矮性(わいせい)品種で1.5m、普通品種で2mぐらいが必要です。
エンドウを育てるときは栽培スペースをたっぷりとり、畝の中央に1列だけ植えます。株間は品種により異なるため、種袋の記載に従いましょう。
福田先生
福田先生
豆類は肥料がなくても十分育ちます。エンドウも、肥料は不要か少なめで大丈夫ですよ。

収穫時期

4~5月初旬

福田先生おすすめの品種

スジナイン

「スジナイン」はその名の通り、スジがないのが最大の特徴!スジ取りの手間がなく、甘くておいしいサヤエンドウが食べられます。

内容量20ml

久留米豊(くるめゆたか)

甘みの強い、大きな豆が採れる「実エンドウ」。耐寒性に優れ、生育も旺盛なので栽培しやすい品種です。

内容量18ml

まごゆたか

1.2m程度の草丈になる豊産種です。大粒の豆がぎっしりと詰まった、長めのサヤがたくさん採れます。

内容量約20粒

ニムラサラダスナップ

サッと茹でるだけで、丸ごと食べられるスナップエンドウ。関東以北の地域では1mほど、暖地では1.8m程度に育つ矮性品種です。

内容小袋

スナップエンドウの詳しい栽培方法はこちらの記事で!


ソラマメ

ソラマメ
画像提供:福田俊

特徴

初夏の味覚のソラマメですが、栽培は秋にスタート!エンドウと同じように苗の状態で越冬させ、5月に収穫します。越冬環境も同様で、ビニールトンネルで霜よけしたほうが安心です。

栽培のコツ

幅70cmの畝の中央に、30cmの株間で1列植えにします。ソラマメは、必ずアブラムシがつくので早めに退治しましょう。
福田先生
福田先生
苗が大きくなっても、支柱を立てる必要はありません。ひもを横渡しにして支える程度で十分です。

収穫時期

5月

福田先生おすすめの品種

大天(だいてん)

極大粒で、ボリュームのある豆が採れる品種です。草勢が強く、たくさん収穫できるのも魅力。

内容量23粒

ファーべ

イタリア野菜の「ファーベ」はやや小ぶりですが、1サヤに5~7粒とたくさんの豆ができます。収穫直後であれば生食も可能です。

内容量10粒

初姫(はつひめ)

サヤは緑色ですが、なんと中の豆が赤い「初姫」。食感はホクホクとした粉質で、コクのある味が楽しめます。

内容量23粒

ソラマメの詳しい栽培方法はこちらの記事で!


11月に「種まき」する!おすすめの野菜

ニンジン

収穫したニンジン
画像提供:福田俊

特徴

ニンジンの種まきは、春・夏・秋の年3回が可能です。11月は秋まきのタイミングで、種をまいたらビニールトンネルで霜よけをして越冬させます。

栽培のコツ

幅70cmの畝に「穴あきマルチ 9515」を張り、1穴に3粒ずつ種をまきます。ニンジンの種が発芽するには光が必要なため、土は薄くかけるようにしましょう。苗は翌年の2月ごろ間引き、1本だけ残します。
福田先生
福田先生
ニンジンの種をまく前に、土づくりをします。1平方メートルあたり、ぼかし肥料300gと草木灰100gを入れてよくすき込み、畝を立てましょう。

収穫時期

4月下旬~5月

福田先生おすすめの品種

ベーターリッチ

健康に良い「ベータカロチン」を豊富に含む、色鮮やかなニンジンです。甘みが強く、臭みのない味なので、ジュースやサラダにもぴったり。耐病性があり、生育も旺盛なため初心者でも育てやすい品種です。


 

内容量約350粒

向陽二号

春作・夏作が可能な、晩抽性と耐暑性に優れた品種。暖地では11月に種まきすると、翌年の4~5月初旬に収穫ができます。

内容量約200粒

Dr.カロテン5

芯まで濃いオレンジ色で、甘い味が楽しめるニンジン。草勢が強く、とても作りやすい品種です。

内容量約700粒

ニンジンの詳しい栽培方法はこちらの記事で!

福田先生
福田先生
ニンジンのほか、苗植えのおすすめで紹介したキャベツとエンドウ、ソラマメも11月に種まきできますよ。

11月にプランターで栽培できる野菜は?

ホウレンソウのプランター栽培
出典:写真AC
11月からプランターで栽培を始めるなら、ホウレンソウがおすすめです。寒さには強いのでとくに防寒は不要ですが、軒下など霜よけができる場所のほうが育ちは良くなります。
水やりは、土が乾いたらたっぷりと。一緒にハイポネックスなどの液肥を与えると良く育ちます。
福田先生
福田先生
この時期は、ホウレンソウのほか、コマツナなどのアブラナ科も生育します。ただし、アブラナ科の野菜は春にとう立ちするので、それまでに収穫するようにしましょう。

ホウレンソウとコマツナの詳しい栽培方法は、こちらの記事で!


10月と12月に植え付け・種まきができる野菜の種類

イチゴの苗
出典:写真AC
11月前後、10月と12月に栽培をスタートできる主な野菜を紹介します。菜園スペースを有効活用するために、栽培計画を立てておきましょう!

10月に植えるおすすめの野菜

イチゴ

プランター栽培のイチゴ
画像提供:福田俊
秋に苗を植えて越冬させ、翌年の5月に収穫します。イチゴは、大粒のものや四季なりのものなど品種が豊富で、プランターでも育てられるのが魅力。収穫後にランナーから子株を吹かせて、翌年の苗を作ることも可能です。

ニンニク

収穫したニンニク
画像提供:福田俊
ニンニクの栽培期間は150日ほど。秋に種球を定植し、翌年の初夏に収穫します。大きなニンニクに育てるためには、芽かきと追肥が重要です。

レタス

マノアレタス
画像提供:福田俊
レタスは春まきと秋まきが可能。秋まきは9月に種まきし、10月に苗を植え付けます。収穫は12月~翌年の1月です。

長ネギ

収穫した長ネギ
画像提供:福田俊
長ネギ(白ネギ・根深ネギ)は春まきのほか、秋まきも可能です。秋まきの場合、苗のまま越冬させて翌年の春に定植し、さらに夏を経て晩秋に収穫します。

カブ

収穫したカブ
画像提供:福田俊
カブも、春まきと秋まきができる野菜です。秋まきは9~10月に種をまき、12月~翌年の2月に収穫します。寒さで生育が悪くなる場合があるので、厳寒期にはビニールトンネルで防寒すると安心です。

12月に植えるおすすめの野菜

春どりダイコン

収穫したダイコン
画像提供:福田俊
ダイコンの種まきのタイミングは、春・秋・冬の年3回。12月に種まきする場合、晩抽性で4月に収穫できる品種を選びましょう。種まき後は不織布をベタがけし、さらにビニールトンネルで冬の低温から守ることが大切です。

ニンジン

収穫したニンジン
出典:写真AC
ニンジンも、春まきダイコンと同じように、しっかりと防寒すれば12月の種まきも可能です。春まき・夏まきよりも栽培期間は長くなり、収穫までに6カ月ほどかかります。

11月からの野菜栽培は、寒さ対策が成功のカギ!

キャベツの苗
出典:写真AC
11月から野菜を栽培する場合、苗を越冬させなければなりません。せっかく定植しても、霜や冬の低温に当たってしまうと傷んだり、枯れたりしてしまいます。寒さによる害を受けないように、ポリトンネルや不織布などで苗をしっかりと守りましょう!

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