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傷みやすいトマトの正しい保存方法とは
トマトを生で保存する方法は「常温」「冷蔵」「冷凍」の3種類です。トマトソースやトマトの水煮、ドライトマト、オイル漬けなど、調理・加工して保存する方法もあります。家庭菜園などではよく雨風に当たって青いトマトのまま落ちてしまうこともありますが、熟す前のトマトも常温で置いておけば追熟します。追熟させた後はそのまま保存できますよ。トマトを常温で保存できる場合とは
青いトマトは常温で追熟して保存
青いトマトは実だけのままでも常温で保存しておくと、赤色味が増して、追熟が進みます。追熟させる場合はヘタを下にして、ポリ袋や保存容器に入れて、しっかり密閉させて保存するのがポイントです。気温が15度を超えると腐敗しやすくなるので注意しましょう。冬場は常温保存できる
気温が10℃以下になるような低温の場合は常温でも保存できます。すでに完熟した赤いトマトは常温で保存するとすぐに腐ってしまうので、気温が10℃を超えるなら、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。保存期間
常温であれば、青いトマトは3~5日、赤いトマトなら3日は保存できます。冬場なら最大1週間保存できます。野菜保存ケースがあると便利
トマトの冷蔵保存方法・保存期間(1)丸ごとの場合
切っていないまるごとのトマトを冷蔵庫で保存する方法とその保存期間を解説します。ひと手間加えるだけで、保存期間が延びるので、ぜひお試しください。手順1:ヘタを下にしてキッチンペーパーにくるみ、ポリ袋に入れる
冷蔵庫に入れる前に、ヘタを下にして、トマトをポリ袋に入れましょう。身が柔らかいお尻側を下にすると、トマトの重みで身崩れの原因になります。またトマトがトマト同士、もしくは他の食品と触れ合わないようにしましょう。触れ合った部分から傷むのを防ぐためです。トマトから出る水分で袋内が蒸れてしまうのを防ぐために、ポリ袋の口は固く締めずに、軽く締めます。手順2:冷蔵庫の野菜室に保存する
ポリ袋に入れたら、冷蔵庫の野菜室で保存します。5〜10度の野菜室がトマトにとって適温です。冷蔵室は0〜5度なので、冷えすぎてトマトが低温障害を起こしかねません。低温障害を起こすと、実がぶよぶよに柔らかくなり、食感が損なわれます。おいしく保存するには野菜室が最適です。保存期間:1週間が目安
カットしてないトマトは、上記の手順で野菜室に入れておけば、1週間ほど保存できます。ポリ袋に入れなかった場合、トマト内の水分が減りシナシナになってしまいます。ポリ袋は大量買いが吉
野菜が驚くほど長持ち
トマトの冷蔵保存方法・保存期間(2)カットした場合
カットしたトマトを冷蔵庫で保存する方法とその保存期間を解説します。カットすると、傷みやすくなるので、保存方法と保存期間には特に注意しましょう。手順:カット面をラップにくるんで冷蔵庫へ
カットしたトマトはカット面が空気に触れないようにラップで包んで、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。ラップで包むのは、空気に触れて乾燥してしまうのを防ぐためです。密閉袋やプラスチック容器など、密閉性の高い容器でも代用できます。保存期間:1〜2日が目安
まるごとのトマトに比べて、カットしたものは鮮度が落ちやすいです。そのため、1〜2日で食べきってしまうのがいいでしょう。すぐに食べきる予定がないのなら、カットしないのがおすすめです。プラスチック製の保存容器は冷凍できるタイプを選んで
トマトの冷凍保存方法や保存期間
カットしたトマトを冷凍保存する方法とその保存期間を解説します。冷凍であれば、カットしたトマトでも、冷蔵庫より長もちです。解凍する手間を省けるテクニックも併せて紹介します。方法1:トマト丸ごと冷凍する場合
トマトをまるごと冷凍保存する前に、ヘタを切り落としておきましょう。凍ったままでもすぐに調理できるようにするためです。水で洗い、水気を拭き取ったら、ヘタがあった面を下にして、密閉袋または金属トレイに入れて、冷凍します。青いトマトを冷凍すると、追熟しないので、赤く熟れてから、冷凍しましょう。冷凍したトマトは湯むきしなくても皮がツルンと向けて楽チンです。方法2:トマトをカットしてから冷凍する場合
トマトをカットしたら、密閉袋や金属トレイに平らに入れましょう。凍ったトマトを、使う分だけ折って使えるようにするためです。トマトの種やゼリー部分には栄養素が詰まっているので、カットしたときに捨ててしまわないように気をつけてくださいね。保存期間:1カ月が目安
まるごとのトマトもカットしたトマトも、冷凍すれば1カ月ほど保ちます。ほかの野菜に比べ、水分が多く霜がおりやすいので、早めに食べるのがおすすめです。密閉袋で保存する際は、保存した日付をバッグに書いておくといいでしょう。何日間冷凍しているのかを忘れてしまうのを防げますよ。冷凍用の密閉袋は大きめサイズが便利
トマトを冷凍保存する4つのメリット
トマトを冷凍して保存するメリットを詳しくご紹介します。日持ちがよくなる
冷凍保存すると、常温保存に比べて日持ちがよくなります。保存期間は約1カ月です。しかし甘味が弱くなったり、解凍後の食感や風味が損なわれたりすることがあるので、一度冷凍したものを解凍して、生食するのには向きません。加熱処理して食べるとおいしくいただけます。熱湯不要で皮がむける
丸ごと冷凍したトマトは、凍ったままのトマトを約5秒流水にさらしておくだけで驚くほどツルンとむけます。湯むきしたり、直火であぶってから冷水にくぐらせたりしてから皮をむくとどうしても時間がかかりますし面倒ですよね。これでトマトの下ごしらえの時間短縮になります。
そのまま調理できる
冷凍トマトを使用して加熱調理する際は、凍ったまますりおろすだけ。凍ったトマトをぎゅっと握ってひたすらおろし器ですりおろすと、手が冷たいのですが、カットして煮込むよりも火が通りやすく煮崩れも早いです。シャーベット状になった冷凍トマトは、宮崎県の郷土料理「冷や汁」のトッピングとしても最適です。新感覚のデザートになる
冷凍→解凍のプロセスによりトマトの細胞が壊れることで、トマト本来の甘みを感じやすくなる効果もあります。凍ったトマトを粗めにすりおろすと常温トマトに比べて口当たりがよくなり、自然な甘みが効いたシャーベットとしておいしく食べられます。お好みで少量の砂糖やハチミツなどを加えてもOK。ヘルシーな氷菓としてデザートにどうぞ。ミニトマトならドライトマトとして保存食にできる
トマトに限らず野菜を天日干ししておくと、水分が抜けてかさが減りますが、その分糖度が高くなり、味も凝縮されて甘味が増します。干し芋やドライフルーツなどがその例です。トマトもこの手法を用いて「ドライトマト」にするといいでしょう。ドライトマトの作り方一例
1. ミニトマトなら半分に、中玉や大玉トマトは縦半分にして種を取り除きます。キッチンペーパーを敷いた金属製のバットなど熱が伝わりやすい容器に切り口を下にして並べます。一つずつ丁寧に塩をかけましょう。2. 野鳥などにつつかれないよう、上から目の細かいネットを被せ、日当たりがいい場所に放置して天日干しします。
3. 気温が高い真夏日では1~2日干すと、水分が十分に抜けてできあがります。天候が悪い日は、いったん室内に戻したり外に出したりしながら2~3日ほど繰り返しましょう。
オーブンを使うともっと時短に!
天板にキッチンペーパーを敷き、その上に先ほどと同様に切ったトマトを並べます。140℃に予熱したオーブンに入れて1時間ほど焼き、いったん天板を取り出し、トマトから出てきた水分をキッチンペーパーなどでふき取ります。そこからさらに30分~1時間ほど焼くとドライトマトのできあがりです。ケチャップやトマトソースに!新鮮トマトの加工保存レシピ
材料と作り方は一例です。配合を工夫して、お好みの味を追求しましょう!1. トマトケチャップ
子どもの大好きなトマトケチャップが、身近な材料で作れます。<材料>
・トマト
・たまねぎ
・三温糖
・塩
・酢
・ローリエ
作り方
1. 皮をむいたトマトをざく切りに、玉ねぎはみじん切りにして鍋に入れ、塩、三温糖、ローリエを加えて中火で煮込みます。2. 火が十分に通ってきたら弱火にします。途中木べらでトマトをつぶしながら、半分の量になるまで煮込みましょう。
3. 最後にお酢を加え、さらに10分ほど煮て完成です。
※ローリエを取り出してから煮沸消毒したビンに詰めて冷蔵庫に入れれば、1カ月ほど保存できます。
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2. トマトソース
トマトソースは、パスタやハンバーグ、ピザやラザニア、ロールキャベツなど、さまざまな料理に使えて便利!<材料>
・トマト
・玉ねぎ
・オリーブオイル
・おろしにんにく
・コンソメキューブ★
・白ワイン★
・塩★
・砂糖★
作り方
1. 皮をむいたトマトはざく切りに、ニンニクと玉ねぎはみじん切りにし、鍋にオリーブオイルを入れて炒めます。2. 玉ねぎに火が通ってきたら、トマトを入れ、★の材料を加え、15~20分程度煮込んでできあがりです。
cookpad「自家製トマトソース」
3. オイル漬けに
<材料>・ミニトマト
・にんにく
・塩
・赤とうがらし(種を除く)
・オリーブオイル
・ローリエ
・ドライバジル
作り方
1. ミニトマトはヘタを取り、ニンニクは包丁の腹を当てて押しつぶします。2. 鍋に1の材料と赤トウガラシ、オリーブオイルを入れて、弱火にかけトマトの皮がめくれるぐらいまで煮ます。いったん火からおろし、荒熱が取れたら、ローリエとドライバジルを加え、保存用のビンに入れて完成です。
JOYL「ミニトマトのオイル漬け」
4.水煮保存
<材料>・完熟トマト
・塩
作り方
1. トマトはさっと水洗いし、ヘタを取り、皮をむいてざく切りにします。鍋にトマトが浸るぐらいの水を張り、トマトと塩を入れてアクを抜きます。15分程度、火を通します。2. 熱いまま煮沸消毒したビンに入れ、すぐにふたをして自然冷却したら完成です。
cookpad「トマトの水煮~家庭菜園のトマトの保存に」