目次
ハーブの中でも代表種といえるほど人気のローズマリー。艶のある葉と青い雫のような花が美しく、爽快な香りの枝葉には様々な素晴らしい効能や活用法があるのが人気の理由です。丈夫で育てやすいので、気軽にローズマリーの栽培を始めてみましょう。
ローズマリーの特徴
学名:Rosmarinus officinalis シソ科
地中海沿岸の乾燥地が原産の常緑低木です。属名のロスマリヌスは海の雫の意味で、沿岸部で水色の小さな花をたくさん咲かせながら育つ姿に由来します。おもに海の近くの崖などに自生が見られるとされますが、山間部にも分布しているようです。
性質が強く、病害虫の発生もほとんど見られないので、育てやすいハーブです。花の少ない冬頃を中心に長期間開花し、さらに四季咲き性の品種もあります。花色は基本は水色で、品種によって薄紫色や薄青色、濃い目の水色など様々です。他にピンクや白などの色もあり、葉に斑が入る品種もあります。
寒さには、強健な品種は-10℃、だいたいの品種は-5℃程度くらいの温度に耐えます。
古来から若返りのハーブとして知られ、集中力や記憶力を高めます。強い抗酸化作用のあるロスマリン酸を含み、血行や消化の促進など様々な効能があります。近年もその効果が再確認され、日本でもブームになったことがあります。葉は肉や魚料理などの香りづけに使われる他、ポプリやリースなど様々な用途があります。
ローズマリーの種類!3タイプの樹形とは?
樹形によって、枝が直立して伸びる立性と、這うように伸びる匍匐性、また中間的な性質の半匍匐性の3タイプに分けられます。1. 立性のローズマリー
1m以上の高さまで伸びますが、台風などの強風で太い枝が折れたりするので、刈り込んで楽しむとよいでしょう。背丈を伸ばして大きく育てたい場合は、支柱を立ててください。また支柱に誘引して、好みの形に仕立てることもできます。
●マリンブルー
花は濃いめの水色。丈夫で生育旺盛。
●トスカナブルー
薄紫色の花が美しい。葉は香りがよくて生育が早い。
数あるローズマリー品種の中でもこの種類が欲しくて二株購入。小柄ながら葉振りが大変元気な香りの濃い苗でした。届いたその日にプランターに植え替えてから今日までの約一週間、元気に育っています。葉をいろいろ楽しむのは勿論、青い花が咲くのも楽しみです。 出典:楽天みんなのレビュー・口コミ
●マジョルカピンク
花はピンク色。枝は分枝しにくく弓なりに伸び、葉が小さいので、リースなどに向きます。
●オーレウス
立性で葉に不規則な黄色の斑が入ります。●レックス
葉が厚く大きいのが特徴で、花は薄紫色で生育が早い。
●アルバス
白花の品種で、寒さにも強いです。
2. 匍匐性のローズマリー
枝が横、または下方向に伸び、斜面や石垣などに植えて枝を長く下垂させると見ごたえがあります。吊鉢やグランドカバーにも利用できます。
●プロストラータス
斜面や吊り鉢などに最適。葉はやや細くて花つきがよく、長期間開花します。
●ダンシングウォーター
生育が早く、花付きが非常によいです。
●サンタバーバラ
葉が小さく密につき、樹形がコンパクトにまとまるので鉢植えにも向きます。
小型なので吊り鉢や鉢植えにしてベランダ栽培などに向いています。
四季咲き性で花が多く、淡い藤色の花を咲かせます。
半匍匐性
枝が主に横方向に伸び、高さは80~100cmほどになります。鉢植えに向く品種が多いです。●モーツアルトブルー
半ほふく性、濃いめの水色の花が人目を引きます。
●ブルーボーイ
成長がやや遅めで枝がコンパクトにまとまるので、鉢植えに最適です。
●ウッド
コルシカ島で発見された品種。花は濃い紫色で、枝ははじめ上に伸び、後で垂れてきます。
→次ページはローズマリーの置き場所と育て方のポイント!
ローズマリーの置き場所!鉢植えやプランターは?
海沿いに自生する植物なので、風通しがよく、日当たりのよい場所を好みます。戸外の条件のよい場所なら、比較的放任していてもよく育ちます。一方、通風や日光が不足しがちな室内に置くと、栽培が難しくなります。日光が不足すると花が咲きにくくなり、株姿が間延びして香りも弱くなります。
夏の強光線にも耐えますが、小苗は高温多湿で枯れることがあるので、午前中だけ日光が当たる場所が適します。
庭植え
日当たりがよく、排水のよい場所が適します。日当たりが悪く、いつもじめじめ湿っているような場所は避けてください。植え付けの適期は、4月と5月の春か、10月の秋がよいでしょう。植える前に土壌改良として腐葉土を混ぜこんでください。排水のよい場所を好むので、周囲の土を盛り上げて植え付ける、高植えにするのがお勧めです。植え付けたらたっぷりと水をやり、根付けば水やりは不要です。
鉢植え、プランター
ベランダなど、夏場にコンクリートの上に直接置くと鉢内が高温で蒸れやすいので、台の上など少し高い場所に置くとよいでしょう。また風当たりの強い場所では、直立性の品種は強風で枝が折れることがあるので、支柱を立てて固定してください。ローズマリーの育て方!水やりや肥料、病害虫は?
鉢植えの水やりは、鉢土の表面が完全に乾いてから与えてください。
海沿いのやせた土壌が原産なので、肥料を多く与えると葉の香りや風味が少なくなります。鉢植えの場合は春から秋の成長期に、規定量の半分程度の化成肥料や骨粉入りの油粕などを与えてください。庭植えは植えつけ時に施肥すれば、後は不要です。
病害虫はほとんど発生しませんが、置き場の環境が悪かったり、管理を間違うとカイガラムシやアブラムシが発生することがあります。主な原因として、日当たりと風通しの悪い場所や、枝葉が密生しすぎ、肥料の与えすぎなどがあります。
→次ページはローズマリーの植え替えの仕方と最適な土をご紹介!
ローズマリーの植替え方法と最適な土は?
海沿いの砂や石が多い、水はけがよくやせた土壌でたくましく育つ植物です。ピートモスなどが多い、軽くて水持ちのよい培養土はあまり適しません。アルカリ性でカリの補給にもなるくん炭を、用土に1割程度混ぜるのもお勧めです。
鉢植えの場合は、意外と根詰まりしやすいので、1~2年おきに植え替えしてください。鉢サイズを1まわり大きくするような場合は、春から秋の成長期はいつでも植え替えすることができます。鉢サイズを大きくしたくない場合は、4~5月頃に剪定を兼ねて行います。鉢土を3分の1程度崩して取り除き、枝葉も同じ割合程度剪定して植え付けてください。

・ハーブに最適なpHアルカリ性(7.0±0.5)、初期育成に必要な元肥と微量要素を調整済み
・適するハーブ:カモミール、ディル、チャービル、オレガノ、セイジ、タイム、ヒソッブ、フェンネル、ミント、ラベンダー、レモンバウム、ローズマリー
私が使った中ではこの土が一番ハーブが元気に育っています。重くてかさ張る商品は玄関まで運んでくれる通販が便利ですね。4袋購入して足りなかったので直ぐに追加で4袋を注文しましたがとても早くて助かりました。 出典:楽天みんなのレビュー
ローズマリーの冬越しは?
ほとんどの品種はー5℃くらいが最低耐寒温度なので、弱い霜程度は耐えます。強い霜が降りる地域は敷き藁など防寒対策をしてください。
寒冷地は鉢植えで室内の窓際に置けば、容易に越冬します。ただし長期間室内に置くと失敗の原因になるので、春になり気温が上がったら戸外で管理するとよいでしょう。
ローズマリーの増やし方!挿し木のコツは?
市販されているタネから増やすこともできますが、香りの弱い株などが出る可能性もあります。親株の優れた形質を受け継いだ株を増やすことができる、挿し木や取り木がお勧めです。ローズマリーの挿し木の手順
① 挿し穂の作りかた
枝先を10㎝ほど切り、下葉を半分ほど取って挿し穂とします。② 用土の選び方
用土は清潔で排水のよい、赤玉土小粒などを使います。③ 挿し木後の管理のポイント
挿し木後は半日陰の軒下のような場所が適します。水やりは、さし木後4~5日くらいは用土を乾かさないように管理しますが、その後は用土の表面が乾いてから水を与えるようにしてください。ローズマリーの挿し木は過湿に注意するのがコツで、湿気がたまりやすい環境の方が、腐って失敗しやすいことが多いです。④ 鉢上げのポイント
1カ月ほどで発根し、新芽が成長を始めたら9センチポットなどに鉢上げしてください。鉢上げする際の土は、株と根が小さく弱いので、通常より有機物が少ない赤玉土小粒に腐葉土を1割程度混ぜた用土がよいでしょう。⑤ 収穫
2年目以降の枝が20cm以上伸びた株になったら、葉を収穫して利用できます。取り切による増やし方は?
取り木は、垂れ気味の枝をU字形のハリガネなどで地面に固定して周囲に土をかぶせます。発根まで2~3か月くらいかかりますが、挿し木より失敗が少ないです。ローズマリーの剪定は?
剪定は重要な作業で、剪定を怠ると内部が蒸れて下葉が枯れ、株の老化が進んで新芽も出にくくなります。収穫を兼ねて、枝が混みあった部分や細く間延びした枝などをこまめに剪定するとよいでしょう。また枯れ枝は見つけ次第、随時切ってください。
また梅雨の時期から夏に蒸れやすいので、枝葉を半分以下にバッサリと切るような強剪定は梅雨期前頃に行ってください。ただし葉を全く残さないほど強く剪定すると、枯れることがあるので注意してください。
ローズマリーが枯れる原因は?
比較的丈夫な性質のローズマリーですが、間違った管理をすれば枯れてしまいます。よく起こりがちな失敗を、ケース別に解説します。・室内で蒸れた
閉め切った室内の窓際は、日光がよく当たると夏などは特に温度が高くなりやすく、鉢内が高温多湿で蒸れて枯れてしまうことがあります。また西日に当てると、特に悪い結果になりやすいです。窓を開けるなどして通風をできるだけ図るか、戸外に出してください。・水の与えすぎ
常に鉢土が湿った状態にすると、根腐れを起こします。特に冬場は注意してください。また受け皿を使っている場合は、貯まった水はすぐに捨てるようにしてください。・夏の暑い時期に枯れてしまった
夏の暑い時期は乾燥も激しいので水やりも多くなりますが、与えた水が鉢内で温度上昇して蒸れてしまい、枯れてしまうことがあります。特に小苗は弱いので、暑さの厳しい時は午前中だけ日光が当たる場所か、30%程度の弱遮光下に移動すると安心です。・地植えしたら枯れた
ローズマリーを地植えする際は、春か秋に、日当たりがよく排水のよい場所に植えます。誤った場所や時期に植えると枯れる原因になるので注意してください。またコガネムシの幼虫が根を食害した場合も、枯れてしまうことがあります。ローズマリーの活用法は?
料理
葉はイタリア料理にもよく使われ、トマトやニンニクとの相性が良いです。樟脳のような独特の香りが強いので、初めは少量使うと抵抗が無いでしょう。油といっしょに炒めると、香りがマイルドになります。特に脂肪分の消化を助けるので肉料理や揚げ物などに使うとよく、胃もたれを防ぎ、健康の上でも特にお勧めです。シチューやスープなどには枝ごと入れて煮込み、食べる前に枝を取りだします。肉、魚料理
肉の臭みを消し、風味を付けます。ラム肉には最適とされます。また、サバやイワシなど脂分の多い魚の臭み消し、香りづけによいでしょう。
揚げ物
油の中に枝をそのまま入れると、風味が変わります。細かくみじん切りにした葉を衣の中に入れてもよいでしょう。フライドポテトにも相性がよく、軽く素揚げしたローズマリーの葉をみじん切りにしてにかけると、一味違った風味を味わえます。
ローズマリーオイル
ローズマリーの枝とにんにくをオリーブオイルに漬ければ、風味や香りがよく体にもよいオイルが出来ます。
スパイス
乾燥した葉を様々な料理の香りづけとして使うことができます。香りが強すぎるときは、他のバジルやオレガノなどのドライハーブとミックスして使うのもお勧めです。
ハーブティー
香りが強く味にくせがあり、飲みにくく感じる人が多いですが、素晴らしい効能から人気が高まっています。血行を促進するので目覚めに飲むのもよく、集中力を高めます。また風邪や頭痛、消化不良に効能があります。またその抗菌防臭作用から、うがい薬やマウスウォッシュにもなります。ただし妊娠中の飲用は厳禁で、飲みすぎも避けてください。
精油
ローズマリーの芳香は、気分をよくし、リフレッシュしたい時、集中力を上げたい時によいとされます。ディフューザー(芳香器)を使えば、部屋に精油の芳香成分を拡散させることができます。簡単に楽しみたい場合は、ティッシュなどに精油を1~2滴垂らしてそばに置いておくだけでも、芳香を楽しむことができます。
様々な使い方
収穫した枝は、乾燥しても香りが強く残ります。芳香を楽しめるだけでなく、実用的な防虫効果もあります。
リース
消臭効果も期待できる、素敵なリースにして飾るのもおすすめです。ローズマリーのリースの作り方はこちらから。
シューキーパー
抗菌防臭作用があるので、小袋に入れて靴に入れるとよいでしょう。入浴剤
小袋に入れてお風呂に入れると、天然の入浴剤になります。ローズマリーの爽快な香りで気分もよく、リフレッシュ効果が期待できます。ローズマリーのある豊かな暮らしを始めよう!
長期間開花する花など鑑賞価値も高く、いろいろな品種もあってコレクションする楽しみもあります。アンチエイジング効果や記憶力、集中力を高めるなど、数々の素晴らしい効能のある葉も様々に1年中利用することができるので、庭にローズマリーがあると本当に重宝します。ぜひローズマリーを庭に植えたり、鉢植えを育てて、ローズマリーのとの豊かな暮らしを楽しんでみてください!紹介されたアイテム

ローズマリー マジョルカピンク 4号苗
¥842 税込

ローズマリー・レックス
¥237 税込

ローズマリー・ホワイト
¥237 税込

ローズマリー・ダンシングウォーター 半匍匐(ほふく)性
¥320 税込

ローズマリー サンタバーバラ (匍匐性タイプ)
¥1,512 税込

ローズマリー ‘モーツアルトブルー’
¥324 税込

ローズマリー・ブルーボーイ(立性)
¥237 税込

ハーブティー「ローズマリー」チャック付き新鮮真空パック100g残留農薬検査済み
¥864 税込