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プランター野菜栽培家
安藤 康夫自宅のベランダと屋上のプランターでさまざまな野菜や果樹を栽培し、50品目達成。栽培の様子や採れたて野菜を使った料理などを、「Hanna-papaの菜園日記」にて発信しています。 現在は、プランターの限られた土の量で、どれだけ高品質な野菜が育てられるかを探求中! ■関連サイト:Facebook「Hanna-papaの菜園日記」、 2019年5月以前のブログ「Hanna-papaの菜園日記 2」 ■著書:『プランターで有機栽培1』(農文協)、『プランターで有機栽培2』(農文協)…続きを読む
真夏を避けて年2回!プランターでラディッシュを栽培できる時期
小さくてコロンと太った根だけでなく、やわらかい葉も含めて丸ごと食べられるラディッシュは、アブラナ科ダイコン属の野菜。種をまいてから収穫まで1カ月弱と栽培期間が短く、小さなプランターでも育てられるので手軽に始められます。ラディッシュの和名は、二十日大根(ハツカダイコン)
ラディッシュは、種まきから収穫までの期間が短いことから、二十日大根という和名がつけられました。日本では、赤い小さなカブのような形の二十日大根のことをラディッシュと呼びますが、英語でラディッシュというとダイコンのことをいいます。スーパーでもよく目にする白くて太いダイコンは、実は日本特有のもので、海外で多く流通しているダイコンは、日本の二十日大根のような種類がほとんどです。安藤康夫さん
気温が上がり暖かくなると生長も順調になるため、5月の種まきなら本当に20日間で収穫できますよ。
ラディッシュの栽培時期は年に2回
ラディッシュは冷涼な気候を好み、真夏を避けた春まきと秋まきがベストです。・種まき:春まき 3~5月/秋まき 9~10月
・収穫:春まき 4~6月/秋まき10~12月
※年間平均気温が12〜15℃の温暖(中間)地基準
栽培適温
15~20℃ラディッシュ栽培に最適なプランター設置場所
ラディッシュのプランターを設置するのに適しているのは、日当たりと風通しの良い場所。室外機のそばなど、人工的な風が当たる場所は避けておきましょう。室内でラディッシュを育てるときの注意点
ラディッシュは小さいプランターで栽培できるので、キッチンなど室内でも栽培することができます。できるだけ南向きで太陽光の当たる場所にプランターを置きましょう。鉢底の穴から水が出てしまうので、プランターの下に水の受け皿は必要ですが、受け皿にいつも水がたまっている状態だと根腐れを起こすので、こまめに捨てることが大切です。ラディッシュのプランター栽培のポイントは2つだけ!
Point1. 3〜5月の春まきは害虫に注意
春まきの時期は虫の産卵が盛んになり、ガやチョウの幼虫がラディッシュの根や葉を食べてしまうため、特に注意が必要です。栽培期間が短いためマストではないですが、心配な場合は害虫対策として防虫ネットを張りましょう。Point2. おいしい収穫時期を逃さない
収穫が遅れると、丸い玉が割れたり内部にすき間ができたりして、味が落ちることも。ラディッシュの直径が2~3cmになったくらいが収穫のタイミング。収穫適期を逃さないようにしましょう。カラフルでかわいい♪プランターで育てるラディッシュのおすすめ品種
定番の真っ赤で丸いラディッシュもかわいいですが、そのほかの色のラディッシュも栽培しやすいものがたくさんあります。栽培期間や味の特徴など、お気に入りをみつけてみてくださいね。ナショナル2|紅白色が印象的
直径3cmほどのまん丸な形で、皮は赤く根の部分が白い、紅白色が特徴。種まきから45日ほどで収穫することができます。ゴールデンラディッシュ|鮮やかな黄色!
ポーランド発祥で、ヨーロッパで親しまれてきた品種。皮は濃い黄色、葉茎は紫色に近い濃い緑と、きれいな色味が特徴です。種まきから30~40日ほどで収穫することができます。カラフルファイブ|5色のラディッシュがランダムに
赤・白・紫・ピンク・薄桃色のラディッシュが、1つのパッケージにミックスされています。どの色が出てくるかは、収穫のときのお楽しみ♪サラダの彩りにぴったりです。ラディッシュ栽培に必要なプランターのサイズ・土・防虫ネットなど
ラディッシュ栽培に必要なのは、基本的にプランターと土だけ!プランターは手のひらサイズの小さなものでもOKです。肥料を与えるとアブラムシがつくので、追肥も必要ありません。ラディッシュ栽培に必要なプランターの最小サイズ
・A:直径15cm程度・B:深さ15cm程度
直径15cmの5号程度の小さなプランターや鉢でも、ラディッシュが5玉(株)できます。育てる量を増やしたいなら、プランターのサイズを大きくしましょう。
おすすめの5号サイズのプランター
牛乳パックやペットボトルでも栽培できる!
空になった牛乳パックや2Lのペットボトルでも、プランターやポットと同じようにラディッシュ栽培ができます。容器を横に倒して、水はけが悪くならないよう底に多めの穴、もしくはスリットをあけておきましょう。子どもとの野菜作りにもぴったりなので、牛乳パックやペットボトルにイラストを描いたりシールやテープなどで飾ったりと、プランター作りを楽しんでくださいね!
ラディッシュのプランター栽培に適した土、鉢底石
ラディッシュは、野菜用培養土に含まれている栄養だけで十分育ちます。また、栽培期間が30日程度と短いため、追肥も必要ありません。おすすめの培養土
ほかの野菜を育てた土を使う場合
ほかの野菜を育てた土は、土の中の栄養分が少なくなっています。バランスの良い土にするために、肥料などを混ぜて、土を再生させておきましょう。幅65×奥行20×深さ20cmのプランターに使った16L程度の土の量なら、油かす一握り、カキ殻石灰一握り、草木灰を一握り加えて混ぜます。
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土を入れる前に!プランターの底には、鉢底石や赤玉石を敷こう
プランターに土を入れる前に、鉢底石を敷きましょう。鉢底石には、土の排水性や通気性をよくする働きがあり、根腐れ予防に効果的です。▼鉢底石や赤玉石についての関連記事はこちら
防虫ネットを使うのも◎
ラディッシュは栽培期間が短いので、防虫ネットは使わなくてもかまいません。害虫が気になる場合はプランターにU字支柱を立て、目合い1mmの防虫ネットをかぶせておきましょう。おすすめの防虫ネット
プランターでのラディッシュの育て方|種まき・間引き・収穫のタイミングなど
Step1. プランターにラディッシュの種をまく
- プランターの1/5程度の高さまで鉢底石を敷き、野菜用培養土を縁から5cm下ぐらいまで土を入れましょう。
- 500円玉を使って、5号サイズのプランターなら5カ所、土の上に深さ1cm程度の丸いくぼみを作ります。もっと大きなプランターなら、500円玉1つ分を株間として印をつけていくといいでしょう。
- 1つのくぼみに種を3粒まきます。ベビーリーフを採りたい場合は、少し多めに5〜6粒まきましょう。植える深さは、土の表面から1cmくらいが目安です。
- くぼみの上から土をかぶせて、手で軽く鎮圧します。ジョウロであればできるだけ穴の小さいもの、シャワーヘッドであればミストにして、丁寧に水やりしましょう。
Step2. ラディッシュの間引きと土寄せ
- 本葉が3~4枚になったら、500円玉でつけたくぼみ1カ所に、生育の良いものを1本残すように間引きします。円の中心近くで発芽したものを残すようにすると、株間がちょうど良くなります。
- 間引きのタイミングで土寄せをしておきます。株がぐらつかないよう指で土を寄せ、株元を支えておきましょう。土寄せするのはこの1回のみでOKです。
Step3. プランターへの水やり
土の表面が乾いたら、プランターの底からあふれるぐらいたっぷりと水やりしましょう。ラディッシュの栽培時期は春と秋なので、2日おきくらいでもいいかもしれません。土が乾いていないかどうかをこまめに確認して、水やりの頻度を調整しましょう。Step4. 収穫のタイミング
種まきから20日以上経って、ラディッシュの大きさが2〜3cmになったら収穫しましょう。葉を手でまとめ、葉のつけ根を持って引き抜きます。ラディッシュを育てた後に!プランターの土の再利用方法
ラディッシュを育てたあとの土は、ふるいにかけて古根を取り除き、油かすとカキ殻石灰をひと握り、土の量に対し10%の腐葉土を加えましょう。この土でバジルや大葉などシソ科の植物を育てると、シソ科に付く害虫が近寄りにくくなります。安藤康夫さん
ラディッシュは連作障害が起こりやすい野菜ですが、それは化学肥料を使っている場合。うちのプランターでは、15年使い回した土を使っています。油かすで肥料分、カキ殻でミネラル、腐葉土で微生物の活性化を促すため、土が生き返り、何度でもラディッシュを育てることができますよ。