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ジャガイモから考える!新しい品種は好き?嫌い?|おしゃれじゃないサステナブル日記No.29


【連載】農業・食コミュニケーターとして活動する 紀平真理子さんの「農業と環境」をテーマにしたコラム「おしゃれじゃないサステナブル日記」。 第29回は「ジャガイモから考える!新しい品種は好き?嫌い?」。ジャガイモを取り巻く日本とスペインとの意外な共通点とは?!

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紀平 真理子

オランダ大学院にて、開発学(農村部におけるイノベーション・コミュニケーション専攻)修士卒業。農業・食コミュニケーターとして、農業関連事業サポートやイベントコーディネートなどを行うmaru communicate代表。 食の6次産業化プロデュ ーサーレベル3認定。日本政策金融公庫農業経営アドバイザー試験合格。 農業専門誌など、他メディアでも執筆中。…続きを読む

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ガリシアのジャガイモ

写真提供:maru communicate 紀平真理子(タコの下にもジャガイモ!ガリシアにて)
前回の「土×菌×甘酒=バッファーのある人生(No.28)」では、甘酒をたしなみながら、土の話をしました。
実は、スペインのバスク地方について書いたことがきっかけで、スペインに再度ドハマリしていたこの1カ月。
スペインのオンラインジャガイモセミナーを受講したことで、品種について考えてしまい泥沼にはまったこの1カ月。

スペインのジャガイモのメジャー品種は?

スペインのジャガイモ
写真提供:maru communicate 紀平真理子(ガリシア地方のジャガイモ、マドリッドのスーパーマーケットにて)
スペインでジャガイモの生産量が多いカスティーリャ・イ・レオン州では、オランダのフレンチフライ用品種アグリアが栽培されているそうです(おそらく主に加工用+油と相性がよいので生食用にも)。次いで、生産量の多いガリシア地方では、ケネベックという品種が栽培されており、一般消費者が目にする多くは、このケネベックだそうです。

ケネベック…実は男爵(Irish cobbler/1800年代にアメリカで栽培され、イギリス経由で日本には1900年代にやってきた!)よりは新しい(?)ですが、かなり古い品種です。1940年にアメリカで品種開発され、日本にも40年代に導入されました。日本では「味がよくない」と作られなくなったとか。このケネベックがスペインではいまだ多く流通しているというので驚きました!

スペインと日本はメジャーなジャガイモ品種に共通点が!

オランダのジャガイモ
写真提供:maru communicate 紀平真理子(オランダのジャガイモ棚)
オランダで生活をする中で気づいたのは、病害虫に強いとか、収量が高い、味がよい(または、現代の食生活に合っている)など新しい品種がスーパーの棚を占めているということです。そもそも品種名ではなく「マッシュポテト用」「フライドポテト用」などのくくりで販売されており、季節によって品種も栽培国も変わります。

なので、スーパーで見かける品種の多くが男爵とメークインという戦前からある品種なのは、日本くらいかと思っていましたが、まさかスペインもだとは!

ちなみにケネベックは、水分量やデンプン価が低く、むちっとしていて、どんな料理にでも合うそうです。セミナーで見せていただいたケネベックは、想像よりサイズが大きく、皮質もとてもきれいでした。日本でのケネベックの評価は、「食味はよくないが淡泊で嫌みのない味」。味付けをしっかりして、うま味を染みこませるスペイン料理との相性がいいのかもしれませんね。

なぜ昔からある品種が好まれるのだろうか?

オランダ在来種
写真提供:maru communicate 紀平真理子(オランダでジャガイモ在来種イベントに参加!この話はまた書きたい)
在来種とか固定種が存在することや守っていくこととまったく別の文脈で、一般スーパーに並ぶ品種が栽培しやすい、調理しやすい品種に切り替わらない国があるのはなぜなのでしょうか?オランダの例からマーケティングの相違かと思っていましたが、それだけではなさそうです。文化的背景?食への関心が高いから?新しいものが好きではない?食べ慣れた味を排斥するのをためらう?そもそもジャガイモに関心がない?気になるところです。

ついにスペイン料理まで作ってしまった

スペイン料理
写真提供:maru communicate 紀平真理子
スペイン料理には、ほぼジャガイモがついてきます。煮込み料理に入るだけでなく、肉や魚などのタンパク質のつけあわせにはマッシュポテト(パプリカ粉とオリーブオイルがけ)やゆでたジャガイモ、フライドポテトが添えられています。タコとかウナギを煮込んだあとの鍋でジャガイモを煮込むオジヤ的な食べ方もあるそうです。

そんな話を聞いたら、作るしかありませんよね。スペイン北西部アストゥリアス地方の料理であるFabada asturiana(白インゲン豆の煮込み)まで作ってしまいました。モルシージャという豚の血のソーセージを取り寄せてまで。

もちろんジャガイモも入っています。わざわざ多くの品種が置いてあるスーパーまで出向き、迷いに迷って「はるか」と「インカのめざめ」を入れたのですが、何時間も煮込むので、煮崩れて溶けてしまいました。もっとむちっとした品種を入れるべきだったのか。さらに、ジャガイモに合うスペインワインはramon bilbaoだと聞き、ミーハー心で購入して一緒に楽しみました。肉じゃがにも合うそうです。

皆さんはどんなジャガイモ品種が好きですか?

品種に興味がある方はこちらもどうぞ


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おしゃれじゃないサステナブル日記

紀平真理子(きひらまりこ)プロフィール
1985年生まれ。大学ではスペイン・ラテンアメリカ哲学を専攻し、卒業後はコンタクトレンズメーカーにて国内、海外営業に携わる。2011年にオランダ アムステルダムに移住したことをきっかけに、農業界に足を踏み入れる。2013年より雑誌『農業経営者』、ジャガイモ専門誌『ポテカル』にて執筆を開始。『AGRI FACT』編集。取材活動と並行してオランダの大学院にて農村開発(農村部におけるコミュニケーション・イノベーション)を専攻し、修士号取得。2016年に帰国したのち、静岡県浜松市を拠点にmaru communicateを立ち上げ、農業・食コミュニケーターとして、農業関連事業サポートなどを行う。食の6次産業化プロデュ ーサーレベル3認定。日本政策金融公庫 農業経営アドバイザー試験合格。著書『FOOD&BABY世界の赤ちゃんとたべもの』
趣味は大相撲観戦と音楽。行ってみたい国はアルゼンチン、ブータン、ルワンダ、南アフリカ。
ウェブサイト:maru communicate

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