今回は、バスクの彫刻家エドゥアルド・チリーダと、彼の作品を見ると考えさせられる環境との調和について勝手に言及します。
バスクといえば製鉄
さらに、バスクを発展させたのが製鋼業です。これは泥炭層の下に良質な鉄鉱石があることが発見されたことに起因します。1800年代になると、スペインで製造される60%の鉄を作りだしましたが、そうなると労働力が不足するので、ほかの地域からの労働力流入が始まりました。
農村部の変容と独立運動
農村部の人口が街へ流入したり、農村部から米国のアイダホ州やアルゼンチンへの移民も増えたりとバスクの社会構造が変化していきます。そこで生まれたのが、バスク独立運動ですが、語り出すと止まらなくなりそうなのでここでやめておきます。
エドゥアルド・チリーダとは
チリーダは、バスク地方サンセバスチャン出身の彫刻家です。さまざまな素材を使って空間や原材料への興味を作品に込めました。チリーダの初期の作品は、人と自然界の間で揺れ動く「石」や「石こう」などの素材を使用していました。その後、石こうから「鉄」「木」「鋼」というバスクの伝統的な産業に由来する素材へ変更しました。
チリーダの彫刻から自然との調和を見る
また、鉄や鋼の作品は、当然時間が経過すれば腐植します。しかし、彼は素材を研究しつくして、海沿いであっても極限まで腐植を低減できる素材の配合濃度を開発しました。
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紀平真理子(きひらまりこ)プロフィール
1985年生まれ。大学ではスペイン・ラテンアメリカ哲学を専攻し、卒業後はコンタクトレンズメーカーにて国内、海外営業に携わる。2011年にオランダ アムステルダムに移住したことをきっかけに、農業界に足を踏み入れる。2013年より雑誌『農業経営者』、ジャガイモ専門誌『ポテカル』にて執筆を開始。『AGRI FACT』編集。取材活動と並行してオランダの大学院にて農村開発(農村部におけるコミュニケーション・イノベーション)を専攻し、修士号取得。2016年に帰国したのち、静岡県浜松市を拠点にmaru communicateを立ち上げ、農業・食コミュニケーターとして、農業関連事業サポートなどを行う。食の6次産業化プロデュ ーサーレベル3認定。日本政策金融公庫 農業経営アドバイザー試験合格。著書『FOOD&BABY世界の赤ちゃんとたべもの』
趣味は大相撲観戦と音楽。行ってみたい国はアルゼンチン、ブータン、ルワンダ、南アフリカ。
ウェブサイト:maru communicate