【家庭菜園のプロ監修】春も秋もできる!ジャガイモの栽培方法|プランターで育てるコツも

家庭菜園でも人気の定番野菜「ジャガイモ」。なんと春と秋の年に2回も栽培が可能です。この記事では、菜園のプロが植え付け時期や連作障害対策、追肥や病気、水やり、収穫方法など失敗しないジャガイモの栽培方法を紹介。プランターなどでベランダ栽培したい人も必見ですよ!


ジャガイモ

画像提供:福田俊
ジャガイモは、畑でもプランターでもポイントさえ押さえれば失敗しにくく、たくさん収穫することができる初心者におすすめの根菜。幅広い料理に使え、長期保存も可能なので、ぜひ栽培に挑戦したい野菜のひとつです。
今回は、そんなジャガイモ栽培のポイントについて、菜園のプロ・福田俊先生が詳しく解説!プランターで育てる方法も聞きました。

家庭菜園歴40年!福田俊先生にジャガイモ栽培についてお話を聞きました

福田先生
画像提供:福田俊
菜園家。ブルーベリー研究家。東京農業大学グリーンアカデミー専科野菜コース講師。「どうすればおいしい野菜がたくさん採れるか」「いかにラクで楽しい野菜づくりができるか」を追求し、「フクダ流」自然農的有機栽培を実践。16平米という限られたスペースの市民農園で、年間50品目以上の野菜を有機・無農薬で栽培しています。監修を務めた家庭菜園誌や著書も多数。

関連サイト
HP:http://www.fukuberry.com/
Youtube:https://www.youtube.com/user
Instagram:https://www.instagram.com/fukuberry104/?hl=ja
Twitter:https://twitter.com/29da104
facebook:https://www.facebook.com/toshi.fukuda.73

著書
『市民農園1区画で年間50品目の野菜を育てる本』(学研プラス)
『フクダ流家庭菜園術』(誠文堂新光社)
『福田さんのラクラク大収穫!野菜づくり』(学研パブリッシング)

ジャガイモの栽培は春植え・秋植えが可能!

種芋の植え付け
画像提供:福田俊
ジャガイモの植え付け時期は、春と秋の年2回になります。春植えと秋植えで、育て方にさほど違いはありませんが、失敗しないためには、植え付け時期に合ったジャガイモの品を選ぶことが重要です。
おすすめのジャガイモの品種は後ほど紹介しますが、春と秋の両方で植え付け可能なのものでは「アンデスレッド」、春植えでは「男爵」「メークイン」「キタアカリ」、秋植えでは「アンデスレッド」「デジマ」「ニシユタカ」などが一般的な品種として知られます。

ジャガイモの連作障害について

土中のジャガイモ
画像提供:福田俊
ジャガイモは良い土作りができていれば、連作障害は出ません。有機物をたくさん加え、さらにボカシ肥料を漉き込むことで、多くの微生物が活動できる土壌作りが可能になります。

福田先生解説!「有機質たっぷりの土づくり」


ジャガイモの栽培時期と期間

ジャガイモの植え付け
画像提供:福田俊

栽培カレンダー

・植え付け:春植え/2~3月、秋植え/8月末
・収穫:春植え/6~7月、秋植え/11月

栽培適温

15~20℃

栽培期間

ジャガイモは、植え付けから収穫まで70日ほどかかります。

失敗しない!ジャガイモ栽培のポイント|事前準備と水やりについて

ジャガイモ
画像提供:福田俊

Point1. 専門店で「種芋」を購入しよう

店頭で売られている食べるジャガイモと種芋は、見た目はほとんど同じですが、別のものです。栽培用のジャガイモは、土の中で育つ過程で病気にならないよう、ウイルス検査がしっかりされている種芋を使いましょう。春や秋の植え付け時期になると、ホームセンターや園芸店、ネット販売などで売られています。

Point2. 植え付け前に日光浴

種芋は、植え付けの2~3週間前から日光浴させましょう。朝から夕方くらいまで、太陽光に当てます。2週間くらい続けると芽が出てきます。事前に芽出しをしておくと生育良く育ち、ウィルス系の病気にかかりにくくなります。

Point3. 水やりに要注意!水はけの良い土で育てよう

ジャガイモは乾燥に強く加湿を嫌うので、水を与え過ぎるとジャガイモが大きくならなかったり、病気になる可能性があります。水はけの良い土壌に植え付けて、水やりは控えめに。水はけが悪い畑なら高畝にしましょう。
プランター栽培の場合は、雨が当たらない場所に置き、表面が乾いたら水を与えましょう。

ジャガイモの栽培方法|畑・プランター



ジャガイモ畑
画像提供:福田俊
畑の準備は早め早めに行い、植え付けに備えておきましょう。最初のうちは、ジャガイモ自体にある養分を使って生長し、その後は元肥を使って育ちます。置き施肥という、ジャガイモならではの方法で肥料を与えます。

Step1. 土作り

土作りはどの野菜も一緒ですが、有機物が豊富に含まれ、それを分解する微生物がいっぱい活動しているふかふかの土が理想です。ぼかし肥料を植え付けと土寄せの際に与えましょう。

福田先生直伝!ぼかし肥料の作り方


福田先生解説!「有機質たっぷりの土づくり」


Step2. 種芋の下準備

種芋に草木灰をつける様子
画像提供:福田俊
小さめの種芋であれば、カットせずそのまま丸ごと植え付けます。大きな種芋の場合は、包丁でへそ(おへその様に窪んでいる箇所)から頂部へ縦に切り、2~3個に分けましょう。
カットした種芋は、切り口をしっかり乾燥させてから植え付けるのが理想です。乾かす期間は4日間がベスト。
すぐに植える場合は、切り口から腐敗することがあるため、種芋のカット面に草木灰をつけてから土中に埋めましょう。

ジャガイモの「へそ」とは?
ジャガイモは「ストロン」という茎が伸び、その先に芋が太ります。その茎がついていた痕跡がへそになります。

ITEM
草木灰 朝日工業
イモ類などの追肥やジャガイモの切り口保護に役立つ、天然原料100%の「草木灰」です。ミネラルが豊富なため、作物の品質が向上します。

・内容量:100g
福田先生
福田先生
種芋は、できるだけ小さめのものがおすすめです。大きいと切り分けてから植えますが、切り口から腐ることがあるためです。丸ごと植え付ければその心配がなく、さらに種芋は重量で売られますから、小さい方がいっぱいあるのでお得です。


Step3. 植え付け

ジャガイモの植え付け
画像提供:福田俊
高さ10cm、畝幅70cmの畝を作成します。鍬を使って深さ15cmほどの溝を作ったら、株間が30cmになるように、種芋を置いていきましょう。この際、ぼかし肥料を種芋と種芋の間にひと握りずつ置きます。種芋は、まるごとのものもカットしたものも、芽が上になるように溝底に置いていきます。植え付けが終わったら覆土し、たっぷり水を与えましょう。

フクダ流裏技!「逆さ植えマルチ栽培」

ジャガイモのマルチ栽培
画像提供:福田俊
春植えの場合、カットした種芋のカット面を上に向け、逆さ植えにすると強い芽しか出てこないため、芽かき作業が不要に!8月末に行う秋植えでは種芋が腐ってしまうため、これは春植えだけの裏技です。さらにマルチをかければ、土寄せ作業もいらず、より省力栽培になります。
福田先生
福田先生
光を通さない穴なしのマルチを使うと、土寄せ作業が省けるのでおすすめです。普通栽培に比べ、収穫量が1.5倍に増えたこともあるんですよ!
やり方は、マルチに刃物で長さ10cmほどのスリットを入れ、そこから種芋を押し込んで、種芋の上がマルチ面と同じ高さまで埋めるだけです。

必要な栽培スペースと植え付け方

ジャガイモの栽培スペース
図:AGRI PICK編集部
・A:畝幅/70cm
・B:畝の高さ/10cm
・C:株の間隔/30cm
・D:条間/40cm(2条)

Step4. 芽かき(間引き)

ジャガイモの芽かき
画像提供:福田俊
芽が出始めて、10cmほどに生長したら、2~3芽または1本に芽かきしましょう。
芽が多いと、できる芋の数は増えますが、その分小さなジャガイモになってしまいます。大きなジャガイモを作りたい場合は、1本に間引きます。
福田先生
福田先生
種芋を抜かないように注意して、いらない芽を根元からかき取りましょう。

Step5. 追肥と土寄せ

ジャガイモの土寄せ
画像提供:福田俊
芽かきをしたら、土寄せを行いましょう。
ジャガイモは、土寄せを行うことで、土中に「ストロン(匍匐茎)」が伸びやすくなり、芋がたくさん形成されます。
マルチを使用しない普通栽培は、ぼかし肥料をふってから株元に土を高く寄せましょう。マルチを張っている場合は、ぼかし液肥を茎葉に散布します。
福田先生
福田先生
マルチ栽培では土寄せはしませんが、マルチのすぐ下に芋ができます。マルチをはげば、芋を掘り出さなくても芋拾い状態で収穫できますよ。

ぼかし液肥の作り方
・1Lの空ペットボトルに、ぼかし肥料を一掴み入れる
・水を満たしたらよく混ぜ、2~3日置く
・使うときは、原液(上澄み液)を100倍程度に薄めて散水する


Step6. 収穫

ジャガイモの収穫
画像提供:福田俊
下葉が黄色くなり始めたら収穫のタイミングです。
マルチなしの普通栽培は、スコップで芋を切らないように注意しながら掘り起こして収穫します。マルチ栽培では、マルチ直下にジャガイモができているため、手で拾って収穫することが可能です。

ジャガイモの花が咲いたら

ジャガイモの花
画像提供:福田俊
花が咲く頃は、すでに地下に芋ができています。取っても取らなくても大差はないため、花を鑑賞しましょう。

ジャガイモのプランター栽培



ジャガイモはプランターでも育てることができます。ベランダなどの狭いスペースしかないという人もぜひ挑戦してみてくださいね!

プランターのサイズ

できるだけ大きなプランターを選びましょう。植え付けられる株数の目安は、尺鉢(10号鉢)で種芋1つになります。
ITEM
グロウコンテナ 30型 10号鉢
移動に便利なハンドルが付いた10号サイズのプランター。受け皿をフタにして重ねることができるので、ガーデニング用品の収納にもおすすめです。

・サイズ:直径30×高さ28.7cm
・容量:11L
・カラー:ホワイト、グリーン、ブラック

いつもこれにしてます。
軽いし、取っ手が付いていて持ちやすいし、デザインがシンプルお洒落ですね。


プランター選びに困ったらこちらの記事をチェック!

用土

市販のプランター用培養土で育てられます。
ITEM
ハイポネックス培養土 鉢・プランター用
元肥として緩効性肥料マグァンプKを配合した、プランター栽培に最適な培養土。適度な排水性と通気性、保水性があり、保肥性にも優れています。

・内容量:14L

植え付け

長さのあるプランターを使用する場合は、種芋を30cm間隔で植え付けます。

芽かき

芽が出始めて、10cmほどに生長したら、2~3芽または1本に芽かきします。

肥料

種芋の植え付けの際と芽かきをした後に、ぼかし肥料を与えます。

土増し

芽かきを行ったら、土増しをします。プランターでは畑のように土寄せができないため、株元に用土を足してください。

水やり

露地栽培とは異なり、プランター栽培は頻繁な水やりが必要です。雨の日以外は、毎日水やりをしましょう。

収穫

下葉が黄色くなったら プランターごとひっくり返して収穫します。

ジャガイモを長期間おいしく保管する方法とは?

ジャガイモ
画像提供:福田俊
収穫後すぐのジャガイモは、新じゃがのジューシーな食感を味わえますが、2週間ほど保存&追熟させるとデンプン質が糖分に変化し、甘いジャガイモになります。うまく保存すれば、さらに長期保管もできますよ!

Step1. 乾燥させる

収穫直後、2時間ほど天日干しします。その後、1週間ほど雨が当たらない場所に広げて乾燥させます。その際、日光が当たると緑化してしまうので、遮光ネットを被せましょう。

Step.2 日の当らない場所で保存する

乾燥させたジャガイモの土を、ある程度落としておきます。ジャガイモの保管に適している気温と場所は、10℃前後の湿度の低い冷暗所です。寒い地域ではダンボールに入れて、日の当たらない場所に置いておきましょう。気温が高い場合は、新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室に入れておくのがベストです。

ジャガイモの病気と害虫

ジャガイモのそうか病
出典:写真AC

ジャガイモの病気

ジャガイモを始めとする根菜類に多く見られるのは、「そうか病」です。ジャガイモの表面に凸凹とした病斑ができる、土壌伝染性の病害になります。そうか病を回避するには、有機質たっぷりの良い土作りを心掛けましょう。

福田先生が解説!良い土壌作りとは?


ジャガイモの害虫

ジャガイモにつきやすい害虫は、「ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ)」です。てんとう虫に似た害虫で、黒い斑点が多いのと、全体がオレンジ色なのが特徴です。成虫だけでなく幼虫も葉を食害するため、成虫が卵を産み付けて幼虫が食害すると、更に葉がボロボロになってしまいます。葉に食害があるのを見つけたら、葉裏などに幼虫が寄生していないかよく観察してください。発見次第、手で捕まえて駆除します。

「ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ)」の詳しい対策法はこちら!


家庭菜園におすすめのジャガイモの品種



ここからは、福田選先生おすすめのジャガイモの品種を紹介します!

春植えにおすすめの品種

男爵

ITEM
男爵
日本で最も栽培されているジャガイモの品種と言えば「男爵」。粉質が強く、加熱するとホクホクした食感が楽しめます。じゃがバターやフライドポテト、ポテトサラダやコロッケなどにおすすめ。

・内容量:2kg

メークイン

ITEM
メークイン
煮崩れしにくいメークインは、肉じゃがやカレー、シチューなどの煮込み料理に最適!低温で貯蔵すればさらに甘味が増します。

・内容量:1kg

キタアカリ

ITEM
キタアカリ
「男爵」の品種改良により生まれた「キタアカリ」。そのため、皮の色や形は男爵とよく似ていて、扁球形でゴツゴツしています。加熱すると、ホクホクした食感に。色や甘味が強いため、栗じゃがとも呼ばれます。

・内容量:1kg

秋植えにおすすめの品種

デジマ

ITEM
デジマ
煮崩れしにくい「デジマ(出島)」は、ジャガイモの定番。扁球形~球形で大きくなりやすい品種です。皮と果肉は淡い黄色をしています。肉質は、やや粉質でホクホクと食味が良いのが特徴。肉じゃがや煮物、味噌汁の具などにおすすめです。

・内容量:1kg

ニシユタカ

ITEM
ニシユタカ
デジマよりやや軟らかく、煮崩れしないため、おでんやカレーなど煮込み料理に最適な品種。形はやや球形で、芽が浅くて皮がむきやすいのも魅力。
※こちらの種芋は秋植えシーズン前の予約販売となります。

・内容量:1kg

春植え・秋植えどちらも可能な品種

アンデスレッド

ITEM
アンデスレッド
「ネオデリシャス」「レッドアンデス」という別名でも呼ばれるジャガイモ。形は丸く、赤い皮と鮮やかな黄色の果肉が特徴です。肉質は粉質で、ゆでるとホクホクして甘味が感じられます。春植え・秋植え栽培が可能。

・内容量:1kg

ジャガイモの品種はこちらの記事でも詳しく紹介しています!


早めに収穫!新鮮なジャガイモを味わおう

ジャガイモ
画像提供:福田俊
ジャガイモは一度の植え付けで、たくさん収穫ができる野菜です。うまく保存すれば、長い間食べることもできて重宝します。収穫が遅くなると、不必要な芽が出てきてしまうので、早めに収穫しましょう!

紹介されたアイテム

草木灰 朝日工業
グロウコンテナ 30型 10号鉢
ハイポネックス培養土 鉢・プランター用
メークイン
キタアカリ
デジマ
サイトを見る
ニシユタカ
サイトを見る
アンデスレッド

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AGRI PICK 編集部

AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。

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