目次
- Akiko Isono
編集者兼ライター。家庭菜園・ガーデニング専門誌の編集に8年間携わり、現在は雑誌やムック、WEBを中心に、植物、農業、環境、食などをテーマとした記事を執筆。好きな野菜はケールとにんじん。…続きを読む
それは、ホクホクのジャガイモ!
定番の男爵いもやメークインのほかに、最近は赤や紫色などの、ちょっとめずらしい品種も見かけるようになりました。絶品フライドポテトが作れる品種など、おいしさ重視のものも登場しています。
この春育てたい最先端のジャガイモを、ぜひチェックしてくださいね!
1. ジャガイモ栽培は初心者にもお手軽!
ジャガイモは丈夫で初心者でも失敗しにくい野菜。畑でもプランターでも育てられるので、初めて家庭菜園に挑戦する方にもおすすめです。栽培のスタートは2〜3月で、本格的な家庭菜園シーズン前の「肩慣らし」として、あちこちの畑でジャガイモの植えつけが始まります。じつはジャガイモは品種がとても多く、日本国内で栽培されているものだけでも約60〜70種。家庭菜園用にも20〜30種ほどが手に入ります。
畑や庭でジャガイモを栽培する方法は、こちらの記事で!
プランターでジャガイモを栽培したい人は、こちらをチェック
農業でジャガイモ栽培に挑戦したい人は、こちらをチェック
2.「種イモ」の入手はお早めに
ジャガイモの栽培は、種や苗ではなく、「種イモ」と呼ばれるものを土に植えて、そこから新しいイモをふやします。種イモは、前年に収穫したイモを、芽が出ないように温度管理して貯蔵したもので、植え付けシーズン前の1〜2月から出回り始めます。早めに予約注文を取り、シーズン直前に発送するところもあるので、めずらしい品種などは品切れになることも。お目当ての品種があるなら、ぜひ早めに購入することをおすすめします。欲しい品種が手に入らない……そんなトラブルも回避できますよ。
次の項目でおすすめ品種を紹介しますので、ぜひご参考に!
3.【おすすめ品種①】赤、紫、マーブル模様。見た目が楽しいカラフルジャガイモ
まずは人気のカラフル品種を一挙に紹介しましょう。皮が赤や紫色のもの、中もカラフルなものなど、バリエーション豊富ですよ。色を生かしてポテトチップスやマッシュポテトにすると、いつもの一皿が見違えるほど華やかになります!
ノーザンルビー
皮は赤、中は鮮やかなピンク色。表面がつるんとしていて皮むきも楽にでき、メークインに似たなめらかな口当たり。加熱しても煮崩れはしにくく、また色落ちが少ないため、スイーツやポテトサラダなど、色を活かした幅広い料理で使えます。抗酸化作用の高いアントシアニンが含まれています。ノーザンルビー 種芋
ジャガキッズ・パープル
皮が紫色で、中は黄みがかった色です。皮付きのフライドポテトやチップスにすれば、2トーンの彩りが楽しめますね。ジャガキッズ・レッド
皮は薄い赤で、中は薄い黄色。火を通すと黄色が濃くなってより鮮やかに。なめらかな口当たりのジャガイモです。シャドークイーン
皮も中身も濃い紫色で、アントシアニンを多く含んでいます。加熱しても色がしっかり残るので、紫色のマッシュポテト、ポタージュなど、変化球メニューにも挑戦できますね。シャドークイーン 種芋
インカのひとみ
赤い皮に芽の周りが黄色いマーブル模様で、切ると中は濃い黄色。「パンダジャガイモ」と呼ばれることも。小粒で長時間煮ても崩れにくいので、丸ごとポトフやカレーに入れるのとよさそうですね。インカのひとみ 種芋
レッドムーン
縦長の形と赤い皮、黄色がかった断面が、ちょっとサツマイモを思わせるジャガイモです。味もほんのり甘みがあり、ねっとり系の食感で、どんな調理でもおいしく食べられます。グラウンドペチカ
皮が鮮やかな赤で、芽の周りがピンク色のユニークなイモ。覆面レスラーに似ていることから、「デストロイヤー」の名前で出回ることもあります。皮つきのフライドポテトなど、見た目を楽しむ料理がおすすめです。4.【おすすめ品種②】いろいろな料理に向くジャガイモ
肉じゃがにコロッケ、ポテトサラダやフライドポテト……ジャガイモが主役の料理は、パッと思いつくだけでもたくさんありますね。ジャガイモは、大きく分けるとホクホク系、ねっとり系の2タイプがあり、食感によって、それぞれ向いている調理法が違います。特定の料理に使いたい、こだわり品種を紹介します。
インカのめざめ
もはや定番人気となりつつある、甘みの強いジャガイモ。断面の濃い黄色とホクホクした食感から、「栗ジャガ」とも呼ばれます。小粒なので丸ごとゆでて甘みを楽しむのもよし、すりおろしてパンケーキなどに加えるのもおすすめです。インカのめざめ 種芋
チェルシー
フランス生まれの品種で、つるんとした卵形のイモが収穫できます。火が通りやすく、ほどよいホクホク感で、おいしいコロッケやマッシュポテトが作れます。シンシア
こちらもフランス生まれで、大きなイモがたくさん収穫できる品種。芽が浅く皮がむきやすいのも、うれしいポイントですね。さっぱりとくせのない味で、フランスでは冷たいジャガイモのスープ、ヴィシソワーズによく使われるそうです。とうや
大きくて形のきれいなイモが収穫できます。でんぷん質が少なくねっとりした食感で、カレーや肉じゃがなどの、しっかり煮込む料理にぴったりです。ホッカイコガネ
フライドポテト用品種として開発されたジャガイモで、油との相性がよく、揚げると極上のホクホク感が楽しめます。揚げても色が変わりにくいので、ポテトチップスなどにもおすすめですよ。ホッカイコガネ 種芋
きたかむい
ややねっとり系の食感で、しっかりした甘みがあり、コロッケにぴったりの品種です。火の通りが早く、ポテトサラダやマッシュポテトなどにも。きたかむい 種芋
アローワ
あっさりとしたくせのない味で、長時間煮込んでも煮崩れしにくく、肉じゃが、おでんなどの煮込み料理向き。もちろん、洋風にポトフやシチューもおすすめですよ。アローワ 種芋
5. 品種選びでレシピの幅が広がる
毎日の食卓に欠かせないジャガイモだからこそ、品種のバリエーションもいろいろ。彩りや食感の違いなど、それぞれのこだわりで、ぜひ気になる品種を探してみてください。
食べたことのないジャガイモが収穫できたら、今まで作ったことのない、料理にも挑戦してみたくなるかもしれませんね!