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- AGRI PICK 編集部
AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。…続きを読む
【結論】「酸性を好む植物」の栽培や「根腐れ防止」には鹿沼土が最適!
ブルーベリーやサツキ、多肉植物などが代表例。室内で観葉植物を育てる際にも、鹿沼土を少しブレンドするだけで土がジメジメしにくく、根腐れのリスクを下げることができます。
鹿沼土が選ばれる理由
- 酸性度(pH4〜5)の土壌づくり鹿沼土は酸性度が高く、ブルーベリーなど酸性を好む植物との相性が抜群です。
- 抜群の排水性・通気性粒の表面に小さな孔が多く、水はけ・通気性を大幅にアップ。根腐れ防止に役立ちます。
- 害虫・雑菌がつきにくいで挿し木にも◎有機質や肥料分を含まず清潔なので、植物の挿し床にも適しています。
鹿沼土の用途の具体例
1. ブルーベリー栽培
- ブルーベリーは酸性土壌必須市販の培養土だけでは酸度が足りないことが多いですが、ピートモス+鹿沼土の組み合わせなら安心です。
- 実が付きやすくなる根が健やかに育つので、果実がしっかり実りやすくなります。
2. 多肉植物
- 乾燥が好きな多肉に最適鹿沼土を混ぜると余分な水分を溜めにくく、根腐れ予防に。特にエケベリアなど繊細な品種は◎
- 粒の大きさは小粒〜細粒が定番見た目もスッキリとまとまります。
多肉植物の種類や育て方についてはこちらをチェック!
3. 観葉植物
- 室内のジメジメ環境でも根腐れしにくいシュッとした仕上がりを目指すなら、全体の2割程度を鹿沼土に。
- pHが下がり過ぎないように要調整鹿沼土の入れ過ぎは酸性が強くなりすぎるのでバランスが大事です。
観葉植物の種類や育て方のコツはこちらの記事で!
4. 挿し木
- 雑菌が少なく、発根がスムーズ枝や茎を挿して増やす「挿し木」は、清潔で保水力のある土を使うのが鉄則。鹿沼土はその条件にぴったり。
- 小粒や細粒を選ぶと挿し穂が安定スペースが小さい鉢や育苗トレーにも使いやすいサイズです。
詳しい挿し木の方法は、こちらの記事をチェック!
だからこそ鹿沼土を使おう!
鹿沼土は有機質をほとんど含まないので、「酸性土壌を作りたい」「通気性と排水性をアップしたい」「挿し木を清潔に管理したい」 というシーンで真価を発揮します。酸性の植物にはメインで、酸性以外の植物には補助的に使うのがコツです。
鹿沼土とは?基礎知識をサクッと解説
どんな土?
- 栃木県鹿沼市周辺の火山灰(赤城山噴火の堆積物)が風化したものです。
- 実は“軽石”の一種で、有機質・肥料分はほぼなし
主な特徴
- 酸性度が高い(pH4〜5)サツキ、ブルーベリー、ツツジなど“酸性を好む植物”に適応。
- 粒の表面に多数の孔保水力・排水性・通気性を兼ね備えている。
- 粒の大きさは4タイプ「細粒」「小粒」「中粒」「大粒」で使い分け可能。硬質タイプは長持ちしやすい。
赤玉土・日向土・ピートモスとの違いは?
鹿沼土・赤玉土・ピートモス・日向土の比較表
用土名 | 酸度 | 排水性 | 通気性 | 保水性 | 保肥性 | 粒の硬さ |
鹿沼土 | pH4~5(酸性) | 良い | 良い | 良い | やや劣る | 硬い |
赤玉土 | pH5~6(弱酸性) | 良い | 良い | 良い | 良い | やや柔らかい |
ピートモス | pH3~4(強酸性)※酸度無調整のもの | 悪い | 良い | 良い | 良い | ー |
日向土 | pH6前後(弱酸性) | 良い | 良い | 悪い | 悪い | 硬い |
赤玉土(pH5〜6の弱酸性)
より多用途に使える定番土。鹿沼土よりやや崩れやすいが保肥力は高い。赤玉土の種類や特徴、使い方についてはこちらをチェック!
日向土(弱酸性)
宮崎県産の軽石で、排水性がピカイチ。酸度がブルーベリーに合わないことも。日向土の活用法やおすすめの種類はこちらをチェック!
ピートモス(pH3〜4の強酸性)
コケなどが堆積した泥炭。ブルーベリーには鹿沼土と合わせるとさらに効果的。ピートモスの特徴や使い方はこちらの記事で紹介しています!
鹿沼土を始めとする、園芸用土の種類についてはこちらの記事で!
粒のサイズ別!鹿沼土の選び方と用途
サイズ | 粒径目安 | おもな用途 |
細粒 | 約1~2mm | 挿し木、種まき、ミニ多肉など |
小粒 | 約2~6mm | 一般的な草花、小さめの鉢植え |
中粒 | 約6~13mm | 観葉植物、樹木、盆栽など |
大粒 | 約13~25mm | 鉢底石、底敷き用 |
- 鉢底石として大粒水はけUP&虫の侵入予防にも。
- 観葉植物や樹木には中粒根が太い植物にも空気が届きやすい。
- 一般草花や多肉・挿し木には小粒・細粒安定感が欲しい場合は小粒、挿し木などは細粒。
それぞれの鹿沼土の値段を楽天やAmazonでチェックしてみましょう!
大粒
大粒の鹿沼土は、鉢底石として使えます。鉢の底が見えなくなるくらいまで敷くことで、水はけと通気性が向上し、土が漏れたり虫が侵入したりするのを防ぐことができます。【鹿沼土の大粒】鉢底石にしても崩れにくい硬質タイプ
中粒
中粒の鹿沼土は、樹木や盆栽、観葉植物など、普通の草花より根の太い植物に適しています。【鹿沼土の中粒】粒の硬いものだけを選別した硬質タイプ
小粒
花、野菜全般におすすめな使いやすいサイズです。酸性を好む山野草との相性も◎【鹿沼土の小粒】手軽に使える少量タイプ
細粒
挿し木や種まき用に使われる、一番粒の細かいタイプ。手のひらサイズの小さな観葉植物やサボテン、多肉植物の土に最適です!【鹿沼土の細粒】挿し木やミニ鉢、多肉植物に最適!
鹿沼土に関するQ&A
鹿沼土を野菜の栽培に使うことはできる?
野菜は弱酸性~中性の土壌が適しています。そのため、鹿沼土のみでは酸性に傾き過ぎてしまい、うまく育てられません。鹿沼土を使うのであれば、赤玉土や腐葉土、野菜用の培養土などの基本用土に少量をブレンドすると良いでしょう。
鹿沼土はほかの土で代用可能?
排水性・通気性を高める用途でいえば、赤玉土の中粒~大粒、日向土などで代用できます。ただし、赤玉土は鹿沼土よりも柔らかいため、粒が崩れて水はけが悪くなりやすいのがネックです。
挿し木や種まきをする用途では、バーミキュライトや小粒の赤玉土、川砂、パーライトが鹿沼土の代わりとして使えます。