霜害(凍霜害)とは
初霜害
秋から初冬にかけて発生する霜害のこと。成熟期の作物が被害にあうことが多いです。晩霜害
春から初夏にかけて発生する霜害のこと。春は多くの作物が芽吹いたばかりの新芽の状態なので、寒さに耐える力がなく大きな被害が発生することがあります。霜害と地形との関係
霜害は夜間、移動性高気圧におおわれて晴天で無風に近い状態のときに、地表の放射冷却が盛んになることで低温になって発生します。このようなときの地表の温度は、地形によって大きく異なるため、霜害の発生は局地性が大きいです。霜害が発生しやすい場所
風が弱まりやすく、冷気がたまりやすい場所。盆地の低地部、小規模な凹地、傾斜面を横切って空気の流れをせき止める形となる土手や樹林の山手側、平坦な場所では防風林で囲まれた場所などがあたります。そばや果樹の生産が盛んな長野県下條村も、霜害に悩まされてきた地域。
霜害が発生しにくい場所
山の中腹。標高200~300mのあたりはサーマルベルト(斜面温暖帯)と呼ばれ、それより低地部と比較して霜がおりない期間が長いことが知られています。霜害の症状
霜害を受けやすい作物は?
果樹、茶、ムギ、アスパラガスなどの野菜、植林した樹木の苗木などが霜害の被害を受けやすいです。霜害を受けると植物はどうなる?
霜がついて、耐えることができなかった葉や新芽は、霜が消えてしばらくすると油浸状になり、やがて褐色や黒色になって枯れてしまいます。これは、低温により植物の組織が凍結し、破壊されたことによるものです。葉の重なりがある場合には、上側で露出している葉だけが枯れてしまうことが多く、これは、霜が直接ついて氷結した部分だけが被害を受けたことを示しています。葉物野菜は、初霜で出荷が早く終わってしまうことが多く、果樹は、遅霜で花が落ち受粉できなくなることで、その年の収穫が期待できなくなります。ナスやトマトも遅霜を受けると1回で苗が枯れてしまいます。
過去の被害状況
霜害を防ぐにはどうしたらいい?
霜害を予測する
気象庁が発表する霜注意報を活用します。霜注意報は最低気温の予想値によって出されるものです。しかし、場所によっては気象庁発表予定の最低気温が5℃でも霜害が発生することもあります。普段から自分の畑の気温の測定を行い、気象庁発表の気温との差を理解しておくことが重要です。霜害の対策
霜害対策にはさまざまな方法がありますが、対応できる低温の程度やコストや労力などに差があります。育てている作物や畑の環境に合わせて、適切な対策を選びましょう。被覆法
送風法
燃焼法
薪などの可燃物を燃やして熱で温める方法。夜間に作業を行うことになるので、負担が大きいという声もあります。散水氷結法
水は氷になるときに、1gにつき79.7calの潜熱を出します。この氷結時に放出される潜熱を利用して霜を防ぐのが散水氷結法です。通常、スプリンクラーを利用して散水します。植物体に散水された水はその上で凍りつつ、植物体を凍死温度よりも高い0℃近くに維持します。気温が一定以下になると自動で散水を始めるスプリンクラーを設置しておくと安心です。煙霧法
煙や人工霧で放射冷却を少なくする方法で、盆地などに向いています。日没後できるだけ早く、くん煙作業を開始すると効果的です。機能性資材などの散布
凍霜害を防ぐための機能性資材が販売されています。主にトレハロース糖類を含むもので、凍霜害が起こる時期にあらかじめ散布します。凍霜害が予想される日の数日前に散布すると効果的なので、気温の予測が大切になってきます。コーヒー粕を原料にした防霜資材が登場!
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