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大根の栄養素と効能効果|栄養をたっぷりとれる簡単おいしい養生ごはん【管理栄養士監修】


大根の栄養素や効能効果について、栄養士監修のうえで栄養成分表をもとに解説します。「ジアスターゼ」などの成分の説明とともに、ぶり大根や刺身のつまに使われる理由やゆで汁の栄養、「大根はちみつ」やサラダのレシピもお伝えします。大根葉の天然入浴剤「干葉湯」など、おばあちゃんの知恵で大根を丸ごと活用しましょう。
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大根

写真提供:養生キッチンふうど
サラダや煮物、スープなどいろいろな料理に利用できる大根。定番の野菜のひとつですが「栄養が少ないのでは?」と思っている人もいるかもしれません。でも実は消化酵素など栄養が豊富に含まれており、美と健康にうれしい効果が期待できることをご存知でしょうか。ここでは、「ジアスターゼ」など大根の栄養素とともに、「大根はちみつ」などの大根を使った簡単養生ごはんを紹介します。

大根には栄養がない!?食品成分表からみる栄養素と効能効果

大根
出典:Pixabay
大根は、昔から「大根おろしに医者いらず」「大根どきの医者いらず」ともいわれており、私たちの健康を守ってきた野菜のひとつ。食品成分表(※)によれば全体の9割以上が水分であり、100gあたり15kcalです。

大根に含まれる栄養素

ビタミンC|抗酸化作用が期待できる

代表的な栄養素として、抗酸化作用が期待できる「ビタミンC」を含有しています。ビタミンCは中心部よりも皮に近い部分に多く含まれているので、皮ごと食べるのがおすすめです。

イソチオシアネート|抗菌作用

大根の辛味のもとになっている成分「イソチオシアネート」には、抗菌作用や血栓ができるのを予防する作用があるといわれています。この成分は大根を切ったりすりおろしたりすることで発生し、根の先端部分のほうが含有量が多いとされています。揮発性の成分なので、食べる直前に調理するようにしましょう。

※出典:北陸農政局WEBサイト(https://www.maff.go.jp/hokuriku/seisan/engei/tokusan201610.html)

ジアスターゼ(アミラーゼ)|消化促進

大根は、デンプンを分解する消化酵素「ジアスターゼ(アミラーゼ)」も豊富に含んでいます。キャベツやカブ、長芋にも含まれる酵素であり、整腸剤にも使われています。胸やけや胃もたれ・二日酔いの予防、消化促進にも役立つといわれています。

ジアスターゼを摂取するには生食がおすすめ
ジアスターゼは熱に弱く、加熱するとその効果が少なくなってしまいます。効果的に摂取するためには、大根おろしのように生で食べるのがおすすめです。たとえば、大根おろしを食前に食べたり、焼き魚やステーキなどに大根おろしを添えたりするのは、消化を促進するうえでとてもよい食べ方です。

このほか、脂質を分解する酵素「リパーゼ」やたんぱく質を分解する酵素「プロテアーゼ」なども含有しています。

※出典:VEGEDAY「大根」栄養たっぷり!大根の賢い保存方法
※参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020版(八訂)」

大根が「刺身のつま」や「ぶり大根」に使われる理由

刺身のつまに使われることが多い大根。消化酵素を多く含んでいることを考えると、とても理にかなっています。大根のイソチオシアネートによる抗菌作用により、刺身による食中毒などのリスクの予防にもなります。

ぶり大根はもともと富山県の郷土料理であり、ぶりと大根をじっくり煮て作られます。ぶりのだしが染みた大根は格別のおいしさですが、味だけでなく栄養面でも優れています。ぶりのあらを使ってぶり大根を作ると煮汁がゼリー状になることがありますが、これはぶりの骨に含まれるコラーゲンによるものとされています。ビタミンCはコラーゲンの合成を助けます。ぶり大根は栄養面でも相性のよい組み合わせといえるでしょう。

※参考:健康長寿ネット「ビタミンCの働きと1日の摂取量」

大根おろし汁やおでんのゆで汁には栄養がたっぷり

大根おろしのしぼり汁は料理や下ごしらえに

大根おろしは大根をすりおろした後、汁を軽くしぼって作りますが、この汁を捨てていませんか。すりおろした汁には消化酵素が含まれているので、料理や下ごしらえなどに活用するようにしましょう。たとえば、そばなど麺類のつけ汁に加えたり、和え物やドレッシングなどの材料に混ぜたりすると使いやすいです。独特の辛味が苦手な場合は、りんごジュースなどに混ぜると飲みやすくなります。このほか、魚や肉に下味を付ける際に使うと、加熱しても肉や魚が柔らかく仕上がります。

ゆで汁をスープに

大根を使った定番料理「おでん」を作るときに、大根の臭みを取って味がよく染みるようにするために、大根を事前に下ゆですることがあります。下ゆでは、雑味がなくすっきりとした味わいに仕上げたいときや、プロの料理人によく利用される方法です。このゆで汁には水溶性のビタミンCなどが溶け出しているので、捨てずにスープなどに利用するようにするのがおすすめです。

もちろん、下ゆでをしないでそのまま煮込めば、栄養を余すところなく手軽に摂取できます。ちなみに我が家のおでんは、大根だけを先にゆでた後、そのままほかの具材を加えて煮込んで仕上げることが多いです。大根を下ゆでするかどうかについては、好みやシチュエーションに合わせて使い分けをしてみてもいいかもしれません。

大根とダイエットに関連はある!?

水分量の多い大根は、カロリーの低い野菜のひとつです。また、消化酵素の働きにより消化が促進され、胸やけや胃もたれの緩和に有効です。ダイエットに直接関連があるとはいえませんが、食事に大根おろしを添えるなどすると、消化を助けてくれます。

大根の栄養素を活かす、簡単おいしい養生ごはん

大根
出典:Pixabay
ジアスターゼなどの消化酵素を効果的に摂取するためには、生で食べるのがおすすめです。生食する方法として、大根はちみつや大根のサラダ、大根の漬物(ぬか漬け・酢漬け・キムチ)を紹介します。


大根はちみつ

大根はちみつ
写真提供:養生キッチンふうど
のどの痛みや咳(せき)が出始めたときなどに、昔からよく利用されてきた「大根はちみつ」。刻んだ大根にはちみつを加えて置いておくだけで完成する、おばあちゃんの知恵のひとつです。我が家ではのどに違和感を感じるときなどによく作りますが、子どもにも食べやすく喉の不快感などが和らぐことから、とても重宝しています。できあがった大根はちみつは、そのまま食べるのはもちろん、水やお湯で割って飲むのもおいしいです。

〈材料〉作りやすい分量
・大根 100g
・はちみつ 50g(大さじ3強)


作り方

  1. 大根は1センチ角にカットする。
  2. 清潔な保存容器に大根とはちみつを入れる。
  3. 大根の水分が出てきたら菜箸などで全体を混ぜて、2~3時間置く(夏は冷蔵庫に入れるが、それ以外の時期は常温でOK)。
    大根がシワシワになればできあがり。冷蔵庫で保管して、早めに食べ切るようにする。

大根のサラダ

大根サラダ
写真提供:養生キッチンふうど
千切りにした大根をさっぱりと味付けした、大根サラダ。こってりした料理と組み合わせるのもぴったりの一品です。写真は、千切りした大根に豆苗とのりを加えて、しょうゆ・黒酢・ごま油を混ぜたドレッシングで和えた後、すりごまを加えたもの。ごまの香りを生かすため、すりごまは最後に使うのがポイントです。

豆苗の代わりにかいわれ大根やスプラウト、のりの代わりにかつお節や青のりを使うのもよく合います。

〈分量の目安〉2人分
・大根 150g
・豆苗・のり・かつお節など(お好みで) 適量
・しょうゆ・黒酢(酢でもOK)・ごま油 各大さじ1
・すりごま 大さじ1/2


大根の漬物(ぬか漬け・酢漬け・キムチ)

大根キムチ
写真提供:養生キッチンふうど
大根は、ぬか漬けや酢漬けなどの漬物にするのもおすすめです。韓国には大根を使ったキムチ「カクテキ」がありますが、スパイスなどとの相性も抜群です。大根自体は淡泊な味わいなので、味付けを変えれば飽きずに楽しむことができます。常備菜として冷蔵庫などにストックしておき、継続して食べるようにしてみてはいかがでしょうか。

農家さんに聞く!おいしい大根の食べ方はこちら


大根の葉っぱも栄養たっぷり!料理や干葉湯に活用しよう

大根の葉
出典:Pixabay
大根は白色の根の部分だけでなく、葉の部分にも栄養が含まれています。特に家庭菜園などで収穫した大根は、丸ごと大切に味わいたいですね。大根の葉のあく抜き方法や保存方法を把握して、葉を使った菜飯やふりかけ、昔ながらの天然入浴剤「干葉湯(ひばゆ)」を作ってみてはいかがでしょうか。

天然入浴剤「干葉湯」など、大根葉の活用方法はこちら


大根をたくさん収穫したら「切り干し大根」を作るのもおすすめ

大根
出典:Pixabay
家庭菜園などで大根がたくさん収穫できて、食べ切れない!そんなときには、「切り干し大根」を作ってみてはいかがでしょうか。しっかりと乾燥させて水分を飛ばすことで、全体のかさが減り保存性も高まります。

切り干し大根の作り方

切り干し大根の作り方や、定番の煮物レシピほか「混ぜるだけ」の簡単養生ごはんを紹介しています。

大根の保存方法についてはこちら


大根を上手に活用して、健やかに過ごそう

大根
出典:Pixabay
ビタミンCやイソチオシアネート、ジアスターゼなどの消化酵素がたっぷりと含まれている大根。大根おろしや刺身のつま、ぶり大根などの定番料理は、大根の効能効果を引き出す知恵が詰まっており、理にかなった活用法です。今回紹介したおばあちゃんの知恵「大根はちみつ」などのレシピも参考にしながら、大根の栄養をしっかりと摂取したいですね。大根を上手に活用して、健やかに過ごせますように。

畑でもプランターでも!大根の育て方はこちら


かいわれ大根の育て方はこちらをチェック


おばあちゃんの知恵を活用しよう!バックナンバーはこちら

おばあちゃんの知恵

栄養監修 宮崎奈津季
管理栄養士、薬膳コーディネーター。介護食品メーカーで営業を2年間従事した後、独立。レシピ開発、商品開発、レシピ本の栄養価計算などの経験あり。現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。

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この記事の筆者:
松橋 佳奈子

早稲田大学を卒業後、企業とNPOにてまちづくりの仕事に10年以上携わる。その間にバックパッカーとして35カ国を訪問・視察し、世界各地の風土と食文化について考察を深める。2014年に薬膳とおばあちゃんの知恵をベースに「養生キッチンふうど」を立ち上げる。現在は愛知県を拠点とし、風土食やエシカル、ソーシャルビジネスについての執筆活動を行っている。主な資格は、登録ランドスケープアーキテクト(RLA)と国際薬膳師。

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